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東方外遠記  作者: 颯人
第8章 再び幻想へ ~Again to the Fantasy~
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変わり果てた幻想郷

魔法の森 空中


「ようやく着いた、っと思いきや空中から落下とはな。」


「いや、何でお前平気なんだぜ!?これ完全に出落ちじゃねえか!!」


眩しい光に目を閉じ、少し経ってから開けてみると、俺と健二は空中に体を投げ出されていた。


「最初幻想郷に来たときも実質空中から体を投げ出されたから慣れた。まあ、あの時と高度が違うけど。」


せめて森の中とかにしてくれよ。紐無しバンジージャンプじゃんこれ。


「いや、何とかしろよ!!このままだとあと数十秒もないくらいで地面に激突するぜ!?」


「慌てるなよ健二。激突地点に大きめのクッションを置けばいいだけじゃねえか。」


鞄の中にそういうのがあった筈。あったあった、携帯用トランポリン。


「よっと、着地成功。」


「ったく、肝が冷えたぜ。幻想郷に入っていきなりあの世行きとか笑えねぇからな。」


俺達は激突地点にクッションを置いて、無事着地した。健二は大きな息を吐いて安堵の表情を浮かべてるな。


「そういや聖人、お前何で飛ばなかったんだ?幻想郷に来たなら空を飛べる筈だろ?俺はこれから飛び方を学ばないといけねえけど。」


「……おっ、そうだな。」


「その表情を見る感じ絶対忘れてただろ聖人!?この先大丈夫かよ。」


仕方無いね、5年も空を飛んでなかったら頭から飛ぶという選択肢が抜けるわ。


「しかし、変わったな。」


魔力を感じるし、森みたいな所だからここは恐らく魔法の森だろうな。でも前は魔法の森も結構落ち着けるところだったんだけど、今は……嫌な力を感じる。


「ん?ここってこんなんだったか?ジメジメしているのは相変わらずだが、5年経ったからか?」


「それについては俺もよくわからないな。ってか健二、お前ここに来たことあんのか?」


「異変起こす前に少し観光してたからな。」


「そんなことしてたのかよ!」


だったらあの時観光が終わったら帰れよ!


「いいじゃねえか別に、観光するのは俺の勝手だろ?ん?聖人ちょっと来い!」


「何か感じたのか?」


健二は異様なほど気配に敏感だ。しかも焦りながら言うってことは、高い確率で何かがあるな。


「向こう数十メートル先に、これは妖怪か?妖怪らしき気配が10人くらい感じるぜ。それともう1つ、人間?」


「人間……ってまさか!!」


そういえばここら辺には魔理沙が住んでいたはずだ。何かあったのか!


