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東方外遠記  作者: 颯人
第16章 東方紅魔郷 再編 ~The east red addict village Reorganization~
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紅霧異変1

いよいよ紅魔郷スタートです。ストーリーは原作に沿って進めますが、オリジナル要素も入ってきます。

「お嬢様、準備が整いました。」


「ご苦労咲夜、ふふふ、あの時のリベンジをさせてもらうわよ霊夢。」


「お姉様!!私も戦っていいんだよね!?」


「もちろんいいわよフラン。さて、始めましょう。本気でいくからかかってきなさい。人間供。」

















博麗神社


「暑い、今年の夏も暑いわね。」


「太陽がうざったらしいです。って霊夢さん大の字で寝ないでくださいよ。女の子らしくないですよ。」


「でも、洗濯物が早く乾くから悪いことばかりではないですよ!」


博麗神社の母屋の縁側で、霊夢と良太が寝そべっていた。どうやら太陽の暑さにやられたらしい。


「良夢は偉いね。こんなに暑い日でもちゃんとやることをやれるなんてね。」


良夢は洗濯物を物干し竿に干していた。それを良太は麦茶を飲みながら見ていた。


「次期博麗の巫女として当然ですよ!」


霊夢と良太の娘の博麗良夢をフンスと鼻を鳴らして自慢顔をする。それを見た良太は良夢の頭を撫でる。


「それに比べて霊夢さんは、娘になんでも家事や掃除を任せたら駄目ですよ?」


「やる気が起きないのよ。気温が下がる夕方くらいから動きたい派だし。」


「そんな派ありませんよ。」


霊夢はそう言って傍に置いてあった麦茶を飲む。やる気のない霊夢を見て良太は呆れた顔でため息をつく。


「お母さんは夏の暑さにやられているだけですから!!」


「わかってますけど、1日中だらだら過ごすのはどうかと思いますよ。」


「あー、あの時の異変みたいに紅い霧とか現れて太陽を遮ってくれないかしらねぇ。」


霊夢がそう言って欠伸をしたとき、いきなり上空が真っ赤になった。


「えっ!?な、なに!?」


「霊夢さん、まさかこうなるのを予知しててさっきの台詞を言ったんですか?」


「そんなつもりはないわよ良太。ただ、勘でそろそろ起こるだろうなとは感じていたけど。」


霊夢はため息を付きながら起き上がり、庭に出る。良太も霊夢の後ろに付いていき、良夢は良太の後ろに隠れる。


「それで、この異変に覚えはあるんですか霊夢さん?」


「あるわよ。スペルカードルールが開始されてから、初めて起こった異変よ。」


「そーなのかー。それは初耳だな。」


「「誰!?」」


突然上空から男の声が聞こえたと同時に霊夢と良太の前に白、絢、海二が現れた。


「おうふ!!ここの霊夢ちゃんも可愛いね!!俺とデートしません「既婚者をデートに誘わないでくださいよ絢。」ただのスキンシップなのに~。」


「あんた達誰?この紅い霧を発生させた黒幕なら非常に有難いんだけど?」


「そんな大層な力はねえよ。自己紹介といくか。俺は白、それとさっき霊夢にデートの誘いをしたのが絢で、それを止めたのが海二だ。」


「「よろしく!!」」


そう言い3人は深々と礼をする。その様子を見て霊夢は警戒を解いたが、良太は銃口を白に向けていた。


「怪しいですね。取り合えずその仮面を外してください。」


「残念だが、それは無理だな泊谷良太。それと博麗良夢、そんなに警戒しなくていいぞ。」


「何故俺の名前と良夢の名前を!?霊夢さん、こいつらはとても怪しいです。退治しますか?」


良太が白に銃口を向けたまま、霊夢に訊ねる。霊夢はため息を付きながらお祓い棒を取り出して構える。


「そうね、あんた達が来るタイミングが良すぎる。」


「待て待て、早まるなよ霊夢。」


突然男の声が聞こえたと同時に、良太の後ろの空間が歪んで霊斗がやって来た。


「こいつらは俺の知合いだ。怪しい奴等じゃねえよ。」


「けど、何で仮面を付けてるのよ?怪しすぎるじゃない。」


「素顔を見せない為だ。こいつらは信用出来る、俺が保証してやるよ。」


「霊斗さんがそこまで言うんだったら信用しますよ。それで、どうしてここに来たんですか?」


