愛するべき者のために2
「っと着いたわね。皆!!いる!?」
「アリスと快とユリスが見つかんないけど?」
どうも聖人だ、今は黒幕が居るところにワープしてきたんだが、あの3人の姿が見えない。
「それに、咲夜ちゃん達もいないね~。」
「ごめんなさい。まだ完璧じゃないんです……。」
完璧じゃないなら使うなよ。これは霊夢怒るかな?
「ったく、気を付けなさい!」
「うっ、ごめんなさい。」
少し良夢を怒っただけだった。珍しい、てっきりお祓い棒で殴ると思ってたのに。
「そんなにすぐ叩いたりしないわよ!!」
「だから心を読むな!!」
「聖人は分かりやすいですからね。」
「あっ、咲夜さん。」
えっ?いつの間に?オレゼンゼンキガツカナカッタヨ
「気付いてましたよね?お父さん?」
「ぜぜせ全然気付いてなかったよ!」
「噛んでる時点でモロバレですよ。」
ぐぬっ、この癖は直さないとな。そんなことを思ってたら。
「………………。」
アリスとユリスが来たな。って顔が暗いな、何かがあったのか?
「アリス、どうしたんだぜ?」
「快が……、快が。」
「恐らく、自爆したんだろう。」
快の気配が全く感じないからな。あのやろう、無茶しやがって。
「そうよ~、自爆したのよ~。」
「「「「「「!!!!」」」」」
後ろから声が聞こえてきた。けど、この声は聞いたことがあるぞ!?
「はぁい、私が黒幕よ~。」
って紫?おいおい、冗談はよしてくれよ。
「紫、あんたが黒幕なの?」
霊夢の問いかけに紫は扇子で口元を隠しながら。
「そうよ~。私がここを滅茶苦茶にした犯人よ♪」
「嘘です!!紫様はそんなことしません!!」
「そうだぜ!!お前はここの創設者だろ!?」
「本当よ~。というわけであなたたちには消えてもらうわよ!」
ドォーーーン!!!
「何だ!?」
後ろから爆発音が聞こえてきたが、何かが爆発したみたいだな。
「流石にこの人数を相手にするのは面倒だから増援を呼ばせてもらったわ~。」
「お父さんあれ!!」
佳苗の指差した方向を向くと、戦車とか武装した人達がたくさんいた。
「ふふふ、どう対処するのかしら?」
クズ野郎が、俺達がどうするかわかってて言ってやがるな。
「早苗達は紫を倒してくれ。」
「聖人達は!?」
「俺達はあれを止めてくるよ~。」
「霊夢さん達では太刀打ち出来ませんから。」
あれがどういうものなのかを知らない霊夢達が戦ったら負けるのは目に見えている。
「……わかったわよ。でも、終わったら絶対に来るのよ!」
そう言い霊夢達は紫の所に飛んでいった。正直、不安しかねえな。
「早いところ終わらせてあっちを助けようぜ!」
「だね~。紫ちゃんの実力は未知数だからね~。」
「伊達に歳をとってないというわけか。」
おい彰、そんなこと言ったら殺されるぞ?
「んじゃま、行きますかね!!」
三人称視点
聖人達は戦車の大軍の中に突っ込んだ。
「いけーー!!撃ちまくれ!!」
「絢斗、良太、1発でも喰らえばお陀仏だからな!」
「はいは~い。」
「わかりました兄さん!」
「よし!なら想符フレアスパーク!!」
聖人は戦車に向けてスペルを放つ。戦車は聖人の放ったスペルに耐えきれず爆発した。
「ひゅう~!!」
「俺も行くぜ!!」
健二はRPGを何個も作り、発射していく。
「なっ、何だあいつらは!?」
「気にするな!!相手は5人!!数で攻めろ!」
敵も負けじと弾幕を放ち聖人達を撃ち抜こうとする。しかし、その戦車の上に。
「いや~、これ中々にお高い物じゃないですか~。」
絢斗が運転席の窓を見ながら言う。
「いっ、いつの間に!!」
「んじゃ、お疲れ。人符 現世斬!!」
そのまま居合い斬りをし、戦車をまっ二つにした。
「これ欲しい位だね~!」
「そんなこと言ってる場合じゃないですよ!!」
良太は必死に敵の弾幕を避けながら銃で敵を撃ち抜いていく。
「あいつは人間か!?」
敵は次々と戦車とかを薙ぎ倒していく聖人達を見て驚きを隠せないでいた。
「こうなったらあれを出せ!!」
敵がそう言うと戦闘ヘリが何十機と現れた。
「こりゃ本格的だな。」
「それでも薙ぎ倒していくだけだぜ!!」
