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東方外遠記  作者: 颯人
第3章 外来人異変 ~Person from outpatient department accldent~
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幽香VS魔理沙

「さて、覚悟はいいかしら?」


「…………。」


幽香は持っている日傘をくるくる回しながら魔理沙に訊ねるが、魔理沙は無表情のまま黙っていた。


「だんまりね、何か言ったらどうかしら?」


幽香がそう言うと同時に魔理沙は弾幕を放つ。


「危ないわね。スペルカードルールは、無くていいわね。どちらかの体力が尽きるまでってとこね。」


そ幽香は余裕を持って弾幕を避ける、幽香が弾幕を避けるのを見て魔理沙は密度を濃くする。


「……つまらないわね。いつもの貴女らしくないわよ?」


幽香は避けながら呟く。その言葉を聞いた魔理沙はスペルカードを取り出す。


「恋符『ノンディレクショナルレーザー』」


「来たわね。」


幽香の周りに4つのレーザーが逃げる道を塞ぎ、その間に濃い弾幕が放たれる。それも幽香は避けていくが、一つ避けきれない弾幕が迫ってきていた。


「へえ、なかなかじゃない。回避だけでは無理ね。」


避けきれない弾幕は弾幕を放ち、相殺させながら魔理沙に攻撃する。だが魔理沙は幽香が放った弾幕を最低限の動きだけで避けていく。


「(おかしいわね。前に見た時はもっと弾幕は濃かった、こんなもんじゃないはず。)」


そう幽香が考えていると魔理沙は次のスペルカードを取り出す。


「魔符『ミルキーウェイ』」


魔理沙は急上昇し、空中で大きく旋回して大量の星形の弾幕を出してくる。


「ッ!!これはまずいわね!!考え事してる場合じゃなさそうね!」


幽香は避けながら弾幕を放ち、時には日傘で弾幕を弾きながら避ける。


「スペルカードを使いたいけど、今の状態じゃ1つが限界ね。」


まだ健二の作った毒が体に残っていた。絢斗が治療してくれたが、全て取り除けなかったらしい。お陰で体は動かしにくく弾幕もいつも放つ物より威力が落ちたものしか出せないらしい。


「(でもやっぱりおかしいわね。魔理沙は異変を解決してきている。こんな程度の筈ではない。今の私の状態ならすぐやられている。)」


幽香は日傘をくるくる回しながら魔理沙に話しかける。


「貴女、手加減してるんじゃないでしょうね?」


そう幽香が魔理沙に言った瞬間、魔理沙は頭を抱えながら突然苦しみだした。


「やっぱり、何かあるのかしらね。ん?」


幽香は魔理沙から声が聞こえた気した。


「……けて。」


「何かを伝えたいのかしら?」


「助、けて。」


「あなたがそんなこと言うってことは相当なのね。いいわ、今回だけよ。」


幽香がそう言うと魔理沙は星形弾幕を放つのを止めて、スペルカードを取り出した。


「恋符 『スタースパーク』」


魔理沙はお得意の巨大レーザーを幽香に放つ。それを見て幽香もスペルカードを取り出す。


「前より威力が強くなってるわね。けど、それを作ったのは私よ!!『マスタースパーク』!!」


幽香も日傘の先端から魔理沙と同じような巨大レーザーを放つ。二つのマスタースパークがぶつかり、少しの間レーザー同士ぶつかりあっていたが、威力が同じだったためかレーザーが爆発した。