「どうした?ってその表情から察するに気配を感じる所に行くのか?」


「おう、ちょっと確かめたいこともあるしな!」


もし、魔理沙がいたら。いや魔理沙じゃなくても話が出来る人に会えたら今の幻想郷の状態も聞いておきたいからな。妖怪?10人もいるから恐らく敵だろ。


「じゃあ行くぞ、案内してくれ。」


俺達は警戒しながら気配のしたところに行くことにした。


















「この先だな。」


「何があるかわからないからな、少し様子を見るぜ。」


俺達は草むらから少し顔を出して、人と妖怪がいるであろう所の様子を伺う。


「くそっ、離すんだぜ!私はこんな所で捕まる訳にはいかないんだ!」


「誰が離すもんか。ようやく捕らえたぞ霧雨魔理沙!ちょこまかと逃げやがって。」


「随分と手間を掛けさせてくれたな。」


状況を説明すると、魔理沙が1人の妖怪に片腕を掴まれていて、魔理沙の周りを妖怪が囲んでいた。魔理沙は隙を見て弾幕を放っているが、妖怪にはあまり弾幕は効いてねえな。


「くそっ!スペルならどうだ!魔符『ミルキーウェイ』!!」


魔理沙は上空に星形の弾幕を大量に放ち、周りを囲んでいる妖怪に降り注ぐように弾幕を当てたな。


「ふん、そんな子供騙しみたいな弾幕など効かぬわ!!」


妖怪には効いていねえな。おかしいな?魔理沙の弾幕の威力は中々だったはずだ。


「うそ……だろ?」


そりゃ驚くよな魔理沙。俺も驚いてるもん。


「流石謙治様からの支給品だ。この弾幕耐性のある服を着てフードを被れば幻想郷の住人など怖くねえぜ!」


「ならこいつはどうだ!恋符『マスター「おっと、そんなことさせると思ったか?」なっ!?」


魔理沙の腕を掴んでいた妖怪は素早くポケットから注射器を取り出して魔理沙に刺した。この臭い、麻酔薬だな。妖怪が何故そんなもん持ってやがる?


「な……んだ?これ?」


魔理沙は何をされたかわからないといった表情でゆっくりと地面に倒れた。


「聖人、まだ行かないのか?」


「行きたいのは山々だけどな健二、今行って俺も麻酔を喰らったらおしまいじゃん!」


いくら強くなったとは言え、麻酔は完全には防げないからな。まだ、様子を伺うしかない。


「手間をかけさせやがって、行くぞお前ら。」


「ま、て、お前、らは、私を、何処に、連れてく、気だ?」


「ほぅ、まだ意識があって喋れるとはな。意外と強靭だな。」


「何処に連れていくのかだったな?もちろん謙治様がお住まいになっておられるお城にな!!」


あの野郎!幻想郷に変な建物建てやがって!


「謙治様のお城に行けばお仲間もたくさんいるぞ。まあ、餓死しているかもしれないがな!」


お仲間?ということは魔理沙以外の他の皆は捕まったのか?


「そんな、みんな、死ん、だのか?うぅ、みんなぁ……。」


「おーー!!泣いてるなあ。泣き顔は案外可愛いもんだな霧雨魔理沙、そんな顔を見るともっと泣かしたくなるぜぇ!」


「助けて、よ、お願い、だから、誰か、私を、みんなを、助けてよ。」


「誰も来ねえよ、ほぼ全員捕まったからな!まだ捕まっていない奴等も俺達が捕まえてやるぜぇ。こういったガキの泣き顔を見るのは最高に気分が高まるからなぁ、アッハハハハハ!!」


『ギャッハハハハ!!』


「聖人、早く、戻って来てよぅ。」


















「……悪い健二、サポート頼むわ。」


もう見てらんねえ!1人残らずぶちのめしてやる!幻想郷をいいようにしやがって!


「止めたって無駄だな、行ってこいよ。」


健二は俺のやりたいことをわかってくれたらしく、止めなかった。俺はああいうやつらが大嫌いだ!