聖人はそう言い各々の武器を構えたが。
「うぐっ!!」
「良太!!」
いつの間にか良太のみぞおち位に穴が空いていた。
「聖人!!野郎遠くから狙ってきやがる!!」
遠くを見てみれば、数名の敵がスナイパーライフルで聖人達を狙っていた。聖人達が動揺している間に戦闘ヘリが撃ってくる。
「ちっ!!取り合えず撃ち落とすぞ!!」
聖人と絢斗が飛び上がり、ヘリに向かっていく。ヘリは撃ち落とそうと、機関銃を聖人に放つ。
「んなもん効かねえよ!!」
聖人は刀でその弾幕を弾いてヘリをまっ二つにする。同じように絢斗もヘリをまっ二つにしていく。
「こんなもんかね~。」
「絢斗!!ミサイルが来てるぞ!!」
「!!!」
地上から対空ミサイルが絢斗に向かって来ていた。絢斗は避けれず、被弾した。
「絢斗!?」
「く、くそっ……。」
咄嗟に刀である程度防いだらしく、即死ではなかったようだ。だが、飛ぶのはきついのか、ゆっくりと降りていく。
「くそっ!!時間をかけたらこっちが不利になるな。想符 レールショットガン!!」
聖人は自分の周りに大量のコインを上に投げ、雷で電磁砲をヘリに向かって放った。ヘリは機体を貫通したもの、プロペラに当たって墜落したのもがあり、すべてのヘリを撃ち落とした。
「絢斗!!」
聖人は地上に降りて絢斗に向かって走る。
「俺は大丈夫だ、それより良太を!」
絢斗は左腕を押さえながら良太を指差す。良太は地面に倒れていた。
「良太!!しっかりしろ!!」
聖人は良太の体を揺すりながら叫ぶが、良太の反応は無かった。
「……死んでるよもう。大動脈を撃たれたからな。」
「彰……!?」
彰が近くにきてそう言うが、体のあちこちから出血していて、その近くにいる健二も同じ状態だった。
「今だ!!」
敵は動きが止まった聖人達に向けてありったけの弾幕を放つが、それより先に。
「ちぃ!!想符 四重結界!!」
聖人が結界を張り、弾幕を食い止める。
「どうする?このままじゃ皆やられるぞ?」
「確かにな、こっちの敵を倒し終わった後、紫も倒さなければならないってのに。」
「…………。」
彰達が意見を出しあってる中、聖人は黙って考えていた。
「聖人も何か考えがないのか?」
「……あるっちゃある。」
そう言い聖人は彰と絢斗の肩に手をのせる。
「何を!?」
「……前にもこういうのがあった気がするが、もう長くは持たないんだろ?だったらせめて紫に1発お見舞いしてこい!」
そう言い聖人は彰と絢斗が立っているところにスキマを開いて、落とした。
「……そろそろ限界だな。」
「ああ、そうだな。」
残った聖人と健二がそれぞれそう呟く。なぜなら結界にヒビが入ってきているからだ。
「多分、生きては帰れないな。」
「外の世界の時にもあったな。まあ、ちょいと条件は違うが。」
「最後、よろしく頼むぞ。」
「……なぜ俺を残したのかわかったよ。よろしくな。」
そう言い聖人と健二は拳をぶつけ合う。それと同時に結界が壊れて敵が突っ込んでくる。
「「さぁ、派手に暴れようぜ!!」」
聖人は刀を4刀持ち、健二は短剣を両手に持って敵陣に突っ込んだ。
「ねぇ、どうして君は傷だらけなんだい?」
「えっ!?あっ、これは……。」
「ちょっと待ってて、すぐに手当てするから。」
「いや、あの……。」
「ん?どうしたの?」
「君は……、私が怖くないの?」
「???」
「私には神様が見えるんだよ?髪の色が普通の人と違うんだよ?怖くないの?」
「怖くないよ。だって、そんなの関係ないじゃん。っと手当てが終わったよ。それじゃあ、会うことがあったらまた。」
「まっ、待ってください!君の名前は!?」
「僕?僕は泊谷聖人だよ。」
「わっ、私は東風谷早苗です!!」
「うん、東風谷、またね。」
「はぁ、今日はお二方がいないから暇ですね。」
「本当に見えているみたいだね。」
「きゃああああ!!!だだだ誰ですか!?」
「よっ、東風谷、また会ったね。」
「泊谷君!?ど、どうしてここに!?」
「ん?風の噂で聞いてきたよ。それにしても、変な格好をしているね。」
「ここここれはここの神社の巫女の服です!!」
