紅霧異変4
原作でいうとレザマリのルートでこの小説は進んでいます。
紅魔館へ突入した霊夢達はロビーの階段を上がり、二階の廊下に続く扉を開けたが、開けた先は地下のヴワル図書館だった。
「ねえ魔理沙、私達二階に上がったはずよね?なのに何で地下に来てるのよ!?」
「あれだろ、どうせパチュリーと咲夜が何かしたんだろ。」
霊夢はうぬぬと言いながら体を震わせ、魔理沙は両手を後頭部に乗せながら言う。
「すごい、移動した感覚がなかった!」
「流石はパチュリーだぜ。早く戦ってみたいぜ!!」
良夢は辺りを見渡しながら言い、魔理菜はわくわくした様子で歩いていく。
「でもな魔理菜、この図書館には罠が大量にあるんだぜ。だからパチュリーと戦うのはもっと進まないと駄目なんだ。」
「むぅぅ、戦いたい!!」
「じゃあ魔理菜、こうしよう!霊符 夢想封印!!」
地団駄を踏む魔理菜を見た良夢はカラフルな大玉弾幕をそこら辺にばら蒔いた。
「何してるの良夢!!」
「パチュリーさんはここの図書館を大切にしているんですよね?だったら、暴れまわったら出てくるんじゃないかと思いまして。」
「良夢!!」
「う~、お母さん~?」
良夢の意見を聞いた霊夢はお祓い棒で良夢の頭を叩いた。また叱られると思った良夢は涙目で霊夢の方を向く。
「そんなんじゃ効果がないわ良夢。やるなら徹底的にやりなさい、ここの図書館を壊すくらいに!」
「はい!!お母さん!!」
「「「待て待て待て待て待て!!」」」
良夢を叱ると思ったら、催促するように言った霊夢に魔理沙と魔理菜と良太がツッコミを入れる。
「壊すのは駄目だろ霊夢!!ここは魔法使いの大切な場所なんだぞ!!」
「いいじゃない別に、パチュリーならまた図書館を復活させそうだし。」
「それに、まだまだ借りてない本があるんだぞ!!あっ、魔理菜そこの本棚の本全部借りてくから手伝ってくれ!!」
「分かったぜ母ちゃん!!」
「いい加減にしてください!!」
物陰から小悪魔が飛び出て霊夢達に弾幕を放った。だが霊夢はお札で小悪魔の放った弾幕を相殺する。
「ここはパチュリー様の大切な図書館なんですよ!!好き勝手に暴れないでください!!」
「あー、面倒なのが出てきたぜ。魔理菜、良夢、ちゃちゃっとやっつけてこい!」
魔理沙が良夢と魔理菜にそう言い、本棚を漁り始める。霊夢は欠伸をしながら見ていた。
「これ以上パチュリー様の大切な図書館を好きにさせるわけにはいきません!!」
そう言い小悪魔は本のトラップを起動させ、魔法陣に囲まれた本が空中に浮かび、良夢と魔理菜に弾幕を放った。
「おお!すっげー!本が自動で動いて弾幕を放ってるぜ!」
「目を輝かせてる場合じゃないでしょ魔理菜!!小悪魔さんを早く倒すよ!!」
「あで、わかったよ良夢。」
本が放ってくる弾幕を避けながら魔理菜は辺りをきょろきょろと見渡す。それを見た良夢が魔理菜の頭を軽く叩いた。
「魔理菜!!良夢!!小悪魔くらいさっさと倒せよ!!」
「なめられたものですね!!私はそう簡単にはやられませんよ!」
「夢符 封魔陣!!」
「魔符 スターダストレヴァリエ!!」
「えっ!!あの!!」
小悪魔は良夢と魔理菜が同時にスペルを使ってくるとは思ってなかったらしく、二人が放った弾幕に直撃した。
「ごめんなさい~、パチュリー様ぁぁぁ~。」
「小悪魔さんも倒した事だし、もう一暴れすればパチュリーさんが出てくるんですね!」
「おいおい良夢、暴れるなら私と母ちゃんが本を借り終わってからにしてくれよ?おっ、この本いいな!」
小悪魔を倒し終わった後、良夢は再び弾幕をばら蒔き、魔理菜は図書館の本をせっせと袋に詰めていく。
