紅霧異変3
霊夢達は霧の湖を抜けて紅魔館の庭に辿り着いた。そこでも妖精や毛玉が攻撃してくるので、良夢と魔理菜が撃退していく。
「むむ、ちょっと強くなってきたか?」
「まだ庭だけど敵地にいるからね。気を引き締めていこう魔理菜!!」
良夢が魔理菜の方を向いてそう言うが、良夢の目の前にはクナイ弾幕が迫っていた。
「ひゃあ!!」
良夢は急降下してクナイ弾幕を避けて上昇する。それを見た霊夢が良夢に近付き、ペシンと頭を叩いた。
「良夢、周りをよく見なさい。」
「ごめんなさいお母さん。」
「全く、何処か抜けている性格は良太に似たのね。大丈夫かしら?」
霊夢は良夢を見ながら心配そうに呟く。それを聞いた魔理沙が霊夢の肩をポンと叩く。
「まあ、これが初めてなんだしさ。失敗するのは当たり前だと思うぜ。私と霊夢みたいにスペルカードルールが始まる前から戦ってたいた訳じゃないし。」
「そうね、よくよく考えればスペルカードルールが始まる前にも異変を解決してたわね。」
「おいおい、忘れてたのかよ。」
魔理沙が呆れた顔でそう言うと、妖精が魔理沙に向けて弾幕を放った。
「しんにゅうしゃだー!!やっつけろー!!」
「私は侵入者じゃないぜ?通りすがりの魔理沙様だ!!」
魔理沙はそう言いマジックミサイルを妖精に放って撃墜する。それを見ていた良太はため息を着いた。
「手を出したら駄目なんですけど、ねえ霊夢さ、ん?」
「どうしたのよ良太?」
霊夢は自分の前にいた妖精や毛玉に向けて封魔針を放って撃墜していた。
「霊夢さんまで!!手を出したら駄目なんですよ!?」
「黙って見てられないのよ。あれかしら?条件反射?」
「良夢と魔理菜を成長させる為に俺は攻撃してないのに。」
「まあ、やっちまったもんは仕方無いんだぜ!」
魔理沙はやれやれと首をくすめる。それを見ていた良太は辺りを警戒する。
「霊夢さん、そろそろ誰か来そうですよ?」
「そうね、紅魔館の門番と言ったらあいつしかいないわよね。」
「良夢!!魔理菜!!こっからきつくなるぞ、頑張れよ!!」
魔理沙が二人に向かってそう叫ぶと、前方から美鈴が慌てた様子でやって来る。
「よ、良かった。間に合った!」
「美鈴さん、寝坊ですか?また咲夜さんにしかられますよ?」
「うっ、さあ行きますよ!!」
美鈴は良夢の言った言葉を無理矢理逸らして良夢と魔理菜に弾幕を放つ。
「全方位ばら蒔き弾幕か、よく見れば避けるのは容易いぜ!」
「1回目はそうですね魔理菜さん、でも2回目からはそう容易くいきますかね?」
美鈴はそう言った後、ゆっくりと円形に広がって動く弾幕を出した後にまた全方位ばら蒔き弾幕を放った。
「くっ!チルノさんやルーミアさんと違って通常弾幕から密度が濃いですね!」
「良夢さん、これはまだ序ノ口ですよ!」
良夢はグレイズをしながら弾幕を避けていき、美鈴にアミュレットとお札を当てていく。魔理菜もマジックミサイルとレーザーを当てていく。
「そろそろですね。彩符 芳華絢爛!!」
美鈴はスペルカードを取り出し、花の形になるように米粒弾幕が放たれ、更に全方位米粒弾幕も放つ。
「うわうわ!一気に濃くなったんだぜ!!」
「魔理菜!!よく見て避けるわよ!!」
良夢と魔理菜は細かく動き、米粒弾幕を避けながら美鈴に弾幕を放つ。
「ふむ、流石は霊夢さんと魔理沙さんの子供ですね。1発も当たらないとは。」
良夢と魔理菜は途中、被弾しそうになったものの、美鈴のスペルをなんとか攻略した。
「ここは背水の陣!!というわけで逃げます!!」
「だから、あんた1人で陣なわけないでしょ。」
「まっ、取り敢えず逃がすぜ。」
美鈴は紅魔館の玄関方面に向かって飛んでいった。それを霊夢と魔理沙は追い掛けないで見ていた。
