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東方外遠記  作者: 颯人
第8章 再び幻想へ ~Again to the Fantasy~
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救出失敗

「よし着いたぜ。すぐに来てくれよ?もたもたしてると謙治が来るからな!」


「わかってるさ、良太行くぞ。」


健二が早苗と霊夢がいる部屋の上にヘリを待機させ、俺と良太はヘリから部屋の屋根に降りる。


「よく躊躇なく降りれますね兄さん。今は空を飛べないから屋根から落ちたら即死なんですよ?」


「慣れだ慣れ。さっさと入るぞ。」


最初に入ってきた時と同様に『真桜剣』で屋根を切り抜いて部屋に降りる。


「霊夢さん!!」


「良太!!」


部屋に降りた良太は霊夢の姿を見るや否や走って霊夢に抱き付いた。


「バカ!本当に、本当に心配したんだから!」


「すみません霊夢さん。でも、霊夢さんが生きてて本当に良かったです。もっと霊夢さんを感じてもいいですか?」


「いいわよ、んっ。」


霊夢と良太は涙を流しながらキスをした。良かったな良太、でも2人をこのままほっとく訳にもいかないな。


「あー、感動の再会のところ悪いんだけど2人とも、続きは後でやってくれ。」


うっ、霊夢と良太に睨まれた。良い雰囲気に水を刺すなって言いたげな表情をしならがらな。


「はぁ、それもそうですね兄さん。安全な所に行ったら続きをしましょう霊夢さん。」


「わかったわ良太。けど天井に空いてる穴にどうやって向かうのかしら?私達は今飛べないわよ?」


「霊夢さんの言う通りですよ聖人。どうするんです?」


どうするも何も、飛べないにしてもジャンプは出来るからそれで向かえばいいだけだ。


「早苗、ちょいと失礼。」


「えっ?あっ、ちょっと聖人!?」


早苗をお姫様抱っこしてジャンプして屋根に跳び移る。良太も霊夢をお姫様抱っこして付いてきた。


「よしこのままヘリに跳び移るぞ。」


「分かりまッ!!兄さん危ない!!」


「遅い。人符『現世斬』!」


良太の叫び声を聞いた瞬間に早苗を良太と霊夢に向けて投げ飛ばす、荒っぽいが許してくれ早苗!


「うっ!いきなり何するんですか聖、人!?」


「いたた、兄さん!?」


何者かが放った斬撃から早苗を逃がしたから俺が斬撃を避ける時間が無くて直撃し、左腕が吹き飛んだ。


「聖人大丈夫か!?ってまずい!!」


「健二君!?」


健二と早苗の焦った声を聞いて上を向いた瞬間に健二が乗っているヘリにRPG-7の弾頭が直撃してヘリが爆発した。くそっ、遅かったか!


「おいおい、このまま逃げれると思ったか?」


左側を見るとRPG-7を持ってニヤリとと笑みを浮かべている謙治がいた。最悪の展開になって来ちまった!


「思ったんだけどな、何でこんなにも早くここに来れた?てめえの気配を感じ取れなかったぞ?」


「地下で火事が起きてからすぐにお前らを迎撃出来る準備をして次元の隙間に入って待っていたんだよ。」


ッチ、謙治の能力は非常に厄介だ。けどそれよりも妖夢のスペルを使ったのは誰だ?まさか……。


「おい、てめえの後ろにいる奴は誰だ?」


「知りたいか?教えてやっても構わないぞ。生きてたらの話だかな!」


「兄さん!上です!」


上?っていつの間にかグレネードが数十個降って来やがった!弾き飛ばそうにも間に合わねぇ!


「聖人っ!?」


グレネードが爆発する前に早苗達の周りに結界を張り、自分にも結界を張ろうとしたけど、間に合わず爆発を食らった。


「聖人は!?聖人は生きてますよね!?」


「勝手に、殺すな、早苗。ごぶっ!!」


口から血の塊を吐き出しながらグレネードの爆発の煙を振り払う。くそっ、思った以上にダメージが多い。


「ほぅ、あの量のグレネードの爆発を直撃して生きてるとはな。しぶとい奴め。」


謙治は薄ら笑いを浮かべながらゆっくりと数回拍手をした。余裕綽々な態度が腹立つぜ。


「しぶとさが、売りなんでな。それよりも、てめえの後ろにいる奴は誰だ?」


「そうだな、言葉で言うよりも姿を見せた方がいいだろう。出てこい、友人の再会だぞ。」


謙治が横に数歩歩くと謙治の後ろに居た人物が姿を現し、嘘、だろ?


