宴会、そして告白!
絢斗side
「うーむ、今日も飯が旨い!!」
ど~も絢斗だよ~。今は異変解決の宴会をしているぞ~。主役のあいつが来てないけどな。
「誰に説明してるんです?」
「まあいろいろな人だよ妖夢ちゃん~。」
場所は新しく建った博麗神社だよ~。異変の首謀者だった天人の天子ちゃんがあっという間に直したよ~。
「これ妖夢ちゃんが作ったのかな。とてもうんまいよ~!!」
「あ、ありがとうございます!!」
妖夢ちゃんは顔を赤らめて俯いたね。やれやれ、褒められることにまだ慣れてないのか~。
「可愛いね~よしよし!!」
俺は妖夢ちゃんの頭を撫でた。サラサラとした髪が気持ちいい!!
「みょん!!頭を撫でないで下さい!!」
妖夢ちゃんは俺の手を避けようと抵抗してるが、まんざらでもないようだ。顔が嬉しそうだぞ!
「お~お暑いカップルですね。」
そう言いながら文ちゃんが降りてきた。本当にその短いスカートでそんなスピードで降りてこれるな。風が吹けば見れそうなのになぁ~。
「そう見えるのかな~?」
「見えますとも!!」
文ちゃんはそう言いメモ帳と筆を持ち出した。これはあの質問がくるか?
「さて、どちらから告白したんですか?」
やっぱりね~、その質問がきたよ。
「なっ!!」
妖夢ちゃんは否定しようとしてるけど、うまく言葉を発声出来てないみたいだね。
「そこはノーコメントでお願いしや~す。」
言ってもいいけど、あえてここはノーコメントでいってみよう。
「そうですか(にやにや)。ではまた後で。」
そう言い文ちゃんは霊夢ちゃん達のところへ行った。あの文ちゃんのにやにや顔は可愛いな!!
「あの絢斗さん!!」
「ん?どうしたのかな~?」
料理を食べようとした時に、妖夢ちゃんに呼ばれた。ちなみに妖夢ちゃんは隣の席にいるよ~。
「絢斗さんは私のことどう思ってるんですか?」
妖夢ちゃんが顔を真っ赤にして聞いてきた。はは~ん、これはあれかな。
「おっちょこちょいで頭は固いし、すぐ剣で斬りつけてくるし、すぐ顔を真っ赤にする。」
それを聞いた妖夢ちゃんはしゅんとなっていた。むむ、抑えろ俺の理性、ここは妖夢ちゃんの話を聞かねば!
「そうですか「でも」ん?」
俺は妖夢ちゃんの言葉を遮って言う。いや、言わなければならない!!
「そういうところがほっとけない。むしろ可愛いと思っているよ。」
妖夢ちゃんも年頃の女の子だしね。すると、妖夢ちゃんは俺に近付いてきた。
「じゃ、じゃあ!!」
そう言い目を合わせてきた。俺は反らさずに満面の笑みで宣言するぜ~!!
「妖夢ちゃんのことが好きなんだよ。」
「はう!!」
妖夢ちゃんは口をパクパクさせている。当然だろう、いきなり言われたんだから。でも何でこのタイミングなのかって?前から妖夢ちゃんは俺にアプローチをしてきているのはわかってたし。これ以上長引かせるのは男としてどうかと思ったから告白したのさ!!何か照れるな。
「妖夢ちゃんの答えも聞かせてほしいね~。」
「わ、私は……。」
妖夢ちゃんは体を震わせながらも、こっちを向く。
「私も、好き……です!!大好きです!!」
うん、この答えが聞きたかった!!これは、あれだな。最ッ高にハイって奴だぁぁぁぁぁ!!!
「これからよろしくな!!」
「はい!!」
俺と妖夢ちゃんは目を合わせて笑いあった。妖夢ちゃんの顔は真っ赤だったけど、俺も真っ赤だろう。
「暑いわね~。最近涼しくなってきたと思ったらまた暑くなるのね~。」
幽々ちゃんがいつの間にか後ろに来ていたね~。まったく気付かなかったぞ。ステルス迷彩でも来てたのかね~?
