瀟洒なメイドとの何気ない会話
紅魔館
「で、何で俺を襲ったんだ咲夜?」
「お嬢様に命令されたからよ。」
勝負の後、俺はナイフが刺さったところを咲夜に治療してもらいながら質問している。なぜ治療されてるかだって?少し前に遡るぞ。
「よくこんなにナイフが刺さっていたのに動けたのよ?」
俺の能力で怪我が治った咲夜が尋ねてくる。まあバイトで色々とありましたから。
「こんなのは慣れているからな、あと咲夜、殺す気なかっただろ?」
「な、なんのことかしらね。」
咲夜は俺から顔を逸らして知らないふりをした。ばればれだけどな。殺気が全くなかったからな。
「全く、ばればれだからな。」
「ばれてしまったのね。どうしてわかったのかしら?」
「なんとなくだけどな。あと咲夜、服をちゃんと着てくれ。」
いやぁ、眼福なんだけどさ。そろそろ気付いてほしいかな。
「聖人がこんな風にしたんでしょ?」
「それは否定しないけど、って待て待て!!何で近付いてくる!?」
いいから服をちゃんと着ろよ咲夜!?あーもう!!
「面白い反応が見れたわ。あたふたする聖人は可愛らしいわね。」
「からかうなよ、じゃあレミリアの所に案内してくれ。」
そう言い歩きだそうとするが、咲夜に呼び止められる。あっ、服はちゃんと着たな、良かった。
「その状態でお嬢様に会う気かしら?」
「駄目なのか?」
もうちょっとお洒落をしてくれば良かったのか?
「そのままだと死ぬわよ!!」
あっ、出血していたの忘れてた。もう体の感覚があんまりなくてね、このままでもいいかなってね。
「だから視界がぼやけるわけだ。」
「納得してないでこっち来なさい聖人!!」
「治療くらい自分で出来るさ。」
そう言い包帯を巻こうとしたらいつの間にか手から包帯が無くなっていた。あれ?
「私がやってあげるから来なさい。」
そう言って咲夜は手招きした、あっ、咲夜が取ったのか。けど俺は行く気はない。つーかこれ以上女性に近付きたくない。
「遠慮する。だから包帯を返してくれ。」
「いいから来なさい聖人!!」
「断る。」
「来なさい。」
「嫌だ。」
「き・な・さ・い!!」
咲夜から黒いオーラが漂い始めたよ。怖いねぇ。
「何度も言わせんな。嫌だって言ってんだろ。」
もういい、さっさとこの空間から抜け出そう。
ガシッ!!
「(ニコッ!!)」
咲夜に首根っこ掴まれました。しかもものすごい笑顔だし。
「あの、離してくれませんかね。」
「離すとでも?あとさっきから私の胸に視線が行ってる制裁もしないといけないから離さないわよ。」
「デスヨネー。」
交渉(物理)の結果、仕方無く咲夜に治療させてもらうことになった。なーんか咲夜は苦手じゃないんだよな。何でだろう?
そんなわけで治療してもらってるわけだが、でもこの状況俺にはとてもきつかった。なぜかって? 女性が目の前にいるんだぞ。普通の人は喜ぶかもしれないけど、女性が苦手な俺にとっては辛い顔を我慢するのに精一杯だよ。けど咲夜だからまだなんとか耐えれ、るかわからねえな。
「聖人は強いのね。」
咲夜は傷に包帯を巻きながら聞いてくる。しかし、怪我の手当て上手いな。
「いやいや咲夜もなかなかだったよ。」
笑いながらそう返答すると、咲夜は拗ねた表情をした。あれぇ?俺変なこと言ったか?
「あれ、本気じゃないでしょ。」
「ナナナ、ナンノコトダカサッパリダナァ。」
「何で片言なのよ。」
俺片言になってたのかなぁ?
「なぜ本気で戦わないの?」
「本気で戦う時は余程追い詰められたときと、あれな時かな。」
出来れば来ないことを願う。
「後半聞こえなかったんだけど。」
「まあ気にしないでくれ。」
聞こえないように言ったからな。聞かれたくもないし。
「わかったわ。あと聖人。」
「ん、どうした?」
咲夜の顔を見ると少し悲しそうな顔をしていた。
「なぜ、嫌な顔をするの?」
嫌な顔。あ、ばれてしまったか。
「理由を教えなさい。」
咲夜が今まで以上に近づいてくる。これ以上近付かれたらやばいんですけど!!
「いや、これは、ちょっと!!」
「教えないとナイフを顔に刺すわよ?」
顔は笑ってるが目が笑ってない。咲夜だったらやりかねないな。
「笑わないっていうなら言う。」
「わかったわ。」
「俺は、女性が苦手だからだよ。」
一瞬咲夜はキョトンとした顔になったがすぐにお腹を押さえて笑い始めた。笑うなよ!!
「笑うなって言ったのに。」
「ごめんなさい。あまりにも予想外な答えだったから。でもなぜ、女性が苦手なのかしら?」
「悪い、それは言えない。」
そう俺は過去にあの事があったからだ。今でも夢に出てきて思い出してしまう。
「これ以上は追及しないでおくわ。」
「助かるよ。」
治療が終わったのか咲夜は立ち上がる。おっ、体に力が入るようになったな。
「これで大丈夫なはずよ。そろそろお嬢様のところに行きましょう。」
「わかった。」
そう言うと咲夜が歩き始めるので、後についていった。




