お伽噺話の解釈は無限大
永遠亭
「あー、偉い目にあった。」
あの後、兎から弾幕を浴びせられたんだよ!!お陰で全身真っ赤だよ!!おまけに夕飯は食べさせて貰えなかったし、泣けるぜ。
「ああなったから屋敷の中にいたくないな。庭に出てみるか。」
しばらく歩いたら庭が見えてきた。おっ、あそこにいい石があるな、あそこに座ろっと。
「ふぅー、綺麗な月だな。」
空を見上げたら星や月が見える。本当に綺麗なもんだ、月の形がはっきりと見えるな。
「ふふ、そうでしょう。ここから見る月はとても綺麗だもの。」
いつの間にか後ろに姫様らしき人がいた。どっかで見たことあるなあの人。
「誰だ?」
「私は蓬莱山 輝夜よ。よろしくね、泊谷 聖人。」
輝夜か、てか何で俺の名前を知ってるんだ?
「永琳から聞いたのか?」
「そうよ、永琳が昨日いい実験体が手に入ったって言ってたからよ。」
輝夜は可笑しそうに笑っていた。いい実験体って、今度から永琳は怒らせないようにしよう。
「その時に俺の名前を聞いたのか?」
「そうよ、にしても永琳があそこまで目を輝かせるなんて、貴方すごいわね。」
「そうか?ところで永琳が何の実験をしたか聞いたか?」
「ええ、貴方の血液を調べたり、貴方に抱き付いたり、貴方のあれを調べたりしてたわよ。」
なるほって何か1つとんでもないものがあったんだが!?あれってなんだよあれって!?
「抱き付いて何のデータを取るつもりなんだよ。まあ通りで柔らかくて大きな感触が、はっ!!」
「永琳の胸は大きいからね。貴方もしかして大きい胸の人が好きなの?」
ちがちがちがうよ?そんなわけないよな、おちゅつけ、慌てるなよ俺。
「そそそそんなわけけけけないだろ!?」
「当たりなのね、動揺してるのが丸わかりよ。」
うっ、もう認めるしかないな。
「ところで輝夜、昨日って輝夜は言ったけど、俺が気絶してから1日経ってるのか?」
「経ってるわよ。永琳曰く、2日は眠らせるつもりだったらしいわよ。」
永琳怖いね。早めに目覚めてよかったよ。
「ところで、貴方今暇かしら?」
「まあ暇だが?」
「外の世界から来たのよね?その外の世界の話を聞かせてくれないかしら?」
うーん、輝夜が興味を惹かれそうな話なんてあったかな?
「ってか何で外の世界の話を聞きたいんだ?」
「私と永琳は蓬来の薬を飲んだ蓬来人っていう不老不死の人間なのよ。」
不老不死?何かどこかでそのワードを聞いたな?
「あれ?てっきり昔の人がかぐや姫から貰ったその不老不死の薬を山の頂上で燃やしたっていう話を聞いてるんだが?」
ん?俺がかぐや姫と言った瞬間に輝夜は驚いた表情になったな。おい待てよ、まさかかぐや姫って言うのは。
「外の世界ではそんな話で伝わっているのね。聖人が聞きたいことを言ってあげる、私がそのかぐや姫の張本人よ。」
「ナナ、ナンダッテェェェェェ!?」
うっそマジかよ!?有名な人と俺話してるのかよ!!ってか俺輝夜と対等に話してたんだけどこれ絶対ヤバイよな?
「ととと、取り敢えず土下座でも!!」
「止めて聖人、今の私はただの輝夜なの。敬う必要なんてないわよ。」
良かった、てっきり処されるかと思ったよ。
「折角だから私の知ってる事を色々と話してあげるわ。」
輝夜がそう言って部屋に向かうのを俺は黙って付いていった。折角だからサインとか貰っておこうかな?
朝
ようやく解放された、何時間話したんだよ!!輝夜は不老不死だから寝なくても死なないけど、俺は死ぬっつーの!!
