磔の過去
はい、ここから磔もとい聖人の過去の話です。といっても聖人が再び健二と幻想入りする前の話です。
この話の伏線を張っておきながら書いてなかったので今回は少し書きます。
また過去の話では、ハールメンで活動しているAllenfortさんの作品の東方 2つの世界の守り人のキャラが出てきます。
Allenfortさんから許可を得てますし、この後も何話か出します。
「これはちとまずいかのぅ。」
「さあどうするんだ?逃げるなら見逃してやる。」
「ふっ、人殺しが何を言う?わっちは知ってるぞ。3年前、磔が人を殺しまくってたのを。」
そう言い月夜見はにやける。磔はその話を聞いた瞬間表情を曇らせる。
「磔、どういうことだ?」
「知りたいか?でも磔は話さんだろう。だが安心しな。無理矢理でも話させてやるわ!!」
そう言い月夜見は茂みの方へ手を向ける。すると。
「「「「きゃあああ!!!」」」」
「話さないとこの小娘共を殺すぞ?」
「霊夢!!魔理沙!!アリス!!妖夢!!早苗!!」
茂みの方から霊夢達が引き摺り出されて、見えない手で地面に押さえ付けられている。
「貴様!!妖夢を離しやがれ!!」
「落ち着け絢斗!!月夜見、俺の過去を話せばいいんだろ?」
「そうじゃ、磔の過去をな!!」
「そうかい!!」
磔はそう言うのと同時に時間を止めた。ただ、磔の力だけでは月夜見に対抗できないので、謙治と蒼と彰に協力してもらった。
「悪いが、月夜見に話す事なんてねえ。」
「磔!!あまり長い時間持たないぞ!!」
「私が全力の力を使えばどうってことないけど、温存しておきたいしな~。」
「わかった、手短に話してやる。おい早苗、聞こえるか!?」
「磔さん!!いえ、聖人!!」
「!!!」
「貴方の正体については永琳さんから聞きました。ですが、その過去の話は知りません。教えてください!!貴方は1度外の世界に飛ばされた後、何をしていたんですか!?」
「そうよ磔、話しなさい。」
彰の隣には永琳がいた。蒼達や霊夢達も磔の顔を見ていた。
「……そうだもんな。ここにいる人でこの話を知ってるのは俺と彰しかいねえもんな。わかった、話してやるよ。」
3年前
「あと何年後に幻想郷に行けるんだ健二?」
「あと2年後だ。さて、ニュースでも見てみるか。」
そう言い健二はテレビを付ける。二人は何処かのアパートに住んでいた。二人は暇があったら山に籠り、霊力の使い方を健二に教えたり模擬戦をしたりしていた。
「現在、我が国のあちこちで動く死体が暴れ回っております。避難所にいない方は急いで避難してください。」
「そう言えば、動く死体はどうなったんだ?」
半年前、日本で動く死体がいきなり現れて大混乱を招いた。だが聖人や健二には関係のないことだった。動いても良かったが、能力とか使ってしまうともっと混乱を招くと考えたから関わらなかった。
「軍の連中、確かTなんとかが殲滅しているらしいぞ?」
「聞いたことないな。まあ、俺らには関係のないことか。」
そう言い聖人はメロンソーダを飲もうとするが、健二は手で飲むなと合図をする。
「関係あんだよ。そのTなんとかの奴等が俺らが住んでいるアパートの外で見張りをしているんだよ。」
「は?まさか俺ら目付けられてる?」
「だろうな。周りの住んでる奴等は避難しているのに俺らだけ避難していないから怪しいと思ってるんだろ。現にここのアパートで電気ついてるの俺らの所しかないし。」
「それは怪しむのも無理ないか。」
聖人がそう言いメロンソーダを飲もうとしたとき、急に外が騒がしくなった。
「なんだなんだ?お祭りか?」
「……どうやら動く死体が来たらしいな。まだ完全に殲滅していないみたいだ。」
外からは動く死体の叫び声と銃声が聞こえてくる。
「やれやれ、何があってもいいように準備しますか。」
「面倒だな。まあ、ここで死ぬわけにはいかんしな。」
そう言い聖人と健二は準備を始める。聖人は出掛ける用の服を着て、グローブをはめて腰に刀を2刀さす。そして肩掛けのバックにFNとM16A2を入れる。聖人はこの2つの銃がお気に入りだった。
「俺は準備できたぞ?」
「へーへー、ちょっと待てって。」
健二いそいそとスーツを着て、腕と足に小刀を入れるポーチを付け、腰のポーチにSTIエグゼクティブを入れる。AIMS-74を手に持つ。
「出来たぞ!!」
「本当に毎回思うんだが、何故にスーツなんだ?」
