第一回戦 1
「さて、ぼちぼち行きますかね。」
「すぐに終わらせてあげるわ!!」
ユリスは地面を蹴って終作に近付き右足で終作の頭を蹴ろうとする。
「んっ、そこそこキレのある蹴りだな。でも甘々だぞ。」
終作はユリスの右足を掴み、遠くへ投げる。
「きゃあ!!」
「むっ!ユリスちゃんはドロワースを履いてないのか!!大人だね~。」
「みみ、見ないでください!!」
ユリスはスカートを押さえながら地面に着地し、前方に蹴りを放つ。
「蹴符 ヴォルケイノカット!!」
「炎のカッターか、いい技だね。」
ユリスは前方にクロスの斬撃を放つ。だが終作は斬撃を指二本で受け止めてユリスに返す。
「ほら、返すぞ。」
「そ、そんな!!わわっ!!」
ユリスは慌てて回避し、終作の方を向くが、ユリスの前方に終作はいなかった。
「ど、どこに行ったの!?」
「いや~、ここは男のロマンや希望が詰まっている所だな!!」
「な、すすすスカートを捲らないで!!」
終作はユリスの背後に回り込んで、ユリスのスカートを捲っていた。
「さ~て、そろそろ快やアリスに怒られそうだから終わらせますか。」
「そんな簡単には終わら「ほいっと。」あ、れ?」
ユリスが身構える前に、終作はユリスの首の後ろに手刀を放ち、ユリスを気絶させる。
「ほい終了。」
「…勝者 終始終作!!」
文がそう言った後、終作はユリスを抱えて試合会場を出る。
「真面目にやれよ終作。」
「だってさ~、真面目にやったら面白くないからな磔。ユリスは医務室に転送しておくか。」
そう言い終作はユリスを医務室に転送した。
「後で快とアリスに怒られても知らねえぞ?」
「磔、そんなことでH、S同盟会長の俺が引き下がると思うか?さて、ユリスちゃんのスカートの中とかの写真や、秘蔵の写真を焼き増ししてくるぜ!!」
そう言い終作は口笛を吹きながら歩いていくが、さっきの会話を桜が聞いてたらしく、桜が終作に弾幕を放つ。
「ちょちょ!!落ち着け!!まだ慌てるような時間じゃない!!」
「あんたが消えればあのくそ同盟は無くなるのよね?だったら消えてもらうわ!!」
「逃~げろ!!」
終作は桜から距離を取るようにダッシュで逃げる。それを桜は桜型の弾幕を放ちながら追い掛けていった。
「やれやれ、1回目からこれとはな。俺の精神が持つかねぇ。」
「続いて二組目を発表します!!」
「変態なキャラが出ないことを願うよ。」
磔は売店で飲み物を買いながらそう呟く。磔の試合はしばらくないので暇らしい。
「二組目、フランドール・スカーレット選手VS新月朔選手です!!」
「お姉様!!フラン頑張ってくるよ!!」
「ええ、行ってきなさい。怪我だけはするんじゃないわよ?」
「うん!!」
フランは笑顔でレミリアに手を振る。それを朔は微笑ましそうに見ていた。
「この世界のフラン様は狂気に囚われていないのですね。」
「今はね、前は囚われていたよ。でも乗り切ったんだもん!!」
「それでは、スタートです!!」
文が叫ぶのと同時にフランが朔に突っ込む。
「最初から飛ばしていくよ!!禁忌 レーヴァテイン!!」
「その技は厄介ですね。」
フランは炎の剣を朔に振りかざすが、朔は腰に付けてあった刀を抜いてレーヴァテインを受け流す。
「ですが、そのスペルを攻略するのは簡単です。」
朔はレーヴァテインを受け流した後、レーヴァテインを受け流されて硬直しているフランの頭に峰打ちをする。だが朔の刀の柄がフランの頭に当たる直前に弾かれ、朔は後ろに飛ばされた。
「ッ!!」
