葉っぱと半人半獣
UA1万人突破しました!まさかこの作品がこんなに多くの人に見られるとは思いませんでした。
磔「正直とてもびっくりしてます。」
PVももうすぐ10万人突破しますし、嬉しい限りです本当に!
磔「こんだけ多くの人に見てもらってるんだからこれからもちゃんとしろよ。」
もちのろんです。
磔「ところで自然癒編はどれくらい続くんだ?」
まだまだ続きます。実際にプレイしましたけど、予想以上にストーリーや、システムなどが凝っていて驚きました。まあやっている途中、感動してがちで泣きましたけどね。
磔「まあ、頑張れ。」
これからもよろしくお願いいたします。
人の消える道
「ねえ葉?」
「はい、なんでしょうか?」
「あんたは自分の血のことは知ってたの?」
「血のことって……?」
相変わらず頭にお花畑が咲いている葉であった。
「薬みたいな効果があるってこと。」
魔理沙が分かりやすく説明する。葉も魔理沙の説明でわかったらしく。
「それならもちろん知ってました。お賽銭のお金もこの血で稼ぎましたから。」
「血で稼いだ?売ったってこと?」
「いえ、苦しんでる妖怪さんや病気になっている妖怪さんに血を分け与えたらそのお礼にって。」
「はー、隔てないってやつね。」
霊夢は感心と呆れ半分の表情で言う。
「まるで霊夢みたいだぜ。」
「はぁ?妖怪は私の敵よ。」
霊夢は魔理沙に疑問の眼差しを向ける。
「えっ、じゃあ私も!?どど、どうすれば……ふぎゃ!!」
葉はおろおろしながら言うのを、霊夢はお祓い棒で葉の頭を叩いて黙らせる。
「別に問題を起こさなければ妖怪だろうと人間だろうと関係ないしね。」
「なんか、ドライですね。」
「そうだと思うだろ?実はその対象に含まれない奴がいるんだよ。」
魔理沙は霊夢に聞こえないくらいの声で葉の耳元で言う。
「え、誰なんですか?」
「それは霊夢の恋人の良太っていう奴だぜ!」
「ほ、本当なんですか?」
「本当だぜ、あんなドライな霊夢でも良太と二人っきりになれば想像できないような……。」
魔理沙がそこまでいいかけた時。
「魔~理~沙~?」
「な、なんだうぎゃあ!!」
霊夢は鬼のような形相で魔理沙の頭を殴った。
「聞こえてるのよ?葉に変なことを吹き込んで、覚悟はいいわね?」
「れ、霊夢、一旦落ち着こうぜ?」
魔理沙は笑顔で霊夢の怒りを納めようとしたが。
「問答無用!!」
「うぎゃあぁぁぁ!!!!」
霊夢は大量の封魔針を取り出して、魔理沙の全身にくまなく投げつけた。
「魔理沙さんがひまわりみたいになってます!」
「変なことを言うからよ全く。葉、何を聞いたのか正直に言いなさい、でなければ魔理沙とおんなじことをするわよ?」
「えっ?ほ、本当に?」
「本当よ。」
「え、えっと、霊夢さんはドライだけど良太さんっていう人と一緒にいる時は違うって聞きました。」
葉は体を震わしながら言った。
「はぁ、今すぐ忘れなさい。」
「え、どうしてですか?」
「い・い・か・ら・わ・す・れ・な・さ・い!」
「あ、ハイ。」
「まあでも、それが居心地が良くて気に入ってる妖怪が多いんだけどな、レミリアとか、いてて。」
魔理沙は封魔針の針を抜きながら言う。
「復活早すぎ、あんた人間?」
「おあいにくさま、普通の人間だぜ!」
「……これ以上時間を取るわけにはいかないわ。さっさと行くわよ。」
霊夢が先に進もうとした時。
「ちょっと待ってくれるかしら?」
突然、咲夜の声がした途端、葉の前に咲夜が現れた
「ん、どったの?何か忘れ物でもしたかしら?」
「(突然現れたことについては触れないんですね)」
葉は一人、そう思っていた。
「いいえ、お嬢様の命令でしばらく霊夢達と同行することになったわ。」
「なったわって、拒否権って言葉を習わなかったのか?」
