仮面
「君が、我がグループに入りたいと言っている奴か?」
俺はミカが待ち合わせと言っていた場所で立っていると声をかけられた。
見た目の年齢は俺より上だろう。
髪はグレー色で長い。お姉さんって印象を受ける。
「はい、そうです。
ミカにお願いしました。アシムと言います」
「あっ、私より先に2人ともついていたんだ」
俺が、話しかけてきた人に答えていたら、ミカがきたのだった。
「それで、アシム。
君の力を知らずにグループへ入れるってわけにはいかないから、これから行う仕事を一緒にやってみてそれを見てどうするか決めることにした。
あと、申し遅れてすまなかった。私は、クレールという者だ。
グループの頭領をやっている。よろしくな」
「あっ、アシム。頭領が意外と若いって思ったでしょ。
綺麗だから、手を出しちゃダメだよ。
グループで人気があるから手を出すと、怖いお兄さん達からいじめられちゃうよ」
ミカは俺をからかうように言ってきた。
確かにクレールは綺麗だ。
「ミカは、アシムを気にいてるもんなっ」
クレールはミカの方を見て、笑いながら言ったのだった。
俺はミカが『そんなことはない』って言い返すかと思ったのに、顔を赤らめて下を向いてモジモジしている。
いったいどうしてしまったのだろう。
急にトイレに行きたくなってしまったのだろうか?
「それで、今日の仕事ってどんなものなのですか?」
俺は話を進めようと聞いたのだった。
「あぁ、今日の仕事は、盗賊をして儲けている商人の家をおそい、金を盗むのが目的だ。
アシムの仕事は、ミカと私と他2人で最初に商人の家に入って中にいる奴らを全員たおす。
そして、他のグループのメンバーが商人の部屋に押し入って盗むだいる間に、魔王城の警備隊が来た時は我々で盗みをしているグループを守ることになる」
「わかった」
「けど、アシム。
君は武器を持っていないようだが、どうやって戦うつもりなんだ?」
俺はこっちの世界にいるときに武器が必要な時は混沌刀を使ってきた。
だが、正体がばれる可能性があるから混沌刀を使えない。
どうすればいいんだ。お金も持ってないからかえないし……。
「すみません、刀を持ってたのですが、森で休んでる時にうっかり盗まれてしまいまして……。
襲った商人の家で調達したいと思います」
刀を持ってない理由を盗まれてしまったことにしたのだった。
それであれば、お金を持ってないことも理由がつく。
「う〜ん。その前に襲われる可能性があるからな。
この国にこないだきた大軍が落としてった武器とかがたくさん落ちてるから、とりあえず拾って使うといい。
もっとも、価値がありそうなものは、いろんな奴が持ち去っててないがな」
クレールがそう提案してくれたのだった。
「わかりました」
俺はその提案にのり、探すことにした。
確かに言われたように、いい物は残ってなかった。
だが、その中で、ましそうな刀を拾って使うことにした。
それと、仮面もかぶることにしたのだった。万が一、俺の顔を知っている者が警備隊にいてばれないように。
だが、なかなかいい仮面がなくかっこ悪いものになり、ミカに笑われたのだった。
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