残酷過ぎる結末
今さっき気付きました。ファム先生のキャラの名前ずっと間違えてました！！鏡ではなくて輝美でした、本当に申し訳ないです。
あと、今回は伏線回収回です。多分コラボの作品の中で１番最悪なENDになると思います。
「輝美対良太。それじゃスタート！！」
「輝美さん、手加減はしませんよ！！」
「桜様にお仕置きされない為にも勝たなくては！！」
良太と輝美はそう言い弾幕をぶつけ合う。総数で言えば良太の方が多いが、輝美は鏡を使ってワープして上手く立ち回っている。
「それずるくありませんか！？」
「ずるくありません。戦略的行動です！！」
良太は鏡を割ろうと弾幕を放つが、鏡自体が動く為、中々当てることが出来なかった。
「面倒ですね！！銃符 フレアバレット！！」
良太は赤色の弾幕を大量に放って鏡を割っていく。だが割れた鏡はすぐに再生し、そこから輝美が出てきて良太に弾幕を当ててくる。
「鏡から出てきてくださいよ！！」
「私はそういう妖怪なんですからその頼みは聞けないですよ良太さん！！」
良太が弾幕で鏡を割っても、輝美はすぐに鏡を再生させる。
「ご主人様にいつも割られているから、再生速度には自信がありますよ？」
「……それ言っていて悲しくなりませんか輝美さん？」
「それは言わないでください！！気にしているんですから！！」
輝美は涙目になりながら良太に訴えていた。それを見ていた霊斗はやれやれといった表情で見ていた。
「桜の奴、毎日八つ当りしてるのか。かわいそうなこって。磔、どう思う？磔？」
霊斗は隣にいた筈の磔に質問するが、いつの間にか磔は姿を消していた。
「トイレか？いや違う、それなら磔の霊力とか感知出来る筈だ。なのに微塵も磔の力が感じられない。零！！」
「わかっている！！しかも磔だけじゃない、絢斗と快も感じられない！！」
霊斗と零は慌てて幻想郷全体に気を配るが、磔と絢斗と快の力は感じられなかった。
「くそっ！！何が起こってやがる！？」
「霊斗、とてつもなく嫌な予感がする。何か、大切な物を失うような感じだ！！姫ちゃん！！」
「わかってます！！早急に対策を立てます！！」
この変化に気付いている者は霊斗と零と神姫以外に、終作、恵生、燵未、ハイド、ジラだった。
「恵生、俺らはどうすればいいかねぇ。」
「どうすることも出来ねえよ終作。無理矢理あいつらを連れ戻す事も出来なくはないが、それをしたらここの世界が滅ぶ。」
「今回ばかりは視えていた結末を、教えたかったですね。」
終作、恵生、燵未は結末がわかっているが、どうしても受け入れられないといった表情になっていた。
「鏡符 ミラーフォール！！」
「自分の一部をばら蒔いてどうすって、そういうスペルですか！？」
輝美と良太の試合は輝美が巨大な鏡を良太に向けて落として攻撃している。対する良太は結界を張って攻撃を防いでいた。
「むぐぐ！！や、ヤバイ！！」
「それくらいの結界ならすぐに破壊出来ますよ良太さん？」
輝美は良太の後ろに回り込み、良太の背中を蹴って鏡の中に入れ、自分も入っていった。
？？？
「はぁ、はぁ、てめえらは何者だ！？」
白い空間の中にいきなり引きずり込まれた磔と絢斗と快。空間の中にいたのは巨大な龍だった。
「我が名はこの地を管理する者。龍神である！」
「その龍神が俺達に何の用だ！？答えやがれ！！」
「磔の言う通りだ、答えろよ？」
磔と絢斗がそう言うと龍神は二人を一睨みして、体を拘束させる。
「立場をわきまえろ人間。」
「龍神が僕達の何の用なんですかね？」
快は超本気モード５になって龍神に訊ねるが、龍神は三人を指差した。
「貴様ら三人は強大な力を人間の分際で得すぎた。故に目障りなのだ、だから封印する。」
「またそのパターンかくそったれ！！」
磔は龍神の拘束を振りほどき、龍神に向かって刀を降り下ろすが、見えない障壁に阻まれて吹き飛ばされた。
「白谷磔、貴様は一度経験していたな？だったら我がこれからすることも理解出来るか。」
「うるせぇ！！あの思いはもうしたくもねえし、他の奴にさせたくもねえんだよ！！」
磔はそう叫び、再び龍神に斬りかかるが、龍神は空間を引き裂いて磔を吹き飛ばす。
「貴様ら三人が異変を起こすとこの世界が滅ぶのだ。」
「そんなことするわけねえだろ！！」
今度は絢斗がそう叫ぶが、龍神は威圧だけで絢斗を黙らせた。