「母ちゃん!!何で逃がしたんだぜ!?」
「前は紅魔館の地形がわからなかったからな。あえて逃がして入り口を見付けようとしたのさ。だから今回も同じようにするのぜ!」
「ほら、美鈴との距離も空いたし追い掛けるわよ。」
霊夢が良夢にそう言うが、良夢は首をかしげて考え事をしていた。
「良夢、何を考えてるのかしら?」
「いえ、何でもないです。魔理菜、行くよ!」
「おう!」
良夢は魔理菜を呼んで先に向かった。それを霊夢と魔理沙と良太は後ろから追い掛けていく。
「ねえ良太、この異変が終わった後のご飯何食べたい?」
「そうですね、霊夢さんの作る料理は何でも美味しいですから霊夢さんの好きにしていいですよ。」
「それが一番困るのよ。いい良太?何でもいいは駄目、ちゃんと好みを言って!」
霊夢は良太にずいっと近付きながら言う。良太は困った顔をしながら頭をポリポリとかいた。
「霊夢さんだって、俺が作る時にリクエストを聞いたら何でもいいって言うじゃないですか。」
「それはそれ、これはこれよ。全く、折角良太の好きなものを作ってあげようと思っていたッ!!」
霊夢は良太との顔の距離が近い中で文句を言っていた為、良太は霊夢にキスをして黙らせた。
「りり良太!!いいいきなり過ぎるわよ!!大体、異変の最中にしなくてもいいじゃない!!」
霊夢は顔を少し赤くし、少しの間嬉しそうな顔をしていたが、すぐに怒った表情になった。
「すみません、顔が近かったもので。俺の好物よりも良夢の好物を作った方がいいんじゃないですか?」
「良夢には予め聞いていたのよ。ったく、周りの妖精や毛玉がこっちをじっと見てるじゃないの。大体皆のッ!!」
「んっ、すみません、これで許してください。」
霊夢が良太に説教をする前に、またキスをして霊夢を黙らせた。
「……ふんだ!!」
霊夢はそっぽを向くが、口元は緩み、顔はさっきよりも赤くなっていた。
「異変の最中だってのに、イチャイチャするなよ。見ろ、美鈴が唖然としてるぜ?」
「母ちゃん、私もあんな風にイチャイチャ出来る相手が見付かるかなぁ?」
「わわわ私は、あわわわわ。」
霊夢と良太のイチャイチャっぷりを見ていた魔理沙は苦笑いをし、魔理菜は瞳を輝かせながら何かを想像し、良夢はあわあわとしていた。
「あの~、私はここにいるんですけど?イチャイチャしながらついて来ないでくださいよ~。」
「道案内ありがとうございます美鈴さん。」
美鈴は困った表情で霊夢と良太を見ていたが、良夢は気にしない様子で美鈴にお礼を言った。
「あっ、魔理沙さんさっきはどうも。」
「お久しぶりですわ。」
「「「……えっ!?」」」
魔理沙が女口調で言った為、良夢と魔理菜と良太はギョッとした表情で魔理沙の方を向いた。
「何だよ、初めてここに来た時はこうやって言ったからその再現をしたまでだぜ?」
「そう言えば、魔理沙って最初の頃は女口調の話し方だったわね。うふ、うふふふふふ。」
「やめろぉぉぉぉぉ!!それだけはやめろぉぉぉぉぉ霊夢ぅぅぅぅぅ!!」
魔理沙は顔を真っ赤にしながら霊夢に弾幕を放つが、霊夢はジグザグに動いて回避した。
「美鈴さん、何故こっちに逃げたのですか?」
「あら良夢さん、私に着いてきてもこっちには何もないですよ。」
「何もない所には逃げないと思いますよ。」
「う~ん、逃げる時は逃げると思いますけどね~。」
美鈴は少し困惑した表情で良夢を見つめる。
「ちなみに美鈴さんって何者ですか?」
「紅魔館で門番をしている普通の人ですよ。」
「えっ、でも先程攻撃を仕掛けて来ましたよね?普通の人なら攻撃は仕掛けないと思います。」
良夢はいまだに言い争ってる魔理沙と霊夢を無視して美鈴に語りかける。
