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東方外遠記  作者: 颯人
第4章 緋想天編 ~Scarlet imagination the sky~
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聖人、復活!

また新たな敵が出てきます。



霊夢side


私は確かに見た。早苗があの天人にやられる姿を。


「早苗!!」


私は遠くから呼び掛けた。けど、早苗は反応してくれなかった。


「これは不味いんじゃないですか?もっとスピードを上げていきますよ!!」


「だね~。」


「しっかりしなさい早苗!!そんなところでくたばったら聖人に何て言われるか分からないわよ!!」


急いで駆け付けようとするけど、その前にあの天人が止めを差そうとしていた。


「間に合わない、ならここから!!」


天人に向けて封魔針を放とうとした時、不意に早苗が光始めたわ。新しいスペル?


「何が起きてるの!?早苗にあんな光を放つスペルカードなんてあったかしら?」


「わかりませんよ霊夢さん!!」


「こいつは、まさか!!」


絢斗は何か察したみたいだけど、まさかね。少し経つと光が収まってきた。


「嘘、何であいつがここにいるのよ?」


「どういうことですか?あの時確かに兄さんは死んだ筈ですよ?」


「こりゃ、たまげたねぇ~。まさかこんなに早く復活するとは思っても見なかったよ~。」


早苗がいた所に、死んだはずの聖人が立っていた。


















聖人side


「さて、殺られる準備はいいか?」


俺は今早苗を殺そうとした天人と対峙している。態度、表情から察するにくだらない理由で早苗を殺そうとしたんだろうな。


「ただの人間に何が出来るのかしら?あの娘みたいになるわよ?」


天人は俺に挑発してきた。恐らく早苗のことを言ってんだろう。


「ふーーーん。あっそ。」


別に挑発に乗ってもいいが、そんなことして力を無駄に消費したくないしな。


「今逃げるなら見逃すわ。まあ、あの娘が無事だとは思えないけどね。」


この天人は随分と生意気だな、恐らく世間知らずなんだろう。


「遺言はそれだけか?」


その言葉を聞いて天人は、ピクリと眉を動かす。


「何を?」


あのくそ天人が何かを言いかけようとする前に俺は刀を振るった。


「ッ!!いきなり何なのよ!?」


「てめえの戯れ言は聞き飽きたんだよ。だから本気で相手してやるよ。」


俺は一本の刀を能力で造り出す。っち、久し振りに能力を使うから精度が落ちてるな。


「剣が一本増えたところで!!」


天人は俺に向かって石みたいな物を投げつけてきた。俺はそれを右に移動して回避するが、天人の顔は笑っていた。


「隙あり!」


俺が回避した直後を狙って剣を振りかざしてきた。けど、速度が遅いから慌てることなく造り出した刀で防ぐ。


「くっ、まさか防がれるなんて。けど、刀の方は持たなかったみたいね?」


「ふーん、やるじゃねえか天子。」


天子を蹴り飛ばし距離を取る。そして刀を見ると今にも折れそうだった。4割くらいの霊力で造ったんだがな、あの剣が何かしたか……。


「降参する気になったかしら?」


勝ち誇った顔で天子は俺を見てくる。まるで自分が最強と思い込んでるみたいだな。まあいい、こういうやつには少しお灸を据えないとな。


「降参しないのね、なら!」


そう言うと俺に向かって剣を斬りつけてきた。俺は真桜剣を持っている手で、攻撃を捌く。力はあるようだが、素人の動きだな。出鱈目に剣を振り回してるだけだ。けど、力勝負になったら勝てる気がしないな。


「防いでばかりじゃ勝てないわよ!」


俺がまだ、手加減していることにも気付かないのか……。相手の力量も測れないみたいだな天子。なら、そろそろ行きますか。


「一本目。」


俺は左手に風属性を付与した刀を造る。


「さて、行きますか。剣符『タブルブレイク』!!」


俺はその場から跳躍して、天人に向かって2つの刀を振り落とした。このスペルは俺の中では珍しい力勝負のスペルだ。単純に上から斬るというスペルだ。


「落下スピードが速すぎる!!」


普通なら避けられるが、跳躍した後高速で落下しているため、避けるのは難しいと思う。もし、避けないで防ごうとするなら、凄まじい力が来るだろう。俺は力はないが、重力を利用すればこういうこともできる。


