想力の真実
「さぁ、貴様達の望みを断ち切ってやるわ！！」
「そうはさせねえよ！！時龍！！」
「任しとけ幻真！！」
そう言い時龍と幻真はサリエルに突っ込んでいく。それをサリエルは羽から氷の槍を出現させ、二人に放つ。
「串刺しになってしまいなさい！！」
「そうはいきませんよ。幽透さん、槍を撃ち落とせますか？」
「わかった！！」
幽透は弾幕を放ち氷の槍を相殺する。その隙に幻真が自分の愛刀、真神剣でサリエルに斬りかかる。
「雑魚が、調子に乗るな！！」
サリエルが掌を幻真の方に向け、レーザーを放つが、レーザーが幻真に当たる前に幽透が弾幕でレーザーを消滅させる。
「ちぃ！！」
サリエルは空間から青い剣を出現させ、向かってくる幻真に放つが、それも幽透が弾幕を放ち消滅させる。
「何故相殺出来る！？」
「それについては俺の仕業です。俺は第六感が非常に優れているので、サリエルの行動を読み、幽透さんに弾幕を当てる場所を教えて相殺させました。」
逹茉は幽透の隣に立ち、サリエルの方を見ながら言う。
「小賢しいわ！！」
「小賢しくて結構だ！！斬符 漆黒斬！！」
幻真は地上にいる逹茉の方を向いているサリエルに向かって斬りかかる。サリエルはそれを右手で受け止める。
「ふん、そのスペルは相手に傷を負わせたら視界を暗くするスペルか。だがこの神には効かないわ！！」
「んぎぎ！！そいつはどうかな！！」
「ほざけ小僧！！」
サリエルは右手で幻真の刀を掴みながら幻真に蹴りを放つ。だが幻真は蹴りを喰らっても吹き飛ばされなかった。
「何故だ！？何故吹き飛ばされない！？」
「俺も使えるんだよ、アクセルモードな！！想符 アクセルモード４！！」
幻真はそう叫び、金色と赤色のオーラを出し、髪の色も２つのオーラの色になった。
「斬符 雷魔斬！！」
幻真は刀に雷を纏わせてサリエルの手を斬った。斬ったと言っても斬る直前にサリエルが後退したため、切り傷程度の傷しか付けれなかった。
「私に傷を付けるとは、絶対にゆるッ！！」
「雷魔斬は斬った部分を麻痺させる。右手に傷を負わせたから右手はもう使えない。」
「そして、俺の出番だ！！龍剣 神炎剣！！」
時龍は自分の武器、龍神剣に炎を纏わせ、サリエルの体をまっ２つにした。
「作戦成功だな幻真！！」
「ああ！！上手くいってよ「油断しないでください！！」えっ？」
幻真と時龍は作戦が成功した事を喜んでいると、まっ２つになったサリエルの体から極太のレーザーが放たれる。
「幻真！！」
「わかってるさ！！吸収 魔！！」
幻真は向かってくるレーザーに向けて右手の掌を突き出す。すると幻真の右手にレーザーが吸収されていった。
「くっ！！ちょっと吸収し過ぎた。」
「そう、なら死になさい。」
「何！？」
サリエルが幻真の後ろの空間から現れ、幻真の頭を羽で貫こうとしたが、時龍がそれを両手で受け止める。
「白刃取り！！幻真は殺させねえよ！！」
「時龍の言う通りだ！！ブラストインパクト！！」
時龍がサリエルの羽を掴んでいる時に幽透がサリエルの背中に正拳突きを放つ。
「小僧どもが！！」
「サリエル、これで君の負けだ。」
「何をグハッ！！」
サリエルの体が突然爆発し、サリエルの体は粉々になった。
「ブラストインパクトは殴った相手に魔力を体内に送り込み、その中で爆発させるスペル。体内からの攻撃なら耐えられないだろ。」
「幽透、すげえスペル持ってるな！！」
「気を抜かないで時龍、サリエルにああ言ったけど、やられたとは限らない。」
幽透はそう言い辺りを警戒する。
「少し効いたわ。小僧の癖にやるわね。けど、貴様は神を傷付けた！！」
幽透の後ろからサリエルが現れ、幽透の頭を手で貫こうとする。
「くっ！！イージスの盾！！」
「そんな盾粉砕するまで！！」
幽透は盾でサリエルの攻撃を防ごうとしたが、盾は簡単に粉砕され、幽透は腕でサリエルの攻撃を受け止めた。
「くっ！！でもこれならダメージを与えられる！！エクストリームオーラ！！アルテマバースト！！」
幽透は光と闇と無属性のオーラを纏い、色の無いレーザーをサリエルに放った。
「幻真！！俺らも攻撃するぞ！！」
「わかった！！氷符 勾玉氷弾！！」
「龍派 波動剣！！」
幻真は氷の弾幕、時龍は斬撃を飛ばしてサリエルに攻撃する。サリエルは避けようとはせず、全ての弾幕を喰らった。だが表情は勝ち誇った顔をしていた。
