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東方外遠記  作者: 颯人
第12章 未来編 ~Future fantasy~
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予想外な助っ人

今回は磔と聖人の場面です。タイトルにも出てますが思わぬ人が助っ人になります。

三人称時点


「っと着いたぜ。」


「まさか瞬間移動が使えたなんてな。」


磔と聖人は紅魔館から出たあと、磔のスペルで未来の早苗達が捕らえられてるところまで来た。


「にしても、薄気味悪いところだな。」


日の光も入らず、灯りも少ししかないため不気味な雰囲気が漂っていた。


「早く見付けるぞ!!」


「ちょいまち!!場所もわからないのに行くのか!?」


「あっ……。」


「ったく、何で未来の自分に説教しなければならないんだ?早苗の場所はもう発見したから扉の前まで瞬間移動で行くぞ。」


磔は目を閉じて早苗達が捕らえられいる扉の前まで瞬間移動する。




















「ここだな。」


「ここに……早苗達が。」


聖人は辺りを警戒しながら扉を開く。不思議な事に鍵はかかっていなかった。


ギィ……


「……誰?」


扉を開けた先に見えたのは、酷い有り様の早苗達の姿だった。服は血が乾燥して茶色くなっていて酷い臭いもした。


「俺だ……聖人だ。」


「聖人なの?本当に聖人なの!?」


「ああ!!今助けてやるからな!!」


そう言い聖人は早苗達に付いていた手錠等を外す。


「聖人!!!」


早苗はフラフラと歩きながら聖人に抱き付いた。正確には両腕折れているらしく、体を聖人に預けたという感じだ。


「ごめんな、辛かったよな。痛かったよな。もっと早く助けに行ければ……。」


聖人は優しく早苗を抱き締めて頭を撫でる。


「ううん、それでも助けに来てくれた。それだけで充分ですよ!!」


「本当にすまなかった……。」


「大丈夫です、聖人の顔を見れた。それだけで充分なんですよ!!」


未来の早苗はそう言い悲しく笑った。聖人にはその顔が見えなかったが、磔にはそれが見えた。


「(何で悲しい顔で笑っている?普通は涙を流すはずなのに?)」


「さあ、ここから出よう!!」


「いえ、もう充分なんです。」


「…………(何を言ってるんだ?未来の早苗の言葉が引っ掛かる、まさか!!)」


磔は未来の早苗の言った本当の言葉の意味がわかったらしく周りを警戒する。


「ありがとう……、ございます。」


「早苗?」


早苗はそう言い笑顔で聖人を見る。それと同時に。






























ポトッ……
































未来の早苗達の首が落ちた。


「……はっ?」


「いやいやいや!!感動の対面は出来たかな?」


扉から謎の妖怪が拍手をしながらやって来る。


「助けられると思ったでしょ?残念!そう甘くはないんだな!!」


「早苗……、どうしたんだ?おい!説明してくれよ!?」


「まだ気付かないのか?無理もないよな!!最愛の人が急に首が落ちたんだからね!!」


謎の妖怪は高笑いしながら言う。まるで聖人の反応を楽しんでいるかのように。


「つまり、聖人に会うと死ぬ何かをしたのか?」


「ご名答!!そっちの奴は案外冷静だな。ちょっとつまらんがまあいい。」


「ふざけんな!!!」


聖人はそう言い2本の刀を抜いて妖怪に斬りかかろうとする、それを磔は魔法で押さえる。


「落ち着け!!今のお前の状態で勝てるわけねえだろ!!相手の思うつぼだぞ!!」


「けどよ!!そいつは早苗達を散々拷問したあとにこんなことしやがったんだぞ!!許せるかよ!!」


「もしかしておこですか?いやぁ愉快愉快!!愉快過ぎで涙が出てきそうだ。」


妖怪は腹を押さえながら大いに笑う。それを見た聖人は磔の拘束魔法を無理矢理解除し、妖怪に斬りかかろうとする。


「その口を2度と開けなくしてやる!!」


「おっと、動くなよ?動いたらこいつらの燃やしちまうぞ!?」


妖怪は手にライターと持っていて、未来の早苗の隣にオイルが入ったタンクがあった。それを見た聖人は歯を噛みしめながら刀をしまった。


「汚ねえぞ!!!」


「なんとでも言うがいい!!まあ、私が聖人の最愛の人に近付けば何時でも燃やせるけどな!!」


「やめろぉぉぉ!!!近付くんじゃねえぇぇぇ!」


聖人の叫びも虚しく妖怪は早苗の遺体に1歩、2歩と近付く。だが3歩目を踏み出した時。


「離れろやゴミ。」


突然早苗の遺体の目の前に紫のスキマみたいなものが現れ、そこから弾幕が妖怪に向けて放たれた。


