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指輪

「おおぉぉぉぉぉぉぉ〜〜〜」


グニラが、クレールをナイフで刺して叫んだあと、会場にいた30名くらいの者が雄叫びをあげたのだった。

そして、叫んだ者たちは上着を脱ぎ捨て、赤い服になり、次々と赤い服でない者を刀などで刺しだした。


「いったい何が起こっているんだ?」


俺は初めてきたグループのアジトで内乱が起きて、わけがわからなかった。

それに、変な時に巻き込まれてしまったと思った。

俺のところにも赤い服の奴らが攻撃してくるが、仕方がなくたおしていく。


「ねぇ、クレールのところにいけない?」


ミカから必死に俺の服をつかみながら頼んできたのだった。


「わかった」


俺はミカをつかみ、クレールのところに瞬間移動をした。


「クレール」


ミカはクレール手をつかんで話しかけたのだった。


「ミカ、私の部屋に連れてってくれないか?

それと、アシムも一緒に来て欲しい」


クレールはミカの呼びかけに苦しそうに答たのだった。

ミカはそれを聞いて、俺を見てくる。


「わかった。どっちに行けばいい?」


俺はミカが指を指した方に瞬間移動をしたのだった。



瞬間移動をした。

洞窟の細い道に入って行く際に、赤い服の奴らから追いかけられないよう入り口を壊したのだった。

入り口と部屋側の間に5mくらいの土砂崩れができただろうか。

しばらくしないと追ってはこれないと思う。

そのあと、俺はクレールを抱えて、ミカの案内で部屋に向かったのだった。


クレールの部屋に向かっている途中、クレールを治癒魔法で治そうと当然試みた。

だが、グニラがナイフで刺した時にグリグリとして傷口を広げたらしく、延命程度にしかならず、全部回復させることができなかった。



そして、10分くらいでクレールの部屋に無事に着いた。

部屋の奥の真ん中に仏壇みたいな物があった。おそらく昔の魔王を祀っているところなのだろう。


「ミカ。実は昔の魔王の血を引いているのだ。

目立ったところにいると、今回の私みたいに命を狙われる可能性があるからずっと私が変わりを務めてきた。

それで、一族を祀ったところにある指輪をお前が受け継いで欲しい」


クレールは血を吐きながら苦しそうに言ったのだった。


「ーーーえっ……。

言っている意味がわからない……」


ミカは怪訝そうに答えた。


「そのミカエルという名前は、昔の魔王から受け継がれてきた名前だ。

あと、昔の魔王の血を引いていれば、指輪をつけるとなんらかしらの反応があるはずだ」


ミカはそう言われ、不思議そうに指輪をとってつけた。

すると、光りだした。強く。


「ミカ。今後はお前が正当な頭領だ。

だが、無茶はするなよ。ヘタをして殺されないように。

それと、アシム。お前が現魔王なのだろう?知っていたぞ。

ミカの今後ををよろしく頼む。

あと、昔の魔王を祀ったところにある剣を持ってみてくれないか?」


俺はクレールを見ながら、頷き、剣を持った。

すると剣が炎になった。

が、俺はその炎に触っているのに熱くない。

そして、炎は徐々に鳥の形になり、羽ばたき俺の肩に乗ったのだった。

だが、俺の服は燃えなかった。おそらく、燃やす物と燃やさない物を自由に選択できるのだろう。


「そうか、剣に選ばれ……」


クレールは途中まで言いかけて息を引き取ったのだった。

おそらく役割を果たせてホッとしたのだろう。

だが、指輪と剣がいったいどんな意味があるのか知りたかったのにその前に死んでしまってわからないままだ。


「ミカどうする?」


俺は、クレールの上で泣いているミカを見ながら聞いたのだった。

この部屋につながる洞窟の入り口を防いだものの、ゆっくりしているとなんらかしらの方法でこじ開けて襲ってくるかもしれないのだ。


「ーーーうぅぅぅ……。

どこかに逃げよう」


ミカはひどく泣きながら言ったのだった。


「わかった」


俺はミカと一緒にそとへ瞬間移動をしたのだった。

その後、ミカはずっと泣いていたので、俺は近くにいて敵があらわれないように見張っていたのだった。




◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇




「それで、これからどうするの?」


俺はミカが落ち着いてきたので聞いたのだった。

朝になり、朝日が昇り出している。

ちなみに炎の鳥は明るく夜中に目立つので消えられるかどうか聞いたら消えたのだった。

混沌刀と同じで呼べば出てくるのだろう。


「知り合いのところに行ってみるわ」


ミカは作り笑顔で言ったのだった。頰に涙の跡が残っている。


「そうか、けど、俺が魔王ってばれてたんだな?」


俺は苦笑いをしながら聞いたのだった。


「最初からばれてたわ。

クレールに相談したら、利用してやろうって言って、昨日の仕事に加わらせたの。

結果、ゼリエル相手に誰も怪我しなかったんだから、正解だったわ」


ミカは泣くのをこらえながら言ったのだった。


「そうか、何かあったら俺のところにこいよ」


「それって、私のことを……」


ミカは顔を赤らめながら言ったのだった。

いったいどうしたのだろう?


「まあ、妥当現魔王のグループの頭領が、現魔王に頼りに行くなんて変だもんね。

逆にアシムが私んとこに来なさいよ。

そうすれば、みんな丸くおさまるんだから」


俺とミカはそんな感じで雑談して、しばらくして別れたのだった。

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