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東方外遠記  作者: 颯人
第15章 他世界の人達との交流 ~Exchange with people of the other worlds~
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最終決戦(中後編)

冥界


「ったく、面倒な枝だ!!」


西行妖に取り付いた狂気を取り除くため、聖人と悠飛は西行妖に近付く。だが、枝に阻まれて中々進めなかった。


「これじゃ近付けないよ!!」


「悠飛のスピードでも駄目なのか?」


聖人は悠飛に訊ねるが、悠飛は首を横に振った。


「枝を避けるのは大丈夫なんだけど、近付くのは厳しいかも。」


「よし、俺が枝を何とかするから悠飛は西行妖に近付いて行ってくれ。」


「でも私が西行妖に近付いても狂気を取り除く事が出来ないよ聖人?」


悠飛にそう言われて、聖人はポケットの中を探ってその中から出てきた御守りを悠飛に渡す。


「この御守りを持って近付くだけで狂気が取れるからあとよろしく!!」


「あっ!!ちょっと!!」


聖人はそう言い西行妖に近付く。西行妖から大量の枝や根が聖人に襲いかかる。だが、それを見て聖人は少し笑った。


「さて、少し本気を出しますか。」


そう言い聖人は緑色と青色のオーラを大きくさせ、指を鳴らす。すると、西行妖の枝や根が瞬く間に凍り付いた。


「何したの!?」


「能力を使っただけだ。アクセルドライブ、モードはもう取っ払うか。アクセルドライブを使った状態だと、幻想郷の人達の能力やスペルを重ねて使う事が出来るんだ。」


「じゃあ西行妖の枝や根を凍らせたのって!!」


「そう、チルノの能力とレティの能力を使ったのさ。」


聖人が悠飛に説明している間に氷は溶けて、再び聖人に襲いかかる。


「能力の併用は何個まで使えるの?」


「今はアクセルドライブlevel2状態だから2個だ。じゃ、西行妖本体は頼んだ!!」


「任せて!!」


そう言い悠飛は西行妖に向かって飛んでいく。それを阻止しようと西行妖の枝や根が悠飛を捕らえようとするが、聖人が枝や根を斬ったり消滅させたりして防ぐ。


「お前らの相手は俺なんだよ!!」


そう言い聖人は文の能力とにとりの能力を使い、風と水を出現させ、それらを操って枝や根を斬る。


「悠飛、西行妖の所まで行けたか?」


「行けたよ!!あとは捕まらないように西行妖付近に入ればいいんだね?」


そう言いながら悠飛は空中を超高速移動していた。西行妖の枝も根も悠飛のスピードには付いていけてないようだった。


「あぁ、頼んッ!!」


「どうしたの聖人!?」


「西行妖から皆が寝ている所に向けて巨大な妖力のレーザーを放つみたいだ。」


西行妖の木の中心から黒色のエネルギーの塊が出来ていて、それらは数秒毎に大きくなっていた。


「今ウィットが張っている結界じゃあ持ちそうにないな。当たったらおしまいだ。」


「私が何とかする!!」


「いや、俺だけで大丈夫だ。悠飛はそのまま狂気を取り除く作業をしていてくれ。」


聖人はそう言い溜め息を付いた。悠飛が聖人の所に行こうとするが、聖人はそれを止める。


「相殺させるか。でもマスタースパークやファイナルスパークでも駄目、フレアスパークでも威力が足りない。ファイナルブラスターは使用後の硬直があるから駄目、これやばくね?」


