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東方外遠記  作者: 颯人
第12章 未来編 ~Future fantasy~
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番外編5-2

「なっ!何だこいつらは!?」


「これは幻だ!!これはありえぎゃあああ!!!」


あちらこちらで悲鳴や叫び声が聞こえてくる。そりゃそうだよね、普通の人間が弾幕を出せるわけないし。


「あーもー!!弱いくせに数が多い!!」


「霊夢さん愚痴ってる場合じゃないですよ!」


「ほらほら~、避けないと当たっちゃうよ~!!」


「絢斗さん、真面目にやってくださいよ。」


霊夢さん達は日頃のストレスを発散するかのように弾幕をばらまいてますね。


「さて、続きを始めますか!」


僕は右手に気力を集中させて兄さんに殴りかかる。でも兄さんは軽々と止める。


「だーかーらー、そんな攻撃効かないって。」


「確かにそうです。僕の力では兄さんなんかに敵うわけないです。」


あくまでもこの外の世界の常識で言ったらね。


「けど!何も考えなしに突っ込んだわけじゃないんですよ!火符 エクスプロード!!」


僕は右手に溜めた気力の弾幕をを兄さんに向かって放ち、爆発させる。


「おぶっ!!」


兄さんは爆風で吹き飛ばされたようだった。


「や、やるじゃん。その力は一体なんだ?」


「教えませんよ!!」


教えたってわかるわけないですし。


「けど、もう使いませんよ。」


「ほう、どうしてだ?うん。」


「兄さんとは、正々堂々と拳で勝負したいんですよ」


「だが、さっきの戦いでもう思い知っただろ?」


「快、何か秘策でもあるのかしら?」


アリスさんは新たに出した人形を使って敵を薙ぎ倒していった。


「ってか人形の数が多くないですか!?」


普段のアリスさんは最大で20体が限界だったのに。


「このモードになってから凄く調子がいいのよ。」


50体に増えてました。しかもそれを軽々と操るアリスさん。まだまだ増えそうだ。


「話がそれたわね、秘策は?」


「ありますけど……。」


出来れば使いたくないなぁ。特にアリスさんの前では使いたくないです。


「何かあるのかしら?」


「はい……、でもやるしかないですね!」


さて、初のお披露目だ。僕は来ているパーカーを脱ぎ捨てる。


「ん?何をする気だ?うん。」


「いきますよ!気符 セカンドリミッツ!!」


僕はスペルを発動させて集中する。


「はああああ……。」


「か、快?」


よし、最大まで溜まった。あとは解き放つだけ!


「はああああああぁぁぁ!!!」


「「……えっ?」」


兄さんとアリスさんが同時に変な声を出しましたね。


「快、お前ムッキムキになったな!!うん!!」


「えっ、あっ、かっ……。」


このスペルは簡単に言うと、筋肉がムッキムキになるスペル。簡単に言えばどこかの神拳を使う主人公になれるってこと。


「ふうー、うまくいった。」


「か、快!!どういうことなの!?」


「詳しくは話せません。」


まあ、どうでもいい内容だからね。


「快、ここまでやるとはな。お兄さんは嬉しいぞ!」


「兄さん、次の一撃で決めませんか?」


「ほぅ、いいだろう。俺の最大の技をお前に放ってやる!!もし防げたらお前の勝ちだ!」


そう言い兄さんは気力を溜め始める。そして、気力が溜まったところで兄さんは両手を前に出し。


「くらいやがれ!!」


僕に特大のビームを放ってきた。


「ってこれは魔理沙さんのマスタースパークと同じじゃないですか!!」


「これが俺の編み出した技だ!!うん!!」


そのビームはここの空間くらいの大きさだった。


「(避けるのは簡単だけど、僕が避けたら皆に当たってしまう。なら!!)」


「兄さん!!覚悟してください!!気符 爆裂拳!」


僕は思いっきりビームに殴り付ける。そこから。


「ア~タタタタタタタ!!!」


高速のパンチでビームの勢いを弱くする。同じビームで相殺しても爆発で皆に迷惑がかかる。


「アタタタタタタタ!!!」


「何!?」


どうやらビームを止めることは出来たつもりだ。


「す、すごい……。」


「快ならあれくらいやるよな。」


「って聖人!!呑気に快君を見ている場合じゃないですよ!!」


「アタタタタタタタタタタタタタタ!!」


「ぐうううう!!負けるかよ!!」


兄さんはさらにビームを大きくした。けど、この状態になったらそんなくらい大したことはない!