良太が霊斗に訊ねると、霊斗はポケットから1枚の紙を取り出して霊夢に見せる。


「この異変は霊夢達やその子供を鍛える為に起こした異変だ。まあ、お遊びみたいなもんだ。」


「お遊びで前の異変を起こされたらたまったもんじゃないんだけど?妖気は普通の人間には毒なのよ。」


霊夢がそう言うと、霊斗は良太に温度計みたいな物を投げ渡した。


「これはただの霧だ。有毒な妖気じゃない。でも放っておけば作物とか育たなくなるし、洗濯物が乾かないぞ?」


「それは困るわね。それで紅魔館まで行けばいいのかしら?」


「そう、だけど敵とかはなるべく良夢と魔理菜で倒してくれ。」


霊斗がそこまで言った時、魔理沙と魔理菜が上空からやって来た。


「おーい霊夢!!異変だぜ異変!!」


「良夢一緒に行こうぜ!!」


「魔理沙と魔理菜にはもう伝えてあるからな。あと白と絢と海二も同行するからな。まあただの傍観者として付いていくだけだけどな。」


「ふーん、わかったわ。良太はどうするの?」


霊夢が御札や封魔針の装備を確認しながら良太に聞く。良太は銃をポケットにしまって飛び始める。


「俺も付いていきますよ。健二はどうしたんですか魔理沙さん?」


「健二ならもう先に行ったぜ?話は終わったよな?じゃあ行こうぜ!!」


そう言い魔理沙と魔理菜は飛び立った。続けて霊夢と良太と良夢も魔理沙達を追い掛けていった。


「さて、白、絢、海二。修行の件だが。多分無理だな。戦うのはお前ら三人以外にしてくれ。」


「えっ?じゃあ霊夢さん達に付いていく意味は?」


「……何が起きてもいいように付いていってくれ。スペルカードルール以外の戦闘はまだ弱いからな。何が起きるかわからない。」


「わかった霊斗。まあ見るだけでも修行にはなるだろ。行くぜ二人とも!!」


そう言い白と絢と海二は霊夢達を追い掛けていった。


「何も起きなければいいんだが。でもあいつも向かわせてるし、大丈夫だろ。」


霊斗はそう言い何処かへ消えていった。



















獣道


「はぁ!やぁ!てい!」


「どけどけーい!!霧雨魔理菜様のお通りだぜ!!」


紅魔館に行く道中の獣道に出てくる毛玉や妖精は、良夢がアミュレット、魔理菜がマジックミサイルで撃墜していく。


「いやー、楽だわ。何もしなくていいって素晴らしいわね。」


「いや、逆に退屈なんだが霊夢?おーい魔理菜、もう少しマジックミサイルの威力を落としてもいいんじゃないかー?」


良夢と魔理菜が敵を倒している様子を霊夢は持ってきた煎餅を食べながら観戦し、魔理沙は良夢や魔理菜にアドバイスをしていた。


「そういえばあの3人組は何処にいるんだぜ?後ろを見てもいないんだが?」


「魔理沙さん、あの3人組は走って付いてきてます。」


良太にそう言われ、魔理沙が下を見ると白と絢と海二は流れ弾を避けながら走っていた。


「おーいお前ら!!空は飛べないのか?」


「「「無理!!」」」


白と絢と海二は訪ねてきた魔理沙にサムズアップをして答えた。それを聞いた魔理沙はやれやれと呆れていた。


「空を飛べないとか、あいつら外来人じゃないか?それとさっきまで昼だったのに、何で夜になってるんだぜ霊夢?」


「知らないわよ魔理沙。にしても、気持ちいいわね。悪霊が少ない昼に出掛ける事が多いけど、夜もまたロマンティックね。」


「そうか?私は夜は嫌いだけどな。変な奴しかいないし。」


「そうよね~、お化けとか出るしたまんないわ。それと魔理沙、変な奴って誰の事かしら?」


木の陰からルーミアが現れて、良夢と魔理菜の前で立ち止まる。


「ルーミアさん?何をしに来たんですか?」


「良夢!!目の前に現れたって事は敵だぜ、両手を広げて変な奴だぜ。」


「それって私の事を言ってるのかしら霧雨魔理菜?」


「誰もあんたの事って言ってないぜ?」


魔理菜はそう言い、スカートのポケットの中から八卦炉を取り出す。


「それはまあ当然よね。」


「でも何で両手を広げているんだぜ?何かの儀式でもしているのか?」


「聖者は十字架に磔られましたって言っているように見える?」


ルーミアが魔理菜にそう問うと、魔理菜は首を横に振った。


「人類は十進数を採用しましたって見えるぜ!!」


