悲しみの果てに
冥界
「あれ?ここは?」
「ここは冥界よ、良太。貴方も来たのね。」
「幽々子さん!!どう言うことですか!?」
良太は幽々子に詰めよって問いただすが、幽々子は無邪気な笑顔で。
「説明は前々回の話を見てね♪」
「メタイですよ……。」
つまり、良太も死んでしまったので現代の紫が死んだらここに来るようにちょっと細工をしていたからである。
「皆も来てるわよ~。居間で観戦してるのよ~。」
「皆って事は……。」
良太は辺りを見渡すと……。
「良太!!!」
「うわっと!!霊夢さん!?」
いきなり霊夢が現れて、良太の胸に飛び込んだ。幽々子はそれを微笑ましそうに見ている。
「怖かったわよぉ……、ふぇぇぇん……。」
霊夢は良太に抱き付きながらわんわん泣いた。余程怖かったのだろう。
「あの、その、えっと、何があったんです?」
「詳しくは中に入ってから聞いた方がいいんじゃないかしら~?」
「それもそうですね。霊夢さん、歩けますか?」
「ええ……。」
「おう!良太と霊夢も来たんだな!」
白玉桜の居間には未来に行って死んでしまった魔理沙達がいた。
「はい、申し訳ないです。」
「いいって。良太が悪いわけじゃないですよ。」
良太が皆に謝るが、快がフォローする。
「ところで霊夢は良太にいつまでしがみついているのかしら?」
アリスが霊夢の姿を見て不思議そうに言うが、霊夢は涙を流しながら首を横に振った。聞かないでと言わんばかりに。
「わかったわ、追及はしないでおくわ。」
「ありがとう、アリス。」
「にしても今やばいぜ!!」
健二がテーブルにある特大の水晶玉を見ながら言う。そこに写っていたのは未来の紫が早苗にとどめを刺そうとしている所だった。
「これで全滅ね……。」
「情けないです……。」
咲夜と妖夢が悔しそうに言う。アリス達も同じ気持ちだった。まるで歯が立たなかったと。けど、幽々子と彰だけはそんな気持ちにはならなかった。
「まだいるだろ、一人。」
「そうね~、いや二人かしらね~。」
「どういう意味なんだぜ?」
「まあ、見てれば分かるわよ♪」
幽々子にそう催促されて魔理沙は水晶を見る。そこには未来の紫が特大の弾幕を早苗に向かって放った所だった。
「このままじゃ!!」
「大丈夫だ。そろそろ来るはずだ。」
「どういう……!!」
魔理沙は彰の言葉を否定しようとした時、紫が放った特大の弾幕が粉々になった。
「なっ!!何が起こったんだぜ!?」
「ほら、来たぞ!!」
早苗の前には磔が立っていた。これを見た魔理沙達は驚きを隠せないでいた。
「何であいつが!?」
「どういうことですか!?」
「あ~、やっぱりねぇ~。」
皆が混乱している中、絢斗だけは何か納得したみたいだった。
「幽々子!!説明しなさいよ!!」
やっと平常心を保つことが出来た霊夢が幽々子にそう聞く。
「え~私もわからないわよ~。」
幽々子は扇子をパタパタしながら知らない振りをする。まあ、霊夢にはばれているが。
「それに、もう一人来るわよ~。」
幽々子がそう言うと、磔の隣に謙治が立っていた。
「あいつは!!」
「何がいったいどうなっているんだぜ?」
未来の幻想郷
「どっちから来るのかしら?」
磔と謙治は未来の紫と対峙している。紫は二人を見て多少驚いたようだが、まだ余裕の表情は消えてはいなかった。
「謙治が行け。」
「いや、お前から行けよ!!」
「お前が行け!!」
「お前が行け!!」
どうやら二人とも先には行きたくないらしく、ギャーギャー騒ぎながら順番を譲り合っていた。
「……醜いわね。」
「磔、お前から行けよ!!」
「いや、だからなんで!?」
「(いいか、俺のこの力はハッタリだ。強さでいったらお前より格段に下だ。それにあいつらの子供を治さないといけない。)」
「(謙治が紫と戦ったらあまり時間は稼げないってことか。)」
