第一回戦 2
「もう本気で行くからね!!」
「フラン様の本気、楽しみにしています。」
「言ったね!!禁弾 カタディオブトリック!!」
フランは壁や地面に当たったら反射する弾幕を大量に放つ。そして、その弾幕の隙間に通常の弾幕も放った。
「これは、考えましたね。ですがまだまだですね。」
そう言い朔は弾幕を避けながら、自分に当たる弾幕だけ刀で斬った。
「ふむ、では私もスペルカードを使いますか。」
「どんなスペルかな?」
「禁忌 レーヴァテイン。」
朔は刀から炎の大剣を作り出して前方に振る。すると大剣から弾幕が放たれる。
「うわっ!!それって私のスペル!?」
「スペルカードをコピーするのは難しくないんですよ。」
「んもー、ずるいよ!!」
フランは朔の弾幕を避けながら近付く。それを見た朔は再び前方に壁を作り出す。
「この壁は能力で破壊出来ませんよ。どうしますか?」
「だったら壊す!!」
そう言いフランは壁に正拳突きを放ち、壁を粉砕する。だが粉砕された壁から朔がフランに突撃する。
「これで終わりです。」
「まだだよ!!」
フランは朔の攻撃が当たる直前に地面を強く蹴って朔の横に回った。
「あの体勢で避けられますか。」
「へへーん、フランを甘くみないで…あっ。」
フランがそう言い終わる前にフランから出ていたオーラが消滅した。それと同時にフランが両手を挙げる。
「あーあ、時間切れか。アクセルモード2はまだ少ししか持たないんだよね。しかも使った後は魔力とかほぼ無くなるんだよね。だから降参するね。」
「ありがとうございますフラン様。」
「勝者、新月朔選手!!」
文がそう叫んだ瞬間に会場が歓声に包まれた。それを聞いたフランは顔を少し赤く染めながらレミリアの所に行った。
「フラン、よく頑張ったわね。」
「お姉様、フラン負けちゃった。でも楽しかったよ!!」
「妹様、傷の手当てをしますので医務室に行きましょう。」
「わかったよ咲夜、お姉様またあとでね!」
フランは咲夜に手を引かれるようにして医務室に向かった。朔は服に付いた汚れを払い落としながら磔の隣に移動した。
「朔、フランと戦うのは二度目か?」
「そうですよ、最初は私の世界の幻想郷に来て直ぐに戦いました。それにしても、ここの世界のフラン様は大人ですね。」
「色々あったからな。さて、次の試合までゆっくり休んどけよ。」
磔が朔にそう言った時、実況席に動きがあった。
「それでは第三試合を始めたいと思います。対戦相手は。」
「次は誰かねぇ。」
「時龍選手&ウィット・ルシファー選手&水野鏡選手VS十六夜咲選手&魂魄有夢選手&東風谷佳苗選手です!!」
「おいちょっと待て!!1対1じゃなかったのか!?」
霊斗が文にそう訊ねる、文は恵生の方を向き、苦笑いをしながら言う。
「恵生さんが1対1じゃ飽きるから3対3でもやったらどうだと言ったので。」
「まあいいか。」
「それでは、入場してください。」
文がそう言い6人が試合会場に移動する。
「うほー!!女性に囲まれるなんて俺得キタコレ!!」
「ずりーぞ時龍!!俺もその中に混ぜろ!!」
「残念だったな終夜!!観覧席で指を加えて見て「「ふんっ!!」」うげっ!!」
時龍がどや顔で終夜に指を指しながら高笑いするが、ウィットと鏡が時龍の顔面を殴り飛ばす。
「ボクに何かしようとするならこれくらいじゃ済まないからね?」
「ご主人様に時龍さんを懲らしめるように言われたので。」
「二人してひどい!!」
時龍はよろよろと立ち上りながら構える。それを見た咲、有夢、佳苗も同様に構える。
「こ、これは勝てますかね?」
「やるしかないのよ佳苗。私達の力を見せてあげましょう。」
「こここ、魂魄ゆゆ有夢、まま、参りましゅ!!」
「それでは、スタートです!!」
その頃、闘技場のある部屋
「さて、これでそろったな。」
「ああ、そろったぞ霊斗。」
そこには霊斗、磔、零、終作、幻真、幽透が警戒するような表情をしながらモニターで試合の様子を見ていた。
「じゃ、お前らを呼んだ理由を話すか。俺の気のせいかも知れないが、強大な力を持つ奴がここの世界に近付いている。」
「それは本当なの霊斗?」
「本当だ幽透、しかも力の強さが零以上だ。」
それを聞いた全員が驚愕の表情を浮かべる。
「この事を知ってるのはここにいる俺らと恵生とハイドとジラだけだ。」
「あと姫ちゃんかな。むっ、今はお茶を飲んでいるな!」
「零のそのスキルは見習いたいね。」
「見習わなくていいだろ幽透。」
磔が幽透にツッコミを入れる。それを見ていた終作が大きなをする。
「で、俺らを呼んだ理由は?さっきのだけじゃないだろ霊斗?」
「ああそうだ終作、俺と零と終作で、磔と幽透と幻真を鍛え上げる。」
「だろうな、なんとなく想像は付いてた。」
磔はそう言いホワイトボードを取り出して何かを書き始めた。
「霊斗、修業内容は?」
「まず磔が幻真と幽透を鍛えてやってくれ。主にアクセルモードの使い方だな。その後、俺と零と終作で3人を鍛える。」
「磔が俺らを鍛えてる時霊斗達は何してるんだ?」
「快や絢斗と言った実力がある奴等に今の事を伝えに行く。じゃ、ある程度経ったら来るからな。」
そう言い霊斗、零、終作は部屋から出ていく。霊斗達が出ていったのを確認して磔は部屋全体に結界を張る。
「さて、これから二人を鍛える。主にアクセルモードの事に関してだな。」
「今張った結界は何のために張ったの?」
「時間の流れを極限まで遅くする結界だ。外の30分がここの半年と同じくらいだな。」
「ご飯とか風呂とかどうすんだ!?」
幻真が磔に詰め寄るが、磔は幻真を無視して指を鳴らす。すると結界の中に部屋が出現した。
「この中に生活に困らない程度の物がある。さて時間も限られてるし、とっとと修業を始めるぞ二人とも?」
そう言い磔は指を鳴らしながら首を回す。それを見た幽透と幻真は顔が青ざめた。
「し、死なないよな磔?」
「大丈夫だ幻真、どんなに苦しくても痛くても死なない空間に設定してあるからな。」
「ぼ、僕まだアクセルモード使えないんだけど?」
「大丈夫だ幽透、強制的に使わざるを得ない状態までするからな。」
磔は木刀を抜いてくるくる回す。
「じゃ、始めるぜ。言っておくが、くたばるまでやるからな。」
「厳しすぎだろ磔!!」
「おいおい、こんなんで厳しいって言ってたら霊斗達の修業に付いていけねえぞ幻真。」
「もう帰りたい…。」




