総力戦1
前半は戦いよりも解説になるかも。あと投稿遅れて本当に申し訳ありません。
三人称視点
「死んだか。」
聖人は倒れていく磔を見ながら呟いた。その様子を霊夢達は黙って見ていた。
「本当に気持ち悪い、あいつさえ居なければ早苗は傷つかずにすんだのに。」
「磔……。」
「何悲しい顔してんだ絢斗?あいつは殺されて当然の奴なんだぞ?」
そう言いながら聖人は青緑色のオーラを激しく点滅させる。これは絢斗に対して脅しをかけている。変なことをすればお前も殺すぞと。
「聖人!!」
「どうしたんだ早苗?ああ、早く帰りたいのか。だったら早く帰るぞ。」
早苗が聖人を止めようとしたが、変に解釈されて聖人は早苗を連れて飛ぼうとする。だがその一瞬前に。
「鬼道 六杖光牢!!」
絢斗が聖人に向けて帯状の光を放ち、聖人の動きを封じた。
「なにしやがる絢斗?」
「1回お前には頭を冷やしてもらう。早苗、聖人から離れとけ。」
「わ、わかりました。」
「ちぃ!!こんなもの俺のスペルで!!幻符 イマジ「鬼道 五柱鉄貫!!」何!?」
聖人の周りに5つの柱が現れ、そこから光が放たれる。
「う、動けねぇ!!しかも俺の知らないスペル、絢斗!!これは何だ!?」
「それは俺が心力を使って編み出した技だ。魔法に近いがな。」
「絢斗さん!!それを私に!?」
「そうだ、これを妖夢に教えようと思ってた。」
「絢斗が自分で編み出したなら余程強いものなんだろう。けど!!この状態の俺には効かないな!!」
そう言い聖人は無理矢理体を動かそうとする。その様子を見た絢斗は刀を聖人の方に向けて詠唱し始めた。
「…………。」
「こんな絢斗初めて見たんだぜ。」
「絢斗君……。」
「くそったれ!!動けってんだよ!!」
「無駄だ!!破道 蒼火墜!!」
絢斗の刀の先から蒼い炎が放たれて、聖人に直撃する。
「があぁぁぁぁ!!!」
「うし、今だな。」
絢斗は破道を放った後、刀で空間を斬って出来たスキマに聖人を押し込んだ。
「上手くいったか。」
「あの、絢斗さん。一体どうしてこういう事を?」
「すぐにわかるよ~。まあ、俺が答えてやってもいいけどさ~。」
「じゃああの鬼道とか言ったかしら?あれは何なのかしら?」
「そこ気になっちゃう咲夜ちゃん?では教えよう!!あれは俺の心力を使った魔法みたいなものだ!」
絢斗はそう言いどや顔をするが、皆は絢斗の言ったことが納得出来なかった。
「そもそも心力って何よ?」
「心力て言うのは、心の力さ~!!」
「そんなことはわかっています!!」
「まあまあ早苗ちゃん、そう焦らない。わかりやすく言うと想力に似ているかな~。」
絢斗はそう言いながら謙治と彰の傷を治療していく。
「それって、聖人が持っている!!」
「そう、想力とは想いの力。何かを強く想う事によって力を発揮出来る。心力も同じものなのさ。」
「でも、どうして魔法が使えるのかしら?聖人も魔法が使えるし。」
「その疑問には答えるけど、アリスちゃん、前に快から気力について聞いたことないかい?」
アリスはしばし考え込むが、すぐに思い出したらしく、目を見開いた。
「まさか、心力も!?」
「そう、気力、想力、心力は霊力や魔力に変えることが出来るのさ~!!」
「だから磔や聖人が魔法を使えるのね。」
「そゆこと~。まあ、そのかわりに消費は大きいけどね~。」
「なるほど、想力などの事はわかったわ。もう1つ聞きたい事があるけどいいかしら?」
「何々~?永琳ちゃんが質問するって珍しいね~!」
絢斗がそう言うと、永琳は困った表情になった。
「ちゃん付けはやめてもらえるかしら?」
「ん~とね、無理!!女の子は皆ちゃん付けで呼ぶのが俺のポリシーだ!!」
「……もういいわ、私が聞きたいのは磔や聖人が使うアクセルモードの事よ。あれはどういう原理なのかしら?」
「その質問はいつかは来るとは思ってたけど、今来るなんてね~、予想外です!!」
「絢斗は何か知ってるのかしら?」