聖人がどのスペルを使って相殺させようか考えてる間に、黒いエネルギーの塊は今にも発射されようとしていた。


「聖人!!本当に大丈夫なの!?」


「大丈夫大丈夫。」


聖人がそう言った時、黒いエネルギーの塊が皆が寝ている所に向かって発射されたと同時に聖人は皆が寝ている所の前に立ちふさがった。


「ちょっと!!」


そのまま何もせず、黒いエネルギーに聖人は直撃した。かに思われたが、聖人から白いレーザーが出現し、黒いエネルギーを押していた。


「想符 トライスパーク。マスタースパーク、ファイナルスパーク、フレアスパークを組み合わせたスペルだ。」


「でも、押し戻されてるよ!!」


悠飛の言う通り、聖人と西行妖の間くらいまで黒いエネルギーを押し返したが、そこから聖人の方に黒いエネルギーが押されてくる。


「仕方ねぇ、ラストワード使うか。」


聖人がそう言った時、聖人が放った白いレーザーが黒いエネルギーを押し返し始めた。


「三つのマスタースパークなら駄目、なら5つならどうだ?西行妖よ?」


「聖人!!私一人じゃきついから早くして!!」


「はいはい、想符 サンクスパーク!!」


聖人はそう言い黒いエネルギーを押し返し、白いレーザーを西行妖に当てる。そこから更に、刀を抜き緑色のオーラを纏わせる。


「悠飛!!離れてろ!!」


「うん、わかった!!」


「幻符 イマジネーションブレード!!」


聖人は緑色のオーラを纏った刀で西行妖の狂気だけを取り除く。すると、西行妖から出ていた狂気は消え去り、美しい桜を咲かせていた。


「ふぅー、終わったか。悠飛、大丈夫か?」


「大丈夫だけど、さっきのレーザーは何?いきなり強くなったんだけど?」


「あれ?あれはマスタースパーク、フレアスパーク、ファイナルスパーク、スピンシュート、夢想霊砲を合わせたレーザーだ。」


聖人はそう言い、アクセルドライブを解除する。


「さて、ここは何とかなったが他の所はどうなんだ?」


「分からないよ、もうすぐ決着は着くとは思うけどね。」


「あいつらが勝った事を願うしかないか。」


















「くそ!!何故攻撃が当たらない!!」


「さっきまでの俺と一緒にすんなよウガヤフキアエズノミコト?今の俺は強いぞ?」


「一体何なんだそれは!?何故貴様が天使の気を纏っているんだ!?」


ウガヤフキアエズノミコトはあり得ないと言わんばかりの表情で鮫を磔に突撃させようとするが、磔は斬撃を放ち鮫をまっ二つにする。


「そういや、この名前を決めてなかったな。エンドエボルバーとでも名付けるか。」


「くそが!!ただの合わせ技にこの俺様が苦戦だと!?そんなことがあってたまるかぁぁぁぁぁ!!」


そう言いウガヤフキアエズノミコトは掌から高圧水流のレーザーを磔に向けて放つが、磔は縮地を使いウガヤフキアエズノミコトの後ろに回り込んでエルボーを喰らわせる。


「ぐっ!!」


「終わりだウガヤフキアエズノミコト、依姫は返してもらうぞ。」


「この俺様が、ただの人間ごときに!!認めない認めない認めない認めないぞぉぉぉぉぉ絶対にぃぃぃぃぃ!!」


そうウガヤフキアエズノミコトは絶叫し、磔に殴りかかる。


「てめえは方法を間違えたんだ!!何故普通に依姫に会おうとしなかった!?何故こんな悲しいやり方しか思い浮かばなかったんだよ!!こんな事をしなくても依姫はてめえを受け入れた筈だ!!てめえは依姫を信用してなかったのか!?」


「黙れぇぇぇぇぇぇ!!」


磔はウガヤフキアエズノミコトの拳が当たるギリギリの所で回避し、拳を握り締めて振りかぶる。


「今のてめえに依姫の妻を語る資格はねぇ!!頭を冷やして出直してこい!!この大馬鹿野郎ォォォォォ!!」


磔は振りかぶった拳をウガヤフキアエズノミコトの顔面に当てる瞬間に、手、腕、肘、肩の動きを連動させ、音速の数十倍~数百倍の速さで殴り付ける超技術 桜花を使いウガヤフキアエズノミコトを空の彼方まで吹き飛ばした。


「はぁ、はぁ、とりあえず回収しねえと。」


磔は吹き飛ばしたウガヤフキアエズノミコトの所まで瞬間移動する。ウガヤフキアエズノミコトは月の海の砂浜に倒れていた。


「はは、まさか俺様が負けるなんてな。」


磔がウガヤフキアエズノミコトの近くまで行くと、ウガヤフキアエズノミコトは掠れた声で笑った。


「人間を見下した。それがてめえの敗因だ。」


「そうだな、お前みたいな人間もいるんだな。」


ウガヤフキアエズノミコトがそう言うと、ウガヤフキアエズノミコトの体が透け始めた。


「おい、何でてめえの体が透けてきてるんだ?」


「俺様はガブリエルの力を貰って生き返っただけだ。俺様の中にあるガブリエルの力が消えてきているから体が透け始めた。それだけだ。」


そう言いウガヤフキアエズノミコトは磔に赤いネクタイと赤いリボンを投げる。


「これは依姫にプレゼントする予定の物だった。本当はお前の言う通り普通に会いに行きたかった。だが、死んでしまったから何千万年と会うことが出来ず、依姫を独り占めにしたいという気持ちが抑えきれなかった。」


「だからあんなことをしたのか。」


「全く、俺様は最低な夫だな。依姫をこの目で見た瞬間に欲望が抑えきれなかったんだ。」


そう言いウガヤフキアエズノミコトは涙を流し始めた。


「白谷磔、依姫を頼んだ。あいつは誰かに甘えることを知らず、一人で何もかも背負い込む。貴様が依姫を支えてやってくれ。あと、すまなかったと代わりに謝っておいてくれ。」


