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東方外遠記  作者: 颯人
第11章 自然癒編 前編~Nature healing~
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そのころ 人里

この話はオリジナルです。

磔side


「うんうん、仲良くやっているな。」


ども、磔だ。今は双眼鏡を片手に持ち、魔法の森の上空にいる。なぜって?葉達の様子を見るためにな


「しばらくはまあ、大丈夫だろう。」


様子を見た限りでは霊夢達と仲良くやっているし、問題はないな。


「ん?、アリス家の方に行ったな。」


と、なるともうすぐ魔法の森も出るな。ばれない内に退散しておこう。


「次どこに行くかな。」


特に決めてないし、どこに行ってもいいんだけどな


「人里にするか。」


団子など食べてゆっくりするか。そう決めて俺は人里に向かった。














「もうすぐ人里だな。ん?あれは。」


人里近くまで走って移動してると、前方に白髪の男性が歩いていた。


「あれは、霖之助だな。」


でも俺の事は知らないだろう。そう思い、追い越そうとすると。


「ん、久し振りだね、聖人。」


おう、知っていたのか。俺は急停止して霖之助の方を向く。


「知っているのか。」


「阿求さんから聞いたからね。」


あいつ……、次会ったらお話(物理)だな。


「まあいいや。」


「で、今は白谷磔って名乗っているんだよね?」


「そう。で、何で霖之助はこんなところにいるんだ?」


正直人違いかと思ったぞ。霖之助は滅多に外にでない出不精だからな。


「僕も面倒くさいんだけど、慧音に貸した本がいつまで経っても返しにこないんだ。彼女の性格的にちょっとあり得なくてね。」


なるほど、だから人里まで行こうとしてたんだな。


「でも久し振りだな、人里に行くのは。」


「……ちなみに前はいつぐらいに人里に行ったんだ?」


「うーん……。」


霖之助は腕を組み、昔の記憶を必死に思い出して、


「確か……一年くらい前だったかな。」


「たまには外に出歩けよ。」


「無縁塚には行ってるよ。」


「そこ以外だ!」


そんなんだから客がこないってわかってないのか。


「まあ、早く終わらせたいからとっとと行くよ。」


「そんなんでいいのかよ。」


そんな雑談をしながら人里の門の前まで来た。しかし人里は何かピリピリした雰囲気だった。


「そこの二人止まれ!!」


門の奥から門番らしき人が数人出てきた。


「この人里に何しに来た?」


「ちょっと貸した物を返してもらうために。」


「ちなみに誰だ?」


「慧音だよ。」


霖之助がそう言うと門番は顔を曇らせた。


「何かあったのか?」


「じ、実は今、妖怪から襲撃を受けているのです」


「「!!!」」


「しかもここ連日襲撃を受けています。」


おかしい、妖怪は人里を襲わないはずだ。どうなってやがる?