「それにしても、窓とかないんですかね。それと、こんなに広かったかな?」
「空間を弄る奴がいるのよ良夢、さてもう一暴れするわよ!」
「そこの紅白と青白!!私の書斎で暴れないで!!」
パチュリーは弾幕を放とうとしている良夢と霊夢に向かって叫びながら近付いていく。
「書斎?図書館じゃないんですか?(紅白?もしかしてお母さんの事かな?)」
「これらは貴女のお母さんが管理している神社の5年分の賽銭程度の価値があるのよ!」
パチュリーは額に青筋を浮かべながら良夢に向かって叫ぶ。
「うちは年中無休で参拝客がないわよパチュリー。」
「所詮、その程度の価値しかないんだよ。間違えた、ないのよ!」
「パチュリーさんって言葉遣い荒いんですか?」
良夢がパチュリーに向かってそう言うが、パチュリーは咳払いをして持っている本のページをめくる。
「それにしても、こんな薄暗い部屋でよく本なんか読めるわねぇ。本当に見えてるのかしら?」
「私は貴女達みたいに鳥目じゃないわよ。」
「お母さんと私は鳥目じゃないですよ。ってそうではなくて、レミリアさんって知ってますか?」
良夢がパチュリーに向かってそう言うと、パチュリーは持っていた本を閉じた。
「レミィに何の用?」
「霧の出し過ぎで困ります。洗濯物が乾きません。」
「知らないわよ、とにかくレミィには会わせないわ。」
「パチュリーさんの邪魔はしませんから。」
「…ところで、貴女誰?」
「博麗良夢です!!」
良夢は叫びながらパチュリーにバウンドショットニードルを投げ付けるが、パチュリーは結界を張って防いだ。
「ごめんなさいね、冗談よ良夢。」
「しかし本当に凄い本の数だなぁ!!後でいっぱいもらっていこう!!」
「持ってかないでー!!」
パチュリーは棚から本を取り出そうとしている魔理菜に向けて弾幕を放つ。
「おわっ!!危ないな!!だが本は持っていくぜ!!」
「ええっと、目の前の黒いのを消極的にやってつけるには…。」
「載ってるのか?」
パチュリーは持っていた本のページをペラペラとめくるが、お目当てのページが見付からなかったのか、諦めたような表情で本を閉じた。
「うーん、最近目が悪くなったわ。」
「部屋がくらいんじゃないのか?もっと明るくしようぜ?こう、火の魔法でバーーンと!!」
魔理菜が笑顔でそう言うが、パチュリーはため息をついて呆れた表情をする。
「それじゃ燃えるわようちの書斎が。やっぱり鉄分が足りないのかしら?」
「どっちかっつーと、ビタミンAだな!!」
「…ビタミンCや、B1も必要なんだけどな。」
魔理菜が堂々と叫ぶのを聞いた白は小声でボソッと呟き、絢は口を押さえて笑っていた。
「貴女は足りてるのかしら魔理菜?」
「足りてるぜ、色々とな!!むしろ溢れかえってるくらいだぜ!!」
「じゃ、頂こうかしら。」
「おお!!これはもしかしてパチュリーちゃんと魔理菜ちゃんが濃厚に絡みあ~う展開か!?」
絢は鼻息を荒くしながらパチュリーと魔理菜を見詰める。それを見ていた白と海二は頭を抱えた。
「私を食べるのかパチュリー?言っておくけど、私は美味しいぜ?」
「いいぞぉ~、どんどん進め、そしてそのままパチュリーちゃんと魔理菜ちゃんの禁断の行為を幻想郷中に広め上げるのです!ふわぁ~はは!!」
「魔理沙、ちょいと八卦炉貸してくんね?」
「駄目だぜ!!代わりに魔法瓶なら貸せるぜ?」
魔理沙は白に八卦炉の代わりに青い魔法瓶を渡した。受け取った白は未だに高笑いしている絢の顔面に魔法瓶をぶつける。
「少し黙っとけ!!」
「どぉぉぉあ!!」