「言われなくてもそのつもりだ。だから安心して逝け。」


そう言い磔は拳を突出す。ウガヤフキアエズノミコトも拳を突出し、磔の拳にぶつける。


「貴様に俺様の力を分けてやった。無効にした能力も戻ってる筈だ。頼むぞ2代目夫。」


「任せろ初代夫。お前のその想い、俺が引き継いでやる。」


磔がそう言い終わると、ウガヤフキアエズノミコトは消えていった。磔はエンドエボルバーを解除に赤いネクタイとリボンをしまい、幻想郷へ瞬間移動した。
















幻想郷


磔が依姫の所に瞬間移動すると、依姫をお姫様だっこしている終作がいた。


「はいはいお疲れさん、そっちは決着がついたみたいだな。」


「終作、結構ボロボロだな。」


「仕方ないね!!依姫は予想以上に強かったんだもん!!禁じ手を使う寸前まで追い込まれたからな!!」


そう言い終作は依姫を冥界に送った。


「霊斗や零達は?」


「ん~、さっきまで上空が騒がしかったけど、もう収まったから決着が付いたんじゃないの~?」


「そうだ、決着は付いた。だが我の勝ちによってな!!」


終作が欠伸をしながら磔に報告した瞬間に、ガブリエルが磔と終作の前に現れる。


「どういうこッ!!霊斗!!零!!」


「こやつらか?手強かったが、今の我の敵ではなかっただけだ。何が最強だ、精神攻撃を無限に繰り返せばこんなもんだ。」


霊斗と零は終作よりもボロボロになった状態で倒れていた。


「神姫は逃したが、まあいい。重傷を与えたし、今ごろ霊斗と零を復活させようとしてるだろう。復活する前にお前達を殺し、この世界を我の物にすれば我の勝ちだ。」


「サリエルと合体したか。だが解せねぇ、何故霊斗と零がやられた?何をした?」


「何、精神攻撃とこいつらの力の元を奪ってやっただけだ。過去の霊斗と零から力をある程度奪ってやっただけだ。」


そう言いガブリエルは高らかと笑う。


「力が無限に高まる!!そうだ、これこそが天使!!我の前に敵などいない!!残念だったな白谷磔、これでお前もお前の世界も終わりだ!!絶望しろ!!そして泣き叫べ!!」


「絶望ねぇ、よく喋る天使だな。過去へ行く力はもうないんだろ?」


終作がそう指摘するが、ガブリエルは気にもしないような表情をしていた。


「それがなんだ?我は無敵になったのだ。過去へ行く必要なもうないのだからな!!」


「無敵ですか、本当によく話す天使ですね。」


「そうですね、俺は嫌いです。」


「それについては同感だ。」


ガブリエルが両手を広げて宣言した時、上からハイド、ジラ、恵生が降りてくる。


「長命は?」


「あいつはアルマや桜達を救出しに行った。」


「今更何をしに来た龍神力を持つ者、お前も我の敵ではない!!」


「これ以上貴方を放っておく訳にはいかなくなりましたのでね。参戦しに来ました。」


ハイドがガブリエルにそう言うが、ガブリエルはやれやれと言った表情をして呆れていた。


「たかが三人来た所で何になる?一つ良いことを教えてやろう。我はこの世界の者にしかダメージは与えられぬぞ?いくら龍神力でもそれには抗えぬ。」


「だろうと思ったよ。要するに俺がてめえをぶっ飛ばさなければならねえってことか。」


磔はガブリエルに向かってそう言うが、ガブリエルは霊斗に指を指した。


「霊斗や零に劣るお前が我に勝てるとでも?笑わせてくれる。」


「いいや、勝てるさ。てめえは俺らの事を分かってないみたいだな。」


突然聖人の声が響き渡り、磔の隣に現れた。


「雑魚が何をしに来た?いくら雑魚の力を合わせてもこの我には敵わぬぞ、それが分からぬとはなんて愚かな。」


「愚かなのはてめえだガブリエル。」


そう言い磔は聖人に向けてスペルカードを投げ付ける。聖人がそれをキャッチした時、磔と聖人の体が光り始めた。


「何をする気だ?」


「これはまだ誰にも見せたことがない。強いて言うなら、お前が合体して一つになったんだから、こっちも合体して一つになるのさ。」


聖人と磔の声が響き渡った後、光の中から一人の青年が現れた。外見は磔だが、磔が着ていた青のジャケットは聖人が着ていた白になっており、ズボンは黒色になっていた。


「「俺達は元々一人だった、だがある時に分かれてしまった。今のはそれを一つに戻しただけだ。絆符 ミラクルフュージョン。これが本当の泊谷聖人、そして。」」


聖人はそう言い緑色と蒼色と白金色のオーラを纏い始める。それを見たガブリエルは冷や汗を掻き始めた


「「これが、その時のエンドエボルバーだ!!」」


「そんな変身で我に勝てると思うのかぁぁぁぁぁ!!」


そう言いガブリエルはサッカーボールの3倍くらいの大きさの超高圧縮エネルギーを聖人に向けて放つが、聖人はそれを片手で受け止め、威力を完全に殺してから爆散させた。


「何ィ!!」


「「ハイド、ジラ、恵生、サポートは任せた。」」


「分かりました。にしても、力が上がりましたね聖人さん、これなら安心して任せられそうです。」


「了解です。聖人さんと磔さんの力が掛け合わさったんでしょう。」


「断りてえけど、そうも言ってらんねぇしな。」


「俺は他の人の救出にいってるから~。」


そう言い終作は自分の作り出した空間の中に入っていった。


「「さあ、本当の決着を付けようか!!」」

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