「ひゃああああああ!!!」
お~、妖夢ちゃんいい叫びっぷり。その声に反応したやつが一人、音速で来た。
「これは特ダネゲットですね!!」
「幽々ちゃん、文ちゃん、いきなり現れないでよ~。」
打ち合わせでもしてたのか?息ぴったりだぞ。
「だってぇ~、気になったんだもん。妖夢は絢斗に告白する練習を何度もしてたからね~。焦れったかったわ~。」
「ふふふふ、しばらくは退屈せずに済みそうです。」
以降この二人には気を付けるか~、妖夢ちゃんの為に!俺?俺は女の子にならどうされてもいい!でも、殺されるのだけは勘弁だけどな~。
「あと少し遅かったら私がとっていたかもよ~。」
「えっ?」
どういうこっちゃ幽々ちゃん?まさかね~。
「私も絢斗のこと好きだも~ん。」
そうかそうか、えっ?遂に俺のハーレムが来てしまったのか!?
「いいいいくら幽々子様だからも言っても、けけ絢斗さんは渡しませんよ!!」
「幽々ちゃん、本当なの~?」
「本当よ~。」
そう言って幽々ちゃんは抱きついてきたね~。って腕に絡ませてくるのをやめてもらえませんかね?でも、胸が当たって気持ちいいんじゃあ!!
「わ、私だって負けませんよ!!」
反対側から妖夢ちゃんが抱きついてきた。対抗心燃やさなくていいからさ~。
「はあ、こりゃカオスになりますね~。」
これからのことを思うと少し笑えるな。でも、あ~、心がみょんみょんするんじゃ~!!
良太side
「良太、神社の奥からお茶とってきてくれない?」
「わかりましたよ。」
どうも良太です。あれから兄さんを心配していたんでしたが、魔理沙さんから宴会やろうぜって言われたので宴会に来ています。ちなみに博麗神社ですよ。
「霊夢、ちょっと聞きたいことがあるのだけど?」
「紫か、何か用かしら?」
「冷たいわね。もっとフレンドリーにしても良いじゃない。」
お茶を取りに行って戻ってきたら紫さんと霊夢さんが何か話していました。ここからじゃよく聞こえないですね。
「霊夢は彼のことどう思ってるの?」
「彼って?」
「もちろん、良太のことよ♪」
そう聞いた瞬間、霊夢さんはお茶を吹いていた。それに紫さん……そこだけ大きく言うのやめてください。絶対俺が聞いてるの知ってるでしょ。
「ななななに言ってるのよ!?」
霊夢さんは顔を真っ赤にしながらも紫さんの言葉を否定してるみたいですね。
「そろそろかなって思ってね♪」
「何の話よ!?」
「霊夢が告白するタイミングよ!!」
聞いてるこっちまでなんか恥ずかしくなってきた。
「はあ!?」
「私としては良太から告白でも良いのだけれども、霊夢の告白が見たくなったのよ。」
霊夢さんはあたふたしてますね。普段はこういう姿を見せないので写真に撮りたいですね。まあ、カメラはありませんが。
「で、いつするの?いつするの!?何て言うつもりなのかしら?気になるわ~!」
紫さん、ノリノリですね。酔ってるのかな?
「私は別に良太の事はどうと思ってないわよ!!」
「へぇ、ならどう思ってるの?」
紫さんに詰め寄られて、霊夢さんは渋々といった表情で、呟き出しました。
「家事はできるし、悩みは聴いてくれるし、可愛いし、私の事を本気で心配してくれるし。」
霊夢さんがそこまで言った時、紫さんはこっちの方を向いて来ました。そのタイミングでこっち向きます!?
「彼が聞いたらどうなるのかしらね♪」
あちゃーこのタイミングで来ますか。絶対狙ってましたね。つられて霊夢さんも見てきた。
「あの、霊夢さん、今のは……。」
うまく言葉が言えない。顔に手を当ててみると、とても熱かった。ということは。
「ちちち違うわよこれは!!これは、その、あれよ!!」
「ふふ、それじゃあね♪」
紫さんはスキマの中に入っていった。いつか仕返ししようかな。霊夢さんは顔を赤くしたまま俯いているし、辛いなこの時間が。
「霊夢さん。」
霊夢さんの近くに行くと霊夢さんは何かを呟いてました。
「ああもう!!!」
霊夢さんは覚悟を決めたのか、顔を俺に近付けて来ました。って近過ぎですよ!!