絢は数メートル後ろに吹き飛んだが、すぐに戻ってきた。
「ジョークジョーク、溢れでる欲求が抑えきれなかったぜ!!」
「何か外野が騒がしいけど、えっと、簡単に素材のアクを取り除く調理法は…、これね。」
そう言いパチュリーは全方位にレーザーを放った。いきなりレーザーが来るとは思ってなかったらしく、良夢と魔理菜は被弾ギリギリで回避した。
「危な!!しかもそれ母ちゃんのノンディレクショナルレーザーじゃないか!!パクったのか!?」
「いや、貴女のお母さんがパクったのよ。これだけじゃなくてマスタースパークも実はある人からパクったのよ。」
そう言いパチュリーはレーザーを避けている良夢と魔理菜に向けて自機狙い弾幕を放つ。二人は小さく避けるが、再び出現したレーザーに当たりそうになる。
「悠長に避けていられないですね!!」
「当たり前じゃない良夢、もたもたしていたら痛い目を見るわよ?土符 レイジィトリリトン。」
そう言いパチュリーは黄色の弾幕を大量にばら蒔いたが、半分はそのまま二人に向かって行き、半分は停止した。
「なんだ?私達をなめてるのか?」
「そうね、なめてはいるけど、手は抜かないわよ魔理菜。」
「魔理菜!!パチュリーさんがどんどん弾幕を放ってくるよ!!」
良夢は息を荒げながら魔理菜に向かって叫ぶ。良夢の言う通りパチュリーは黄色の弾幕を放つのを止めなかった。
「くそ!!段々と弾幕の隙間がなくなってきたぜ。なら恋符 マスタースパーク!!」
魔理菜は弾幕のあまりの量の多さに避けるのは無理と判断し、巨大なレーザーでパチュリーの弾幕を打ち消した。
「へえ、魔理沙よりは威力やスピードは劣っているけど、私の弾幕を全て打ち消し、スペルもブレイクさせるなんて中々やるじゃない。」
「その上から目線の言葉がムカつくぜ!!」
「そりゃそうでしょ、貴女達の何十倍も生きてるんだから。」
パチュリーはそう言い、レーザーと弾幕を二人に向けて放つ。だが最初の方よりも弾幕のスピードは速くなっていた。
「キャァ!!」
「良夢!?大丈夫か!?」
弾幕のスピードに付いてこれず、パチュリーの放ったレーザーに良夢は当たってしまった。魔理菜は良夢の安否を確認するが、良夢は魔理菜に大丈夫と言わんばかりに弾幕を放つ。
「あら被弾したわね良夢、そろそろ限界かしら?これじゃあレミィには会わせられないわよ?」
「限界じゃ、ないですよ!!」
「そう?なら金符 メタルファティーグ。」
パチュリーはレーザーと弾幕を放つのを止めて、大きい弾幕を数個放った。
「気を付けて魔理菜、嫌な予感がするわ!」
「あぁ、何をする気なんだ?」
「さて、これを被弾無しで避けられるかしらね?」
パチュリーは放った大きい弾幕を分裂させ、良夢と魔理菜の方へ飛ばした。分裂は1回だけでなく、数秒毎に分裂しだした。
「おいおいおい!!さっきのスペルの弾幕が大きいバージョンじゃないか!?」
「これは、キツイ!!」
良夢と魔理菜は苦しそうな表情をしながら弾幕を避けていくが、グレイスが増えてきて、所々皮膚が赤くなっていた。
「パチュリーちゃんって実は凄いのかねぇ~?」
「実際凄いだろ、喘息とか体力の無さを解決出来れば相当強いだろう。でもその弱点があっても実力は上位の方に入るからな。」
弾幕ごっこを見ていた絢がストレッチしながら呟き、絢の呟きを聞いた白が絢の疑問に答えた。
「良夢も魔理菜もキツそうな表情してますね。」
「まあ、実際これが良夢と魔理菜の初陣だからな海二。そろそろ体力的にも精神的にもキツイだろう。」
白が海二にそう言った時、パチュリーの2枚目のスペルがブレイクした。
