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東方外遠記  作者: 颯人
第7章 デート編 ~Date edition~
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多忙な1日 緊急事態発生!

急展開注意です。



「さて、食堂についたのはいいが、何で絢斗もいるんだよ!?」


咲夜に案内されて入った食堂に、何故か絢斗がいた。何しに来たのお前?


「そこは気にしない気にしない~、パチュリーちゃんの所に行ってたら咲夜ちゃんからランチに誘われただけだけどね~。」


「あっ、それなら絢斗がここにいるのも納得出来るな。」


基本的に絢斗は女性のお誘いは断らないし、即答している姿が容易に想像出来る。


「そんな説明で納得するのね聖人。」


「こいつに女性関連の事で何を言っても無駄なんだよ咲夜。」


「よくわかってらっしゃることで~。ちなみにレミリアちゃんはもう食べ終わってるよ~。」


レミリアは紅茶を飲みながら俺達を観察してるな。まっ、気にせず食べますか。


「んぐんぐ、この料理はカルボナーラか?すげえ旨いんだけど、どうやって作ってるんだ咲夜?」


「うまうま!うまうまうまうま!うまっ!」


俺は咲夜と会話しながら、絢斗はひたすら旨いと言いながらカルボナーラを食べる。しかし、本当に旨いな。


「咲夜ちゃん予想以上に食べるんだね~。」


「これくらい普通じゃないかしら?」


俺と絢斗はおかわりを3回、咲夜は2回している。ちなみにまだ食べ続けてるぞ。


「まあ、外の世界の女性はそんなに食べないからな。体型とかを気にしてな。」


「そうなのね。でも、これくらい食べないと夜まで体力が持たないのよ。」


「よく働くからなあ、どっかの幼女のせいで。」


チラリとレミリアの方を見ると、澄まし顔で紅茶を飲んでいた。でもティーカップをカタカタ震わせてるからカッコつけれてないんだよなぁ。


「その幼女はどこにいるのかな~。一体どんな女の子なのかな~?」


「検討もつきませんわ。」


「ちょっと貴方達!!わざとなの?ねぇわざとでしょ?私をチラチラ見ながら言うんじゃないわよ!!」


この場の雰囲気に耐えられなかったレミリアがティーカップを置いてテーブルをバンッと叩く。


「誰もレミリアの事とは言ってないんだけど?なあ絢斗、咲夜。」


「「そうですわね(そうだね~)」」


ニヤニヤしながらレミリアを弄ると、レミリアは涙目になりながら不貞腐れた。やっぱまだまだ子供じゃないか。


「もう何なのよ!!」


























流石にタダ飯を食うわけにもいかないので、食器等の洗い物は俺がやった。絢斗?絢斗はパチュリーと小悪魔に昼ごはん届けに行ったぞ。


「次は何処に行こうかね。」


ちなみに美鈴は人里へ買い出しに行ってたんだと。


「大変だ聖人!!」


うわっと!!急に人が地面からにょきっと現れやがった、しかも俺の事を知ってるみたいだし。


「いきなり出てくるなよ心臓に悪い!!ってかあんた誰だ?」


地面から出てきた人、よく見れば尻尾が9つもあるし狐耳っぽいのも付いてる、まさか九尾なのか?


「す、すまない。私は八雲籃やくもらんと言う。聖人の事は紫様から聞いているんだ。」


「ということは、藍は紫の部下、じゃないな妹みたいなもんか。」


「そういう解釈で問題無い。ってのんびり話している場合じゃない!紫様を見てないか聖人?」


紫か?今日は見てないぞ。けど藍の慌てっぷり、何か重大なヤバイことでも起きたのか?


「その様子だと見てなさそうだな。いいか、落ち着いて聞くんだ。守矢神社にアイリスが現れたんだ!!」


「よりによってこんな時にかよ!!」


「紫様はこの話を聞いて飛び出していったきり帰ってこないんだ。私は引き続き紫様を探す、聖人は大至急守矢神社に行ってくれ!」


俺は藍の話を最後まで聞かずに守矢神社に向けて飛んでいく。皆、無事でいてくれよ!






















守矢神社?


「……何だよ、これ。」


急いで守矢神社に戻ってきた俺が目にしたのは、血だらけになっていた境内だった。


「くそが、アイリス!いるんだろ?出てきやがれ!」


俺が叫ぶとアイリスは母屋から出てきた。


「遅かったわね聖人、もう少し遅ければ危うく貴方とその友人の恋人を殺すところだったわ。」


アイリスの後ろを見ると、血だらけで倒れている霊夢と妖夢、アリスと早苗がいた。


「運よく固まってくれてたお陰でやりやすかったわ。」


「てめぇ!!絶対許さねぇぞ!!」


俺はアイリスの懐に潜り込もうとした瞬間、境内の地面に叩き付けられた。何が、起こった?


「無理よ、今の聖人じゃ私には勝てないわよ?」


扇子を広げて口元を隠して笑ってるのがムカつくんだよ!だったら弾幕を放てば!


「『想符 アクアウェーブ』!!」


大量の弾幕をアイリスに向けて放ったが、一瞬で全ての弾幕が消えた。マジでどうなってやがる?