「ええ、普通の攻撃をしましたよ。でもそれは良夢さんが先に攻撃を仕掛けて来たからですよ。ここの世界の巫女はまず攻撃してきますよね~。」
「それが巫女の仕事ってお母さんに習いましたから。」
「霊夢さん子供にどんな教育をしてるんですか、でも確か巫女さんは食べてもいい人類だと言い伝えが。」
「言い伝えないでください!!」
そう言い良夢は美鈴に向けてアミュレットを放ったが、美鈴は気を纏った右手でアミュレットを弾く。
「美鈴!!久しぶりなんだぜ!!」
「えっ、私魔理菜さんとは直接の面識はないんですけど。」
「細かいことは気にするな!!さっき会ったんだからもう知り合いだぜ!!」
魔理菜はニカッと笑いながら言うが、美鈴はそれを見てため息を着いた。
「流石は魔理沙さんの娘、変なところまで親と似てるんですねぇ。」
「おっと、長話している場合じゃないぜ。美鈴はここの番人なんだろ?邪魔をしないでくれるとありがたいぜ。」
「番人だから邪魔をするんですよ魔理菜さん。」
そう言い美鈴は右手の拳と左手の手の平を合わせる。
「まあ、番人と言っても普通の人ですけどね。」
「普通の人なのか、ならここで成敗してくれるぜ!!普通の人は成敗しろって母ちゃんから教わってるからな!!」
「魔理沙さんは一体娘にどんなことを教えているんですか!?」
そう言い美鈴は全方位に米粒弾幕を放つ。魔理菜と良夢は隙間を見付けながら美鈴に攻撃するが、思うように当てれないでいた。
「うー、当たらない。」
「ちょこまか動きやがって!!当てにくいったらありゃしないぜ!!少しは止まれよ!!」
「止まるわけないじゃないですか。ほらほら、もっともっと弾幕を放ちますよ!!」
美鈴はそう言いながら弾幕を放つのを止めなかった。良夢と魔理菜は弾幕に当たりそうになりながらも避けていった。
「ふむ、このままでは華がないですね。なら虹符 彩虹の風鈴!!」
美鈴は様々な色の米粒弾幕を良夢と魔理菜に向けて放つ。良夢は小さい隙間に入って避けるが、魔理菜は大きい隙間に入って避ける。
「意外と隙間が大きいんだぜ、これならさっきの弾幕よりも簡単「魔理菜!!前前!!」へっ?」
魔理菜が大きい隙間に入った時、目の前に大量の弾幕が配置されていた。
「うわあぁぁぁ!!」
「魔理菜!!もう、夢符 封魔陣!!」
良夢は魔理菜が弾幕に当たった後、結界弾幕を美鈴に放ってスペルをブレイクさせる。
「いてて、油断したんだぜ。」
「まだまだ修行が足りませんね、と言いたい所ですが、魔理沙さんもこのスペルを初めて見た時に当たってましたからね。」
「おい美鈴!!恥ずかしいから言うんじゃねえよ!!」
魔理沙は焦り気味で美鈴に向かって叫ぶが、美鈴は悪い笑みを浮かべて魔理沙の方を向く。
「普段やられてますからそのお返しですよ。」
「このやろ!魔理菜、美鈴をギャフンと言わせてやれ!!」
「分かったぜ母ちゃん!!恋符 マスタースパーク!!」
「えっ!?ちょっとちょっと!!」
魔理菜がいきなりスペルを使うとは思ってなかったらしく、美鈴は魔理菜が放ったマスタースパークに直撃した。
「どうだ!ギャフンと言わせたぜ母ちゃん!」
「ナイスだ魔理菜!そのまま気絶させちまえ!」
「そう簡単に気絶しませんよ!!」
ちょっとボロボロになってる美鈴が魔理菜に向けてクナイ弾幕を放つが、魔理菜は加速して避ける。
「何をしてるのかしら魔理沙は、良太煎餅あるかしら?」
「ありますよ、みかんもどうです霊夢さん?」
今までの様子を霊夢はお茶を飲みながら眺めていて、良太は銃の手入れをしていた。
「良夢、あんたは被弾するんじゃないわよ。」
「任せてくださいお母さん!!」
「うー、通常弾幕じゃ埒が明きませんね。ましてや2対1、ここはあれですね。彩符 彩雨!!」