「はあ、はあ、やっぱりまだ毒が抜けきってないわね。こんな程度で息があがるなんて。よっぽど強い毒を入れたのね。」


幽香が休んでいる時、魔理沙は休む暇もなく続けてスペルカードを取り出す。


「恋心『ダブルスパーク』」


「これはまずいわね!!」


魔理沙のスペルの宣言を聞いた瞬間に幽香もスペルカードを取り出す。


「マスタースパーク!!」


マスタースパーク同士がまた激突した。しかし、幽霊のレーザーは一つに対し、魔理沙のレーザーは二つなのでだんだん幽香の方が押されていく。


「っ!!ここまで、かしらね。」


これ以上幽香は力が入らないらしく、マスタースパークを撃つのをやめて目を閉じた。そして、2つのマスタースパークは幽香に当たった。























はずだった。


「おいおい諦めていいのかよ?」


「!!!」


幽香が目を開けると快が幽香をお姫様だっこをしていた。どうやらレーザーの直撃は回避できたらしい。


「離しなさいよ!!」


「失礼しました。」


快は幽香を地面に降ろす。幽香は多少顔を赤くしていたが、すぐに元に戻して快を睨み付ける。


「どうして私を助けたのよ?貴方が介入する意味がわからないわ。」


「それは女の子が傷つくのを見たくないからですよ。それだけの理由で助けては駄目なんですか?」


「!!!」


予想外の言葉に幽香は少し顔を赤くしてそっぽを向く。


「と、とりあえず、ありがとう。」


「どういたしまして、さて、問題はここからですね。」


快は魔理沙の方を向く。魔理沙はこの時間を使って魔力を溜めていた。


「後は私がやるわ。これ以上助けられたら大妖怪の名が泣くわ。」


幽香はそう言って前に出ようとした時、快に肩を掴まれる。


「そんなふらふらの状態で何ができるんですか?立っているのもやっとなんですよね?」


「くっ、貴方には関係のないことよ!!」


幽香は肩に掴まれている快の手を払おうとするが、快は手に力を入れて払えないようにしていた。


「無茶しないでゆっくり休んでください。」


「けど!!私が!!」


「大丈夫です。僕がなんとかしますから。」


そう言い快は前に出る。魔理沙は準備が整ったらしく、八卦炉を快の方へ向けていた。


「待たせたね。いつでもいいよ。」


そう言い左手を前、右手を後ろに向けた。その瞬間に快の手から炎が出始める。


「この技は!!」


「すみません、僕もパクっちゃいました。」


快が準備をしている時、魔理沙は八卦炉に魔力を送りながらスペルカードを取り出した。


「魔砲『ファイナルスパーク』」


そう言い魔理沙はマスタースパークとは比べ物にならないほどのレーザーを快に向けて放つ。それを見た快はスペルカードを宣言する。


「ここで負ける訳にはいかないんです!!炎符『フレアバーナー』!!」


快の左手から炎のレーザーが放たれた。そのレーザーは魔理沙のファイナルスパークと同じくらいの大きさだった。


ドオーーーーーン!!!


2つのレーザーは最初は拮抗したが、すぐに快の炎のレーザーが魔理沙のレーザーを包み込んで魔理沙に直撃した。


「ふう、終わったかな?」


快は能力を解除し、倒れている魔理沙に近寄る。


「……これですね。」


そう言い魔理沙の背中にあった機械を取った。機械が取れた瞬間に魔理沙はカバッと起き上がる。


「あれ?私は何をして?って体がズキズキと痛むんだぜ。」


「うん、元に戻ったね。聞きたいことは山程あると思うけど、僕と幽香さんで魔理沙さんを助けたんだよ。」


「そうか。」


「じゃあ僕はこれで「ありがとなんだぜ!!」うわあああ!!」


快は魔理沙に背を向けて立ち去ろうとした瞬間、魔理沙は思いっきり快の背中に抱き付いた。


「ありがとう、本当にありがとう!!」


「ちょ!!わかりましたからわかりましたから魔理沙さん、力加減を考えて!!」


「魔理沙だけずるいわよ。」


幽香は面白そうなものを見付けたみたいな顔で快に近付いていく。


「へっ、幽香さん?まさかうわぁ!!」


幽香は狼狽える快の真正面から抱き付く。その様子を絢斗はニヤニヤしながら見ていた。


「おーおー暑いねえ!!両手に花って奴だね~。」


「見てないで助けてよ~!!幽香さん魔理沙さんそんなに強く抱き付くとその、あうぅ~。」


「ちょっと幽香と魔理沙!?」


騒ぎを聞き付けたアリスが魔理沙と幽香を睨む。


「はーい、アリスちゃんストップ~!!」


「止めないで!!魔理沙と幽香だけずるい!!」


「その気持ちは抑えて、魔理沙ちゃんの怪我を治して他のところをサポートするよ~!!」


その後、快は気絶しオロオロする魔理沙とクスクス笑う幽香の姿があった。

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