「知ってるよ~。アクセルモードってのはね、やろうと思えば皆使えるのさ~!!」
「「「「「「「ええっ!?」」」」」」
絢斗の発言に皆驚く。
「ど、どういう事ですか!?絢斗さん!?」
「んま~、ざっくり言うとアクセルモードは霊力や魔力と言った力が1つでも有れば使えるのさ。」
「どういう事なんだぜ!?」
「アクセルモードは霊力や魔力を使って体のリミッターを外す技。人は無意識の内にリミッターを掛けている。それを外すのがアクセルモード。」
「だから色々な能力が上がったんですね。」
「正直言うと、アクセルモードが使えるのは聖人や磔だけかなと思ってたけど、早苗ちゃんや霊夢ちゃんも使えるんだよね~。絢斗さん驚きです!!」
「どうやったら使えるんだぜ!?」
「発動条件は、怒りや悲しみ、強い想いなどから発動する。俺はめんどいからやんないけどね~。」
絢斗はそう言いながらグミを食べようとするが、永琳がグミを奪う。
「まだ話は終わってないのよ。アクセルモードは更に上があるのよね?」
「へ~へ~、確かにあるよ。だけど、普通の人じゃ無理だよ~。」
「……2つの力が必要なのね?」
「ご名答霊夢ちゃん!!よく気が付いたね~!!ちなみに磔は霊力と想力を使ってアクセルモード2になっているよ~。」
「じゃあさっきの聖人もそんな感じでなったのね。」
「そゆこと~!!」
「今のところアクセルモード2が一番上なのかしら?」
「んにゃ、一番上はアクセルモード5だね~。」
「5……ってことは5つの力が必要って事ですか!?」
「そだね、なれるとしたら、磔か快か彰か謙治だね~。」
「どうしてその四人なの?」
「磔は霊力、魔力、想力、神力、気力が使えるからね~。まあチートだね。」
「磔さんは本当に何者なんですか?」
「わかんないね~、で、快と彰と謙治は霊力、魔力、気力を持っているよ。」
「でも、それだと3つしかないじゃないんですか?」
「後の2つはね、波紋と気功だったかな?そんな力だよ~。」
そう言いながら絢斗は飲み物を飲む。さっきから話していて喉が乾いたのだろう。
「何よそれ?」
「う~ん、俺も詳しくはわからないけどここじゃない地域の力と言えばいいのかな~?」
「そのような力聞いたことありませんわ。」
「気功はわかんないけど、波紋は特殊な呼吸法で使えるらしいよ~。実際謙治は使ってるし。」
「何で外から来た人達はそんなに強いんですか!!」
「簡単に言うと、幻想郷で使う技って大体想像じゃん?ここでは当たり前に空を飛んだりしてるけど、外の世界じゃそんなことできないのさ~。」
「つまり、想像力はあるってこと?」
「そそ、現実にそういうことが出来ないなら想像して満足していたのさ。それを10年くらい続けていれば膨大な量になるでしょ?」
「だからあんなにスペルカードを作れるのね。」
「まっ、それに応じた力がないと無理なんだけど、そこは皆工夫したからね~。」
実際には聖人が時間の流れをかなり遅くする結界を張ってそこで修行したからこそ、あんな力が使える。(紫には結界の事は話しているらしい。)
「……良太は何もないのね。」
「おろっ?どうしたの霊夢ちゃん?まさか、良太は何も力を持ってないって言いたそうな顔してるね~。」
考えてる事が絢斗にバレたのか、霊夢は顔を若干赤く染める。
「まあ良太は霊力しか持ってないからね~。」
「何であんたや聖人等が特別な力を持っているのに、どうして良太だけないのよ!!」
「確かに良太は“そういう力“は持ってない。」
「どういう意味よ?」
「ジト目で睨まないで~霊夢ちゃん。良太は一番ヤバイ力を持っているんだから~。」
「それってどんな力よ?」
「俺も見たことはないのさ~。でも鬼人化と言っていたね~。」
「それ聞いたことないですよ!!」
「だってね~、早苗ちゃん、良太はその力を人前で使うのを嫌がるからさ~。」
「なるほどねぇ、ところで絢斗はアクセルモードを使わないのかしら?」