「さあ、そろそろ行くぜぇ?っとその前に少し俺らで楽しんでいくか、手間をかけさせた代金は払って貰うぜぇ、霧雨魔理沙の体でな!ギャハハハハハ!」


「そこまでにしておけよクソ野郎共。」


俺は草むらから出て魔理沙を囲っている妖怪に近付きながら殺気をぶつける。


「あっ?てめえは何だ!?何様だ!?」


妖怪の1人が俺の方へズカズカと歩いてきながら叫んでくる。


「俺は通りすがりの者さ。」


「なわけねえだろうが!てめえみてえな俺達に反抗的な態度を取る奴が何の用もなくここに来るわけねえだろうが!?」


「そりゃそうだ。よく分かってんじゃねえかよっと!」


俺の近くに来た妖怪のメンチを切る目線があまりにもうざいから上段蹴りを喰らわせて空の彼方へ吹っ飛ばす。


「あ、あれ?私、まだ、連れ去られて、ない、のか?」


「なっ!て、てめえは一体何者だ!?」


「俺か、俺はてめえらの親玉の謙治によって遠い所に飛ばされた泊谷聖人だ!」


堂々と俺の名前を宣言すると、妖怪達は焦り始めた。


「な、何故ここにいる泊谷聖人!?てめえは幻想郷にはもう来れない筈だ!」


「んなことはどうでもいいんだよ。さあ、魔理沙を離してもらおうか?」


「ふ、ふん!離せと言われてはいそうですか、って言うわけねえだろ馬鹿が!」


魔理沙の腕を掴んでいた妖怪は魔理沙の顔に向けて拳銃を突きつけた。そんなものまで持ってんのかよ。


「そこから1歩でも近付いたら霧雨魔理沙の命はねえぞ!!」


「はぁ、お前らがそんなものを何で持ってるんだ?」


「謙治様が支給してくださるのさ!やっぱ謙治様は最高だぜぇ!」


やっぱり謙治の仕業だったか。なら、使い方も教えてるということか。暴発とかもなさそうだ。


「ちっ、しょうがねえな。」


俺は妖怪から距離を取る。けど、距離を取りながら健二にある(・・)サインを出す。


「ありがとよ!!」


妖怪は勝ち誇ったようにそう言った、俺の策にはまったと気付かないでな。


「どういたしまして。」


バーーーン!!


「……なっ!!」


魔理沙を人質にとっていた妖怪が誰かに撃ち抜かれ、それに続いて残りの妖怪達も撃ち抜かれた。これは健二がやったものだ、サインを出したら撃ってくれって言っておいたからな。


弾丸は霊力で出来ている。服に弾幕耐性の物を着けてようが、フードを被っていようが、顔面の口辺りを撃ち抜いたりすれば関係ない。


「ふぅ、思ったより簡単だったぜ。口辺りしか狙えなくてもこっちが動き回って狙いやすい所に行けばいいだけだからな。」


「だとしても、あんな短時間では出来ねえよ。」


「私は、助かった、のか?」


っと、魔理沙の体から麻酔を抜かないとは。状態異常を治す風を魔理沙に当ててと。


「ああ、そうだよ魔理沙。」


「あれ?その声?その口調?まさか!?」


魔理沙は震えた声でそう言って立ち上がって俺の方を見てくる。思い出してくれたみたいだな。


「久し振りだな、魔理沙。変わっていないようで何よりだよ。」


「ううっ、ぐすっ、うわあぁぁぁぁぁぁん!!」


魔理沙が泣きながら俺に抱き付いてきた、魔理沙ってこんな泣き虫だったっけ?


「ぐすっ、本当に聖人だよな?偽者なんかじゃないよな?幽霊とかでもないよな?実は聖人に化けている妖怪でしたー、とかじゃないよな!?」


「疑心暗鬼になりすぎだ魔理沙、本当に俺だぞ、幽霊でも偽者でもないからな。」


「おーーい、ちょっとーーーー?俺を忘れないでくれませんかねぇ?」


あっ、別に忘れてたつもりじゃないぞ。ただ、気付かなかっただけだ。


「悪いな魔理沙、ちょっと一旦俺から離れてくれないか?」


「わかった。」


魔理沙はまだ目に涙の後を残しながら俺から離れる。


「ふーん、なるほどなるほど。改めて見ると魔女って感じがするぜ。」


「あっ、お前はあの時の!?」


魔理沙は健二の姿を見た瞬間、スカートのポケットからミニ八卦炉を取り出した。


「魔理沙落ち着け、こいつは今は仲間だ。」


「……わかったぜ。」


危ない危ない、健二は幻想郷では敵扱いなんだよな。あと健二は魔理沙に敵扱いされてしょぼーんとするな、自業自得だろ。


「魔理沙、今の幻想郷について詳しく教えてくれないか?俺達は来たばかりだからな。」


「いいぜ、長くなるから私達が拠点としている場所に案内するぜ!!」

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