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東方外遠記  作者: 颯人
第7.5章平穏な日々の終わり ~the end of a peaceful day~
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アイリスとの共闘

「おし、着いたな。」


俺達はアイリスがいる空間に着いた。場所は次元の狭間みたいなところらしい。次元の狭間に部屋を作って早苗達を閉じ込めたのか。


「アイリスは何処にいる?」


「こっちです兄さん。」


良太は何かを察知したようだ。良太に案内を任せるか。


「ちょっと待ってよ皆!!」


快は相変わらずどんくさいな。俺らはアイリスがいるところまで走っていった。


「ここだな。」


良太の案内で先を進んでいくと、いかにも何かありそうなプレハブ小屋が建っていた。


「んじゃ、早速乗り込みましょうかねぇ~。」


「ちょっと待ってください絢斗さん、この建物の中で誰か話しています。」


良太の言う通り、耳を澄ましてみると誰かが話している声が聞こえてきた。


「何だと?もう一度言ってみろ。」


「何度も言わせないで、私は貴方が嫌いなの。支援していたのも、貴方が仕えている神との面倒を起こしたくなかっただけよ。けど、そんなこともうどうでも良くなったわ。」


アイリスはともかくこの声!忘れられるもんか、外の世界で俺の妹分を殺した時哉謙治だな!


「俺なんか眼中に無いってか?舐められたもんだな。何時でも裏切れましたってか?」


「別にその解釈でいいわよ。貴方なんかすぐに始末出来る。」


「ほお、言ったな。裏切り者には粛清をしないといけねえな!」


中から扉が開いた音が聞こえて、人間の歩く音が聞こえてくる。そろそろ突入した方がいいか。


「……百人くらいね。しかも全員が神に仕える者達。」


「これでもまだ強がるか?こいつら1人ならお前には勝てない。なら数で攻めればいい、主はお前が裏切るのは分かってたぞ?だから粛清する始末人も用意できた訳だ、なあ綿月(・・)?」


綿月?アイリスって名前じゃないのか?


「そうね、確かにこの人数相手なら私が勝てる見込みは低いわね。しかも能力阻害のジャマーも働いてるみたいだし、でも私も1人では無いわよ?」


「ほう、ここにお前の味方が来るってことか?でも、お前の味方が1人くらい増えたところで何も変わらんぞ。」


「どうかしら?貴方は幻想郷で一体何を見てきたのかしら?あまりあの子をを舐めない方がいいわよ。」


明らかに名指しで言われてるようなもんだなこりゃ。


「それで、どうしますか?」


「どうしますって、そりゃこうするさ!!」


俺と絢斗と快で部屋の扉を思いっきり蹴り飛ばした。


「よう、待たせたなアイリス。」


アイリスに向かってそう言うと、アイリスはこっちを見てニヤリと笑った。


「待ってたわよ聖人。」


「お前をぶちのめしに来た。と言いたいけど、何か状況が変わったみたいだな?」


俺はぐるりと辺りを見渡してポケットに手を突っ込んでいる謙治を睨み付ける。


「その顔、どうやら俺の事を忘れていなかったか。」


忘れたくても忘れられねえよ、まさかこいつが黒幕だったとはな。しかし百人って思っていた以上に多いな。


「絢斗、良太、快、お前らは早苗達を救出してくれ。」


ここで皆で戦っても早苗達を救出出来なかったら意味がない。俺はどちらかと言うと1人での戦いの方が得意だからな。


「でも兄さんは?」


良太が心配そうに俺を見つめてくる。けど方法はこれしかないしなぁ。


「その間、俺はこいつらと遊んでるよ。」


「……わかった、けど死ぬなよ聖人。死んでない限りは絶対に助けてやるからな。」


「兄さん、気を付けてください。」


「頑張ってね聖人!!」


絢斗達は右奥にある扉に向けて走って行く。その間敵は、動かないみたいだな。


「お仲間を逃がして自分一人で戦うって?笑えるな。友人を死地へ送りたくないってか?」


謙治は呆れた様子で俺の行動を見ていた。


「友人に人殺しさせるわけにはいかねえんだよ。それにこいつら程度、俺だけで充分だ。」


腰に差してある『真桜剣』を鞘から抜いて構える。俺の発言を聞いたアイリスは持っていた扇子を開きながら笑った。


「こいつらって、もしかして私もその中に入ってるのかしら?それだとしたら、随分と自信ありなのね。」


アイリスはクスクス笑いながらスカートの中から仕込み薙刀を取り出して構えた。あの薙刀の出し方、そうかようやく思い出した。


「その薙刀の出し方、昔から変わらねえな義姉さん(・・・・)


アイリスは確か突然家にやってきて、突然消え去る嵐みたいな人だったな。薙刀の取り出し方とその構えを見て、ようやくわかったよ。小学生くらいの時によく相手をしてもらってたな。


「思い出してくれたのね。お姉さん嬉しいわ♪」


「そういえば、義姉さんの本名は?」


小学生くらいの時にも教えてと言ったが、教えてくれなかったんだよな。


「それはここを切り抜けてから言うわ。」


など昔話に花を咲かせていると、いきなり周りにいた奴等が俺と義姉さんに襲い掛かってくる。


「何話しているのかは知らねえけど、敵地のど真ん中で随分と余裕そうな態度じゃねえか。それか恐怖で頭がおかしくなったか?何にせよてめえらはおしまいだ!」


おしまい?何寝惚けた事言ってんだ?


「「こんな奴等、俺(私)の敵じゃねえよ!」」


俺は刀、義姉さんは薙刀で襲い掛かってきた奴等を吹き飛ばす。


「久し振りの共闘ね、着いてこられるかしら聖人?」


「上等だ!」

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