「引っ掛かったね!!レーヴァテインが受け流されることは予想出来ていたよ!!」
フランは吹き飛ばされている朔に弾幕を放つ。だが朔はすぐに体勢を整えて弾幕を全て刀で弾く。
「これは予想外でしたね。一体何をしたんですか?」
「教えないよ!!教えたら面白くないからね!!禁忌 カゴメカゴメ!!」
フランは朔の周りに大量の弾幕を配置する。そして、大きな弾幕を放ち朔にぶつけようとする。
「これは、初見でしたら不味かったですね。」
「なっ!!スイスイ避けてる!?嘘でしょ!!」
朔は弾幕と弾幕の間の隙間を瞬時に見付けてフランの懐に潜り込む。そしてフランの背中に峰打ちをする。
「ひゃあ!!」
「申し訳ありません。ですが、勝負の場なので勝たせてもらいます。」
続けてフランに踵落としを喰らわせる。その後、ポケットから手榴弾を取り出してフランに投げ付ける。
「きゃああああ!!」
「申し訳ありません。」
手榴弾が爆発し、辺りに煙が舞った。それを磔は珈琲の入ったカップを片手に持ちながら見ていた。
「派手にやってるな。そう思わないか麗華?」
磔は売店のキッチンでコーヒーを注いでいる麗華に話し掛ける。
「私は戦闘はあまり好きじゃないので、よく分かりません。珈琲おかわりしますか?」
「じゃ、いただく。おっ!旨いな!!」
磔は麗華から珈琲のおかわりを貰う。磔に褒められて麗華は嬉しそうな表情をする。
「これはもう勝負は決まったのでしょうか?」
「いんや、まだまだこれからさ。一つ言っておくけど、フランは全力を出してないからな。」
「どういう!!」
麗華がそう言った時、試合会場から衝撃波が飛んでくる。
「おっ!本気になったな。」
磔は売店にいる麗華を守るように結界を張る。観覧席ががやがやと騒ぎ始めた。
「…そのオーラは何ですか?」
「もう怒ったよ!!フラン本気出すからね!!ちなみにこれはアクセルモード2っていうスペルだよ。これを使うと力がもりもりと湧いてくるの!!」
フランから黄金色のオーラと雷が出ていた。それを見た朔は驚きを隠せないでいた。
「私のつくった手榴弾を喰らって立っているなんて、驚きましたよフラン様。」
「朔の能力って何なの?」
「私の能力は゛能力を操る程度の能力゛です!!」
そう言い朔はフランの背後に回り込んで、フランの背中を斬り付けようとしたが、フランはそれを右手で受け止める。
「おっそーい!!」
「まさか止められるとは思いませんでしたよフラン様。」
「凄いでしょ!!次はもっと凄いのを見せてあげる!!」
「ですが、その前に終わらせ「破道 黄火閃!!」ッ!!」
フランは左手から魔力で作った黄金色の真空波を朔に放つ。朔は避けようとしたが間に合わず、直撃して吹き飛ばされた。
「今の技は!?」
「教えないよ!! 縛道 嘴突三閃!!」
続けてフランは三角の弾幕を朔に放つ。朔は自分の前に大きな壁を作り出してフランの弾幕を防ぐ。
「邪魔な壁だね!!ぎゅっとしてドカーン!!」
「駄目ですよフラン様。フラン様の能力は私には効きません。」
朔の言った通り、フランの能力を発動しても朔の作った壁は粉々にならなかった。
「むー!!せーこーいー!!」
「それが私の能力ですので。」
フランはブーブー文句を言い、地団駄を踏む。それを朔は苦笑いをしながら見ていた。
「さあ面白くなって参りました!!フラン選手VS朔選手、果たして勝つのはどちらなのか!!恵生さん、どう思いますか?」
「おーい麗華、俺にもコーヒーくれ。」
「恵生さん真面目に実況してください!!」
「次回もよろしくな。」