「動きやすいから!!」
「……外に出る。準備はいいな?」
「オッケーよ!!」
そう言い聖人は玄関のドアを蹴飛ばして開ける。開けた先の景色は、軍の人が動く死体 (ここではゾンビと言っておく。)と戦っていた。
「どうする?加勢するか?」
「いや、周りをよく見てみろ。ゾンビに囲まれてるぞ?」
外に出た聖人と健二を囲うかのようにゾンビの群れがスタンバイしていた。
「わぁ、団体様のお出ましだぁ!!」
「聖人、ふざけてないでとっとと倒すぞ。」
「はいはい。」
そう言い健二はAIMS-74をゾンビに向けて発砲する。聖人は刀を抜いてゾンビの群れにつっこみゾンビの攻撃を避けながら斬っていく。
「ったく気持ち悪いな。まるでゲームの世界だぜ。」
「ちゃんと頭に当てろよ。」
「ま、もうたおしたけどな。聖人、援護はいるか?」
健二は倒し終わったらしく、リロードしながら聖人にそう聞く。
「いや、こいつで最後だ!!」
聖人は最後のゾンビの攻撃を避け、ゾンビの首を斬った後、回転して胴体をまっ二つにする。
「大して強くもねえな。これじゃあ霊夢達の方が強いな。」
「比べる対象が違うぞ。」
健二が銃をしまいながら言う言葉に対して聖人刀に付いた油や血を落としながらツッコミを入れる。
「それもそうか。さて、第2ラウンドでも始まるのかねぇ?」
健二はそう言い後ろを向く。聖人も後ろを向く。そこにはさっきまでゾンビと戦っていた人が銃を健二と聖人に向けながらゆっくりと近付いてくる。
「お前達、何者だ?」
「ただのヒューマンだ!!」
「……おい健二、ちゃんと答えてやれ。」
「嘘は付かない方がいい。何故避難所に行かない?」
「行く必要がないからだ。」
聖人はそう言って立ち去ろうとするが、銃を構えてる一人の男が聖人の足元に発砲する。
「勝手な行動をするな。」
「……はいはい、わかりましたよ。軍隊ごっこは家に帰ってからやりな。」
「……バルチャー3-1からフォートレス。民間人を発見した。オーバー。」
「フォートレスからバルチャー3-1。避難所に移動させろ。オーバー。」
リーダーらしき人が何やら通信している。その隙に聖人と健二は逃げようとするが。
「動くなって言っただろ!!」
「……ふん、フェイスガードやゴーグルで顔は見えねえけど、お前ら未成年だな?」
健二は声の大きさや動きから予測して言う。その言葉に少し苛ついたのかM249を持った人が銃口を健二の頭に向ける。
「健二、相手を怒らせるなよ。お前の気持ちはわからなくもないから。」
「わりいな、こんな子供が戦場に立たなければならない現状に苛ついただけだ。」
「民間人は我々を侮辱していますが、どうしますか?」
「そういうのは聞き流せ。俺らが侮辱されるのはいつもの事だ。」
リーダーらしき人は分隊員にそう言う。健二は黙ってるのが退屈だったらしく、銃のメンテナンスをしていた。
「侮辱されてもなお、戦い続けているのか。」
「取り合えず、我々についてきてほ「嫌だね。」!!」
健二はついていくのが嫌らしく、リーダーに向かって高速移動をして、蹴り飛ばそうとするが。
「はあぁぁぁぁ!!!」
「おぶぇ!!」
分隊員の一人にラリアットされて地面に倒れた。
聖人side
あーあ、健二の奴完全に伸びてるな。近接戦闘が得意じゃないのに行くからだ。
「か弱い女性の攻撃で気絶するなんて、脆すぎますよ!!」
「「「「いや!!か弱くないだろ!!」」」」
おろ、これは向こうの奴等も一緒の気持ちだったか。
「それで、俺はかえっていいか?」
「駄目だ、一緒に来てもらう。何処でその武器を手に入れたのかを話してもらう。」
向こうは俺らを連れていく気か。なら仕方ない。
「ここで寝ててもらうか。」
俺は麻酔銃を取り出して、健二にラリアットをした兵士を撃つ。当たった瞬間に兵士は倒れた。
「宮間軍曹!!てめえ!!」
「さあどうする?一人やられたぜ?」
何でこんなことするかって?ちょっと確かめたい事があるからな。
「祐介!!どうする!?」
「……恐らく宮間軍曹は死んでない。あの男が撃った銃は麻酔銃だ。何故そんなことをするのかは知らないが、あの男を無力化しろ。殺すなよ?」
ほう、リーダーは鋭いな。俺が使った銃をすぐに麻酔銃であることに気付いたか。
「「ウーラー!!」」
そう言い分隊員の一人が俺に向かってM249の銃口を向けてくる。あれ?殺さないんじゃないの?