「ああ、そういうわけで頼む!」
そう言い謙治は高速移動をし、この場から去った。
「逃げたのかしら?」
「そうじゃないと思うぞ。って治療しないとな。」
磔は体を早苗の方に向けて手を前に出した。
「癒符 ヒールストリーム!!」
磔がスペルを使うと、早苗の体に青い光が包み込んだ。
「これは?」
「そいつは体の治癒能力をあげる光だ。まあ、治るのに時間はかかるがな。」
「この力……貴方は何者なの!?」
「どうでもいいだろそんなの。」
そう言い磔は悲しそうに笑う。その姿を見て早苗はある人の姿を思い出した。
「(あの笑い方は聖人にそっくり!!まさか!!)」
「そろそろいいかしら?」
「悪いね、待たせたみたいで。さあ、行くか!!」
そう言い磔は木刀を抜いて紫に突っ込んだ。紫はスキマから弾幕を出して当てようとするが。
「遅いぜ!!」
「!!!」
それを予想していたのか、最小限の動きで避け、紫の頭に木刀を叩き付ける。
「痛いわね!!」
「痛い……か。それだけで済めばいいけどな!!」
磔は木刀を右手から左手に持ちかえて、木刀で斬ろうとするが。
「2度も喰らわないわよ。」
紫は扇子で木刀を受け止め、磔の体の近くに小さいスキマを開いて弾幕を放った。
「面倒だな、なら!!」
磔は霊力等を解放して弾幕を吹き飛ばす。その隙を狙って紫はクナイ弾幕を大量にばら蒔く。
「ほらほら、避けないと串指しになるわよ?」
「なるわけねえだろ!」
磔はその場から動かず、クナイ弾幕を右手で自分に当たる奴だけを弾き飛ばした。
「こんなもんかよ?」
「少しはやるみたいね。なら結界 夢と現の呪!!」
紫は遂にスペルカードを使い始めた。磔の左右から大きな弾幕と小さな弾幕が現れ、磔に向かってくる。
「めんど!!」
磔は木刀で弾幕を弾いたり、避けていたりしていたが。
「隙ありね。」
紫が後ろからスキマでばれないように近付き日傘で磔を早苗の所に吹き飛ばした。
「磔さん!!」
激突した衝撃で煙が舞っていて、磔の姿が見えなかった。
「あんだけかっこつけて出てきたのに、その強さはハッタリかしら?」
「んな訳ねえだろ!?蹴符 スクリュードライブ!」
煙の中から磔の声が聞こえたと同時に螺旋状に回転した弾幕が紫に向かって放たれた。それを紫は日傘で弾こうとする。
「そんな弾幕効かな……えっ!?」
だが結果は、逆に紫の日傘が弾き飛ばされた。その事に驚きを隠せなかったのか、紫は次にくる弾幕に対処出来ずに当たって吹き飛ばされた。
「そいつは普通の弾幕じゃねえからな。」
磔は服の汚れを叩き落としながら言う。どうやら大したダメージは受けてないらしい。
「大丈夫なんですか!?」
「ん?平気だ。あの位じゃ今の状態だとダメージは大してないさ。」
「そうだと思ったわよ。」
「意外と頑丈だな。一応全力で放ったんだがな。」
紫の服に所々傷や汚れが付いているだけで、あまりダメージは受けてないみたいだった。
「それが貴方の全力?」
「慌てんなよ、これからボチボチ見していくさ!想符 アクアウェーブ!!」
磔は木刀をしまって、自分の周りから青色の小さな弾幕を大量に作って紫に向けて放つ。
「弱いくせに何をいってるのかしら?」
紫は欠伸をしながら磔の弾幕を軽々と避けていく。だがそれを見て磔は笑った。
「弱い……ねぇ。確かに俺はあんたより力は劣っているけど、歯が立たない訳じゃねえぞ?」
「!!!」
磔は瞬間移動で紫の背後に回って回し蹴りを放ち、息つく暇もなくまた紫の背後に回って地面に蹴り落とす。
「乱符 スピンシュート!!」
蹴り落とした所に向かってスペルを放つ。更にもう1つスペルカードを取りだし。
「まだまだ!!花符 フローラブレード!!」
花の形をした剣を作り出し、スペルを放った所に向かって投げ飛ばす。
ゴォォォォン!!!