「アタタタタタ!!ホワチャア!!」


最後に思いっきり殴り付けてビームを跳ね返す。兄さん、ごめんなさい。


「アギャーーー!!!」


兄さんはビームに飲み込まれていった。ビームは壁に激突して爆発した。


「…………。」


いい人だったのに。僕に戦い方を教えてくれて面倒も凄く見てもらったのに。


「兄さん、さよなら。」


「って勝手に殺すなっちゅ~の!!」


「うわあ!!」


あれ?兄さんはビームに飲み込まれていったはず?


「あれくらいじゃ死なないね。うん。」


「ということは、まだやるんですか?」


僕は兄さんに訊ねる。これ以上傷付けたくない。


「そうだな、俺はこれから……。」


そう言い兄さんは気力で作った弾をまだ残ってる敵に向かって打ち出した。えっ?


「に、兄さん?」


「今の見てわからないか?俺は快の味方になる!うん。」


「渡!!貴様裏切る気か!?」


「おう!裏切るね。快の力を見るためにそっちの方に付いただけだ、うん。」


そう言い兄さんは僕の方を見てニカッて笑う。そこまで考えてたなんて。


「ちぃ!!やっちまえ!!」


敵の大将らしき人物はそう言うが。


「すんません、嫌です。」


白さんが大将の後ろで頭をかきながらそう言った。ってことは全滅したのかな?


「部下達なら全員やっつけたよ~。」


「き、貴様ら!!!」


周りを見れば敵は倒れていた。あんだけ人数いたのに、もう全滅したんだ。


「ちぃ、男達はやるようだが、せめて女達は道連れにさせてもらうぞ!!」


そう言い敵の大将は永琳さんに突っ込んでいく。


「まずお前からだ!!弓矢を扱うとなれば近接に弱いからな!!」


確かにその通りだ!!いくら永琳さんとはいえ、近距離は不味い!


「彰さん!!」


「んあ?」


「……なにしてるんですか?」


彰さんは眠たそうな目で煎餅をボリボリと食べていた。


「この煎餅をうめえぞ。食うか?」


「いやいや!!永琳さんの心配は!?」


「慌てんなよ、えーりんの心配なんかいらねえよ。」


「けど!!近距離戦は分が悪いじゃないですか!」


「それもじきにわかる。」


……彰さんは何かを知ってるみたいですね。


「もらったぞ!!」


敵の大将は永琳さんの懐に潜り込んでボディーブローを放った。しかし永琳さんは。


「ふふっ、残念だったわね。」


当たるギリギリで避けて敵の大将の顔面を殴った。


「ええっ!!?」


永琳さんって近距離戦強かったっけ?


「えーりんはな、元軍人なんだよ。」


「はああぁぁぁ!!?」


永琳さんが軍人!?全然そんな風に見えないよ!


「といっても何億年も前だけどな。」


うわぁ、スケールが違いすぎる。


「ほら、お前らが月に行ったときに刀と扇子を持った二人組がいただろ?」


「いましたね。」


あの二人は次元が違い過ぎました。1発も当てることが出来なかったからなぁ。


「あの二人組に戦い方を教えたのがえーりんなんだよ。わかったか?」


「……恐れ入りました。」


めっちゃ強いじゃん!!永琳さんがそんなに強かったなんて!!


「く、そ、何故だ?」


「弓矢を扱う人が必ず近距離戦に弱いとは限らないのよ。」


「くそがあぁ!!」


「はい、そこまで。」


永琳さんは敵の顔面をもう1度殴り付け、さらに地面にめり込ませる。


「がっ……。」


敵の大将は気絶したようだ。永琳さん、恐ろしい。


「終わったみたいね。」


紫さんがスキマから出てきた。あれ便利そうだよなぁ。


「はい、終わりました。」


「長は逃げたけどね、うん。」


「あなたはこれからどうするのかしら?」


紫さんの質問に兄さんは頭を抑えながら。


「しばらくは後処理をしてるさ。紫さんとやら?」


「何かしら?」


「後処理がいつ終わるのか知らんが、後処理が終わったら俺もそっちにいくわ。うん。」


えっ?ドユコト?


