早苗とのデート 紫をボコして帰ろう
「うう、えらい目にあった……。」
……どうも聖人です。昨日の夜はとんでもないことになりました。何をしたかって?それを言ったらおしまいですよ。時間は6時、早苗は俺に抱き付いて寝ている。
「Zzz・・・・。」
楽しそうな笑顔で寝てるよ、全く。
「可愛いなあ。」
俺は早苗の寝顔を見ながら身支度をした。なにするかって? 少し外で木刀を振るうんだよ。早苗を起こさないようにて、扉を開けて外に出る。
「今の俺の顔、げっそりとした感じになってんだろうな。鏡見たくねぇ。」
地霊殿の玄関の扉を開けて、おっ、先客がいるな。
「お~おはようさん。ゆうべはお楽しみでしたね~?どんな状況だったかはそのげっそりとした顔で察せるよ~。」
絢斗か、しかし絢斗も若干顔がげっそりしてるな。
「絢斗もやられたんだな。」
「ま~ね。妖夢ちゃんは普段はあわあわするけど、覚悟を決めたらすんごいよ~。」
俺と絢斗は会話をしながら木刀を振るう。これじゃあ良太と快もやられた感じかな。
「早苗ちゃんはどんな感じだったのかな~?」
「いやもう、あれだ。この顔で察して。ちょっと思い出したくない。」
朝は思い出したくない。ん?後ろから誰かが来るな?
「ふわぁ、あ、おはようございます兄さん、絢斗さん。」
良太が眠たそうに欠伸をしながらきた。珍しいな、良太が眠たそうにしてるなんて。
「お前も眠れなかったのか?」
「どんなことがあったのかな~?」
絢斗がニヤニヤしながら良太に聞くと、良太は顔を赤くして後ろを向いた。
「き、聞かないでください!!」
「その態度で察せるよ。まあ、誰が原因つくったかはわかってるけどな。」
「誰なの?」
「うわっ!!びっくりさせないでくださいよ快さん。」
良太の隣にはいつの間にか快がいた。いつ来たんだ本当に?
「ご、ごめん。それで、誰が原因なの聖人?」
「こいしが実行したけど、計画したのは多分、紫だろう。」
多分だけどな、永琳ももしかしたらグルかもしれないけと。
「じゃあ制裁しないといけませんね。絢斗さん、紫さんを呼んでください。」
「ちょっと怖いよ良太。でも、どうやって紫さんを呼ぶんですか?」
快が良太に聞くと、絢斗が思いっきり息を吸い込んだ。耳塞いどこ。
「紫ちゃんのーーー若づくりーーーーーー!!」
「ちょっと大声出して大丈夫なの!?ってかそれで紫さん来ますか!?」
声が聞こえないように地霊時のに結界張ってあるから大丈夫。問題は、紫が来るかどうかだな。
「誰が若づくりよ!?失礼な事を大声で叫ぶんじゃないわよ!」
目の前にスキマが開いて怒った表情の紫が来た。マジで来るのな。
「呼んだ理由はわかってるよな紫?」
「ええ、わかってるわ。けど、貴方達にこの妖怪の賢者である私に勝てると思ってるのかしら?」
「「「「思ってるから呼んだ。さぁ、覚悟しろよ!」」」」
久々の4人での戦闘、これなら誰にも負けねえよ。
「威勢はいいわね。けど、それでも私には勝てないわよ!」
ドォーーーーーーーーーーーーーーーン
20分後
「ごめんなさい。」
ぼろぼろになっている紫が土下座している。俺達もぼろぼろになったが、紫はそれ以上ぼろぼろになっている。
「辛勝だな。」
「反則よ貴方達!!4対1は無いんじゃないかしら!?レディを囲んでボコボコにして楽しいかしら!?」
「知りませんよ。それよりも、もう2度と悪巧みとかしないでくださいよ?」
「わかったわよぅ。」
紫はそう口では言ってるけど、いまいち信用出来ないな。あっ、いつの間にか紫がいなくなってるし。
「逃げられたね~。まあいいか、そろそろ朝食だから食堂に行こうぜ~。」
食堂
「あっ、来ましたね聖人。ってどうしてぼろぼろなんですか!?」
「何かあったんですか絢斗さん!?」
「何かあったら私達も呼びなさいよ良太!!」
「昨日も言ったけど心配かけさせないでよ快!!」
「「「「いや、あの、本当に申し訳ございませんでした。」」」」
食堂に入った瞬間に早苗達が迫ってきたので、俺達は土下座して謝っている。紫め、マジで許さん!
「もう許してあげてください。怒るならあのスキマ妖怪にしてください。」
「それもそうね。」
早苗達の機嫌を取った後、俺達はのんびりと朝食を食べた。
「もう帰られるのですね。」
朝食を食べた後に身支度をして、今は地霊殿の中庭にいる。さとりとこいしが見送りに来てるぞ。
「まあな。」
「お世話になりました。」
「また来てねーーー!!」
手を振るさとりとこいしに向けて手を振り返し、俺と早苗は地霊殿を後にする。絢斗達?先に帰ったよ。
守矢神社
「帰ってきました。」
「ただいまです。神奈子様、諏訪子様。」
母屋に入ったら居間で文々新聞を読みながらくつろいでいる神奈子とゲームをしている諏訪子がいた。
「お、おかえり!!デートは楽しかったかい?」
「おかえりー、早苗ーー、お土産は?」
「はいはい、今渡しますから慌てないでくださいね諏訪子様。」
早苗がお土産を取り出して諏訪子に渡す。渡された諏訪子は大はしゃぎでくるくると回り、その様子を早苗と神奈子が笑ってみている。
やっぱり家族はいいもんだな。俺も、普通だったら家族であんなに楽しく笑っていられたのかな。
そう考えたら涙が出そうになるから部屋に行こう。
「早苗、ちょっと疲れたから部屋に行ってるからな。」
「ちょっと聖人!!」
俺は早苗の言葉を黙って聞き流して部屋に向かった。
「どうしたんでしょう?聖人にしては、何か珍しい態度でした。」
「多分、昔を思い出したんだろうな。聖人は家族の温もりというのを知らないからな。ましてや早苗だったら私達みたいな親代わりになる人達もいなかったようだし。」
「聖人ももう私達守矢の一員なのにね~。甘えるっていうのを知らないんじゃないかな?早苗、様子を見に行ってあげて。」
「分かりました。」