「このスペルは被弾無し、でも次からはどうなるかしらね?土&金符 エメラルドメガリス。」
「今度は緑色の弾幕か、バリエーション豊富だな。」
「私の能力の故よ。火+水+木+金+土+日+月を操る程度の能力も持っているんだから。」
そう言いながらもパチュリーは緑色の大玉弾幕を放つ。大玉弾幕が前進した時、後ろから小さい弾幕がばら蒔かれる。
「はぁ、はぁ、はぁ。」
「良夢!!ここは踏ん張り時だぜ!!弾幕は気力と根性で避けるもんだぜ!!」
「分かってるわよ!!」
良夢は息を荒げながらも、歯を食いしばってパチュリーの放つ弾幕を避けていく。一方魔理菜は息は荒いものの、良夢よりはへばってはいなかった。
「なあ霊夢、良夢って体力無いのか?」
「無いというよりも、常に全力で挑んでるから体力切れが早いのよ魔理沙、良夢は私みたいにまだ勘が鋭い訳じゃないのよ。」
魔理沙は本を読みながら霊夢に訪ね、霊夢は腕を組みながら魔理沙にそう言った。
「勘が鋭くないのは俺の責任ですね。霊夢さん、すみません。」
「何謝ってるのよ。」
良太は申し訳なさそうに霊夢に向けて頭を下げるが、霊夢は良太の頭をお祓い棒で軽く叩いた。
「別に良太の責任じゃないわよ。まだ良夢は自分の力を使いこなせてないだけよ。謝ることじゃないわ。」
「ですが、もし良夢の勘が鋭くならなかったら俺の「ごちゃごちゃ言うんじゃないわよ!!」霊夢さん!!」
霊夢はまだ頭を下げている良太の頭を強制的に上げさせて抱き締めた。
「全く、あんたがそんなに責任を感じなくていいのよ。あんたが不安な顔をしてたら良夢が心配するじゃない!!」
「うぅ、ごめんなさい。」
「あんたは物事に強く責任を持ちすぎよ、もっと適当でいいのよ。」
霊夢と良太が抱き締め合っているのを、魔理沙はニヤニヤしながら見ていた。
「こりゃ、おしどり夫婦だぜ。昔の霊夢とは大違いだぜ。」
「なーに人が弾幕ごっこをしている傍でラブラブしてるのよ。」
パチュリーは良太と霊夢を見てため息をついた。その瞬間に3枚目のスペルがブレイクした。
「これも突破されたわね。じゃあ最後のスペルよ。水&木符 ウォーターエルフ。」
「魔理菜、ここはあれで行くわよ!!」
「おう!私達にはこれしかない!!」
良夢と魔理菜は水色の弾幕を放っているパチュリーに向けてお札と八卦炉を向ける。
「霊符 夢想封印!!」
「恋符 マスタースパーク!!」
「…まあここまで頑張ったご褒美で喰らってあげるわよ。」
パチュリーは二人のスペルの弾幕を避けずに、喰らった。その瞬間に4枚目のスペルがブレイクした。
「「はぁ、はぁ、はぁ。」」
「うーん、これ以上スペルを使ったら貧血になりそうだから止めておくわ。勝負は貴女達の勝ちよ。」
「な、なんとか勝てた。それよりも弾幕ごっこしても充分な広さですよねこの館、外から見てこんなに広かったですか?」
「ここには空間を弄るのが好きな人がいるのよ、大体想像はつくでしょうけど。」
パチュリーは良夢の疑問に答えながら降下していき、ポケットをごそごそと探っていた。
「本当に魔法が得意なんだな!!まだ隠し持ってるんじゃないのか?」
「だから、これ以上唱えたら貧血になるから無理よ。でもそうね、見たいって言うなら見せてあげるわよ。」
そう言いパチュリーはポケットから青色の液体が入った瓶を取り出し、一気に飲み干した。
「これで大丈夫、相手はそうね、あの絢斗みたいな性格の人かしら?」
そう言いパチュリーは絢に向けて弾幕を放ったが、絢はそれを軽々と避けた。
「危ないねぇパチュリーちゃん。何々、強いスペルの実験台を俺にするのかい?」
