宴会中の勝負 磔VS豊姫
「そん…な。とよ、ひめ、お前。」
「磔は強いわ。でも、絶対に勝てないって訳じゃないのよ。」
結界の中で血の池の中心で倒れている磔と、磔を見下ろしている豊姫の姿があった。
「嘘、だ。磔が、負ける!?」
「この幻想郷最強の磔さんが、負けた…。」
魔理沙と文が驚きを隠せないでいた。何故そうなったか、話は少し前に遡る。
「たく!!あんたサイキョーなの?」
きっかけはチルノが磔に質問したのが始まりだった。宴会が始まり、皆お酒を飲み、料理を食べて騒いでいた。
「んー、そうだぞ。この幻想郷内だったら最強かもな。」
「あたいがサイキョーだ!!勝負しろ!!」
「チ、チルノちゃん、止めようよ。」
チルノは磔に勝負を仕掛けるが、大妖精が必死になって止めていた。
「大ちゃん!!あたいはサイキョーだから大丈夫だ、問題ない!!」
「ふらぐにしか聞こえないのだー!!」
「ルーミア、大正解だ。」
そう言い磔はルーミアにお菓子を渡す。
「わはー!!ありがとうなのだー!!」
「ついでに大妖精にもな。」
「あ、ありがとうございます!!」
「ちょっとたく!!あたいの分は!?」
そう言いチルノは磔に弾幕をぶつけてくるが、磔は片手で弾幕を弾く。
「サイキョーなら、お菓子なんていらないだろ?」
「ぐぬぬ、あ、あたいはたくの次にサイキョーなの!!だから頂戴!!」
「はいはい。」
磔はチルノにもお菓子を渡した。ルーミア、大妖精、チルノは笑顔で磔にお礼を言って去っていった。
「人気者ね。」
「それは困るな紫。で、何しに来たんだ?」
磔は紫にそう尋ねながら日本酒を飲む。紫は日本酒を飲みながら扇子を開いて扇ぐ。
「磔がどれだけ強いか見てみたいって言う人がたくさんいてね。戦ってほしいのよ。」
「逃げることは許さないぞ!」
紫の後ろには酒の入った樽を持っている萃香がいた。
「逃げちゃダメか?戦いたくないんだが。」
「駄目よ、私が許さないわ。」
幽香が磔の背中に傘の先端部分を当てながら言う。磔は降参と言わんばかりに両手を上に上げた。
「わかったよ、で、誰と戦えばいいんだ?」
「そうね、私が戦ってもいいけど、傘が壊れても困るし、どうしようかしら。」
「じゃあ私が戦うわたっきゅん♪」
幽香が悩んでいた時、豊姫が磔の頭上から現れた。
「豊姫か、まあよろしく頼むわ。」
「手加減はしないわよたっきゅん~♪」
「紫、これは夫婦喧嘩が始まるのかな?」
「萃香、貴方の言うことは当たりだと思うわ。でも、壮絶な夫婦喧嘩になるでしょうね。」
「これでよしっと。いつでもいいぞ。」
磔は戦うスペースに四方を囲む結界を張った。戦わない人達は結界の周りに座って、酒を飲みながら見ていた。
「これは何の為の結界なのかしら?」
「ん?この結界は被害を大きくしないようにするためと、結界の中で死んだら強制的に結界の外に弾き出す為の結界だ。結界から弾き出されたら負けだな。」
「結界から弾き出されたら、傷は回復してるのかしら?」
「そうだぞ、じゃないと結界の意味がないからな。」
そう言い磔は屈伸など、ストレッチをしながら豊姫を見つめる。豊姫は帽子の位置を直していた。
「最初から全力で来いよ豊姫。」
「たっきゅんがそう言うなら、そうさせてもらうわ。想符 アクセルモード3!!」
豊姫はアクセルモード3を使って磔に向かって飛び込みながら弾幕を放つ。豊姫のアクセルモードのオーラは蒼色だった。
「いきなりか、けど弾幕が薄いぞ?」
磔は豊姫の放った弾幕を避けながら木刀を取り出す。それを見た豊姫は磔にかかとおとしを放つ。
「せいっ!!」
「っと、危ない危ない。豊姫、早くかかとおとしの体勢を解除してくれないか?下着が見えてるんだ。」
「磔に見られても問題ないわ!!かかとおとしは駄目、ならこれで!!」
豊姫はかかとおとしの体勢から磔に弾幕を放つ、磔は弾幕を木刀で弾いて、豊姫の足を掴んで投げ飛ばす。
「きゃっ!!流石に無理ね。」
「あーあ、腕が痺れた。パワーを上げたな豊姫。」
「そうよ、でもパワーだけじゃないのよ。浄化 リトリフュージョン!!」