「やったか?」
磔は確認する為に地上に降りて確かめる。
「やったんですか?」
「……わからん。やられていなくても大きなダメージは与えたと思うが。」
磔はそう早苗に言いながら周りを警戒する。早苗はその姿を見て。
「(やっぱり聖人に似ている……)」
「おかしいな?何も感じないぞ?」
「そうね。そうしてるもの。」
突然磔の後ろに紫が現れた。
「あれはちょっと危なかったわ。でもそのお陰て隙が生まれた。ここからならかなりのダメージが入るんじゃないかしら?」
「しまっ!!」
完全に虚を突かれたため、磔は反応が遅れてゼロ距離で紫の放った弾幕を大量に浴びた。
「があぁぁぁぁ!!!」
磔は吹き飛ばされ、壁に激突した。その間に紫はスペルカードを取りだし。
「幻巣 飛光虫ネスト!!」
紫の周りに色々な弾幕が作られ、それら全部が磔に向かって放たれた。磔は避ける事が出来ずに当たってしまった。
「磔さん!!」
早苗は磔の所に行こうとするが、まだ体が動かせなかった。
「そ、んな……。」
「所詮、そんなものよね。」
紫はスキマから扇子を取りだし、パタパタと扇ぐ。まるで勝負がついたみたいに……
だが
「まだ終わってないのにその態度は、随分と余裕そうだな!!」
「なにっ!!」
紫の横に磔が現れ、紫を殴り飛ばす。殴り飛ばした後も紫に追撃しようとする。
「しぶといわね!!」
紫も空中で体勢を整えて、磔を殴り飛ばそうとするがそれを磔は右腕でガードして、蹴りを喰らわせるようとするが、紫も蹴りを放って相殺させる。
「はぁ、はぁ……。」
その攻防をしばらくしていると、磔の息が上がってきた。
「あらあら、もうへばったのかしら?」
「まだまだ!!」
「すげぇ……。」
「磔さんは何者なんでしょう?」
冥界で様子を見ていた魔理沙達がそう呟く。
「これはいけるんじゃないでしょうか!!」
「そうだぜ!!きっと行けるぜ!!」
「…………。」
魔理沙達がそう呟くのに対して、良太や霊夢、彰や絢斗は苦虫を噛み潰したような顔をする。
「絢斗さん?どうしましたか?」
「まずいな、これは……。」
「どういうことですか!?見たところ互角のようですけど?」
「互角じゃない。段々と磔の力が落ちてきている。それに紫はまだ全力じゃない。」
「えっ!!!?」
絢斗の言葉に妖夢は驚く、良太も水晶体を見ながら。
「紫さんはまだ7割しか出してませんね。」
「そんな!!頑張れよ磔!!」
「ぜぇ、はぁ、ぜぇ。」
「息が上がってるわよ?もう終わり?」
「(ちくしょう!!こっちはもう殆ど力が残ってねえのに向こうは余力を残してやがる!!)」
磔がそう思考をしている間にアクセルモードが解けて元の状態に戻った。
「それもそうね。体中傷だらけですものね。」
磔の体中は擦り傷や切り傷が沢山あるのに対して、紫は目立った傷は殆どなかった。
「まあ、ここまでやったことは素直に誉めてあげるわ。でも、これで決着をつけるわ。廃線 ぶらり廃駅下車の旅!!」
紫は磔の近くにスキマを展開し、そこから電車を走らせて磔にぶつけようとする。磔は力を使い切ってしまったので動くことが出来なかった。
「ここまでかよ……。」
磔はそう呟き、電車の方を向き身構えて衝撃に備えようとするが。
「やあぁぁぁぁ!!!」
「うぐっ!!」
何者かに突き飛ばされて電車の走る道の軌道から逸れた。その突き飛ばした人物は……。
「早苗!!!」
そう、早苗だった。磔を守るために……。
そして、無惨にも早苗が立つところに電車が通り去った。
「早苗ーーーーーーッ!!!」
磔は電車が去っていった所を中心に早苗を探した。しばらく探していると。
「えへ……。」
無惨な姿の早苗が倒れていた。磔は急いで駆け寄り早苗の手を握りながら叫ぶ。
「しっかりしろ!!しっかりしろよ!!」
「無事……ですね。よか……たで……す。」
早苗はそう言い笑顔を見せる。だがその顔は弱々しかった。
「今助ける!!」
磔はポケットからスペルカードを取りだそうとするが、早苗はそれを制止する。
「無駄……ですよ。私は……助からない。」
「んな訳ねえだろ!?絶対に助ける!!」
磔の必死な顔をみた瞬間、早苗は疑問に思っていた事が晴れた。