魔理沙はまだ体に刺さっている封魔の針を抜きながら答える。
「……今の魔理沙の姿でそう言われてもね。拒否してくれるなら紅魔館に戻れるのだからありがたいのだけれど。」
「喜ばれるのは癪だから連行するわ。」
「(連行って……、癪って……。)」
葉はまた一人で言葉の意味を考えていた。
「そう……とても残念ね。」
「てか、お前が来ても大丈夫なのか?紅魔館は?」
魔理沙はやっと抜き終わった封魔の針を霊夢に返しながら聞く。
「私もそう進言したけど、お嬢様の思うところがあったみたいでね。」
「たまにあいつの考えてることってよくわからないのよねぇ。」
霊夢は溜め息をつきながら言う。
「幻想郷の奴らは大抵、腹に何か抱えてるぜ」
「(ま、ここに約1名何も抱えてなさそうな人がいるけどね。)」
霊夢は葉をちらっと見ながらそう考える。
「メイドさん、いつかはありがとうございました!!」
「えぇ。葉、でいいのかしら?」
「はいそうです!!」
「これからよろしくね。」
「はい!メイドさんは時を操れるんですよね?じゃあ聞きたいことがあるんですけど!」
葉は子供のような笑顔で咲夜に聞く。
「何かしら?」
「今、おいくつなんですか?」
「10代よ。」
咲夜はしれっとした表情で断言する。
「あ、いえ、時を操ってなかったら一体どのくらいの年齢に……。」
「10代よ。」
咲夜は黒い笑顔でそう言う。
「ってことは、本当にお若いんですね。」
「10代よ。」
どうしても10代を貫きたいようらしい。
「葉は疑ってないだろ。」
「私も疑ってないわよ。ただ、信じてないだけ」
「この子は素直でいい子ね。」
「でも、そこに付け入る輩が多そうだけどな。」
「私は真実を述べたまで。」
魔理沙はなんとも言えない表情をした後、話題を変えるかのように。
「んじゃ、無駄話してる時間ももったいないから先に行こうぜ。」
「あ、そうだ。」
霊夢は先に行こうとする魔理沙を引き留める。
「どした?」
「ちょっと寺子屋に寄るわよ。」
「お前も決定かよ。少しは人の話を聞こうとは思わないのか?」
「(魔理沙もね。)」
咲夜は心の中でそうツッコミを入れた。
「何言ってるの?もしかしたら、また慧音が人里を隠してるかもしれないでしょ。」
「……確かに可能性はあるけど。」
「慧音って……誰ですか?」
葉は霊夢に聞く。
「歴史満漢全席、私は点心。」
「はい?」
「先生だよ、寺子屋の先生。」
魔理沙が素早くフォローする。
「はぁ、先生が人里を隠したりできるんでしょうか?」
「出来るのよ、前も妖怪から人里を守ろうと隠してたしね。」
「(すごく大きな黒い布で人里を覆ったりとか?)」
葉はとてもぶっ飛んだ方法で人里を守っているのかなぁと考えていた。
「葉、お前が想像してるのは絶対違う。」
「あうっ……。」
葉は少しショックを受けた。
「ま、何もなくても、慧音なら意外と情報もってそうだしね。」
「じゃ、早速行こうぜ。」
しばらく進んでいると。
「なんでしょうこれ?」
葉は地面に設置してあったタイルを踏んだ。
「何でいかにも踏んでくださいといわんばかりに置いてあるんだぜ?」
「踏んだら呪われたりしてね。」
「でもそんな危険なものあるわけないわ。」
「いやいや、意外とあるかも……。」
「私が踏んでからそういうことを言わないでくださいよ!!」
「あ、ごめん。」
「絶妙わざとだ~。」
葉が落ち込んだ時。タイルから何かの数字が浮かび上がってきた。
「おっ、なんか香森堂に持っていきたくなるな。ってか持っていきたい。」
「数字ねぇ、葉、任せた。」
「私に振られてもわかりませんよ!!」
「わからないなら適当に入れるだけだぜ!」
「うう~。」
葉は適当に数字を入れた。入れ終わった直後。
バリィィン!!