「ぐあっ!!」


解説が長くなったな。あの天人は避けないで防ごうとしている。結果は、言うまでもないよな。俺に叩きつけられて地面に埋まってるよ。


「痛いじゃないの!!」


そう言えば天人は頑丈なんだっけ?見た限り、あまり負傷はしてないようだな。やれやれ、面倒くさい。


「こっちだって使うんだから!要石『カナメファンネル』!」


そう言って、たくさんの要石?みたいなものを投げつけてきた。俺はそれを回避するが、何にせよ数が多い。避けるのが面倒になってきた。


「このまま避けてもジリ貧だな。仕方ない、使いますか。」


俺は2本目の刀を造る。ちなみに雷属性を付与した刀だ。雷の剣と風の剣を左手の指に挟めて、要石をすべて斬った。


「嘘ぉ……。」


天子は驚いたようだが、これ以上長く続けたくないので俺は、更なる行動に移す。


「三本目!」


水属性を付与した刀を造り、左手の指に挟めた。さらに真桜剣の刀身を炎が纏うようにする。


「何なのよ?アンタのその能力、その刀の使い方、どれも見たことがないわよ!!」


「これが俺の剣術のスタイルだ。」


変則的だろうが何だろう知ったこっちゃねえ。


「ふん!!いいわよ、こっちも全力でいくわよ。剣技『気炎万丈の剣』!!」


そう言い天子は剣を振るってくる。


「さあ覚悟しなさい!!」


さっきよりも速度は上がったが、ただ剣を振り回してるだけだな。俺はそう分析しながらも4本の刀を使って攻撃を捌ぐ。


「……それだけか?」


「どうして当たらないのよ!!一発くらい当たってもおかしくはないのに!!」


そう言って突きをしてきたが、それを真桜剣で切り払って天子の剣を弾く。


「なっ!!」


出来た隙を見逃さず、左手の刀で乱舞をする。と言っても、2本使って相手の動きを制限して残りの1本で攻撃してるけどな。


「ッ!!」


しかし満足にダメージを与えた気がしなかった。属性も付与してるから多少は効いてると思うんだけどな。


「どんだけ堅いんだよ。ボンドでもご飯にかけて食べているのか?」


「他の人間と私は違うのよ。この剣でも駄目ならこれで止めをさすわよ!!『全人類の緋想天』!!」


天子がスペルカードを取り出して上へ掲げると、地面が揺れ始めた。


「とどめ!!」


天子は今まで以上のスピードで突進してきた。なるほど、体勢を崩してその隙に突進攻撃か。


「そこそこだな。」


スピードはそこそこあるな、体勢は崩れたが、俺は4本の刀で突進を受け止めた。


「嘘!!」


天子は突進を止められたことに驚いていた。結構ギリギリだったが、こういうのは顔に出しちゃいけないからな。


「そういう技はもっと助走をつけたほうがいいんじゃねえのか天子?」


「アンタに言われなくてもそうするわよ!!」


天子は距離を取って、再び突進しようとする。さっきの発言、罠だとは知らずにな。


「間抜けだな。秘技『烈空波』!!」


俺は刀を全てしまい、居合いの構えを取る。天子は予想通り突進してくる。


「ふん、そんな構えで私の攻撃を受け止められると思わないことね!」


天子の攻撃が俺に当たる直前に刀の鞘を前に出し、衝撃波を前方に向けて出す。いわゆるカウンターって奴だ。


このスペルは突進系には凄く相性が良く、力さえ負けなければ逆に吹っ飛ばす事が出来るからだ。今は霊力を最大にしてあるからあの程度の突進なら負ける気がしない。


「え、ちょっとそんなのあり!?ってきゃあああ!!」


突進を返され、天子は空に投げ出され落ちていった。追加として、衝撃波を喰らったら少しの間動けなくする効果もある。


「……ふう。」


やれやれ、なんとかなったか。さて、地上に戻って早苗の様子を見に行かないとな。



















「へぇ、意外と強いのね。」


「!!!」


俺の前に見知らぬ金髪ロングの女性が立っていた。こいつ、なかなかだ。俺は今までに感じた事のないオーラに後退りした。 


「はあーい、元気?」


「……はい?」


フレンドリーに話しかけてきたので、思わず変な声が出てしまった。あんなオーラ出しておいてフレンドリーに話し掛けてくんなよ。


「誰だお前?」


「私?本名は言えないわ。取り敢えずアイリスでも名乗っとくわよ。私が思っていた以上に貴方が強そうで安心したわ。」


「で、何の用なんだ?というより、帽子に桃入れて運ぶなよ。」


白い帽子に大量の桃を入れてるぞこいつ。ってかあの顔立ち、喋り方、どこかで聞いたことあるような?


「良いじゃない、それにこの帽子は意外と容量が大きくて桃がたくさん入るのよ。」


アイリスは帽子に入れている桃の1つを取り出して食べ始めた。桃ってこんなところにあるのか?


「そんなに警戒しなくても良いわよ聖人♪今日は顔を見に来ただけだから、じゃあねーー!!」


そう言いアイリスは桃を食べながら飛んでいった。というより俺の顔を見に来たのはついでで桃を食べに来たんだろうな。 


「ん?今俺の名前を呼んだよなアイリス?何で知ってる?駄目だ分からないことが多すぎる。とりあえずここから離れるか。」


8ヶ月振りの幻想郷、皆に会うのが気まずいな。


「お見事です、泊谷聖人さん。」


今度は誰だ!?後ろからアイリスとは違う人の声が聞こえてきたぞ?


「初めまして、私は永江衣玖と申します。総領娘様をコテンパンにしてくださりありがとうございます。」


「その口調、天子の付き人ってことか?」


俺がそう言うと衣玖は苦笑いを浮かべていた。この人苦労してそうだな。


「ええそうです。全く総領娘様には困ったものです。暇潰しの為に博麗神社を壊してしまいましたし。」


「悪い意味での怖いもの知らずだな天子。博麗神社を壊せば霊夢がやってくるとでも思ったんだろうな。」


「その通りです。」


そこまで会話すると下の方から霊夢と良太の怒鳴る声と天子の悲鳴が聞こえてきた。


「……しばらくは総領娘様の所に行かない方が良いでしょうね。」


「そうしてくれ、あと紫が衣玖と話したそうにしてるから俺は行くよ。」


現に衣玖の上の空間にスキマが空いていて紫が俺を見てるからな。


「じゃあな。」


俺は一礼してくる衣玖を見ながら地上に降りていく。さて、久し振りの外だから少し探索でもするかな。

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