「俺は別のパワーアップがあるから使う必要がないね~。ってかアクセルモード使ったら、違う方のパワーアップが出来なくなるのさ~。」
「別のパワーアップって何です?」
「ん?見たい?見たいよね?じゃあ見せるか。ちょうどあそこから聖人が出てくるしね。」
絢斗が指差した所の空間が歪み、そこからアクセルモード2状態の聖人が出てきた。
「やっと出られた。絢斗、次は油断しねえぞ。」
「そのまんま大人しくしとけよ~。まあ仕方ないね。気絶させるか。」
「よく言うぜ、ちなみに幻符はもう使ってるからさっきの魔法は効かねえ。」
「あちゃ~!!マジか~!!」
「これで絢斗に負けるよ「お前は負けるよ。何も出来ずに負ける。」はぁ?」
「妖夢ちゃん。」
「は、はい!!」
「今から俺の本当の本気を見せてやる。目の玉よぉく見開いて見てろよ?」
「わ、わかりました。」
「ふざけんな!!アクセルモードを使えない絢斗なんかに負けるかよ!!」
「こりゃ本当に頭を冷やしてもらわないと駄目だな。じゃ、行くぜ。」
そう言い絢斗は紫色のオーラを出しながら刀を前に突きだし、刀を持ってない手は刀を持っている腕に乗せる。
「す、すごい霊圧ね。」
「け、絢斗さん?」
「これは……一体何だ!?」
「行くぜ!!卍!!改!!」
絢斗がそう言うと同時に絢斗の着ている衣装が変わった。何時もの学生服ではなく、黒色のズボンとシャツとコートを着ていた。
「たかがそんな変身意味がねえよ!!想符 フレアスパーク!!」
聖人は絢斗に向かってフレアスパークを放ったが、絢斗は左手で受け流した。
「何で!?くそっ!!だったら「遅い。」はっ?」
一瞬絢斗の体がぶれたと思ったら聖人の後ろに立っていた。聖人は何をされたかわからないまま立っていたが、ゆっくりと倒れていった。
「よし、スキマに入れてと。」
「絢斗さん!!何をしたんですか!?」
「ただ特殊な移動法で聖人に近づいて気絶させた。これでもまだ3割くらいしか力を出してないぞ。んじゃ彰と謙治の治療を先に帰ってやってるから~。バイピ~!!」
そう言って絢斗は彰と謙治の体を持ち上げて、飛んでいった。
「良太達がそんなことをしていたなんて。」
「まっ、詳しくはあいつらが来たときに聞こうぜ?今はこの場所から離れようぜ?」
魔理沙の意見に皆が賛同し、空を飛ぼうとした時。
「どこへ行くのかしら?」
「誰よ!?」
「忘れたのかしら?ひどいわね、幻月よ靈夢ちゃん?」
「お姉さん、今目の前にいるのはお姉さんが会った靈夢ではありませんよ?」
「あっ、そうなの?まあどうでもいいわ。」
「何しに来たのかしら!?」
アリスがそう聞くと、幻月は手を霊夢達に向けた。
「ここを乗っ取りに来たのよ。最近は外来人?ってのが多かったから手が出せなかったけど、今は貴方達しかいないしね。」
「あんたの力だけでここを乗っ取る事が出来ると思ってるのかしら?」
「出来るわよ、前はかなり力をセーブしていたし、夢月もいるしね。」
幻月がそう言うと、手のひらから青いオーラが出てくる。それに合わせて夢月も幻月の肩に手を乗せる。
「何してるのよ!?」
「今からレーザーを放つわ。あっ、逃げてもいいのよ?そのかわりにここが消滅するだけだから。」
幻月の言ったことは間違いではない。幻月の手のひらから強大な妖力が溢れ出てきているからだ。その圧力は凄まじいもので、霊夢達は身動きが取れなかった。
「ッ!!霊夢!!どうするんだ!?」
「これは……避けたら幻想郷が消滅しかねないわ。皆、打ち返すわよ!!」
「どうやって打ち返すのよ!?」
「魔理沙に力を分けるのよ!!魔理沙のマスタースパークで打ち返すのよ!!レーザーにはレーザーよ!!」
霊夢がそう指示すると霊夢、アリス、妖夢、早苗、永琳が魔理沙に霊力を分ける。それを魔理沙は魔力に変換して力を溜める。
「へへっ、こんだけの力は初めてだぜ。これならいけるかもしれないぜ!!」