「しないという保証がどこにある？何、安心するがいい。封印と言っても密室に閉じ込めるとかそんなものではない。きちんと幻想郷に返す。」
「そ、そうなんですか？」
「我は嘘はつかない。だから「ふざけるんじゃねえよ！！乱符 スピンシュート！！」黙れ。」
磔が龍神の言葉を遮って、エンドエボルバー状態で螺旋状に回転するマスパを放つが、龍神の一言でスピンシュートは消えた。
「俺らの能力、力を封印し、尚且つ記憶を消すんだろうが！！」
「消しはしない。貴様らの存在の記憶を消すのだ。だが安心したまえ、幻想郷の住民らにはさっきまでの貴様らの姿の幻覚を見せ、それが貴様らと認識させるのだから。」
「紫や映姫から意見は聞かなかったのかよ！？」
「賢者や閻魔から聞く必要もない。我が危険だと判断したから封印するまでだ。」
「てめえの勝手な考えで進めんな！！」
磔はそう言い龍神に刀を投げるが、龍神は髭で刀を絡めとって刀を別次元に放り込んだ。
「時間を掛けすぎたな。今封印してやるぞ。」
龍神がそう言ったのに反応して磔と絢斗と快は身構えるが、不意に三人の胸から白金色、紫色、金色の魂が抜き取られ、龍神はそれを口の中に入れた。
「あれ？体に力が入らない。」
「く、くそっ！！」
快は超本気モード５が解け、磔のエンドエボルバーも解けた。絢斗はそれを見て飛ぼうとするが、飛ぶことが出来なくなっていた。
「これで、幻想郷も救われた。危険分子も排除することが出来た。」
「ふざけるな！！俺の、俺と絢斗と快の力を返しやがれ！！」
そう言い磔は刀を構えようとするが、2つの刀は消滅していた。
「それと我に歯向かった罰だ、死にたくても死ねない体にしてやろう。」
「ふざけんな！！一体誰が俺らを危険分子と決めたんだ！？俺らは幻想郷を何度も救ってきたじゃねえか！！」
絢斗は龍神に向かってそう叫ぶが、龍神は絢斗を睨んで声を出せなくした。
「救ってきた？貴様らは単にでしゃばっただけであろう。異変など貴様らがいなくても幻想郷にいる住民だけで解決出来る。貴様らがいるとパワーバランスが崩れる。」
「そんなもんで、そんなもんで納得出来るかぁ！！」
快は龍神に向かって走っていくが、龍神の髭に叩かれて吹き飛ばされた。
「残りの５人は危険分子ではない。貴様ら三人が危険なのだ。」
「納得いかない！！納得いかない！！」
「認めろ、そして受け入れろ。これも世界の理なのだ、この世界の理は我が作る。強大な力を持った罰を受けるがいい。」
そう言って龍神は消え去り、磔と絢斗と快は闘技場の観客席に座っていた。
「龍神の言っていた事は本当なんでしょうか？」
「俺は信じねえぞ！！絶対に信じねえぞ！！」
絢斗はそう言い妖夢と幽々子がいるところに走っていった。
「ぼ、僕もアリスさんの所に行ってきます！！」
「行ってこい、もう皆俺らの事を覚えてねえよ。」
快もアリスがいる所に向かって行ったが、磔はその場から動こうとはしなかった。
「また、またあの生き地獄を味わうことになるのかよ！！」
そう言い磔は本気で地面を殴った。今までの磔なら本気で地面を殴ったら、ヒビが入って粉々になるが、地面は小さなヒビすら入らず、殴った手が真っ赤に腫れていた。
「あら、幻想郷の人間は突然変なことをする人もいるのね。」
その声を聞いた磔は顔を上げた。声をかけてきたのは豊姫だった。
「辛いことでもあったのかしら？物に当たるのは良くないわよ？」
「はい、すみません。」
「ところで貴方は私の旦那にそっくりね。良かったら名前を聞かせてもらえないかしら？」
「いえ、貴女のような高貴な方に名前を教えることなんて出来ませんよ。」
磔がそう言うと、春姫が豊姫の所にやってくる。
「お母さんこんなところにいたのね。お父さんが探していたよ？」
「それは悪いことをしたわね。行きましょう春姫。」
「あっ！貴方お父さんにそっくりだね！！」
春姫が磔に向かってそう言う。磔は泣きそうになるのをこらえて笑った。
「そうなんですかね？貴方のお父さんは何処にいるのかな？」
「あそこにいるよ！！」
春姫が指を指した方向を磔は見る。だが磔には見ることが出来なかった。
「確かにそっくりですね。」
「さあ、行きましょう。」
そう言い豊姫と春姫は手を繋いで歩いて行った。その後ろ姿を磔は涙を流しながら見ていた。もう自分の事は覚えていない事を改めて理解したのだから。