「そうね、今も飛んでいる私のスカートの中を見ようとしてるから貴方にするわ。貴方名前は?」
「絢だぜ!!よろしくなパチュリーちゃん!!」
絢はそう言い良夢と魔理菜に近付くなよと合図を送った。
「あの人、大丈夫でしょうか?」
「うーん、力を全く感じないぜ。でも白の知り合いだから力を隠しているのかもな!!」
良夢は不安そうに、魔理菜ワクワクした表情で絢の方を見る。
「言っておくけど、さっきまでのスペルよりも強いわよ?」
「上等上等!!全力で手加減するからかかってきなされ~!!」
「ムカつくわね貴方。月符 サイレントセレナ!!」
パチュリーはスペルを唱えると水色の米粒弾幕を大量にばら蒔いた。その隙間は人二人が通れないくらいの狭さだった。
「なんだよこれ、私達相手に使ってたスペルよりも弾幕のスピードが速くて隙間が無いぜ!!」
「お母さん、お母さんはこのスペルを見たことあるの?」
「あるわよ、あのスペルを使うってことは絶好調って事なのかしらね。」
霊夢は良夢の頭をポンポンと叩きながら言う。良太は真剣な表情でパチュリーのスペルを見ていた。
「これじゃあの絢っていう人が可哀想だぜ!!」
「今頃弾幕を大量に喰らってのびているかもな!!」
魔理菜と魔理沙がそう言った時、急にパチュリーが苦虫も噛み締めた表情になった。
「ん?どうしたんだパチュリー?貧血でも起きたか?」
「そんなわけないじゃない魔理沙。絢を見てみなさいよ。」
パチュリーにそう言われ、魔理沙は絢の様子を探った。
「ふ~ふん、ふふふふ~ん、ふふふ~ん、ふっふふ~ん!!」
パチュリーの弾幕が降り注ぐ中、絢は悠々と歩きながら鼻歌を歌っていた。
「鼻歌を歌ってやがる!!しかも歩きながら!!」
「なのに当たらないのよ、どういうことよ!?」
絢の様子を見てパチュリーは焦り、次のスペルカードを取り出した。
「日符 ロイヤルフレア!!」
パチュリーは米粒弾幕を放つのを止めて、赤色の弾幕を円が広がる形で放った。
「こんな弾幕もあるんですねお母さん!!」
「そうね、でもおかしいわね。何故絢は歩いて避けられるのかしら?」
良夢がパチュリーのスペルに感動している中、霊夢は絢の様子を見てなにやら考え出した。
「いや~暑い暑い。その弾幕は火属性でも付属されてるのかいパチュリーちゃん?」
「だから何で歩いて避けられるのよ!?何かの能力でも使ってるの!?」
「残念だけど、能力なんて使ってないのさ!!さあさあ、もっと見せてくれよ~、パチュリーちゃんの太股!!」
「もういいわ、全力で行くわよ!!火水木金土符 賢者の石!!」
パチュリーは自分の周りに5つの本を出現させ、本に魔法陣を加えて赤色、水色、緑色、黄色、青色の米粒弾幕を絢に向かって放った。
「これはえげつないぜ!!母ちゃん、これはOKなのか!?」
「ああ、あれはやたらめったらに撃っているように見えて法則性があるのさ魔理菜。それを理解出来れば攻略出来るぜ!!」
魔理沙が魔理菜に説明している時、良太はあり得ないといった表情で絢を見ていた。
「あれは超技術の1つ、でもあれは習得難易度が最高ランクのものですよ!?いや、俺の考え過ぎですね。」
「パチュリーちゃ~ん!!まだ続けるのか~い?」
「続けるわよ、私のスペルの中でも特に強いのを3つも使ったのに、歩いて避けられるなんて屈辱よ!!」
パチュリーは珍しく、顔を真っ赤にしながら怒っていた。
「次はもっとスピードと密度を濃くしてい…、むきゅ~。」
パチュリーは顔を青くしながら目を回し、飛ぶのが無理なのか落下していく。それを絢がお姫様抱っこで受け止めた。
「あらら、貧血を起こしちゃったみたいだね~。」