豊姫は扇子を開いて、体を1回転させて扇子を振った。すると、黄色の風が現れ、磔に向かっていった。
「その風は、厄介だな!!幻符 イマジネーションブレード!!」
磔は木刀に青色のオーラを纏わせて、黄色の風を斬る。すると、甲高い音を出して、黄色の風は消えた。
「じゃ、行きますか。想符 アクセルモード!!」
磔はそう言いアクセルモードを使ったが、何も反応しなかった。
「ふふっ、作戦は成功ね♪」
「さっきの風が原因か豊姫?」
「そうよ、リトリフュージョンは私が知っているスペルを浄化するのよ。4つが限界だけどね。アクセルモードは浄化させてもらったわ。」
そう言い豊姫は磔の懐に潜り込んで磔の顎を殴り飛ばそうとする。だが磔は首を横に振って避ける。
「くっそ不利だな!!やってくれるじゃないか豊ひってそれは駄目だろ!!」
磔は豊姫から距離を取るためにバックステップをしたが、磔がバックステップをしている間に、豊姫は磔のを覆い隠すくらいの弾幕を放つ。
「ったく、散符 花鳥風月!!」
磔は全方位弾を放ち、豊姫の弾幕を弾き飛ばす。ついでに磔は豊姫のいる位置に向かって斬撃を飛ばす。
「アクセルモードを使わなくても強いわね。なら、こっちは新しいスペルを使うわよ。」
「新しいスペルか、楽しみだな。」
「その余裕も今の内よ磔。乱符 クールドライブ!!」
そう言い豊姫は目の前に弾幕を4つ作り出し、扇子で弾幕を弾き、磔に向けて飛ばす。
「避けるのは不利だな、斬るか!!」
磔は木刀で弾幕を斬ろうとするが、豊姫の放った弾幕が磔の木刀に触れた瞬間、うねりをあげながら木刀を伝って磔の顔面に激突した。
「いって!!何だよこれ!!斬れないのかよ!!」
「そうよ、クールドライブは弾幕に強烈な回転を加えて、物や壁にぶつかった場合、壁や物に伝っていくのよ。つまり、弾き飛ばせないのよ。」
「厄介なスペッ!!」
「そして、一つでも弾幕に当たったら、当たった部分に弾幕が行くように設定してあるわ。」
豊姫が説明している間に、磔は残りの3つの弾幕に激突した。
「アクセルモードが使えなくても、耐久力はあるわね。」
「なめるなよ、今の戦闘力は10年前のアクセルモード4の時の戦闘力と一緒だからな。」
磔は豊姫にそう言いながら、血の混じった唾を吐き捨てた。
「じゃあ、私に勝機はあるわ。」
「…まさか「想符 アクセルモード4!!」マジか!!」
「ふふふ、どう?驚いた?私も神になれたのよ。」
豊姫はアクセルモード4を使い、磔の背後に回った。磔は豊姫に木刀で斬りかかるが、片手で受け止められる。
「チィッ!!」
「悔しそうね、でも手加減はしないわよ!!」
豊姫は磔の木刀を掴んだまま、弾幕を大量に放つ。磔は素早く動いて避けるが、弾幕の量が数千単位だったため、何十個は被弾した。
「はぁ、はぁ、弾幕の威力も高いな!!」
「今の放った弾幕は、一つでクレーターが出来るわよ。」
「そりゃないぜ豊姫、乱符 スピンシュート!!」
磔は体を2回転させて、螺旋状のマスパを放とうとしたが、放つ直前に豊姫に腕を掴まれる。
「遅いわよ。もっと素早く動くことね。」
「今の状態で出せる最大のスピードだったんだけどな!!」
そう言い磔は豊姫に蹴りを放つが、豊姫も同様に蹴りを放って相殺した。
「これも駄目「隙ありよ!!」ぐっ!!」
豊姫は磔が何か行動する前に頭突きで磔を吹き飛ばす。磔は吹き飛ばされながら、体勢を整えて地面に着地する。
「っ!!血が出てきたな。」
磔の腕や頭、肩から血が流れ出してきた。それを見た豊姫は磔との間合いを一気に詰めてスペルカードを取り出す。
「これで終わりにするわ!!乱符 デンプシーロール!!」
「ヤバイ!!」
磔は急いでガードを固めるが、豊姫はガードの上から磔に殴りかかる。単純に殴るのではなく、横の八の字を描くように高速で動き、磔にラッシュを加える。
「やあぁぁぁ!!」
「しまった!!ガードが崩れ!!」
豊姫のラッシュをガードしていた磔だが、30回ガードした時に、ガードが解かれ、そこから顔面や胸やら腰やらを強打される。