「あんたのことが好きなのよ!!あんたしか好きになれそうにないのよ!!」
「え?えっ!?」
突然の告白って戸惑いますよ!!だっていきなりだし、ある程度は予測できてたけど告白とか初めてだし、好きな人なんて出来たことなかったし、ましてや霊夢さんは可愛いし。
「私を本気で叱ってくれた、本気で心配してくれた、本気で私を救ってくれた。そんな良太の姿に惚れたのよ!」
霊夢さんは今にも泣きそうな顔をして言ってくれた。嬉しいな、涙が出てきそうだよ。
「あんたの返事を聞かせて頂戴!!」
ヤバイ、その姿が可愛すぎる。鼻血が出そうになる。落ち着け保て平常心。ここで出したらこの雰囲気が台無しになる。
「……俺も、好きです!!霊夢さんの色んな姿が好きです!!怒ってる姿や慌ててる姿や笑ってる姿、全部好きです!!」
そう言い俺は霊夢さんに抱きついた。もう我慢出来ませんでしたよ。
「ばか良太、声が大きいのよ。」
霊夢さんは嫌がらずに、受け止めてくれた。ああ、好きな人と触れ合うのはこんなにも幸せな気持ちになるんですね。
「これからもよろしくね!!」
「はい、よろしくお願いします!!」
俺と霊夢さんは皆の目線を気にせず抱きあった。暖かい、今日はいつも以上に暖かく感じた。
「良太……。」
「何ですか?」
「鼻血出てるわよ。」
このタイミングでかよ!霊夢さんの服には、付いてない、良かった、って良くない!!
「すすすすみませぇぇぇえん!!!」
急いでポケットからティッシュを取り出して、鼻に詰めないと!雰囲気ぶち壊してしまったよくずん。
「良太ってどこか抜けてるわよね。」
「うう、否定する言葉がありません。」
ドタバタな告白だったな。でも幻想郷らしくていいかな。
「まあいいわ、じゃあ乾杯!」
「乾杯!」
俺は霊夢さんと一緒なら楽しくやれそうだ。兄さん、兄さんも早く帰ってきてくださいよ。
快side
どうも快ですよ。いやー久しぶりですよ本当に。えっ?久し振りじゃない気がするって?きにすんな!ってそんなわけで宴会に来ていますよ。僕はまあお酒はあまり飲めないけどね。
「はぁ……。」
アリスさんとしばらく一緒に住んでたけど、そろそろ告白してみたいなぁ。
「まあ、フラれると思うけど。」
告白なんてしたことないし、どう言えばいいかわからないしなぁ。
「快、快。」
わーどこからかアリスさんの声がしますよー。おかしいなぁ、アリスさんはさっき魔理沙さんのところにいったはず。僕もお迎えがきたのかなー(棒)
「返事をしなさい!!」
「あべし!!」
気かつけばアリスさんに叩かれてた。って隣に座ってる!?
「あれ?僕は一人で座ってたはず?」
「あなたがボケーとしてるから心配で戻ってきたのよ。」
それは申し訳ないですね。謝った方がいいかな。それともお礼を言った方がいいかな?ここはお礼を言おう!
「心配してくれたんですねありがとうございます。」
そう言うとアリスさんは顔を真っ赤にしました。アリスさんってお礼を言われるのに慣れていないね。
「べ、別に感謝される覚えはないわよ!!」
アリスさんは僕がお礼を言うとツンツンしますね。何故かな?