「お姉さん、向こうもレーザーを放つ気ですよ。」
「しかもマスタースパーク。いいわね!!それでこそ潰しがいがあるわ!!喰らいなさい!!」
「私達の住んでいる幻想郷、健二達の為にも消させる訳にはいかないぜ!!喰らえ!!魔砲 ファイナルスパーク!!」
幻月の放つレーザーと魔理沙の放つレーザーがほぼ同時に発射され、互いの中間の位置でぶつかった。最初は拮抗していたが、すぐに魔理沙の方のレーザーが押し返され始める。
「ぐっ!!何てパワーだ!!」
「魔理沙!!もっと出力を上げなさい!!」
「わかってる!!けど、これが最大出力なんだよ!!」
「私達も持ってる力を魔理沙に分けてるけど、それを上回るなんて!!」
「あらぁ、こんなもんなのね。ちょっとがっかりだわ。夢月、さっさと終わらせるわよ。」
「わかりましたお姉さん。」
幻月と夢月は更にパワーを上げる。それと同時に完全に魔理沙の放つレーザーは押し返された。
「これはまずい!!」
「もう終わりなの?」
「弱いわね!!本当に弱いわね!!さっさと地獄に落ちなさい!!」
「こ、ここまでなのか!?」
「(まだ終わりたくない!!まだ死ぬわけにはいかないのよ!!)」
霊夢が心の中で強くそう思っていると、霊夢の耳に何かが聴こえてくる。
「そうよ、こんなところで終わっては駄目よ。そんなの、貴方の親である私が許さないわ。」
「か、母さん!?」
「そうよ、久しぶりね。今は声だけ貴方の耳に届けているわ。」
「お、お母さん……。」
「色々積もる話はあるけど、今はあの二人を倒すわよ!!」
「でも、どうやって?私達の力じゃ無理よ?」
「わかってるわ、霊夢達の力だけではあの二人に渡り合えない。だから今回は、色んな人が手を貸すわ。」
霊香がそう言うと同時に霊夢の霊力が増えていく。
「こ、これは!?」
「私の霊力を分けたわ。それと、私以外にも分けた人達はいるわよ。」
「霊香、貴方分けすぎよ。張り切り過ぎないの。」
「いいじゃない紫、可愛い娘がピンチなのよ?張り切らない親なんていないわ。」
「ゆ、紫!?いるならこっち来て手伝いなさいよ!!」
「ごめんなさい、私にはやることがあるのよ。代わりに私と萃香の力を分けたわ。」
「霊夢~、早く帰ってきて酒持ってこ~い!!その為なら惜しみなく鬼の力を分けてやる~!!」
「ったく、なんなのよあんたらは。でも、ありがとう。これで私は大丈夫!!」
「あっ、他の人達にもちゃんと誰か彼か力を分け与えてるから。」
「さっさと倒して来なさい!!」
「言われなくてもやってやるわよ!!」
「(ここでおしまいなの?いいえ!!まだ終わるわけにはいかないわ!!)」
「そうよアリスちゃん、ここで終わっては駄目よ~!!」
「ま、ママ!?どうしてママの声が聴こえるの!?」
「やっほぅ~アリスちゃん!!元気なママが助けに来たよ~!!」
「神綺様、はしゃぎすぎです。」
「いいじゃな~い夢子ちゃん。可愛い可愛い娘が困っているんだよ~?」
「夢子さんも!?どうして!?」
「その話は後々、今はあの幻月と夢月を倒すことが先決です。」
「あの二人の持ってる力は中々だからね~。アリスちゃん達が頑張っても足りないから私達が力を分け与えることにしたのよ~。」
それと同時にアリスの魔力も自分の持ってる数倍ほど膨れ上がる。
「頑張りなさい、そして早くあの子との子供を作っちゃいなさい!!」
「ま、ママ!!」
「神綺様、今その事を言う場面ではありませんよ?」
「もう~、夢子ちゃんは固いな~。とにかく、頑張ってね~!!」
「ありがとう、ママ、夢子さん。」
「ん?持ちこたえた?」
幻月の放ったレーザーは魔理沙達に当たる直前で押しとどまった。
「ッ!!お姉さん!!いきなり二人ほど力が増大しました!!」
「押しとどまったのはそれが原因ね!!ならこっちはもっと出力を上げるわよ!!」
「(諦めたくない!!皆頑張ってるのに私だけ諦める訳にはいかない!!)」