近くにあったクリスタルが砕け散った。
「あー、せっかくのお邪魔クリスタルが消えちまった……。」
「まさか適当に入れた数字が当たるとは思わなかったわね。」
「ってか魔理沙、クリスタルを持って帰ってどうするのよ。」
「博麗神社の賽銭箱の前に置くとか、センスを感じるだろ?」
「殺意を感じていただけるかしら魔法使い様?」
霊夢はまた大量の封魔の針を手に持つ。
「そりゃもうビンビン伝わってきて降りますわ巫女様。」
「……葉、あなたよくこの二人とやってきてこれたわね。」
咲夜は疲れたような目で葉の方を見ながら言う。
「お二人とても仲良しさんだから一緒にいて楽しいですよ!」
「あなたがうまくやれてる理由がわかった気がするわ。」
「???」
「それより霊夢、早く先に進むわよ。」
「わーってるわよ。」
クリスタルがあったところの先に進むと、一瞬周りが白くなった。
「おっと。」
「……飛ばされたようね。」
「へ?」
辺りを見てみれば若干さっきのところと違う雰囲気を魔理沙達は感じたらしい。
「さしずめ、“道の歴史を少し食った“ってところかな?」
「慧音も警戒してるってことは……。」
「こっちの方でも異変が起こってるってことか。」
魔理沙達が平気そうに話しているが、葉は頭を押さえてふらふらしていた。
「あ、頭がクラクラします。それに皆さんも気持ち悪いって。」
「私もちょっとね。慧音がこまめに弄ってるからか、このあたりは随分不安定になってるし。」
「しょっちゅう弄って、妖怪に行動を起こさせないようにしてるのね。」
「妖怪除けには効果的だが……。」
「私に……とっては、辛いです。」
葉は必死に言葉を繋いで言う。
「ま、そーいう人でしょ。文句を言うにしても、まず会いにいかないとね。」
「うぅ、きぼちわるい……。」
「葉の様子が辛そうだから早く移動するわよ。」
「もう、邪魔よ!!」
咲夜はこっちに近付いてくる妖怪に片っ端からナイフを投げ込んで撃退させていった。
「さぐやざんはおづよいんでずね……。」
「まあ、あの吸血鬼に仕えてるんだからそりゃ強くはないとな。」
「でも、これくらいやってくれないとね。」
霊夢も魔理沙も妖怪に御札やレーザーを放って撃退していく。
「ふう、やっといつも通りの一本道になったわね」
「ここを抜ければ人里だ。まだ平気か?」
魔理沙は葉の背中をさすりながら聞く。
「へ、へい……。だ、大丈夫でごわす……。」
葉の顔は青くなっている。どう見ても大丈夫じゃないようだ。
「相当まずいみたいね。」
「まあ力の強い妖怪じゃないから仕方ないんだけどね。」
「うぅ、く、くやじいでず~。」
「ならちゃっちゃと行こうぜ。霊夢も気持ち悪いんだろ?」
「居心地は最低ね。まるで参拝客が一人も来なかった時みたい。」
「ってことは、大したことないようね。」
霊夢は咲夜にそう言われてムカついたのか。
「紅魔館で言うと、1週間まるで掃除してないくらい。」
「相当まずいわね。」
皮肉に言ったつもりが逆に納得されたようだ。
「耐性ないやつは大変だな。」
「あんたが鈍感過ぎるのよ。ま、早く人里に行きましょう。」
そう言い進むと、また道を通せんぼしている妖怪がいた。
「あの~、どいでぐれげぽげぼ……。」
「引っ込んでなさい。」
「交渉してる時間もなさそうだぜ。向こうは興奮してやがるぜ。」
「交渉してる時間“も“ってことは、他に何かないものもあるの?」
「交渉する気もないってこと。」
「負ける気もないぜ!」
魔理沙はどや顔で言う。
「ちょっと、かっこいいこと言ったら私の立場がないでしょ。」
「お似合いだって。」
「何が?」
「悪役。」
「主役の間違いでしょうが。」
霊夢は魔理沙に小突きながら言う。
「まあまあ、霊夢、アリスが言ってた。寝言は寝てからってな。」
「そんなのいいからさっさと始めるわよ。そこの葉っぱがリバース寸前よ。」
「ぐぶ……おぶ……うぶぶ……。」
寸前というより、もう出ていた。けど葉はそれを霊夢達にばれないようにしている。