「( ´∀`)にやにや」
「やめなさいそれ!!」
上海人形が僕とアリスさんのやり取りを見て、にやついてますよ。でも、僕もこんな綺麗な人に心配されるなんて、嬉しい限りです!!アリスさんと付き合えたらなあ。でもアリスさんは僕の事をどう思ってるのかな?」
「ちょっと……。」
ん?アリスさんがさっきよりも顔を赤くして、もじもじしてますね。すごく、可愛いです。
「あれ?アリスさん?どうしましたか?」
僕はアリスさんに聞いてみる。僕の顔に何か付いていたのかな?
「快、あなた、さっきの独り言、全て声に出てたわよ。」
声に出てたのか。そーかそーか……ってやっべぇーーーーーー!!!また出してしまったぁぁぁぁぁ!!
「あわわわわ!!!」
確かに付き合えたらなあとは思っていたよ!!今までもそんな感じだったけど、お互いの気持ちを確かめあってからじゃないと、もっと親密になれないと思うし。けどまさか口に出していたなんて……。
「本当に直さないといけないなぁ。でもアリスさんの容姿が完璧過ぎるんですよ。」
アリスさんは綺麗で美しいし、スタイルはいいし、もう僕のドストライクなんだよ!!これからは気を付けよう。」
「改めて聞いても照れるわね。」
「あの、アリスさん?まさか……。」
違うと言ってほしい!僕は口には出してない!絶対に出してない!!
「うぅ~。駄目、抑えられない!!」
アリスさんの顔が耳まで真っ赤になっていく。やっぱりこれは。
「口に出てました?」
「……(こくり)」
何してんだぁぁぁぁぁ!!!僕のばか!!!1度ならぬ二度までも!!ああ、もうアリスさんに嫌われたよ。うざいと思われてるよ。明日からどう過ごせばいいの!?
「ねえ、快?」
「何でございましょうか?」
アリスさんに呼ばれたので、自分の世界から戻ってくる。
「良かったらさ、付き合わない?」
え?ナニヲイッタノ?ボクハキキトレナカッタヨ。
「今までもそんな感じだったけど、お互いの気持ちを確かめ合わなきゃね♪」
アリスさんが素晴らしい笑みで言いましたよ。僕を殺す気ですか!!
「本当に僕なんかでいいんですか?」
もっといい人いるかもしれないのに。僕みたいなへなちょこでいいのかな?
「だから私は快がいいの!!付き合って下さい!!」
僕の耳が確かなら付き合ってと聞こえたよ。嘘じゃないよね?現実だよね?
「本当ならもっと早めに言うべきだったんだけど、言う勇気がなくて。」
ということは、両思いだったってわけ?
「なっ、ぼっ、僕は。」
「返事をして!!!」
「ははははい!!!」
言葉がうまく出ません。けど人生で一番大事な瞬間だ。ここは落ち着いて行くぞ!!
「僕もアリスさんのことがちゅきです!!!」
「……ふふふ!!」
また噛んでしまったぁぁぁぁぁ。大事な場面なのにーーーーーー。いや待てよ、逆に考えるんだ。噛んでしまってもいいさと。
「面白いわね。」
アリスさんはそう言い抱きついてきた。ってええ!?
「あああアリスさん!?」
「これからもよろしくね♪」
上目使いで満面の笑み、反則ですよそれ。
「( ´∀`)ヒューヒュー」
上海は祝ってくれてますね。口笛吹けていませんけど。
「ちなみにアリスさん?」
「何かしら?」
「あの、今までのやり取り、皆見てますよ。」
宴会会場にいる人、ほとんどの人がこっちを向きましたよ。
「いいぞぉー!面白い告白だったぞ!!」
「幸せになー!!」
「な!!こっち見るなーーー!!!」
アリスさんが怒ってる姿、可愛いです。
聖人side
宴会って見てる側も中々楽しいんだな。えっ?どこで見てるのかって?
「博麗神社の近くの森だぞ。」
いやね、宴会に行きたいんだけどね、どんな顔をして行けばいいかわからんのよ。
「よっす、久し振り~ってそんな軽い感じで行けねえしなあ。」
とりあえず、明日落ち着いた時に行きますか。
「では、おやすみ~。」
近くに妖怪が寄ってこない薬を撒いたから寝ても大丈夫だろう。ぐっすりとは寝れないけどな。