「磔……さん。頼み……ますね、霊夢さん……達の、分も……。」
「止めろ……死ぬな!!死ぬなよ!!」
「えへ……、やっぱり……そうだった……んですね。」
早苗はそう言い磔の頬を触る。
「あなたが……本当の……ま……さ…………と。」
早苗がそう言った瞬間、磔の頬を触っていた手がだらりと下がり、目も閉じてしまった。
「ッ~~~~~~~!!!」
磔は死んでしまった早苗を強く抱き締めた。
「(あの時と同じだ……。あの時と同じように早苗は俺を庇っていった。)」
磔はフランに殺されそうになった時の事を思い出した。あの時も早苗が磔を庇って死んでしまった。
「(あの時とまるで一緒じゃないか!!また守れなかったのかよ!!2度とあんなことはさせないと思っていたのに……、何年経っても変わらないじゃないか!!)」
「東風谷早苗……愚かね。」
「(こんな後悔は飽きるほど体験してきたじゃないか!!なのに、なのに!!)」
「例え磔を庇った所でほんの少し生きる時間が延びただけよ。」
「(俺は……何でこんなにも情けなくて、弱いんだよ!!!)」
磔はそう思いながら早苗を抱き締める。その姿を見た紫は、邪悪な笑みを浮かべて。
「なら、もっと絶望に落としてあげるわよ。」
そう言いスキマを展開して、手を入れた。
「何を……する気だ!?」
「それはね……これよ!!」
紫のスキマから出てきたのは……。
「ちょ!!ちょっと!!私の頭を掴んでいる手を離してください!!」
「葉!!貴様!!何故葉の頭を掴んでいる!?」
そう、現代にいるはずの葉だった。
「知りたい?それは貴方を絶望のどん底へ落とすためよ。」
そう言い紫は葉の頭を掴んでいる手に力をいれる。
「いっ!!痛い!!や、やめて!!」
「やめろぉーーーーー!!!紫ーーー!!!」
「いいわぁ、その絶望に溢れている顔、その顔をあの月の姉妹にも味あわせてやりたいわぁ。」
「(くそったれ!!動けよ俺の体!!)」
磔は必死に体を動かそうとするが、全然動かなかった。
「ほら、もっと入れてあげるわ!!」
「きゃああああ!!!」
「(くそったれ!!くそったれ!!)」
「お兄……ちゃん……。」
「お兄ちゃん?ふふ、いいことを思い付いたわ!」
紫は葉し地面に投げ飛ばし、葉の頭の近くに着地する。
「うう……。」
「さあ磔、これから私は何をするでしょう?」
「知らねえよ!!!葉は関係ないだろ!!巻き込むんじゃねえよ!!」
磔は早苗を抱いたまま紫に弾幕を放とうとするが、弾幕が出なかった。
「正解は……。」
紫は足を上げて葉の頭の上にあわせて止まる。
「まさか!!」
「そう、そのまさかよ♪」
「お兄ちゃん……助けて……。」
葉は泣きながら磔に助けを求める。だが今の磔に出来るのは叫ぶことしか出来なかった。
「やめろぉーーーーー!!!それだけはやめろぉーーーーー!!!」
「ふふふ、残念。聞こえないわね♪」
ゴグシャ……!!!
紫は何の躊躇いもなく、葉の頭を踏み潰す。肉がちぎれる音、血が飛び散る音、骨が折れる音が生々しく聞こえてくる。
「あっ…………あっ。」
「あら、意外と軟らかいわね。」
紫は血塗れの足を見ながら呟く。磔は首のない葉の体を見て呆然としていた所、葉の被っていた帽子がころころと転がってきた。
「そんな……葉……。」
「哀れな女、まあ運がなかったと言うしかないわね。早苗は本当に哀れな女だけれどね。」
紫は葉の首のない体を蹴り飛ばしながら邪悪な笑みを浮かべる。
「(葉までも……。あいつはこの件には関係ないのに……。)」
「まあ、馬鹿な男には馬鹿な女しか寄ってこないってことね♪」
その言葉を聞いた磔は、今まで思い出に残っている早苗と葉の姿を思い出していた。早苗の笑顔、怒った顔、泣いている顔。葉の無邪気な笑顔、困った表情の時の顔。
そして、早苗と葉の笑った顔が鮮明に浮かんだ時。
「うわああああああああああああ!!!!!」
磔の体に変化が起こった。磔の周りに雷が落ちて地面も大きなクレーターが出来始める。
「ちくしょう!!ちくしょう!!ちくしょう!!ちくしょう!!ちくしょう!!!」