「豊姫ちゃんは考えたね~。流石磔の妻だね~。」
「磔さんはどうしてガードを解かれたんですか絢斗さん?」
「知りたい文ちゃん?それはね、磔の腕力が低いからだよ。」
絢斗の発言に文は驚きを隠せないでいた。同様に文の近くにいた妖夢も驚いていた。
「磔さんに弱点があるんですか!?」
「誰にでも弱点はあるでしょうよ~。いくらパワーアップしても、磔は腕力だけはあまりパワーアップしなかったんだよ。」
「それは辛いで「ドォォォォォン!!」何ですか今の音!?」
「どうやら、豊姫ちゃんのスペルが終わったみたいだね~。」
絢斗が結界の方を指差す。結界の中は、血の池の中心で倒れている磔と、磔を見下ろしている豊姫の姿があった。
「とよ、ひめ。その、スペル…。」
「私の新しいスペルよ。磔は腕力が無いのが弱点だからそこを狙わせてもらったわ。」
「強く、なったな。」
磔がやられている姿を見て、絢斗や良太達以外の人は驚いていた。
「これは、豊姫の勝ちかしらね。」
「それはどうでしょうかね紫さん。」
紫の言葉を良太は否定する。良太が紫の言葉を否定した瞬間、磔は木刀を地面に刺して立ち上がる。
「正直、ここまで強くなっていたとは思わなかった。相当修業したんだろうな。俺は嬉しいよ。」
「ありがと♪でもこの勝負は勝たせてもらうわよ♪」
「いや、勝つのは俺だ。ここで使うとは予想外だったけど、仕方ねえか。」
そう言い磔は1枚のスペルカードを取り出す。取り出すと同時に宴会会場が光に包まれた。
「っ!!何が起きたの!?」
「自分の目で確かめろよ豊姫。」
豊姫は顔を上げて磔の方を見た。その瞬間、豊姫は唖然としていた。なぜなら、磔の体から蒼と緑のオーラが出ていて、髪と目の色が蒼色になっていたからだ。
「これがアクセルモードの最終形態、アクセルモード5!!」
「流石ね磔、私の上を行ってるわね。でも、負けるわけにはいかないのよ!!」
そう言い豊姫はありったけの弾幕を磔に放ったが、磔は弾幕と弾幕の間にある僅かな隙間を一瞬で見付けて弾幕を回避する。
「あの量の弾幕を避けたの!?」
「小さい弾幕から大きな弾幕まで、回避できないように隙間なく弾幕を放ったらしいけど、まだまだ隙間が空いてるぞ豊姫?」
「でもそれを一瞬で見極めるなんて…。」
「アクセルモード5はな、身体能力以外に直感力を上げたのさ。今の弾幕は直感で回避した。」
「だったら!!月符 朧月」
「一つ言っておく豊姫、すぐに終わらせる。」
磔はそう言い、光速以上の速さで動き、豊姫を結界の外へ押し出した。押し出したと同時に結界を解除して、吹き飛ばされた豊姫をお姫様だっこした。
「えっ?な、なんでたっきゅんがお姫様だっこしてるの!?」
「悪いな、これ以上アクセルモード5を使ってると幻想郷に影響が及ぶからな。」
「全く、最強の夫婦ね。」
紫は磔と豊姫の間にスキマで移動し、呆れたような表情で言った。
「いんや、まだまだだ。色んな世界には俺より強い人はたくさんいる。最強には程遠いよ紫。」
「そうね、頑張りなさい。」
そう言い紫はスキマを使って去っていった。その近くで文はメモ帳に2つ名の続きを書いていた。
「残るは聖人さん、健二さん、彰さん、謙治さんですね。聖人さんは、゛悪を砕く緑神゛ですね。」
「おっ!2つ名を考えてるのか文?私にも考えさせてくれ!!」
「いいですよ魔理沙さん。健二さんの2つ名を考えてください。」
魔理沙はしばらく頭を悩ませていたが、何かが閃いたらしく、手をポンと叩く。
「゛限界を超える黄神゛なんてどうだ!?」
「いいですね!その案もらいました!!次に彰さんは、゛揺るがない白神゛ですね。彰さんが動揺した所はほとんど見たことないですし。」
そう言い文はメモ帳にそれぞれの名前と2つ名を書いていく。
「最後に謙治さん、゛お茶目な金神゛ですかね。イタズラ大好きですし。」
「さて、宴会はまだ始まったばかりだ!まだまだ楽しむぞ!!」
次回からは、各オリキャラ達がイチャイチャします。




