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東方外遠記  作者: 颯人
第8章 再び幻想へ ~Again to the Fantasy~
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地下での再会

「痛ってえ、あの野郎人を排泄物扱いしやがって。」


俺は謙治に落とされた後、上から流れてきた水によって地下に落とされた。


「辺り一面死体だらけか。」


俺の周りには死体、死体、死体しかねえや。人間や妖怪だろうなこれらは。


「……ここの死体はすべて謙治に逆らった為に始末された人達なんだろうなあ。可愛そうに、ナンマンダブナンマンダブ。」


死体を出来るだけ踏まないようにしながら辺りの捜索を始めるか。僅かにだけど何かを焼いてる煙の匂いがするからな。


「そういや腹へったな、外の世界から持ってきた荷物は魔理沙達がいる拠点に置いてきちまったし。」


それにしても暗い、魔法で顔の斜め右上に丸い光源を配置してと。おお明るい明るい。


「まあ、2日程度なら飲まず食わずでも大丈夫だけどさ。おっ、明かりが見えてきたな。」


誰が居るのかなっと。出来れば昔に会ってる人がいいんだけどな。


「暇ね、外に出ようにもここら辺の壁は弾幕をぶつけても殴り付けても傷付かない。フランは大丈夫かしら?」


「お嬢様、妹様ならきっと大丈夫です。アリスと一緒に居るらしいですから。」


「アリスと一緒なら大丈夫そうね。レミィ、心配するのは分かるけど落ち着きなさい。」


レミリアと咲夜とパチュリーがいた。声色からして元気そうだ、食料とかどうしたんだ?


「静かに、誰かこっちに向かって歩いてくるわ。この気配、まさか聖人?」


「正解だレミリア、久し振りだな。」


俺が姿を見せるとレミリアは手に持っていた瓦礫を落とし、咲夜はナイフを落とし、パチュリーは本を落とした。そこまで唖然とするか?


「咲夜もパチュリーも久し振りだな。」


「聖人!!」


「ちょ!!抱き付くな咲夜!!」


一番速く硬直から抜け出した咲夜が飛び込んで俺の体に抱き付いて来た。咲夜そんなキャラだったか?


「死んだと思ってたのよ。お嬢様、醜態を晒すことをお許しください。」


そう言った後、咲夜は俺の胸の中で泣き始めた。おいおい、この状況どうすりゃいいんだ?


「構わないわ。聖人、よく戻ってきたわね。」


「つい半日程前に戻ってきたばっかりだけどなレミリア。お前らは何時からここにいるんだ?」


「ざっと1年間ね。謙治の部下に捕まってここに閉じ込められたわ、ご丁寧に能力を封印する腕輪も付けられてね。」


パチュリーの腕を見ると黒い腕輪が付いていた。レミリアと咲夜にも、付いてるな。


「1年間って、食事とかはどうしたんだ?」


「それについてはあのスキマ妖怪がこっそりと持ってきてくれたのよ。いい食事は出来なかったけどね。」


紫か、となると紫はまだ捕まっていないってことか。


「なるほどねぇ、そういや他に誰かここにいないのかパチュリー?」


「いるわよ、今呼ぶわ。」


パチュリーは魔法で大きな音を出した。意外と耳に響くなこれ。


「今の音は何かあったときにここに来るようにする合図みたいなものよ。」


「分かった、しばらく待つか。それと咲夜、いい加減離れてくれないか?」


咲夜に抱き付かれてる様子を紅魔館以外の人達に見られたら何か言われそうだからな。あとそろそろ生理的にまずい!