磔が叫ぶ度に雷が落ちてくる。そして、大地も揺れ始めた。
「よくも……よくも……よくも!!!」
雷が落ちてくる頻度は更に増えていって磔と紫がいる空間がミシミシといい始める。
「ッ!!急に磔の力が上がっていく!?何がどうなっているのよ!?」
「絢斗や良太、霊夢や早苗だけでもなく葉まで!!」
「(これが磔の本当の力なの!?有り得ないわ!!あり得る訳がないわ!!)」
冥界
霊夢達のいる現代の冥界でも地震は伝わっていた。
「何!?この地震は!?」
「磔だ!!磔の力のせいで大地が揺れている!!」
「磔さんは未来にいるはずですよね!?ここは未来じゃないんですよ!!」
観戦していたアリスや咲夜達が慌てながらそう呟く。
「これは凄い力ねぇ~。」
「そうだな、これは凄すぎるな。」
彰と幽々子は団子を食べながら感想を口にする。
「ちょっとちょっと~!!俺にも団子を分けてちょ!」
「絢斗さん!!今はそれどころじゃないですよ!」
「磔……貴方は本当に何者なの?あんな外来人は見たことないわよ?」
紅魔館
「ちょっと!!この揺れは何!?」
「あわわわわ!!!これはただの地震じゃないですよ!!」
「おちおち本も読めやしないじゃないの。」
「あはは!!何か縦や横に揺れて楽しいなぁ!!」
永遠亭
「ちょっとウドンゲ!!この揺れは何よ!?ただの地震ではなさそうよ!!」
「そんなこと言われましても……、私にはわからないですよ姫様。」
「これはいたずらできる場合じゃないウサね。」
人里
「この地震は!?」
「阿求!!無事か!!」
「慧音さん!!この地震は一体何ですか!?」
「私にもわからない。けど、これは幻想郷だけじゃない、他の所も揺れているような気がする!!」
地底
「なっ!!この揺れは何ですか!?」
「お姉ちゃん!!周り全部が揺れてて楽しいね!!」
「こいし!!そんな悠長な事を言ってる場合じゃないんですよ!!」
「さとり様!!一体どうなってるんですか!?」
「うにゅ~、目が回る~。」
「これは勇義さんの仕業?」
「残念だけど、私じゃない。」
「大体地震が起こるはずがない地底でどうしてこんなにも揺れてるのよ!?あぁ妬ましいわ!!」
緊急地震速報です!!現在、原因のわからない地震が起きています!!
「メリー!!大丈夫!?」
「ええ!!」
「原因のわからない地震って……、何がどうなってるのよ!!」
「私にもわからないわよ連子。でも、何処かで感じた事のある力なのよね……。」
「まさか!!磔さん!?」
「うわああああああああああああ!!!!!」
「何よ!!この力は!?」
紫がそう言った瞬間、磔の体が光に包まれた。光が晴れた時、揺れも収まった。
「!!!!!」
紫は磔の姿を見て驚きを隠せなかった。何故なら今までの磔の変身は黄緑か青緑だったはずが、白金の髪の色をしていて、体の周りから常時雷が出ていた。オーラも白金になっていた。
「…………。」
磔は黙ったまま、早苗を瞬間移動で葉の近くに置く。
「い、いいわね。やっと面白くなってきたじゃないの!!」
紫は冷や汗をかきながらそう言うが、磔は無視して何かを呟き、右手をつきだした。
「???」
「grip&……。」
紫は磔が何を読めなかったが、嫌な予感がしたため。
「ま、まずっ!!」
「break……down!!」
紫がスキマの中に避難すると同時に、紫がさっきまで立っていた所が爆発した。
「その技は!!」
「それで隠れているつもりか?」
磔はスキマの中にいる紫を強引に引き摺り出す。
「嘘!!」
紫が動揺していると、急に視界がぐらぐらとし始める。
「この……能力は!!」
紫は境界を操って解除しようとした時、風の刃が紫に向かってくる。
「何でよ!!」
それを紫は日傘でなんとか防いだ。
「何で永遠亭の兎の能力や文屋の能力や紅魔館の主の妹の能力が使えるのよ!?」
それを聞いた磔はしばし、無言だったが。
「とっくにわかっているんだろ?」
「何を言って……?もしかしてそれは!?」
「そう、さっきの変身がアクセルモード3で、その状態で発動出来る俺のラストスペル……夢想添生だ!!」
磔の覚醒シーンは某アニメの覚醒シーンを想像して書いてます。