「マジだ、急ぐぜ!っいうか今、さりげなく葉っぱって言ったな。」
「こっちに向けて吐かないでね。」
「いいから構える!」
「はいはいっと。」
妖怪が霊夢に向けて突進してくるのを、咲夜はナイフを投げて軌道をそらす。
「面倒ね。」
「ちゃっちゃと終わらそうぜ。」
そう言いながらも御札とレーザーを放つ。しかし妖怪も負けじと炎の弾丸を放ってくる。
「うわっちち!!」
「あーあ、服が焦げちゃうじゃない!!」
「無駄口叩いてる暇があったら手を動かす!奇術 ミスディレクション!!」
咲夜は時間を止めて妖怪を切り刻む。だが妖怪は咲夜の攻撃が終わった直後を狙って炎の弾丸を放った
「ッ!!!」
咲夜は避ける暇がなかったので、腕でガードした。
「咲夜、大丈夫かしら?」
「ちょっと火傷を負ったくらいよ。」
咲夜の腕は真っ赤になっていた。それを見た葉はスペルカードを取り出して。
「葉符 深緑のぬくもり!!」
葉がスペルカードを使うと、咲夜の頭上に太陽光が現れて、怪我を治していく。
「これで、大丈夫でずよね?」
「ありがとう葉。霊夢、魔理沙、一気に決めるわよ!!」
「はいはい、夢符 封魔陣!!」
「言われなくても、恋符 ノンディレクショナルレーザー!!」
「奇術 ミスディレクション!!」
3人は一気にスペルカードを使い、妖怪を攻撃した。猛攻に耐えられず、体制を崩したが消滅はしなかった。
「ったくしぶといわね。」
「大人しく引いといた方がいいぜー。この巫女様は容赦しないから。」
「(魔理沙が言えることかしら?)」
だがそれでも妖怪は引かなかった。
「しゃあない。もう少し痛い目を……。」
「待ってください!!」
葉は霊夢を突き飛ばして妖怪の前に出る。
「あ?っとっと?」
葉は妖怪をまじまじと見つめながら。
「すいません咲夜さん。ちょっとナイフを貸してくれませんか?」
「いいけど……。」
「魔理沙さん、何か入れ物あります?」
「ん?瓶ならあるけどなにすんだ?」
葉は瓶を地面に置き、左腕の服の袖を捲ってナイフを構える。
「うぅ、怖い~。」
「ちょっと!何を!?」
霊夢が止めようとする前に葉は思いっきり自分の左腕を切った。
ザシュッ!!
「おいおい腕を切るなんて……。」
「ぎゃあぁぁ!!!思ってたより痛い!!初めてではないけど痛い~!!!」
葉は地面をゴロゴロ転がって悶絶していた。それを見た咲夜は葉の腕から流れ出ている血を瓶の中に手早く入れる。
「もしかしてあんた!あの妖怪に自分の血を分け与えようとする気!?」
「おいおい、そんな血の出しかたすれば痛いのは当然だぜ。」
「だ、だって、皆さんがあの妖怪は守ってるって」
霊夢は少し考えて。
「みなさ……ああ、植物。んで妖怪が何を守ってるって?」
「苦しんでる妖怪が人里に行かないようにしているって。行ったら退治されちゃうからって。」
葉は傷口を押さえながら言う。
「だけど、レミリアさんみたいに錯乱しちゃって、もう人間と妖怪の区別もつかなくなっちゃったみたいです。」
「…………。」
「いてて、咲夜さん。ナイフありがとうございました。」
「ついでに瓶に血を入れておいたわよ。入れれるだけね。」
葉は咲夜から血が入った瓶を受けとる。
「ふ、ふぅ~。よっと……。はい、ちょっと舐めてみてください。気分が良くなりますよ。」
葉は妖怪に自分の血を舐めさせる。すると妖怪は気分が良くなったらしく、葉にお礼を言った。
「じゃあ、余ってる血も苦しんでる妖怪さん方に分けてあげてくださいね。」
妖怪は血の入った瓶を受け取り、もう一度葉にお礼を言って去っていった。
「はい、またです~。」
葉は妖怪を見送った後。
「お待たせしてすみません。じゃあ早速人里に行きましょう。」
「葉、1つだけ聞きたいんだけど。」
「な、なんでしょうか?」
「もし、ここに狂った妖怪が腐るほどいたら、それでもあんたは血を分けてあげるの?」
「出来ればそうしたいんですけど。」
「…………。」
霊夢は少し黙り込んだ後。
「いつか、取り返しの付かないことになるわよ?」
「えっ?」