「ちくしょう眠い。」
こういう時は、レッ○ブル飲みますか!!それと診察室に行かないと。
「おはよう聖人、よく眠れ、てないわね。目の下の隈が物語っているわ。」
「何処かの姫様のせいでな。」
まあ、有意義な時間だったからいいんだけどさ。
「ごめんなさいね、姫様のわがままに付き合ってもらって。寝不足に効く薬とぐっすり眠れる薬を出しておくわね。」
「お気遣い光栄恐縮です。」
「本当に大丈夫なの聖人?」
大丈夫じゃないから早く帰らせて永琳。
「妖夢の状態だけどもうすぐ退院出来そうよ。」
「おい、早くないか?」
本当に2日で治したのか。まあ聞いた所によると幻想郷の病院はここくらいしかないからそのペースで治さないと患者で溢れるな。
「私の薬は効き目が早いのよ。」
「それはすごいな!!副作用とか大丈夫なのか?」
いい薬には副作用とかが付き物だからな。
「副作用なんて無いわよ。精々眠たくなるくらいね、ところで聖人に聞きたいことあるんだけど?」
「どうぞ。」
「貴方、何者なの?」
スッゴい真剣な顔で訊ねてくる所申し訳ないけど、何者って言われてもな。人間としか答えられないぞ。
「ぷっ!!永琳は何を言ってるんだ?」
「わ、笑うことないじゃない!!」
おっ、意外と可愛い反応をするんだな永琳。お姉さんキャラの人が慌ててる姿っていいよね!
「悪い悪い、予想外の言葉が出てきたからな。俺は普通の人間だ。」
「そう、それならいいわ。そろそろ妖夢が起きるから準備しときなさい。」
と言われて俺は診察室を出る。にしても2日で治すとはなぁ、永琳みたいなスペックの医師が外の世界にたくさんいればいいのに。
永遠亭 玄関
「世話になったな。」
「本当にすみません。」
永琳に見送りに来て貰ってるぞ、にしても本当に妖夢の骨折を治すとはなぁ。
「いいのいいの、お大事にね二人とも。」
お大事にか、何か懐かしいな。
「何かあったらまた来るよ永琳。」
「いいわよ。ただし新しい薬の実験をさせてもらうわよ♪」
「それはご遠慮願いたいですね!!」
もう実験台にされたくねぇ。未だに体がだるいんだぞ、あっ、これは寝不足の影響か。
「そういえば帰り道は分かるのかしら?」
「えっと、知らん!!」
「そんな堂々と胸を張って言わないで下さい聖人さん!!私もわかりませんけど。」
分からないんかい妖夢!!
「そうだろうと思ったわよ。妹紅!!」
そう永琳は言うと永遠亭の屋根からもんぺ姿の女性が現れた。もんぺってあんな感じなんだ。
「そこの二人を人里まで案内してあげて。」
「わかった。妖夢と、誰だ?」
「泊谷 聖人だ。」
「聖人か、よろしくな!!」
そう言い妹紅と握手をした。革のグローブは外してな。ん?妹紅が驚いた表情で俺を見てるな?
「お前!!熱くないのか!?」
「外は暑いけど?」
「いや、確かに外は暑いが私は今人が触ると火傷する体温にしていたんだぞ!!」
そんな状態で握手を求めようとするなよ!!おっそろしいなこの人!?
「全然普通だったけどな。」
右手に革のグローブを着けてっと。このグローブは通気性抜群だからな。着けていても涼しい。
「まあいいや、とにかく行くぞ!!」
「またな、永琳!!」
妹紅は飛ぶのかな?あっ、歩いて行くのか、あざっす!!
「それにしても驚くことばかりね。」
「そうね、彼の能力は私でもすべて把握していないもの。」
「意外ね。妖怪の賢者の貴方でさえもわからないなんて。」
「これから幻想郷に何かが起きるかも知れないわ。」
「わかったわ。その事を知らせるためだけにここに来たのかしら?」
「ご名答。じゃあ私は消えるわね。」