「なんなの今の攻撃は？」
「ちっとも効いてない！？」
「取り合えず小僧、神の裁きを受けろ。」
サリエルは幽透の頭を掴み、上空へ投げ飛ばし、飛んでいった方向に雷を落とした。
「うわあぁぁぁぁ！！」
「幽透！！くそ野郎が！！」
「時龍！！一人で突っ込むな！！」
幻真の忠告を無視して時龍はサリエルに突っ込んでいく。それを見ていたサリエルは目からレーザーを出した。
「喰らうかよ！！」
時龍はレーザーを避け、サリエルに攻撃…ではなく上空から落ちてくる幽透の方へ向かって行った。
「敢えて頭に血が登ったふりをして突っ込んで来たのね。だが甘い！！ソウルドライブモード３！！」
「ヤバイ！！」
幻真は白金色のオーラを纏ったサリエルに弾幕を放つが、サリエルに一睨みされた途端、後ろに吹き飛ばされた。
「神の裁きを受けるがいい！！」
「受けてたまる…そんな！！」
時龍は幽透をキャッチし、後ろを向こうとした瞬間に上空から巨大なレーザーが降ってきた。
「くそおぉぉぉぉ！！」
「時龍！！」
時龍は成す術なく、レーザーを喰らって地面に埋め込まれた。
「神に抗うからだ。そこの小僧、神の裁きを受け入れる準備は出来たか？」
「てめえ、絶対に、許さねえぞ！！」
幻真は叫びながらサリエルに突っ込んでいく。サリエルは立ったままで幻真の攻撃を喰らった。
「神神言いやがって！！てめえは神様でもなんでもねえ！！」
「愚かね、神を侮辱するなんて。死にさらせぇぇ！！」
サリエルは後ろの空間から龍２体を召喚し、幻真に攻撃するように命じた。
「てめえだけが龍を使えるとは限らねえよ！！来い炎龍！！水龍！！」
幻真は２体の龍を召喚してサリエルが召喚した龍の攻撃を防ぐ。だが幻真が召喚した龍は直ぐに消滅した。
「白谷磔の能力を忘れたのかしら？」
「…龍を消滅させたか！！人の能力を勝手に使ってんじゃねえよ！！」
「私の物だ！！さて、貴様はこの罰が相応しい。」
そう言いサリエルは光を放ち、幻真の視界を一瞬奪った。
「目眩まし！？けど、それは意味がなッ！！」
幻真が視界を取り戻した時、目の前に魂魄妖夢がいた。
「妖夢！？いや、これはサリエルの罠だ！！」
「幻真さん、私は本物ですよ？忘れたんですか？」
「妖夢、でも！！」
幻真は目の前にいる妖夢を警戒していると妖夢は幻真に抱き付いた。
「よよ妖夢？」
「こここれで信じてもも貰えたでしょうか？」
妖夢は顔を真っ赤にしながら幻真の顔を見詰める。
「本当に、本当に俺の知ってる妖夢なんだよな？」
「はい！！」
「良かった。」
幻真は一瞬だけ本物の妖夢だと安堵してしまった。その隙を狙って妖夢は２本の刀で幻真の心臓を貫いた。
「よう、む？」
「愛している人に殺された気分はどうだ？」
幻真の目の前にいたのは妖夢ではなく、サリエルだった。サリエルは目眩ましした後、磔の能力で妖夢に変身していた。
「愚かな人間は戦闘中でも愛する者が入れば油断する。無様なもんね。」
「そ、ん、な。」
サリエルは刀を消滅させ、幻真の頭に踵落としを喰らわせる。幻真は涙を流しながら地面に向かって落ちていった。
「さて、これであと一人ね。」
「そうですかね？」
サリエルは逹茉がいる所に移動し、逹茉の前に降り立った。
「俺には視えているんですよ。この先の展開。」
「ハッタリもそこまでにしておいたら？醜いわよ？」
「ハッタリではなかったらどうしますか？」
そう言い逹茉は目を閉じる。その様子を見てなめられてると感じたサリエルは刀を出現させ、逹茉に向かって放った。
「俺の能力で、人を傷付けるんじゃねえよ糞神！！」
突然逹茉の目の前から磔が出現し、サリエルの放った刀を右手で粉砕し、サリエルを蹴り飛ばした。
「ぐぶっ！！き、貴様！！何故生きている！？しかもこの力！！貴様は全てを失ったはず！！」
「俺達の絆をなめるな！！」
そう言い磔はサリエルに向かって突っ込んでいく。サリエルはオレンジ色のレーザーを磔に向かって放つ。
「フレアスパーク！！」
「俺のスペルを使ってんじゃねえよ！！」
磔は右手でフレアスパークを上に弾く。だが弾いた時に、サリエルが目の前にいた。
「死ねえぇぇぇ！！」
サリエルは刀を作り出し、磔の頭を叩き斬ろうとする。それを磔は左手で刀を受け止め、まっ２つに折った。