「けほ、けほ、貴方達、レミィに会うなら奥へ進みなさい。」
絢がパチュリーをソファーに寝かした後、パチュリーが霊夢達にそう言った。
「分かったわ、行くわよ良夢。」
「パチュリーさんは大丈夫なんですかお母さん!?」
「大丈夫よ、もうすぐ小悪魔も目覚める頃だから。」
霊夢が奥へ進んでいくのを見て良夢は慌てて霊夢の所に走って行く。その様子を見ながら良太も付いていく。
「まあ、無理すんなよパチュリー。」
「魔理沙に心配されるなんてね、あと本は置いていきなさいよ?」
「だが断るぜ!!行くぜ魔理菜!!」
「おう!!パチュリーありがとうなんだぜ!!」
魔理沙と魔理菜は本が入っている袋を持ちながら奥へ進んでいった。
「無理するからだよパチュリーちゃん、白~、あの豆って持ってきてるか?」
「持ってきてるよ。ほら、これを食えば体調は良くなる筈だ。」
白はパチュリーに青色の豆を渡す。それをパチュリーは噛んで飲み込むと、顔色がぱっと明るくなった。
「ありがとう、楽になったわ。ところで貴方達の名前は?」
「俺は白、さっきパチュリーのスペルの実験台になっていたのが絢、その隣にいるのが海二だ。」
「そう、それで絢。どうして私のスペルの弾幕を悠々と歩いて回避出来たのかしら?」
「それは、愛のなせる技さ~!!」
パチュリーの質問に絢はドや顔で言うが、海二が絢の足を思いっきり踏んだ。
「ふざけないで答えてくださいよ。」
「いだだ、本気で踏むことないじゃないかよ~海二。俺がパチュリーちゃんのスペルの弾幕を歩いて回避出来たのは、超技術を使ったからさ。説明いる?」
絢がペンを用意しようとした時、パチュリーが手で制した。
「超技術については前に謙治から教えてもらったわ。攻撃を回避する超技術、陽聞だったかしら?」
「惜しいね~パチュリーちゃん。陽聞も攻撃を回避する超技術だけどね。」
「陽聞は相手の動きを高速演算によって導き出し、また対象の呼吸、つまり相手のを読むことで攻撃を相手に併せて回避するという技能なんだよ。」
白がパチュリーにそう説明するが、パチュリーは腑に落ちない表情で白を見詰める。
「でも謙治は陽聞の上の技術があるって言ってたわよ?」
「鋭いねぇパチュリーちゃん。陽聞は銃弾や弓矢、さらには投擲武器に魔法などを使った遠距離攻撃を回避できないんだよね~。」
「じゃあ、絢が使った超技術は?」
「陽聞の上位互換の宵避という超技術だよ~!!これはね、陽聞でも避けられない攻撃を避けれるのさ~!!」
「そんな超技術があるのね。それは誰でも使えるようになるのかしら?」
パチュリーが絢に質問するが、絢は首を横に振った。
「そうはいかないんだよね~。宵避を使えるようになるには高速演算能力の他に空間把握能力、気配察知能力、全ての音を取り逃がさない聴力、全てを見逃さない観察力と動体視力、さらには視力を併せた物、の極限化が必要なんだよ~。」
「要するに超天才ではないと使えないんです。超天才ではなくても努力すれば使えないこともないですがね。もしかしたらパチュリーさんも使えるかもしれませんよ。」
「なるほどね、それを使えば歩いて回避することも出来るわね。謎が解けたわ。」
「じゃあ霊夢ちゃん達を追い掛けなきゃ~!!」
絢はそう言い奥へ進んでいき、海二も絢斗に付いていった。
「ちょっと待って白、貴方達は何者なの?」
「異変が終わったら伝えるさパチュリー。」
白はパチュリーにそう言って絢と海二を追い掛ける。一人残ったパチュリーはむくりと起き上がった。
「私もまだまだ知らない事があるわね。外へ出ることも必要なのかしらね。」