「ちぃ!!」


妖怪はそれを手で弾く。


「何者だ!?答えろ!!」


「何者ねぇ、名乗る名前は多分ないと思うけど、しいていうならそうだな……。」


その言葉と同時にスキマみたいなものから人が現れた。しかもそれは磔が見たことある人物だった。
































「悪いが、ここから先は通行止めだ。」


その男は何度も幻想郷を苦しめた男。何度も幻想郷の皆を傷付けた男。何度も幻想郷の風景を破壊した男だった。


「きっ、貴様!!何故ここにいる!?お前が来るのは聞いてないぞ!!」


「そうだ、さっき思い付いてここに来たからな。知ってる訳がない。」


「何故そっちの味方になる!?理由がわからないぞ!!時弥謙治!!」


そう、妖怪の目の前にいる人物は磔の時代の謙治だった。謙治は磔の方を見もしないでカードを投げ渡す。


「っと、なんだ?」


そのカードにはこう書かれてあった。





俺が時間を稼いでやるからさっさとそいつらを運んで弔ってやれ。信用できねえかもしれないが、さっさとここから脱出しやがれ。今、お前に死なれると困るんだよ。


「確かに信用できねえな。けど、今回は騙されたつもりでてめえの言葉に乗ってやるよ。」


磔はカードを読んだ後、時を止めて早苗達の遺体をスキマに入れた。


「聖人、脱出して早苗達を弔ってやらないと。」


「あぁ……。」


そう言い磔は聖人の肩を掴んで瞬間移動をする。


「ふっ、物わかりがよくて助かるな。」


謙治は鼻で笑いながらカードを持つ。


「理由を言え!!なぜ未来に来た!?」


「理由か……、1つはあることを確かめるため。もうひとつは、なんだっけ?」


「ふざけているのか!?」


「いやー、もう二十歳だから物忘れが酷くてな。」


謙治は真顔で言う。どうやらこれが素のようだ。


「っとそれよりも早く終わらせたいからかかってこいよ。どうせお前は俺に勝てないんだからな。」


「減らず口はその変にしておけ!!」


妖怪は謙治の挑発に乗り、小さい弾幕を大量にばらまく。だが謙治は表情を変えずにカードを投げて弾幕を相殺させる。


「こ~んなものな~のか?」


「うるせえ!!黙りやがれ!!」


妖怪は弾幕を放つのをやめて、謙治に近付き殴りかかる。


「妖怪様の力をナメるなぁ!!」


「舐めねえよ。汚ねえし臭そうだし。」


謙治は減らず口を叩きながら妖怪の攻撃を避けていく。中々当たらない事に苛立っている妖怪は。


「くそがぁぁ!!」


謙治にタックルをしてくる。だがこの時を謙治は待っていたらしく、咄嗟にポケットからカードを取り出して妖怪に向けてカードを凪ぎ払った。


「そんなもの凪ぎ払って……も?」


妖怪はそう思っていたが、妖怪の腹が切れていた。


「カードの長さじゃ届かないが、これは普通のカードじゃないんでね。」


謙治がカードに力を込めると、カードが光り青色の剣の形になった。


「わかりやすく言えばルーン?だったか?よくわからないが自分の力を込めると変形するカードだ。でも何でだろうな?」


「き、さま!!」


「おっと、生かしておかねえよ。きっちり止めをさしてやるから。」


そう言い謙治は腹を押さえている妖怪に向かって歩きだす。妖怪は苦痛の表情を浮かべながら逃げようとするが。


「1ついい忘れてたな。この青色のカードの剣に切られた奴は少しの間ろくに動けないぞ。」


謙治の言う通り、妖怪はその場から動こうとしても動けなかった。


「くそっ!!いつも通りの力を出せればこんな奴に負けねえのに!!」


「そうだな、確かにお前がいつも通りの力を出していれば俺は勝てなかったな。」


謙治は青色の剣をくるくる回しながら言う。


「俺の能力は知ってるよな?」


「次元を操る能力だろ!?でもそれの能力がどうしたってんだよ!?」


「まあ詳しくはわからねえが、あの紫だったか?というやつと似たような事が出来んのさ。」


「いつそんなことをした!?」


「お前に最初弾幕を放っただろ?その時にお前の中にある次元をちょちょいと弄らせてもらったのさ。」


謙治はそんなのも気付かなかったのか?と言う顔を妖怪に向けてする。


「くそが!!動けっていってんだよ俺の体!!」


「無駄無駄、御愁傷様。」


そう言い謙治は青色の剣で妖怪の首を斬った。その後、カードをばらまいて炎を起こした。


「汚物は消毒だぜぇーーー!!!だったか?復活させられても困るからな。さて、さっさとあいつの所に行くか。って服に引火した!!あちいあちい!!」


謙治は服に引火した火を消しながら次元のスキマに入って磔がいるところに向かった。


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