そう言い美鈴は良夢と魔理菜に様々な色の米粒弾幕をばら蒔きながら放つ。
「よっと、これじゃ前のスペルの方が簡単だぜ!」
「魔理菜!油断しないでっていってるでしょ!?交差弾幕もあるよ!!」
良夢は魔理菜に注意しながら弾幕を避け、美鈴に弾幕を放つ。だが体力が無くなってきたのかグレイズが増えてきた。
「はぁ、はぁ。」
「おや良夢さん、気が小さくなってきてますよ?もう限界ですか?」
「そんなわけ、ないじゃないですか!!」
良夢は美鈴にそう言うものの、肩で息をしていた。一方魔理菜は息がそれほど乱れてなかった。
「おっと隙ありだぜ!!」
「くっ!!やってくれますねっと言いたい所ですが、ここで倒してしまっては異変を起こした意味がないんですよね。」
「つまり、わざと喰らったってことか?負け惜しみは恥ずかしいぜ?」
「では最後のスペル行きますよ良夢さん魔理菜さん!!彩符 極彩颱風!!」
美鈴は先程のスペルよりも更に米粒弾幕を増やして二人に放つ。
「魔理菜!!行くわよ!!」
「おう!!美鈴には悪いがここで寝てもらうぜ!!」
「霊符 夢想封印!!」
「魔符 スターダストレヴァリエ!!」
良夢は7つの大玉弾幕を、魔理菜は巨大な星の弾幕を美鈴に向けて放った。
「ちょ!!同時スペルはありなんですかぁぁぁぁ!!」
美鈴の弾幕はかき消され、大玉弾幕と星の弾幕にぶつかり、地面に落下した。
「はぁ、はぁ。なんとかなったわね。」
「だな!でもやっぱり普通の人と戦うのは私の性に合わないぜ!!」
「絶対うそだ~。」
「美鈴さんの言う通りです。さあ、道案内をしてもらいますよ!!」
「済みませんお嬢様~、ってもう知ってるじゃないですか!?」
美鈴はがばっと起き上がって良夢にツッコミを入れる。
「ま、まだやるつもりですか!?」
「いえ、戦いに負けたのでもうやりませんよ。良夢さん、もう少し体力をつけた方がいいですよ。」
「全く、美鈴の言う通りね。この異変が終わったら厳しく修行させるから覚悟しておきなさい良夢。」
「う、うう、うぇぇぇぇぇん!!」
美鈴と霊夢に体力の無さを指摘された良夢はしゅんとし、霊夢に厳しく修行させると言った瞬間に泣き出した。
「うほほ!良夢ちゃんの泣き顔、そそるねぇ!!」
「何やってんだ絢!!」
茂みから絢が良夢の泣き顔をカメラで撮っていたが、白が絢の後頭部を蹴り飛ばした。
「いだ!!後頭部はないんじゃないのか!?」
「むしろそのくらいで済ませてあげてるんですよ絢さん。」
後頭部を蹴り飛ばしされた絢が白に文句を言うが、海二が落ち着かせる。
「なんか向こうが騒がしいですが、次は魔理菜さん、少し注意力が散漫です。」
「だな、魔理菜も厳しく修行させるからな!!」
「うげ、勘弁してほしいぜ母ちゃん。」
「ほらほら皆さん、行きますよ。」
良太が良夢を慰めながら紅魔館の玄関の扉を開けて入っていく。続けてため息を着きながら良夢の頭をなで続ける霊夢と良夢、帽子の位置を直しながら魔理菜と魔理沙が入っていった。
「ふぅ、おや貴方達は。」
「俺は白。隣にいるのが絢と海二だ。ところで美鈴、わざと負けたな?」
「ばれましたか、理由は2つありますよ。1つ目は前の異変のスペルカード戦を再現するため。そしてもう1つが。」
そう言い美鈴は真剣な表情になった。
「何か嫌な気を感じるからですか?」
「当たりです海二さん。私の思い過ごしであればいいのですが。」
「そこは俺達でなんとかするよ~。美鈴ちゃんは門番の仕事をしてくれればいいよ~。」
「そうですね。貴方達がいるなら問題ないですね。」
美鈴はそう言った後、門に向かって行く。それを見た白、絢、海二は紅魔館へと入っていった。
「何かあった時は頼みましたよ。本物の白谷磔さん、相沢絢斗さん、佐藤快さん。」