「そうよ妖夢、諦めては駄目よ~。」
「そうじゃ、諦めるなよ?」
「えっ!?幽々子様!?お爺ちゃん!?」
「……一応私もいるんだがな。」
「藍さんまで!?どうしているのですか!?」
「えっとねぇ~、紫に~、頼まれたのよ~。」
「紫様に妖夢達に力を分けてほしいと頼まれたのだ。」
「そ、そうなんですか……。」
「だから~、私達の力を貸すね~!!妖夢、負けるんじゃないわよ~?」
「これしか出来ない自分が悔しいが、妖夢、君なら出来ると信じているよ。」
「妖夢はワシの孫じゃ。簡単には負けてはならんぞ?ワシの教えを守ればきっと勝てる。」
「幽々子様、藍様、お爺ちゃん、ありがとうございます!!魂魄妖夢、行って参ります!!」
「(くそう!!やっぱり私じゃ駄目だったのか!?ちくしょう!!)」
「やれやれ、諦めるとは魔理沙らしくないね。」
「仕方ないわよ、私でもあの状況ならその気持ちになるわ。」
「この声は、こーりん!?パチュリー!?」
「やあ魔理沙、早速だけど僕達の力を分け与えるよ。」
「何でだぜ!?」
「妖怪の賢者に頼まれたのよ。魔理沙達に力を分け与えてほしいってね。」
「フランの力も分け与えてあげる!!」
「ということだ、魔理沙、諦めるのは君らしくない。逆境の時こそ君は燃え上がるんじゃないのかい?」
「……へっ!!こーりんにそう言われたらおしまいだな!!」
「それってどういう意味だい?」
「そういう意味だ!!サンキューな!!こういう時こそ霧雨魔理沙様の底力を見せるときだぜ!!」
「魔理沙~!!頑張ってね~!!」
「魔理沙に死なれては困るのよ。貸した本が返ってこなくなるじゃない。」
「それについては同感だね、僕も魔理沙に死なれては今までのツケが返ってこなくなる。」
「お前らな!!せっかくの雰囲気ぶち壊しだろ!!まあここでくたばらないから安心しな!!」
「(正直、抑えている私の全開でもここまで押されるなんて、やっぱり全力で出すしかないかしら?でも全力を出したら……。)」
「私より力が上回ってしまう。そんな風に考えてるのかしら?」
「ひ、姫様!?」
「そんなこと考えてるなら捨ててしまいなさい。永琳が私より力が上回らないように抑えてるのは知ってたわ。」
「…………。」
「そんなこと気にしなくていいのよ。それが原因で今住んでる所が消滅したら嫌だもの。」
「そうですよ師匠!!あまり深く考えすぎないでください!!」
「鈴仙……、ありがとう。お陰で吹っ切れたわ。」
「久々に永琳の全力を見てみたいしね♪」
「あっ、それは私もです!!」
「いいわよ、じゃあ見せてあげるわ!!」
「(ここまでですか、申し訳ありません。)」
「諦めるのはまだ早いぞ早苗。」
「そうだよ~、そんなの私達が許さないよ!!」
「神奈子様!?諏訪子様!?」
「確かにあの二人の力は凄い、けど、あいつらは妖怪だ。でも私達は神なんだぞ?」
「そうだよ~、もっと自信もって~!!」
「ですが、勝てる見込みがありません。」
「もう~、しょうがないな~。私達の神力を分け与えるからそれで倒してね。」
「そ、そんな!!諏訪子様から神力を頂くなんてとんでもない!!」
「いいからいいから~、受け取っておきな。」
「そうだぞ早苗、本当なら私達もそっちに行きたいがな、だからこれしか手伝える事はないんだよ。」
「神奈子様……。」
「わかったならとっとと倒してくる!!そして私のご飯を作って!!」
「諏訪子様、わかりました!!東風谷早苗、あの二人をさっさと倒して来ます!!」
「そうだ、戦っているのは……。」
「私達だけじゃない!!」
「ッ!!今度は逆に押し返されている!?」
霊夢、アリスだけでなく、妖夢、早苗、魔理沙、永琳からもさっきよりも何倍もの力が出ている。そのせいで拮抗していたレーザーが幻月達の方に押し返されてきている。
「何で急に力が上がったのよ!?」
「それは自分達だけで戦っている訳ではないと気が付いたからよ!!」