「目の前の物だけ守りたいっつーのは結構危ないっていう話。」
「私も嫌いじゃないけど、若いなって感じたぜ」
「ま、あんたがそれでいいならいいけど、損な性格してるわねって話よ。まるでどこかの誰かさんみたいにね。」
「……はい。」
葉は少し落ち込んだ。その様子を見て霊夢は。
「ドライな人だと思った?」
「まさか、優しい人だなぁって。」
霊夢は予想とは違う答えが返ってきた来たので、苦い顔をしながら。
「あんたの頭にはさぞ立派なお花畑が咲いているんでしょうね。」
「お花なんか咲いてませんよ?」
「自覚ないのね。」
「ところで葉、お前もう気分はいいのか?」
魔理沙は辛気くさい話を変えようと葉に違う話題を振る。
「あぁ、さっきそこでスッキリしたところです」
「何普通に戻してるんだ!汚えな!!」
「ちゃんと隅っこで戻したんでしょうね?」
霊夢の問いかけに葉は黙ったままだった。
「……ねぇ。」
「…………。」
「あんたの足元にある、妙に草木の香りがする液ってもしかして?」
葉は苦笑いをし。
「謝ったら、許してくれます?」
「許さん!!」
「樹液みたいなものですから!!」
「こっちに向けるなって言ったでしょうが!」
霊夢はスペルカードを持ち。
「霊符 夢想封印!!」
「いやぁぁぁーーー、許してーーー!!!」
「ふ、フランさんのより痛かった……。」
「ご愁傷さまだ。」
葉は大量の弾幕を浴びたが、すぐに立ち上がった
「(でもタフよね、葉って。)」
「ほら、さっさと人里に行くわよ。」
「葉のお陰でなんとかここの妖怪もおさまりそうだしな。」
人里
「着いたわね。」
「へぇ~ここが人里ですか。」
「とっとと寺子屋にいくわよ。」
寺子屋
「入るわよ。」
そう言い葉達は寺子屋の中に入る。教卓の所に慧音がいたので霊夢と魔理沙は机を飛び越しながら慧音のところに行く。葉と咲夜は机を避けながら行く。
「……こんなことを挨拶前にいうのは大変嘆がわしいと思うのだが、言っていいか?」
「挨拶は大事よ、まあいいけど。」
「頭突くぞ貴様ら!」
慧音は霊夢に頭突きをしたが、霊夢は来るのをわかってたらしく、首を横に振って避ける。
「来ていきなり敵意むき出しか。まさか慧音まで異変で狂ってるとは思わなかったぜ。」
「(絶対違うと思う。)」
「大事な生徒の机を飛び越えておいてよく言う」
「なんだ、寺子屋では体育は教えないのか?机は飛び越えるものだぜ!」
魔理沙は机にピョンとジャンプして座る。
「知らなかった……。」
「今作ったからな!」
「魔理沙、余計なことを教えないの。」
「……ん?新顔がいるようだが。」
慧音は葉を見ながら言う。
「あ、瀬笈 葉っていいます!」
「この二人には似合わない礼儀正しい子だな。私は上白沢 慧音。ここの寺子屋の教師をやっている。」
慧音は葉と握手しながら自己紹介をする。
「あなたが……慧音さん……。」
「どうした?何か気に障るような事を言ったか?」
「あ、いえ、想像してたのと随分違ったので。」
「どんな人を想像してたの?」
咲夜は懐中時計を見ながら葉に聞く。
「えっ、あ、いえ……。」
葉は言いづらいのか躊躇っていた。
「私も気になるな、教えてくれないか?」
「え、えっとですね……。」
葉はどこからか見つけた紙と羽ペンを取り出して紙に書く。
「まず、紙の左にいるのが慧音さんです。」
「人とは思えないほど絵下手ね。」
霊夢がげんなりしながら言った。葉が書いたのは棒人間の頭の空白の部分に慧と書かれた紙だった。
「て、これが人里だとします。」
葉は真ん中に四角形を書いて、その中心にひとさとって書いた。
「ふむふむ……。」
慧音はじっくりと葉の書いた絵を見つめていた。
「それで、慧音さんがひとさとを隠せるような大きい黒色の布を持ってきます。」
「……はっ?」
「そしてその布を慧音さんは人里にふぁさっと被せます。」
「おいちょっと待て……。」
魔理沙は疑問に思ったことを葉に聞こうとしたが、葉は続けて絵を書く。
