和解
俺達は戦いが終わったあと霊夢達を神社に運び諏訪子から事情を聞いた。
「ふむふむ、つまり信仰が得られなくなったからこっちに来たと。」
「外の世界の人達は神様なんてほとんど信じないからねぇ。無理もないけどさ。」
聞くところによると、外の世界で信仰が得られなくなったのでこっちに来たらしい。そして信仰を得るためには力で信仰を集めようとしたらしい。
「ごめんね、私たちの勝手な判断で戦って。でも何であそこの神社は私達が貰ったら駄目なの?」
「それはな……。」
少年説明中……
「そっかぁ、そんなに大事な場所だったんだね。」
「まあ、事情は知ったから俺は許すけどあいつらは知らないからな。」
「わかったよ、目が覚めたら話すつもりだから。」
そう諏訪子はいい、霊夢達が目覚めるのを待った。ただ待ってるのも暇なので、諏訪子の昔話を聞いていた。年齢いくつだよその見た目でって口に出かけた時、諏訪子に。
「気にしているんだから考えるなぁーー!!!」
って叫ばれてコブラツイストをおみまいされたよ。あれは死ぬかと思ったね、マジで!
それから数時間後。
「まったくひどい目にあったわ。」
「その通りだぜ!!」
「まぁまぁお二人とも落ち着いて。」
起きた霊夢と魔理沙がブーブー文句を言うのを早苗が落ち着かせていた。
「本当にすまなかった。やはり力づくでは駄目だったな!まあ、いい経験にはなったよ!」
「はぁ、あんた反省しているのかしら?」
「充分に反省はしているさ。」
「そう、ならいいんだけど。」
幻想郷の人は心が広いなあ、と改めて思いしらされるよ。
「しかし、聖人は本当に強くなったねぇ。まさかこの私が負けるとは思わなかったよ。」
「勝てたのはたまたまだ。油断してくれなかったらやられていたよ。」
「でも勝ったのは事実だからね。」
「よし!!お詫びと言っては何だが、今夜はごちそうするよ!!」
「それはありがたいわね。宴会と来たらいつも私の所だから助かるわ。」
「やったぜ!!」
このメンバーで宴会か。俺は酒はあんまり好きじゃないんだがな。
「それじゃあ準備するよ。」
「私も手伝いますよ。」
「すまないな、早苗。」
「いえいえ!!神奈子様だけにやらせる訳にはいかないですから!!」
「私はどうすればいいの?」
「諏訪子はそこら辺にいてくれ。なるべく、こっちに来ないようにな。」
「私だって手伝えるよ!!」
「諏訪子様は逆に……。」
「私が邪魔だって言いたいの!?」
「そうらしいぞ諏訪子、料理くらい少しは手伝えるようになれよ。」
ぐーたら神様だな。昔じゃ国のトップにいたらしいが、今の姿からじゃ想像出来ないな。
「ひどい!!じゃあ聖人はできるのかい!?」
「出来るぞ、ってかここにいる限りじゃ料理くらい出来ないと生きていけないぞ?」
「いいもん!!出来なくたって生きていけるもん!」
「ねえ聖人?こんなのが神だなんて……。」
「霊夢、気持ちはよくわかるぞ。でも、諏訪子はこういうやつなんだ。」
痛いほど気持ちはわかるぞ、俺も初めて見た時そうだったからな。
準備が終わり、宴会となった。
「いやー!!やっぱり宴会はいいですね!!」
「何で文までいるの?」
「いやあ、宴会と聞いたのでこれはチャンスと思い来ました。」
「俺の取材だろ、違うか?」
「あやや、わかってしまいましたか。」
「メモ帳と筆をもってる時点で誰でもわかるぞ。」
今すぐにでも質問してきそうな顔もしているしな。
「じゃあ質問いいですか?いえ、質問します!」
「俺に拒否権は「ありませんよ?」だろうと思ったよ。」
など言い、文からの質問に答えた。内容は外の世界の事や、強さの秘密などだった。時に霊夢のあの服についてどう思いますか?って質問してきた時に霊夢が文に陰陽玉を投げつけた以外は普通に進んだな。
「では最後に一ついいですか?」
「何だ?」
「好きな人はいるんですか?」
「ブフォ!!」
「あやや!!その反応は、いるって事ですね!」
「ゲホ、ゲホ、予想外の質問が来たからむせただけだぞ!」
「で、どうなんですか?」
文はニヤニヤしながら聞いてくる。こいつ、思ったより目敏いな。
「いないかな?いや、正確にはわからないかな?」
俺はそう正直に答える。わからないものはわからないからな。
すると、文はため息をつき、
「本当に鈍感なんですね。」
「なんの事?」
「教えません。」
と、文はニヤニヤしながら言った。くそう、凄くきになる。
「質問に答えて頂きありがとうございます!!では、私はこれにて!!」
「まあ、次はもっといい質問を考えてくれよ。」
「わっかりました!!」
そう言い文は去っていった。
やれやれやっと終わった、これで戻れるな。
「どこに行ってたんですか?」
戻ってきた瞬間に早苗から質問が来る。別に守矢神社から出たわけじゃないんだが?
「まあ、文の質問に答えていた。」
そう言うと早苗は、少しむすっとした顔になった。質問に答えていただけだぞ?
「ふーん、そうなんですか。」
と言いそっぽ向いてしまった。あれー?俺何かしたっけ?
「何なのこの状況?誰か説明して!?」
そう霊夢に言うが、
「私は知らないわよ。」
とニヤニヤしながら言った。まわりを見れば早苗以外全員ニヤニヤしていやがった。
「何なんだよまったく。」
「まぁまぁ気にせず飲め!!出てくるお酒旨いぞ!」
「お前完璧酔ってるだろ!?酒臭いし!!」
「そうよぉ、あんたも飲みなさいよ~!!」
「霊夢、お前もか!!」
など他愛もない話をしながら飲んだ。いや、飲まされたって言った方が正しいな。
宴会が終わり皆酔ってごろ寝していたが、俺は寝る気になれなかった。
「出てきたらどうなんだ?紫?」
誰かの視線をずっと感じたから寝る気分になれねえよ。
「あらあらあなたはすごいわね、何で気付いたのかしら?」
「何となく感じるんだよ、何の用だ?」
そう俺は言うと紫は強張った顔をして、
「近々とんでもない異変が来るかも知れないわ。これは冗談じゃなくて本当によ。」
「えっ!?それは本当か!?」
俺は思わず大声で言ってしまった。紫がとんでもないって言うんだからやばい異変が来るのかな?
「声が大きいわよ。残念だけど本当の事よ。」
「じゃあ何で霊夢に言わないんだ?霊夢にも言った方がいいんじゃないのか?」
「それはね、あなたに汚れ役を演じてほしいからよ。」
「……何となく考えが読めた、で、どんな汚れ役だ?」
「それは後で言うわ。このことは誰にも言わないで頂戴ね。」
「わかった。」
俺がそう言うと紫はスキマの中に消えていった。
「しかし、どんな異変が来るんだよ?嫌な予感しかしないぞ。」