「そーなのかー、あっ!霊夢似の人間。貴女は食べられる人間?」


「えっと、私を取って食べるつもりなんですか?」


良夢はおどおどとした表情でルーミアに訊ねると、ルーミアは口をニパァっと開けて頷く。


「うん。だからもう一度聞く。貴女は取って食べれる人類?」


「ルーミアさん。良薬は口に苦しって言葉を知ってますか?」


そう言い良夢はルーミアに向けて封魔針を投げ付ける。だがルーミアは両手を広げたまま横にスライドして回避した。


「せっかちなのは霊夢似なのかー。」


「早く終わらせたいんです!まだまだ行きますよ!」


良夢はルーミアに封魔針やアミュレットと投げ付ける。ただ単に投げ付けるのではなく、回避方向を予測しながら投げ付けていた。


「こっちも反撃なのだ!!」


ルーミアは縦一列に並んだ弾幕を良夢に向けて放つが、良夢は右方向に大きく動いて回避する。


「自機狙い弾幕ですか、でも当たりませんよ!!」


「それだけではないわよ!!」


「おっと、私も忘れてもらっちゃあ困るぜ!!」


魔理菜がルーミアの右側からレーザーを放つ。ルーミアはレーザーに当たったが、すぐに下に降下して回避した。


「むー、二対一は分が悪いのかー。なら夜符 ナイトバード!!」


ルーミアはスペルカードを宣言して良夢と魔理菜に弾幕を放つ。範囲は横全体だが、弾幕と弾幕の間の隙間が大きく、良夢と魔理菜は隙間に移動しながらルーミアに攻撃する。


「そんなスペルで私達に勝とうとしてるのか?甘いぜ!」


そう言い魔理菜がレーザー弾幕をルーミアに当ててスペルブレイクをさせた。


「なら、これなら当たるのかー。」


ルーミアはレーザー弾幕を魔理菜に向けて放つが、魔理菜は左側に動いて回避した。


「そんなレーザー当たらないぜ。レーザーはな、こうやって撃つもんだ!」


魔理菜は自分の左右からレーザーを放ち、ルーミアに当てる。良夢もルーミアの放つレーザーや米粒弾幕を避けながらアミュレットを当てる。


「しつこい!これで決めるよ!闇符 ディマーケーション!!」


ルーミアは交差弾幕を放ち、更に自機狙い弾幕も放った。最初はびっくりした二人だが、隙間が大きい為、そこに移動しながら攻撃する。


「むー、あーたーらーなーいー!!」


「ルーミアさん、スペルはこうやって使うんですよ!!夢符 封魔陣!!」


良夢は交差する壁型の弾幕を放ち、ルーミアの放った弾幕を打ち消しながらルーミア本人に弾幕を当てる。


「やられたのかー。」


ルーミアは目を回しながら地面に落ちていった。それを見た良夢と魔理菜はハイタッチをした。


「勝ちましたね!」


「ああ!楽勝だったな!母ちゃん、見てくれてたか!?」


魔理菜は向かってくる魔理沙に向けて言う。魔理沙は魔理菜の頭を撫でながらにかっと笑った。


「初陣にしては上出来だぜ、なあ霊夢?」


「そうね、けど動きに無駄がありすぎるわ。二人とも自機狙い弾幕はあそこまで大きく動いて回避しなくていいの。今は余裕があるからいいけど、この先はそんな余裕なんてないわ。」


霊夢にそう言われ、良夢と魔理菜はしゅんとした表情になった。それを見た良太が良夢の頭を撫でる。


「でも、被弾無しで倒せた所は良かったですよ良夢。そこは霊夢さんも誉めてました。次からは気を付けようね。」


「まあ、魔理菜も次から気を付ければいいんだぜ!」


「「はい!!」」


「さあ、先に進むわよ。」


霊夢がそう言い、5人は紅魔館に向かった。その様子を下から白、絢、海二は見ていた。


「ここは難なく突破したか。にしても、命の危機の心配のない戦いを見るのは久しぶりだな。」


「だね~、だからこそ美しさが競われるんだね~。」


「僕達も何かスペルカードを作っておきますか?」


海二が白にそう言うが、白は首を横に振った。


「作るのはいいけど、とりあえず霊夢達を追い掛けないとな。」


「空が飛べるってあんなにも素晴らしい事だったんだね~。まあでも、下にいる方が良夢ちゃんや魔理菜ちゃんのスカートの中を見られるからお得なんだけどね~。」


「この人は……、もう知らないです。」


三人は空が飛べるありがたさを再認識し、霊夢達に追い付く為に走っていった。

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