「そうすると人里は外にいる人達から見えなくなります。そんな風にして妖怪から人里を守ってる人だと思いました。」
「……えっと、う、うちに通うか?」
慧音は何も言えないような顔になっていた。
「え?」
「だ、大丈夫だ。うちにはいつも試験が9点の生徒もいるし……。お、追い付けないってことは絶対にないから安心しろ。」
慧音は笑顔で言ったが、顔がひきつっていた。
「顔がひきつってるわよ?」
「その……、なんだ、大きくなくてすまない。」
「え、なんですかこの空気?」
葉は自分のやった事を自覚してないようだ。
「まさかお前がそういうタイプだとは思わなかったぜ。」
魔理沙は若干引きぎみに言う。咲夜も同じような顔をして。
「すごく残念ね……、色々な意味で。」
「だ、だって、人里を隠したって……。」
「どうして物理的に隠せると思うかなお前は。」
「え?」
「こいつは、里の歴史を食って“なかったことにした“の。まあ紫には意味なかったけど。」
霊夢は慧音を指差しながら説明する。
「は、はぁ……。」
葉は少しも理解出来ていなかった。
「そーだ、そこの歴史グルメ。ここに来るまでの道も結構食ったろ?」
「ああ、最近妖怪も不安定でな。これ以上被害が出ないようにしている。」
「これ以上?」
霊夢は慧音の言いぐさに違和感を感じたようだ。
「……実は少し前に人里を襲われてな。どこからか来た旅人によってなんとかなったが。」
「ふぅん、それならあそこまでする理由も納得できるわ。」
「その旅人ってどんな人だったのかしら?」
「白髪で腰に木刀と刀を差している人だ。」
「(……お兄ちゃんだ。)」
葉は皆にばれないようにほっとした顔をする。
「あ、その道中で植物が気持ち悪がってるからやめてほしいって葉が言ってたわ。」
「植物達が?葉はそういう能力を持っているのか」
「植物と会話出来るってさ。」
「そうか、だがしかし、もう少し我慢してもらいたいのだが……。」
慧音は申し訳なさそうに言う。
「それなら心配ないわよ。妖怪達に葉の血をあげたら大人しくなるから。」
「彼女の血?それはどんな効果があるのだ?」
「狂った妖怪を治したり、傷などを治したりする効果だぜ!レミリアのお墨付きだ。」
慧音はしばらく黙り混んで。
「そんな効果が……、興味深い。なら妖怪達が落ち着いたら警戒を解くことにしよう。」
「……すっきりしない言い方ね。他にも警戒している事があるのかしら?」
「ああ、迷いの竹林も最近おかしくてな。そういえばお前たちはどうして人里に?」
「永遠亭に行く途中だぜ!」
「そうか……、だが今はやめておいた方がいい。どうも様子がおかしすぎる。」
「永遠亭の人達も異変でやられてしまったのかしら?」
咲夜は腕を組ながら言う。
「おかしくなっていてもいなくても、結局行くしかないんだけどね。」
「まあそうだけどさー。」
「お前たちだから無理に止めはしないが、その子はきついんじゃないか?」
慧音は葉の方を見て言う。
「へ?わ、私?」
葉は周りをキョロキョロ見渡して言う。
「葉しかいないだろ。」
「そうね、また吐かれても困るし。」
「…………。」
どうやらあの事をまだ根にもっているらしい。
「しょーがない。私が先に様子を見に行ってくるわよ。」
そう言い霊夢は寺子屋の玄関に向かう。
「一人じゃ危険だぜ。私も付いていこうか?」
「いいわよ別に、ちょっと様子を見に行ってくるだけだから。葉も疲れているだろうし、3人で少し休んどけば?」
「霊夢こそ、気分が良くないっていったはずよ?」
「人里に来たらスッキリしたわよ。……言っておくけど、葉の過ちを繰り返したわけじゃないわよ?」
霊夢はそう言い、寺子屋から出た。
「本当に大丈夫でしょうか?」
「へーきへーき、霊夢はちょっとやそっとの事じゃやられはしないって。」
「葉は休んどいた方がいいわよ。」
「あー、それなんだが、葉、もしよければうちに泊まって行くか?」
「へ?」
「泊めてくれるのか?」
「魔理沙達には泊めるなんて言ってない。」
慧音は冷たく言う。
「意外とケチなのね。」
「どうする?」