「あのすみません、通路の真ん中に立っていると通れないのですが？」
「ああ、すみません。今開けます。」
そう言い磔は後ろを振り向く。そこにいたのは妖夢と依姫と夏姫だった。
「ありがとうございまって、どうしました！？私が泣かせたんでしょうか！？」
「妖夢さん、気にする必要ないですよ。」
依姫はそう言って磔の横を通り過ぎる。夏姫も妖夢も磔の横を通り過ぎた。夏姫は警戒するような目付きで磔を見ていた。
「磔。」
磔は呼ばれてその方向を向くと、絢斗と快が涙を流しながら磔を見ていた。
「取り敢えずここから離れよう。それでいいな絢斗？快？」
二人は磔の言葉に頷き、闘技場を後にした。
その後、良太対輝美は良太の勝ちで終わった。良太の勝因は鏡の世界で暴れまわったからだろうだ。
続けて試合を行おうとした時、紫がこれ以上大量の異世界の人がいると結界に影響すると言ってきたのでトーナメントはここで終わりとなった。
今は来てくれた皆を磔達(ここにいる磔と絢斗と快は龍神が作った幻覚)が見送りしている所だ。
一人一人に挨拶し、握手したり、酒を渡したり、秘蔵写真を交換しあったりして、別れていった。最後まで残った霊斗がしばらく この世界に残るという爆弾発言をした。
それと霊斗が、近々霊斗の住民を何人かこっちに住まわせたいと言ってきたので、紫に許可を取ったらOKをもらえたので住むことになった。
強大な異変も起きたが、無事に解決することが出来、めでたしめでたしという結果で終わった。それぞれ愛する人の元へと帰り、幸せを感じあった。
だが忘れてはならない。
ある一方でハッピーエンドになると、ある一方ではバットエンドになることも忘れてはならない。
全てが全部、ハッピーエンドで終わるわけないのだから。
皆が帰った後。
「あいつらは無事に帰ったみたいだな。」
「これは、ハッピーエンドって言えるんでしょうか？」
人里と迷いの竹林の間にある洞窟に磔と絢斗と快はいた。三人とも怒りに震えていた。
「言えるわけねえだろ！！何で異変を起こすと手をつけられないという理由で何もかも失わないといけねえんだよ！！」
絢斗は木の棒で壁を殴りながら叫ぶ。絢斗は妖夢や幽々子の所に行ったが、不審者と言われ追い出された。快もアリスの所に行ったが、人形で撃退させられた。その理不尽な現状を感じて怒りで手が震えていた。
「能力、力、友人、家族、居場所、全て失った。これから僕らはどうすればいいんですか！？もうアリスさんの隣にいることが出来ないんですか！？」
「落ち着け絢斗、快。」
「何で磔はそんなに落ち着いていられるんだよ！？悔しくねえのかよ！？悲しくねえのかよ！？」
「だったら、喚いて泣き散らせば全て戻ってくるのか？」
磔は火をおこしながら絢斗と快を睨み付ける。睨み付けられた絢斗と快は黙った。
「俺だって悲しいんだよ！！腸煮えくり返ってんだよ！！ようやく掴みとった幸せがまた無くなったんだからな！！けど、この仕打ちは２度目だからな。慣れてんだよ、全てを失う事にはな。」
そう言い磔は焚き火に枯れ木を積めていく。
「これからどうするかか、んなもん一つに決まってる。能力と力を龍神から取り返すんだよ。」
「でも、どうやって龍神から取り返すんですか！？僕達の力は一般人の人と変わらないくらいまで下げられたんですよ！？」
「それに、自殺したくても死ねないから意味がねえ。」
「そう、死にたくても死ねない、それを利用する。」
磔はそう言って、木の棒を石で削っていく。
「今は妖夢やアリスはお前らの幻覚と幸せに過ごしている。このまま俺らが黙っていれば、あいつらは俺らが封印されたことを知らなくて済む。けど！！絢斗も快ももう一度取り戻したいだろ！？幸せだった一時を！！どうしても捨てられねえだろ、忘れられねえだろ！！あいつらの笑顔が！！それを取り返してやろうじゃねえか！！」
さあ始めよう
地獄の底から這い上がり、奪われた居場所を取り戻す為に！！
この回でコラボ完結です！！
甘味処アリス先生、まーりん先生、面無し先生、怠惰のあるま先生、糖分９９%先生、狼天狗先生、終作先生、ファム先生、蒼狐先生、西園寺 灯先生、天狐先生、black cat先生、超絶暇人先生、山餅先生、計14名の先生方、本当にありがとうございました！！