「幻想郷は知ってたのさ。」


そう言い兄さんは元の状態に戻ったアリスさんのところに行き。


「弟をよろしく頼む。」


「えっ、ええ……。」


「まあ、あれだ、存分に弄って構わないからな。兄さんは二人が幸せになることを祈ってるぞ!」


そう言い兄さんはどっかに行ってしまった。


「……さて、私達も帰りましょう。」


「快、1つ聞きたいんだけど?」


「何ですかアリスさん?」


「……いつまでその格好なのかしら?」


その格好、あっ。


「スペル解除するの忘れてた。」


「そのままでもいいのよ。(ボソッ)」


ん?アリスさんは顔を赤らめて何か言いましたね?まあいいや。


「とりあえず解除っと。」


解除してから服を着る。いや、寒かった。


「かっこよかったのに……。」


「かっこよかったんですか?」


アリスさんにそう聞くと、顔が一気に赤くなって。


「もう知らない!!!」


そう言ってスキマの中に入って行っちゃいました。未だにアリスさんの考えがあまり読めません。


「じゃあ、皆行くわよ。」


まあ、時間が立てばわかるようになるよね!


「もう1年以上一緒にいるんだからわかるようになりましょうよ。」


うぐっ、良太は痛い所つきますね……。
















「ねえ、紫?」


「何かしら霊夢?」


「……いや、何でもないわ。」


そう言い霊夢はスキマの中に入っていく。


「(今まで考えてなかったけど、やっぱり何か引っ掛かるのよね。)」


霊夢はスキマの中で一人考え込んでいた。


「(今まで見てきた外来人はあそこまで強くない。そりゃ強い人もいたけど、幻想郷に来てすぐに本気を出してない私と互角に戦えるのはあり得ないはず。)」


霊夢はこれまでの事を思い出す。


「(まるで、前に来たことがあるかのようだった。じゃないとここに来た外来人は泣き叫んだり、罵声を言うはずよ。なのに、良太達はなかった。)」


「霊夢?」


「(紫の奴、また何か隠してるわね。まあ、いつもの事だろうけど。)」


「霊夢!?」


「えっ!?あっ、魔理沙。」


「どうしたんだよ?なんか考え込んでいたけど。」


「何でもないわよ。」



















磔side


「ふぅー、終わったな。」


どうやら皆スキマに入ったな。やれやれ、やっとこの仮面とおさらばだ!


「お疲れ様ね。」


「まあ、ほとんど何もしてないがな。」


俺は敵を蹴りとばしたり、投げ飛ばしたりしてたからな。


「さて、紫、1つ聞きたい。」


「何かしら?」


「……俺らは、昔ここにいたのか?」


「……ええ、いたわよ。」


やっぱりな。これで納得がいった。


「前々から疑問に思ってたが、やっと解決したな。俺らは“元々は幻想郷“に住んでいたんだよな?」


「その通りよ。」


紫は扇子を口元に当てながら言う。


「元々あなた達、聖人、絢斗、良太、快、健二、彰は幻想郷に住んでいたのよ。」


「けど、外の世界に追い出したと。」


「ええ、あなた達の力が年をとるごとに強くなっていったからよ。あなた達が十歳になった時に前の前の巫女が外の世界に追い出したのよ。」


前の前ってことは霊香の前ってことか。


「でも、その状態で外の世界に追い出しても騒ぎになるから、あなた達の体を零歳児の状態にしたのよ。」


「そして、拾われたと。」


良太は母さんが生んだと思っていたけど、本当は俺と同じ拾われたんだな。


「霊夢は薄々勘付き始めてるわね。」


「そうだな、このことはあいつらに言うなよ?」


「ええ、わかってるわよ。そして磔、あなたはイレギュラーな存在、わかってるわね?」


「ああ、俺はイレギュラーだ。友達も恋人も全て失った人間だ。本当はここに居てはいけない。」


同じ人間が二人いるのはまずいからな。


「これからあなたはどんどん不幸な目に合っていくわ。それでも、幻想郷に居るというのね?」


「ああ、もう決めたからな。」


あの世界が好きだからな。自然と共存する世界。それを見れるだけで十分だ。


「じゃ、帰りましょう。」


「そうだな。」


不幸な目に合う?既に人生の中で一番最悪な思いをしたやつに掛ける言葉かよ。

俺は、あの閻魔にけりをつけるまで帰るわけにはいかないんだよ。

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