「……、はい。お願いします。」
「そうか、精一杯もてなさせてもらうよ。」
「ちぇー、咲夜、泊めさしてくれるところを探しに行こうぜ。」
魔理沙はちょっと不機嫌な顔をして言った。
「葉、私達はそっちにいるからなんかあった時は来るのよ。」
「はい!」
「んじゃ、行きますか。」
「言っておくけど、魔理沙と同じ部屋は嫌よ。」
「何でだよ!?」
「寝相悪そうだから。」
そう雑談しながら魔理沙と咲夜は寺子屋を出た。
「しゃ、付いてきてくれ。」
「はい!」
慧音の家
「もぐもぐもぐもぐ……。」
「料理はどうだ?お口にあっただろうか?」
「んぐ、ゴクン……、はい!とてもおいしかったです!!」
葉は笑顔でそう言う。口の回りに食べかすをつけながら。
「口の回りに食べかすがついてるぞ。」
「あ、すみません。」
葉は布で口の周りを拭った。
「ところで、どうして私だけ泊めてくれたんですか?」
「何、君の話を聞いていたら、君のことを知りたくなってな。単なる知的探求とでも思ってくれ。」
「……慧音さん、嘘は良くないですよ。」
「どうして嘘だと思ったのかい?」
慧音は少し驚きながら葉に聞く。
「お兄ちゃんが言ってました、そういう話には必ず何かがあると思えって。今の慧音さんは何か大事な事を聞きたそうでしたから。」
「……参った。じゃあ単刀直入に聞こう。君は、一体何者だ?」
慧音は真剣な顔をして葉に問いただす。
「君には歴史上が“ない“。今まで見たことない存在だ。」
「はぁ、そう言われても……。あ、記憶喪失とか?」
「記憶喪失だとしても、本人には記憶がないだけで歴史は消えない。“存在している以上、歴史は存在する“それが理だ。」
「…………。」
「一番違和感を覚えたのは、君にはあの霊夢達に会ってからの歴史すらないってことだ。しかし、君はここまで存在し、ここまでやってきた記憶もある。君は、一体何者だ?」
葉は慧音の言葉を聞き、しばらく考えていた。
「……、慧音さんが不思議に思うことは何一つとして答えることは出来ません。それに、隠してるとかそういう意地悪なことではなくて。」
葉は一呼吸置き。
「私も……、わからないから。」
申し訳なさそうな笑顔で答える。
「わからない?」
「私は、その、普通の妖怪だと思ってましたから。だから、歴史がないと言われても私にはよくわかりません。」
そして、葉は自嘲気味に笑って。
「でも、慧音さんが変な妖怪だと言うのなら、きっと私は変わった妖怪なんだと思います。」
「(……嘘をついてる様子はなし。)君は、自分の事を知りたいとは思わないのか?」
「自分……ですか、私は、私の事をわかっていますけど。みんなを助けたいと思ってる私。霊夢さん達の足を引っ張ってる私。そ、それじゃダメなんでしょうか?」
慧音はしばし、口を開けてままぼーとしてたが、笑顔で葉を見て。
「いや、君はとてもいい心を持っていると思う。全くもって、あの3人とは不釣合いなタイプだとは思うけど。」
「うぅ、どうせ私なんか霊夢さん達と釣り合いませんよ……。」
葉は顔を下に向けて拗ねてしまった。
「そういう意味じゃないさ。さ、そろそろいい時間だから休むとしよう。」
「あ、はい。」
寝室
「葉、まだ起きてるか?」
慧音の寝室で、葉と慧音は隣合わせで寝た。慧音はまだ葉が起きているか確認していた。
「……スヤスヤ。」
「寝てしまったか、まあいい。葉、君は何者かわからないが、君はとても心地よい妖怪のようだ。だから、私は君が“瀬笈 葉“だと思うことにする。皆がはやく助かるといいな。」
「……むにゃむにゃ。」
「おやすみ。」
そのころ磔は
「うげぇ、おぇ、……鬼の持ってくる酒、度が高すぎだろ。」
どこかの林でリバースしていた。
「葉は何しているんだ?おろろ……。」
磔は吐きながら葉のいる位置を気配で探す。
「慧音のところか。まあ様子見なくても大丈夫だろうぼぇっ……。」
水を飲みながら酔いが覚めるのを吐きながら待っていた。
「明日、様子を見に行こう。おろろろろ……。きぼぢわりぃうげぇ!!」