「何で、何でてめえが謙治の部下になっちまってんだよ!答えろ絢斗!」


現れた人物は、無表情で俺を睨み付ける絢斗だった。


「こいつはな、もう俺の部下なんだよ。お前らの言葉など届きはしないがな。」


「どういうことですか!?まさか洗脳!?」


良太の言葉を聞いた謙治はクツクツと笑いながら首を横に振った。洗脳じゃない?絢斗は進んで謙治の部下になったのか!?


「絢斗が俺の部下になった経緯についてはご自由に想像してどうぞ。まあ、俺の部下になったのは絢斗だけじゃないがな!」


「何言って、んの、よ……。」


霊夢は絢斗の後ろの方を見て表情を固まらせた。霊夢がこんな表情になるのは珍しい、一体何を見たんだ?


「こんなの……、こんなのありなの?何であんたらが謙治の部下になってんのよ!」


絢斗の後ろには幽々子と文、それに見たことがない人物が二人いた。


「霊夢さん?幽々子さんと文さんは分かりますけど、その後ろにいる人達は誰なんですか?」


「緑の髪色で先端が三日月の形の杖を持っているのが魅魔、銀髪のアホ毛で赤い服を着ているのが神綺。二人ともかなり強いわ。」


霊夢がかなり強いと言うことは、相当な実力者という訳か。けど何で謙治の部下になったんだ!?


「フハハハ、これだけいればお前達を倒すのには充分だ。さて、本物の髪飾りを持ってこっちに来てもらおうか。東風谷早苗?」


「嫌です!貴方なんかにこの髪飾りはあげません!」


「そうか。けどいいのか?もし、こなかったら泊谷聖人はどうなるのかな?」


謙治の言葉を聞いた早苗は俺の方に向いてきた。俺はもういつ倒れてもおかしくはない、それにこれから攻撃されたら確実に死ぬだろうな。


「聖人、髪飾りを渡して。大丈夫ですよ、私はあんな奴なんかに負けませんから。」


早苗は俺が深刻なダメージを負っている事に気付いてる、しかも何時意識が飛んでもおかしくないことも。


「……ちくしょう。」


俺は素直に早苗に髪飾りを渡すしかなかった。


「ありがとう聖人。」


早苗は笑顔で俺に向けて礼を言った。礼なんて言うなよ、もう会えないみたいじゃねえか!


「今から髪飾りを着けてそっちに向かいます。その代わりに聖人達を殺さないで!!」


「いいだろう。さあ、こっちへ来い!!」


謙治はそう言ったが、一瞬だけ顔をにやけさせた。多分、早苗を謙治の元に行かせた後に俺らを殺すつもりだろうな。


頭じゃこれから起こることは理解しているけど、打開する策が見つからねえし体がもう動かねぇ。


「早苗!行ったらまずいわよ!」


霊夢が早苗に向けて警告するけど、早苗は無視して謙治の方へ歩いていく。あと数歩で謙治の元へ行ってしまう。


「兄さん、何か機械の音がしません?」


機械の音?まさか!


「俺を忘れるんじゃねえ!良太ァ、聖人を引き摺ってでも連れてこい!」


ヘリに乗っている健二が建物を壊しながら俺らの元へ突っ込んできた。ヘリは新しく造ったみたいだけど、無茶し過ぎだろ!


「霊夢さん!」


俺らの手前で静止したヘリに霊夢が乗り込み、続けて俺と良太も乗り込んだ。


「くそ、無駄なことしやがって!!撃ち落とせ!!」


「殺さないじゃなかったんですか卑怯者!?聖人、私は待ってますから生きて助けに来てくださいね!!」


あぁ、分かってるよ早苗。すぐ助けに行ってやるからな。


「カハッ!ゲホッ!」


「兄さんしっかりしてください!健二さん応急手当に必要な物を作ってください!」


霊夢と良太が慌てる声、健二の文句を言う声を聞きながら俺は意識を失った。

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