「幻想郷を消滅なんかさせはしない!!」
「ようやく手入れたは場所を失う訳にはいかないわ!!」
「お姉さん!!もっと出力を上げて!!」
「これ以上上がらないわよ!!1発で仕留めようとしたのが間違いだったわ!!」
「幻月、夢月、これだけは言っておくわ。」
「「「「「「私達の幻想郷をなめるんじゃないわよーーーー!!!」」」」」」
霊夢達がそう叫ぶと同時に魔理沙の放ったレーザーが幻月と夢月を包み込んだ。
「「きゃああああ!!!」」
レーザーに包みまれた幻月と夢月は何処かに吹き飛ばされていった。
「さて、あいつらの処理は……、確か幽香がやるって紫が言ってたわ。」
「あの幽香が後処理か。あの二人は生きてないだろうな。」
「でも、これで幻想郷の消滅の危機は去ったんですね!!」
「じゃあ宴会やろうぜ!!健二達を見つけてからな!!永琳もく……っていないし。」
「まあ後で来るでしょ。今回は疲れたわ。」
「さっそく霊夢さんの所で準備ですね!!」
「どうして毎回うちでやるのよ!?」
早苗の提案に霊夢がつっこむ様子を見て魔理沙、アリス、妖夢は互いの顔を見ながら笑った。自分達でも異変は解決出来るんだと。そう思っていた。
外の世界の博麗大結界前
「な~んて幻想郷にいる馬鹿共は思っているんじゃろうな。中の事に気を取られてわっち達の事をすっかり忘れてるようじゃの。」
見えない結界を見ながら月夜見は笑った。
「わっちの計画通りじゃの!!後はこの結界を壊すのみじゃの。壊れた後のあやつらの顔が見てみたいわ!!」
月夜見の本当の計画は博麗大結界を壊すことだった。壊すことによって外の世界を隔てる物が無くなって地上人を浄化しやすくなる。これが月夜見の考えた方法だった。
「やめてください!!あそこには八意様がいるんです!!」
「八意様の住んでいる所は浄化しないでください!!」
両手を拘束されている依姫、豊姫はそう言うが、月夜見は二人の意見を無視する。豊姫は月夜見が幻想郷から出たあとに捕まってしまった。
「うるさいぞ、わっちに命令するな。」
「やめてください、お願いします!!」
豊姫は月夜見に言うが、月夜見は無視して豊姫を殴り飛ばす。
「うっ!!」
「うるさいって言うてるのがわからないのか?この役立だずが!!」
そう月夜見は叫びながら豊姫を蹴り飛ばす。既に豊姫の頭や腰や足から血が流れ出す。依姫も同じ状態だった。
「わっちの命令に従えばいいものを。まあよい、わっち一人で結界など壊せるからな。」
「磔さん……。」
「磔……。」
「あー?今なんて言ったんだ?」
「貴方は昔の月夜見様ではないわ!!きっとた「やかましい。」うっ!!」
月夜見は叫ぶ豊姫の頭を掴んで黙らせる。
「きっと磔が助けてくれると言いたいのか?それは無理じゃ、磔は殺されたのだからな!!」
「えっ?う、うそよね?」
「そんな……、磔さんが。」
「だからわっちに勝てる奴はもうおらんのだ!!これでわっちは最強じゃ!!」
月夜見はそう高らかに笑う。確かに地上で月夜見に勝てる者なんていないだろう。幻想郷の人達でも勝てる人はいない。この世界で月夜見は最強になった。
磔が生きていなければの話だが。
ザシュ!!
「えっ?」
最初に声を出したのは豊姫だった。豊姫の後ろから誰かが月夜見の肩を刀で刺したのだから。
「なっ!!だ、誰じゃ!?」
「おい、放せよ。」
月夜見を刺した人物は冷酷な声でそう言う。
「この感じ、この刀、まさか!!」
「姿を見せろ!!一体誰じゃ!?」
「てめえの目の前にいるだろ?」
月夜見の肩を刺した人物はそう言いながら月夜見の方へ歩いていく。
「もう一度言う。放せよ。」
「まさか!!まさか!!」
「その薄汚くて気持ち悪い手でその女にさわんじゃねえよ!!」
はい、今回はここまでです。切りが悪かったですかね?次はもっと早めに投稿するつもりです。文章が多分雑になっているとおもいます。そこは……後々修正します。