「私の能力を知らない聖人は何が起こったのかわからないでしょうね。じゃあ早苗達は貰っていくわね♪」


アイリスは指を鳴らすと音も風もなく一瞬で消えていった。しかも早苗達もいなかった。空間転移系の能力か?


「……紫、出てこいよ。」


考えていると、後ろから紫の気配を感じた。


「気付いてたのね。」


「教えろ、ここで何があったんだ?」


「簡単な話よ。霊夢達が楽しそうに話しているところに突然黄色い風がやってきて、その風に触れた霊夢達は血だらけになった。」


黄色い風?一体何の風なんだ?


「そうか、あいつらはどこにいったかわかるか?」


「分かっているわ。私のスキマで送るわね。」


「わかった、ついでに絢斗達も呼んでくれ。俺1人よりも皆いた方がいいからな。」


紫は俺の言葉を聞いた後、申し訳なさそうな顔をしてスキマの中に入っていった。もっと早く駆け付けていればとでも思ってんのかねぇ。いくら妖怪の賢者だからと言って何でも出来るとは思ってないから気にしなくていいのにな。


「聖人、ごめんね。」


「本当にすまない諏訪子、俺が遅れたばかりに。」


九天の滝方面から諏訪子と神奈子がやってきた。くそっ、本当に皆いない時にアイリスの奴は来たんだな。


「こうなってしまったのは私達も遅れたからさ。本当にすまない、早苗を頼む聖人。」


「任せろよ、2人は来ないのか?」


来てくれたら心強いんだが、諏訪子と神奈子は黙って首を横に振った。


「いや、大人数で押し掛けて幻想郷に何かあったらまずいな。2人は神社を綺麗にしてくれないか?」


今の守矢神社はあちこち血だらけだったり、鳥居や賽銭箱等にヒビとか入っちゃってるからな。


「そこは任せて聖人!紫が来たみたいだよ。」


後ろを振り返ると紫のスキマが開いていた。よし、さっさとアイリスをぶちのめして帰ってくるぞ!




















早苗side


うっ、ここは?確か守矢神社に霊夢さん達を集めて互いの恋人との近況を聞いてた筈?


「早苗、目が覚めたのね。」


この声は霊夢さん、そうだ!皆で話している時に黄色い風がやってきて、それに触れた瞬間に意識を失ったんだ!


「霊夢さん大丈っ!あれ?体が、痛い。それに、手足の自由が効かない。」


「体が痛いのは私達が黄色い風に触れた瞬間に全身から血を噴き出したからよ。手足の自由が効かないのは、縛られてるからね。」


霊夢さんの手足を見てみると、確かに縛られていた。縄とかではなくて鉄の鎖でですか。


辺りを見渡すと私達は窓の無い部屋に連れてこられたみたいです。アリスさんと妖夢さんは何やら話をしてますね。


「ほぅ、これが幻想郷の娘たちか。全員まだ子供じゃないか、こんなのか強者とか笑わせる。」


部屋の扉が開いて、見知らぬ男とアイリスが入ってきました。


「誰ですか貴方は?」


「お前らみたいな小娘共に教えると思ってるのか?だが特別に教えてやろう。俺の名は時哉謙治ときやけんじある神様(・・・・)に仕えている者さ。」


謙治という人は両手を広げながら自分に酔っているような感じで説明してきます。アイリスは、気のせいでしょうか?嫌な顔をしています。


「貴方の目的は何ですか!?どうして私達を拐ったんですか!?」


「生意気な白髪の小娘だ。俺はな『次元を操る能力』を持ってるのさ、この力で目障りな幻想郷を支配してやろうと思ってんだよ。だがお前らの彼氏達は何かと面倒だからな、小娘共で誘き寄せて纏めて始末するんだよ。」


謙治は高らかに笑ってアイリスに指示を出して部屋を出て行きました。


「言っておくけど、脱出しようとは思わない方がいいわよ?この部屋には能力や霊力を封印する装置が付けられてるから。」


そう言ってアイリスは指を鳴らすと、私達を縛っている鉄の鎖が無くなりました。待って、どういうことなの?


「鎖が外れて、貴女の目的は何なの?」


「私は嫌々あの男の目的を支援してるのよ。でも勘違いしないで、貴女達の味方でもないから。」


敵でもないし味方でもない?ちょっと頭がこんがらがってきました……。


「地上の人間や妖怪は寿命によって死ねばいいのよ。無理矢理殺す理由が見付からないわ。」


「アイリスさんは、何者なんですか?そして何故あの男を支援してるのですか?」


妖夢さんの質問にアイリスさんは何やら考えてる表情をしてました。


「そうね、貴女達とは違う種族とでも答えるわ魂魄妖夢。あの男を支援している理由は、あの男が仕えている神と争いたくないからよ。」


アイリスさんはため息をついて部屋から出て行きました。んっ?体の痛みが消えている?


「傷の治療もいつの間にかしたみたいよ。アイリスは本当に敵なのかしら?」


アリスさんは腕を組んで考えて始めました。聖人、きっと来るよね?

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