「何ッ！？」
まずいと思ったサリエルは瞬間移動で逹茉の後ろに移動し、逹茉にレーザーを放とうとする。
「もういい、糞神はそこで止まってろ！！終符 グラウンドストップ！！」
磔はそう言い地面を殴った。すると地面にヒビが入った。
「その程度で神の攻撃を防…。」
サリエルはそこまで言った時、体が石のように固まった。逹茉は磔が地面を殴った時にジャンプしていたため、固まらなかった。
「恐ろしい技ですね。まさか幻想郷全体を停止させるなんて。」
「すぐ解除されるけどな。けど、サリエルを倒すのには充分だ。」
磔はサリエルの前に移動し、サリエルの胴体に刀を突き刺した。
「返して貰うぞ、俺の力を！！」
そう言い磔は刀を胴体から抜き、サリエルの体を消滅させるまで切り裂いた。その後、浮いている白金色の魂みたいな物を磔は体に取り込んだ。
「これで磔さんの力は戻りましたね。」
「確かに戻った、けど、想力が戻らない。」
「磔！！力は取り戻せたか！？」
磔が困惑している時に、空間から霊斗、零、神姫、終作、恵生、ハイド、ジラが現れた。
「貴様らは知らないようだな。」
今まで高みの見物をしていたガブリエルが磔の前に降り立った。
「どういうことだ？」
「そう焦らすでない神谷零。想力というものは元々我のものなのだ。」
「何ッ！？」
磔が驚きの表情を浮かべている時、神姫が磔の前に立った。
「ガブリエルは四大天使の一人。他にはミカエル、ラファエル、ウリエルがいます。」
「そして四大天使にはそれぞれの力があった。属性で言うとミカエルは火、ラファエルは風、ウリエルは地、ガブリエルは水だ。」
恵生が磔にそう説明するとガブリエルは手の平から水を出現させた。
「そして属性だけでなく、それぞれの霊力の特徴がある。」
「恵生、わかるか？」
「そこまでは知らねえよ磔。」
「僕が教えましょう。」
そう言いハイドはガブリエルを見詰める。
「ミカエルは知性、ラファエルは理性、ウリエルは感受、そしてガブリエルが。」
「想像、と言うわけか。」
「そう、我は想像の力を持っている。白谷磔が何故持っていたのかは知らない。だが、元々我のもの。返して貰った。」
「それで、力を返したんだからお前は引き下がってくれるのか？」
終作がそう言った時、ガブリエルは戦闘モードに入り、衝撃波を磔達に放った。
「我の力を無断で使ったその罪、殺すに値する！！」
そう言いガブリエルは右手を上に掲げた。すると、空間から巨人や目の無いゴリラみたいな生物が大量に降ってくる。
「うへぇ、バイオ○ザードかよ。」
「この地にいるのはお前達だけ、原子も残さずに消滅させてくれるわ！！」
「そうかな～？」
突然、絢斗の声が幻想郷内に響き渡った。
「絢斗、間に合ったか？」
「バッチリだぞ～。幽々ちゃんが手伝ってくれたからね～。」
「どういうことだ？」
磔は霊斗に聞く。霊斗は頬をポリポリとかきながら申し訳無さそうな表情をする。
「いや、サリエルに殺された人達はな、実を言うと殺されていないんだ。」
「…つまり、殺される直前に冥界に移動させ、サリエルには幻覚を見せていたという事か？」
「そういうこと。ちなみにこれは幽々子が考えたんだぞ。」
「流石俺の幽々ちゃんだね！！」
「それと、冥界に皆を移動させた理由がもう１つあるんだ。」
そう言いながら霊斗はストレッチをする。それを磔は怪訝な表情をしながら見ていたが、霊斗の言いたい事に気付き、口元をにやけさせた。
「全力で戦うためだな？」
「正解ですよ磔さん。俺とハイドも戦います。」
「ただ、ガブリエルの相手はしません。僕とジラで周りを片付けます。」
「姫ちゃん、準備の方は？」
「大丈夫ですよ兄さん。いつでもいけますよ。」
「俺は戦いたくないんだけどなぁ。仕方無いか。」
「天使と戦う事はあんまりないからな～。折角だし、俺の力を見せますかね～。」
「皆さん戦う気満々ですね。俺も戦います。」
「ガブリエル、確かに想力はお前のものなのかも知れない。けど、俺のものでもある。」
そう言い磔は真桜蒼剣・改を構える。
「我に戦いを挑むか。いいだろう、四大天使の力を見せてやろう！！」
「神だろうが天使だろうがこの幻想郷を壊そうとしてるやつはぶちのめす！！解放 ハイパーソウルモード！！行くぜガブリエル！！」