「さあて!!演奏会の時間だ!!ゆっくり聞いていってね!!」
「なあ、祐介?あいつで大丈夫か?」
「問題ない……多分。さっき将軍から敵かもしれないから連れていくのに生死は問わないって言われたしな。」
これはあれだな、バリバリ殺す気だな!!M249を乱射されたら確実に死ぬし。
「ヒャッハーーーー!!!ミンチにしてやるぜーー!!」
そう言いM249を乱射してきた。あっ、終わったな。
「って普通の奴等は思うけどな!!」
俺は腰にさしてある刀を1本抜いて、自分に当たりそうな銃弾だけ弾く。
「あいつ!!銃弾を刀で弾いてるぞ!!」
「どうなってやがる!?」
おっ、慌ててるな。そろそろ疲れてきたし。
「時を止めてっと。」
隙を見計らって時を止める。外の世界だからそんなに長い時間止めてられないな。
「せいぜい1分か。その間に麻酔薬を注射してと。」
残りの3人に麻酔薬を注射する。
「まあ、こんなもんだろ。」
そう言い俺は指を鳴らして解除する。
「「「くっ!!」」」
軍の連中は何が起きたかわからないって顔をしながら倒れていった。そりゃそうだ。
「ふぅ、なんとか黙らせる事は出来たか。」
さて、この軍の連中を運ぶか。っとその前に。
「ほいっ、気付け。」
ドグシャ!!
「まひる!!」
「ったく、いきなり変な行動すんなよ。あれわざとだったんだろ?」
「ばれたか、まあ俺がああいう行動をすれば軍の連中らは油断すると思ってな。」
そう言い健二はスーツに付いた汚れを叩き落とす。あんなラリアットくらってよくピンピンしていられるな。
「これからどうする?」
「ちょっとこの軍の連中のアジトに乗り込みますか。」
いい修行になりそうだしな。
「ほな、出発!!」
「ここみたいだな。」
何て言うか、うん、廃墟みたいな所だった。
「こんなところに軍の連中の偉い奴がいるのか?」
「それはわからんな。さて、乗り込むぞ!!」
ちなみに気絶させた軍の連中はスキマに入れてるぞ。あれ本当に便利だな。
「お邪魔しま~す!!」
健二は豪快に扉を蹴り飛ばして中に入る。中にいたのは。
「動くな!!手を上げろ!!」
海兵がざっと数十人いました、いやー、やっちまったねー。
「聖人、強行突破でもするか?」
「してもいいけど、とりあえず催涙弾投げてくるからそれを回避してからな。」
海兵の一人がこっちに投げてきたよ。他の奴等はゴーグルを着けてるから投げてくるのか。
「へっ!?それを早くいギャアーーー!!!」
あーあ、健二はもろにくらって目を押さえてるよ。俺は霊力で目などを保護したから平気だけどな。
「目がぁ!!目がぁーーー!!!」
「今だ!!取り押さえろ!!」
健二は海兵に取り押さえられたな。目が見えない状況で抵抗するのは出来ないしな。あとさっき言った台詞はどこかの大佐だぞ?
「こいつも取り押さ「れると思ったか?」何!?」
海兵の一人を蹴り飛ばす。続けてくるのを足払いをしてエルボーを腹に喰らわせる。
「こいつ!!催涙弾が効いていない!!」
「待て、私が出る。」
「しょ、将軍!!」
白髪のいかにも偉そうな人が前に出てくる。出てくると同時に海兵は敬礼した。
「将軍が出てくるとはちょっと予想外だな。」
「予想外だったろう?私は君達と会話したい。こっちに来てくれたまえ。」
「将軍!!いいのですか!?」
「彼に敵意はない。敵意があったら今頃全滅してるはずだ。」
わーお、一発で俺に敵意がないことを見抜くなんてな。流石は将軍だ。
「それに、何かがあったら私の必殺技を出すから大丈夫だ。」
将軍がそう言うと海兵達の顔が青くなった。その必殺技がすげえ気になる。
「では、来てくれたまえ。」
「あっ、こいつも連れていきます。」
「さて、単刀直入に聞こうか。君達はただの人間ではないな?」
「「いえ、ただのヒューマンです。」」
「では質問を変えよう。君達は幻想郷から来たのかな?」
「……当たりだ。」
でも何故幻想郷の事を知っているんだ?
「私も1回行ったことがあるのでな。まあ、君達がいたところとは違う幻想郷だと思うんだがな。」
「へえー、それで俺達と話したい事って何だ?」
「感染者を殲滅してほしい。我々も頑張ってはいるがどうにも時間がかかる。そこで君達に協力してもらいたい。」
「見返りは?」
「それは後々話す。」
「聖人、どうする?」
「いいぜ、協力してやるよ。」
「すまないな。」
「と、そんなことがあったんだ。」
「それじゃよく分かりませんよ磔さん!!」
「わかったわかった、その感染者って言うのは死んだ人間に薬を注射した人の事だ。言うなれば生き返ったって事になる。」
「つまり、生きてる人間を殺したから人殺し。」
否定はしない。これは紛れもない事実だからな。
「まだ話はあるが、後でな。そろそろ限界だ。」
俺がそう言うのと同時に時が動き出した。
「さて、過去については話したかのぅ?」
「ああ、話したさ。」
「ふっ、どうせわっちに干渉されないように時を止めてはなしたんだろぅ?」
っち、ばれてやがる。一応霊夢達は救出したけどな。
「まあよいわ、そろそろ散ってもらうとするかの。」
「散らねえよ、俺らでてめえをぶっ飛ばしてやる!」
今後も更新が遅れるかもしれません。来週から自動車の免許の合宿に行かなければなりませんし、でも修正とかはしていきます。




