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東方外遠記  作者: 颯人
第8章 再び幻想へ ~Again to the Fantasy~
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第ニ部 再び幻想へ

外の世界 とある一室


「ここは……?」


目を開くとそれなのに見覚えのある部屋に寝かされていた。アパートの一室か?しかも、色々な機械がある。


「見た感じ、テレビとかラジオとかあるな。まさか、外の世界なのか?」


「ご名答、案外冷静だな。もっと取り乱すかと思ったんだが。」


暗闇から突然声が聞こえた。しかも何処かで聞いたことのある声だ。


「誰だ!!」


「警戒するなよ、俺だ、俺。」


呆れた声色で声の主は暗闇から姿を現した。やっぱりお前か!


「健二か、いや、何で!?お前らが起こした異変の後、紫からどっかに置いてきたって聞いてたんだが?」


「いやあ、焦ったぜ。あと少し遅れてたらやばかったな。そのどっかってのが外の世界のあるこのアパートさ。」


幻想郷で姿を見ないなと思ってたら外の世界に居たのか。


「紫の式にお前らの話を聞いて急いで次元の狭間にやって来たんだぜ。そこにお前と金髪の美女が血の海の中で倒れてたから急いでこのアパートに運んだんだぜ。」


健二が助けてくれたのか。金髪の美女、紫じゃないなら義姉さんか。


「んで、あまりにも傷が酷くてヤバかったから彰を呼んで緊急手術を2人にして、お前らは一命を取り留めてるぜ。」


彰も助けてくれたのか。って緊急手術?彰が?あいつ医者だったのか!?


「その表情から察するに、彰は医者だったのかって驚いてる感じだな。あいつはれっきとした医者だぜ、しかもかなりの天才なんだよ。」


「そうだったのか、ところで義姉さんは何処なんだ?別室にいるのか?」


「お前の姉貴ならもう帰ったぜ。ついでに彰もな。緊急手術した数日後にはもう大体の傷は塞がったからな、人間なのかお前の姉貴?」


義姉さんに関しては謎だらけだからな。いつか知る時が来たらいいんだけど。


「それは俺も知りたいよ。健二、1つ聞きたい。なぜ俺らを助けたんだ?」


義姉さんはともかく俺は敵のはずだ。助ける理由が見つからない。


「敵じゃねえよ、俺らが起こした異変は紫から指示されたもんなの。謙治に利用されたくなければ私の指示に従いなさいってね、まあ結局謙治に利用されたもんだけど。」


「そうか、まあともかく俺と義姉さんを助けてくれてありがとな。」


「礼は彰に言いな。俺はお前らを運んできただけに過ぎないからな。けど、ありがたく受け取っとくぜ。」


健二は近くにあった椅子に座って机にあった林檎の皮を剥き始めた。表情を見るに嬉しそうな感じだから照れてるのを隠すためにで林檎の皮を剥いてるのか。


「ところで、今は外の世界に俺らはいるけど、また幻想郷に行けるのか?」


「今は無理だ。謙治が幻想郷に外から入れないようロックをかけてやがる。」


怪我が治ったらすぐに戻りたいのに、謙治の奴、絶対許さねえ!次会ったらぶちのめしてやる!


「ただ、完璧じゃないから再び幻想郷に入れるのは、5年後くらいだぜ。紫から教えて貰ったから間違いないぜ。」


「そんなにかかるのかよ!!」


相当な力を使って封鎖したのか。用心を怠らないやつだなほんと!


「しかたねえだろ。俺達がすぐに戻ってくると思ったんだろ。紫の能力を全力で使えば入れなくもないが、自分1人が限界だって言ってたしな。」


「次に幻想郷に入れるのは5年後か、怪我が治ったら鍛えまくらないと!」


まだまだ俺は力不足だ。もっと力を付けないと謙治にまたやられる。剣術だけじゃなく、もっと色々と武術や知識を身に付けねえと!


「俺も付き合うぜ、謙治をぶちのめしたいのはお前だけじゃねえからな。」


「わかった。よろしく頼むよ。」


それから、俺と健二は5年間鍛練ばかりしていた。外の世界に帰ってこれたのだが、不思議と嬉しいとは思わなかった。早苗達が心配で仕方がなかったからかな。


鍛練といっても二人だけでやったわけではなく、可能な限り行ける数の武術の道場に行って鍛練したり、自衛隊に入って訓練したりもした。


戦う力だけあっても駄目なのは分かっていたから、医学や物理学等の知識も学んだ。


時には日本を飛び出して海外にも行って鍛練もした。その時に色々な事件も起きたけどそれらを全て解決した。


早く幻想郷を取り戻して、また早苗達の笑顔が見たい。とはいっても何もできない自分が悔しかった。


俺はまだ諦めない、あいつらは無事だ。そんなに簡単にやられないはずだ。そして謙治を倒して、平和な幻想郷にすると。


そう心に誓って、一層厳しい鍛練に打ち込んだ。























あれから5年


俺と健二は5年前と比べ物にならないほど強くなった。今は何の身体能力強化をしなくても素手で熊や虎を余裕で倒せるようになった。


ジャングルや極寒、砂漠等でサバイバル生活をしたりもした。テロ活動を止めたりもした。


とにかく向こうで役に立ちそうな事はなんでもした。合わせて幻想郷に行っても困らないよう準備もした。


『真桜剣』は謙治の奴に投げ付けた時に粉々になったから自分で新しく作った。


食料や医療品、銃など、色々なものを鞄に積めた。銃はどこで手に入れたかって?アメリカで買ったよ。とにかく向こうでは役にたちそうなものはすべて鞄に入れた。


武器は隠蔽の魔法を使って隠しながら所持していたよ。

















外の世界の博麗神社らしき所


「なあ聖人、お前の持っている荷物いくら何でも多すぎじゃね?」


健二は俺の荷物をみて呆れていた。大きい鞄を3つ持ってるからな、これでも厳選した方だぞ。鞄の中は見た目以上に物が入るようにしてあるから実質大きい鞄を8つ持っている事になるけどな。


「お前もなかなか多いぞ健二。」


健二も俺と同じくらいの鞄を背負っている。結果、二人とも変わらないじゃねえか。


「何が起こるかわからねぇじゃねえか。備えあれば憂いなしっていうだろ?まあいい、行くぜ幻想郷に。」


俺と健二の前にはぼろぼろで今にも崩れそうな神社が見えている。けど、懐かしい感じがするな。


「本当に、本当に長かったなこの5年間。」


「確かにな、けど感傷に浸っている場合じゃないぜ聖人。寧ろこれからが本番みたいなもんだぜ。」


おっと、健二の言う通りだな。感傷に浸るのは幻想郷を平和にしてからだな。


「よし、そろそろ行くか。多分向こうの博麗神社には着かないと思うぜ。」


「むしろそっちの方がありがたいな。あいつらに気付かれずにすむからな。」


博麗神社が無事とは限らないからな。もし、博麗神社に着いて気付かれて面倒になるよりはましだ。


「だな、行こうぜ!!」


俺達は拳を合わせて境内に入る。入った瞬間、何かの光に包まれた。





















さあ、行こうか!!失われた幻想の平和を再び取り戻すために!!

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