「それなのに、脇が空いてるっでどうなの?」
「そそそこはふふふれないでください!!」
「でも、凄く似合ってるよ。緑色の髪の色と白と青の巫女服がとてもマッチしていて綺麗だよ。」
「ふえっ!?」
「ね、ねえっ?」
「ん?どうしたんだい東風谷?」
「あの、その、ま、聖人君って呼んでもいいかな?」
「いいよ!その代わり、俺も早苗って呼んでもいいかな?」
「はい!もちろんです!!」
「……で、このシーンが凄くかっこよくてですね、もう感激したんですよ!!」
「なぁ、早苗?」
「そして、その後の展開!!もう何回も見直しちゃいましたよ!!」
「早苗、俺の話を……。」
「やっぱりロボットが出てくるアニメって素晴らしいですよね!!」
「話を……。」
「あっ!!後、これも素晴らしいんですよ!このアニメはですね……。」
「頼むから俺の話を聞けーーーーい!!!」
「聖人、今私は幸せです!!」
「そうか、俺も幸せだよ!!」
「エヘヘ、本当に聖人が私と結婚してくれるとは今でも信じきれません!」
「今は信じきれなくてもいいさ、これから信じられるように思い出をいっぱい作っていこうな!!」
「はい!!!」
「ぐすっ、ひっく、うう。」
「どうしたの?」
「パパが、魔法使いにはなっちゃ駄目だって……。」
「ふーん。あっ、こんな人里の道の真ん中で泣いていたら迷惑がかかるよ。」
「うん……。」
「あっ、あのさ、お団子でも食べない?」
「いいの!?」
「いいよ!さあ、行こう!!」
「うん!!」
「うんうん、なるほどね。」
「私は本当に魔法使いになりたいのに、パパが応援してくれなくて、ママは何にも言わないし……。」
「そっか、それは辛いね。でも、自分のやりたいことは意地でもやっておいた方がいいよ!」
「えっ?」
「あれっ?何か変なこと言った?」
「お前は、変なやつとは思わないの?」
「思わないよ、俺も魔法使いになりたいし。」
「プッ!!」
「わ、笑うなよ!!男でも魔法は憧れるんだよ!」
「じゃあ私と同じ夢をもっているんだ!!あっ、私は霧雨魔理沙!!」
「俺は松方健二!!」
「「よろしく!!」」
「えっ!?親に追い出されたって!?」
「そうだぜ……、お前みたいな子供はいらないって。」
「ちょっと殴り込みに行ってくる。」
「健二には関係ない!!私もこれで良かったと思ってるから!」
「どうしてだよ!?」
「ちょっと魔法使いの人に弟子入りしたから。」
「それを早く言ってよ。だったら大丈夫だね!」
「でも、しばらくはここに戻ってこれない……。」
「そっか、でも俺は待ってるよ。魔理沙が立派な魔法使いになってる姿を!!」
「健二より先になってやるぜ!!」
「どうかな?俺も負けないぞ!!」
「じゃ、またな!!」
「またな!!」
「健二、本当に私なんかでいいのか?」
「いいんだよ、俺が魔理沙と結婚したいからこうしてプロポーズしているんだ。」
「でも、私なんかより、もっといい人がいるだろ?」
「俺は魔理沙がいいんだ。」
「けど、私なんかで……。」
「ああもう!!」
「!!!!」
「……これでもまだ信じてくれないか?」
「ずるいぜ……、いきなりキスしてくるなんて。だから私もお返しするんだぜ!」
「えっ?なんの!?」
「んっ……。」
「!!!!」
「さっきは不意打ちされたからな。お返しだぜ!」
「やられた。でも、魔理沙はこうじゃないと!」
「おう!これからよろしく頼むんだぜ!!」
「まず、家を掃除しないとなぁ。きっと散らかってるんだろうなぁ。」
「雰囲気返せ!!!」
「……やっとか。」
「ああ、やっとだ。」
聖人と健二は仰向けになって倒れていた。あの後、敵を倒し終わったが、聖人と健二の体はすでにボロボロだった。あちこちから出血したり、左腕がなくなったり、体に穴が空いたり。
「健二、なんか夢を見なかったか?」
「あぁ、見たな。あれは?」
「わからん、けど、疲れたな。」
「そうだな、ちょっと休むか。」
そう言い聖人と健二は目を閉じ始める。
「休み終わったら、助太刀に行くぞ。」
「あぁ。」
そこで、聖人と健二の目は完全に閉じた。それと同時に……
心臓も止まった。