「すみません、もう少しだけこのまま抱き締めさせてください。」


「咲夜がこんなこと言うのは滅多にないんだから聞いてあげなさい聖人。」


「はいはい。そうだ、待ってる間に夜食みたいなもの作るけどレミリア達も食うか?」


簡単な物しか作れないけどな。えっと、魔法で火を出してでかい寸胴鍋を浮遊魔法で火の上に乗せてと。


「折角だし頂くわ。聖人の料理も食べてみたいし、パチェはどうする?」


「何作るか少し興味あるから私も頂くわ。咲夜、手伝ってあげたら?」


パチュリーが本を読みながらそう言うと咲夜は俺の体から離れたな。助かったよパチュリー。


「まあ、すぐ仕込みは終わるから手伝わなくて大丈夫だぞ咲夜。少しでも休んどけ。」


「分かりましたわ。」


収納魔法で異空間に入れてる包丁とまな板と食材、じゃがいも、玉ねぎ、人参、鶏もも肉を取り出してと。


「その魔法便利そうね、誰に教わったの聖人?」


「いや、これは独学で身に付けたんだ。教えろって言われてもまだ解析出来てないから無理だぞパチュリー。」


じゃがいも、玉ねぎ、人参の皮を剥いてと。剥く前に水で食材は洗ってるぞ。


「そう、残念。」


「つーかパチュリーならもう収納魔法くらい出来てもおかしくないんじゃないか?」


じゃがいも、人参、鶏もも肉は一口大、玉ねぎは薄切りに切る。玉ねぎは寸胴鍋にバターと一緒に入れて炒める。


「聖人って料理出来るの?見たところ手際がいいように見えるわ。咲夜程じゃないけど。」


「咲夜と比べるなよレミリア。料理は普通に出来るぞ、主君でもない限り料理が出来ないと幻想郷で生きていけないだろ。」


よし、玉ねぎがしんなりしてきたな。鶏もも肉と異空間から白ワインを取り出して加える。


「それもそうね、ところで聖人、ここに来る間にフランは見なかったかしら?」


レミリアが俺の調理風景を見ながら不安げに聞いてきた。やっぱり姉だから妹を心配するよな。


「フランなら大丈夫だ。快とアリスと一緒に城から脱出して魔理沙達のいる所に送ってきたぞ。」


じゃがいもと人参、薄力粉と塩コショウを加えて更に炒めてと。


「そう、フランは無事なのね。良かったわ。」


レミリアは安堵の息を吐いて胸を撫で下ろした。っと、そろそろ水を加えて煮込まないとな。


「ところで聖人はどうしてここに来たのかしら?黒幕に捕まったのかしら?」


「違う違う、皆を助ける為に城に乗り込んで、上の方にある隔離された部屋に入ったら早苗と霊夢がいたから助けようとしたら黒幕に落とされた。」


そういや健二の奴は無事かな?後で連絡をしてみるか。


「そうなのね、霊夢と早苗は無事だった?」


「無事だったよ。けど霊夢の顔に生気が無かった。良太が何処にいるか分からないからだろう。」


牛乳、コンソメを加えてと。あと数分で料理は完成するかな。


「早いところここから脱出しないとね。聖人、脱出する宛はあるのかしら?」


「いやないなパチュリー、けどジタバタしたって始まらないから待つしかないだろ。」


チーズと粉チーズも加えてお玉でかき混ぜて味見と。うん、旨い!


「そろそろ集まって来るわよ。ふふっ、その料理はシチューね?アリスがよく作ってたわ。」


「そうなのか、シチューは伝わってるんだな。ほれ、パチュリーとレミリアと咲夜の分。」


皿とスプーンを異空間から取り出して、シチューを掬って皿に盛り付けてパチュリー達に渡す。


「……アリスが作ってくれるシチューと味が違うわね?けど、こっちのシチューも美味しいわ。」


「ふぅん、中々美味しいじゃないの。咲夜、作り方は覚えたわね?」


「はいお嬢様、聖人は料理が上手なのね。」


まあ、自炊していれば自ずと上手くなるさ。ましてや早苗とか他人に食べさせるなら尚更な。


「この匂い、誰か料理してますね?」


「お腹空いてきたのだー!」


奥の方から誰かやってくる。この喋り方は、妖夢とルーミアか?


「レミリアさん咲夜さんパチュリーさん、何を食べているので、すか?」


「わはー!聖人なのだー!」


俺を見た妖夢は口を開けてポカンとして、ルーミアはトテトテと歩いてきた。


「よう久し振りルーミア、今シチューを作ったんだが食べるか?」


「食べる食べる!あむあむ、うーん♪おいしー♪」


シチューを盛り付けてある皿とスプーンをルーミアに渡す。受け取ったルーミアは笑顔でシチューを食べてるな。


「生きて、生きていたんですね聖人さん。本当に、本当に良かった。」


「心配かけたな妖夢、絢斗はここにはいないのか?」


妖夢にもシチューを盛り付けてある皿とスプーンを渡す。妖夢はしゅんとしたままシチューを食べ始める。


「絢斗は探したけどいなかったぞ。聖人、戻ってきてくれて良かったよ。」


「私を覚えているか聖人?」


「覚えてるさ慧音、妹紅。」


更に奥から慧音と妹紅が歩いてくる。2人は俺を見ると笑顔になった。


「これは、もしかしてシチューか?聖人が作ったのかこれ?」


「まあな、妹紅と慧音も食べるか?」


「すまない、頂こう。美味しいな、人の手料理を久し振りに食べたよ。」


慧音はシチューを味わうかのように食べて、妹紅は腹が減ってたのかガツガツとシチューを食べていた。


「おかわりはたくさんあるからな妹紅。遠慮せずに食べていいぞ?」


「ご、ごめんな。あまりにもお腹が空いてたから。私は食べなくても死なないけど、料理を食べた瞬間に抑えが効かなくなったの。」


妹紅は顔を赤くしながら俺に皿を渡してくる。その気持ち凄くわかるぞ妹紅。食料とかは全部慧音に渡してたのか。


「その気持ち、とても分かりますよ妹紅さん。兄さんすみません、俺にもシチューを分けてくれますか?」


「いいぞ、って良太!?お前何時からそこにいたんだ!?」


妹紅の横にいつの間にか良太がいた。全く気が付かなかったぞ。取り敢えず妹紅と良太の分を盛り付けて渡してと。


「ずっといましたよ。気付かないのも無理ありません、死体に埋もれてましたから。目覚めたのもついさっきですし。」


「そりゃいくら探しても見付からなかったわけね。霊夢が心配しているわよ?」


「分かっていますレミリアさん。このシチューを食べ終わったらここを脱出します。」


脱出する宛はあるのか良太?さっき目覚めたって言ってたから信憑性に欠けるな。


「夢の中で紫さんに会いました。あと数時間後に迎えに行くわて言ってました。」


「そう言うことか、皆シチューは食べ終わったな?」


皆が食べ終わったのを見計らって皿や寸胴鍋やスプーンを異空間に放り込む。ここを脱出したら洗わないとな。


「けど、数時間後に黒幕の部下がここに来るぞ?」


「えっ?どうしてですか?」


「まあ色々とあってな妖夢。俺のある物を奪いに来るのさ、だからちょっと皆に協力してほしいことがあるんだ。」


謙治の部下と紫がバッタリ会うのは避けたいからな。作戦は至って単純、俺はこの後寝るから寝込みを襲う謙治の部下供を倒してほしい、それだけだ。


「それなら簡単ね。」


「じゃあ作戦通りにお願いな皆、という訳でおやすみなさ~い。」

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