「状況は?」


「はい、ここ南門は妖怪が来ておりません。後、3つの門があるのですが、東側は塞いでおります。」


「残りは?」


「北は慧音さんが守っています。西側は稗田様が守っています。」


ん?ちょっと待てよ?色々と気になる事があるな。


「ここ南門は一番大きい門だよな?」


「はい、ここが一番大きいから妖怪も来るって慧音さんが言っておりました。」


でも地面を見ても妖怪が来た痕がない。……これはやられたな。


「霖之助、武器は持ってるか?」


「一応ね、霧雨の剣は持ってるよ。」


霖之助はそう言い剣を取り出した。鞘に入ってる状態から見ても、この剣は凄いな。


「よし、なら慧音のところに行くんだ。」


「どうしてだい?」


「なぜそんな事を言うのでしょうか?」


この男達は気付いてねえのかよ。今とんでもなくヤバイ状況だってのに。


「ここ南門から妖怪はしばらく来てない。東側は塞いでいる。となると残りは?」


俺がそこまで言うと霖之助は気付いたらしく。


「北と西に妖怪が集中しているってことか!!」


「そういうことだ。おい、慧音達が門に行ってから何分経つ?」


俺は門番にむけて言うと門番は。


「小一時間です……。」


「最悪じゃねえか!!急ぐぞ霖之助!!」


いくら半妖だからといっても限界はあるからな。


「わかったよ……。」


霖之助はそう言い俺と一緒に北の門に走って向かった。けど、途中で妖怪があちらこちらいた。


「手分けするか。霖之助は北、俺はそこら辺にいる妖怪を片付けながら西に行く。」


俺は霖之助に向かってそう言うが。


「………………。」


霖之助は俯いたままだった。


「おい!霖之……助……。」


俺はもう一度言うが、霖之助の雰囲気に言葉がつまりかけた。普段の霖之助は温厚だったが、今は腸煮えくり返っているようだった。手を握りしめ、体を震わせていた。


「……聞いてるよ。」


「念のため分身を連れていかせるけど大丈夫か?」


「問題ないよ……。」


俺は霊力で分身を作り、


「頼んだぞ!!」


そう言い俺は西側に向かった。







北門


「はぁ、はぁ、くっ……。」


慧音は北門に立ち一人で妖怪から人里を守っていた


「お前達はここを襲わないはずなんじゃないのか!?」


慧音は妖怪に向かってそう叫ぶが。


「………………。」


妖怪達は黙り混んだままだった。その間にも慧音は弾幕を撃ち、撃退しようとするが、簡単に避けられて逆に攻撃を喰らっていた。


「うぐっ……。」


今まで辛うじて立っていた慧音だったが、ついに膝をついてしまった。


「慧音先生!!」


寺子屋から様子を見ていた子供達が慧音のところに駆け付けようとするが。


「くるんじゃない!!!」


怒声をあげて子供達を止める。


「へばってる場合じゃない!!私は里の守護者だ!里を守らなくてはいけないんだ!!」


そう自分に言い聞かせて立ち上がろうとするが、限界まで力を使ったので、立ち上がれなかった。それを好機だと妖怪達は感じて慧音に攻撃する。


「(ああ、もう駄目なんだな。)」


慧音は吹き飛ばせれて薄れ行く意識の中でそう思っていた。その時、慧音の前に本が落ちていた。


「(それは、霖之助から借りた本。)」


それだけは回収しようと這いずりながら本を取ろうとするが、妖怪に拾われてしまい、本は引き裂かれてしまった。


「(人里も守れず、霖之助の約束も守れず、死んでしまうのか……。)」


慧音は段々意識が遠退いて行く。その間に色々な事が思い出される。


「(ああ、これが走馬灯というやつなのか。)」


慧音は改めて体に力を入れようとしたが、全く入らなかった。その間にも妖怪が近寄ってくる。


「先生ーーー!!!」


「(せめて、もう少し子供達と授業したかったし、妹紅とも話したかった。それに、霖之助と一緒に居たかった。あいつは何故か放っておけないからな。あいつにはお節介と言われてきたな。)」


そう思い自嘲気味に笑い


「(ああ、これが恋をしているってことなのか……)」


慧音はもうピクリとも体を動かせなかった。妖怪達はぼろぼろな慧音にとどめを刺そうとする。


「(すまないな、皆……。)」


慧音は目を閉じようとした、これが今の慧音に出来ることだった。


「(………………あれ?)」


しかし、目を閉じて少したったが未だに体の感覚は残っていた。


「(まだ……しんでいない?)」


何故と疑問に思っていると。


「おい……。」


ある一人の男の声が聞こえてくる。目を開けて見てみると白髪の男性が立っていた。


「何しているんだよ?」


その声は普段聞く声と違っていた。冷酷な声だったが何故か安心出来る声だった。


「もう一度聞く。」


その声の主の足音が近付いてくる。その声は今一番聞きたかった声だった。白髪で青と黒が混じった服を来ていて、眼鏡をかけていて、会いたかった人。


「慧音に何しているんだって聞いてるんだよ!!」


「霖之……助……。」


その声に圧倒されて妖怪達は後退りする。霖之助は気にせずぼろぼろの慧音を抱き締める。抱き締めながら霖之助は妖怪の方に殺気を向ける。


「すまない、僕がもっと早く気付いていれば。」


「いいんだ、霖之助が来てくれればそれだけで嬉しいよ。」


そう言い緊張の糸が解けたのか、慧音は霖之助の胸の中で泣き始める。


「怖かった、死んでしまうと思った。」


そう言い泣いている慧音を霖之助は優しく抱き締めながら。


「大丈夫、慧音は死なせない、いや死なせてたまるものか。」


「それと、霖之助から借りた本……。」


慧音は泣きながらその事を説明しようとするが、霖之助は。


「また手に入れればいいだけさ。本よりも慧音の命の方がよっぽど重要だ。こんな状況で慧音を責め立てる程、僕は薄情者じゃない。」


そう言い霖之助は慧音をお姫様抱っこしながら、近くにいた分身の磔に慧音を預けた。


「慧音を頼むよ。」


「わかってるさ。」


そう言い磔の分身は自分の周りに結界を張る。それを確認した霖之助は妖怪達に近付く。


「よせ!一人で行っては駄目だ!!そいつらはただの妖怪じゃない!!」


慧音は大声でそう叫ぶが。


「大丈夫さ、慧音はそこで待っていてくれ。」


そう言い霖之助は片手を上に上げてぐっと拳を握る、その後改めて妖怪達を見る。


「僕の知り合いをあそこまでぼろぼろにしたのだから覚悟はできているな?」


そう言い霧雨の剣を抜く。そして霖之助が出せる殺気を出しながら妖怪の方を向く。妖怪はあまりの殺気の凄さに怯えて動けないもの、気絶するものもいたが人里から出ようとはしなかった。


「出ていったら見逃してあげるけど、逃げないならそれなりの報復を受けてもらう!!」


殺気に怯えたのか一斉に霖之助に向かうが霖之助は冷静に動きを読み、攻撃を避けながら妖怪を薙ぎ倒していく。


「もう人里を襲わないか?」


霖之助は残りの妖怪に話し掛ける。だが妖怪は黙り混んだままだった。


「なら、反省するまで指導をするだけだ!」





店主殺戮中……














「やれやれ、やっと終わったよ。」


あのあと妖怪は傷だらけになり、人里から去っていった。霖之助は剣に付いた血などを拭き取り、鞘に入れた。


「慧音、大丈夫だったかい?」


「もう大丈夫だ。」


慧音は顔を赤くしながら答えた。磔の分身はどこかに消えていた。


「まだ体の傷は治っていない、無理はしない方がいいよ。」


「し、しかし、まだ西の方……。」


「そこは磔が食い止めてる。」


「磔?」


「ああ、白谷磔って言う最近幻想郷に来た腕の立つ旅人だよ。」


霖之助は慧音に歴史を読まれないように慎重に答えていった。


「けど!!」


「それでも行くんだね、ならこうしよう。」


そう言い霖之助は慧音をお姫様抱っこする。


「ななな何を!?」


「まだフラフラだろ?そんな人を歩かせるわけにはいかないよ。」


「バカ!!周りの目があるだろ!?」


「わー、慧音先生照れてる!!」


いつの間にか来ていた子供達に冷やかされた。慧音はさっきよりも顔を赤くしながら子供達に。


「はは早く避難ししろ!!」


「はーーい。」


「じゃあ行こうか。」













磔side


霖之助と別れた後、妖怪をスキマで人里から出していく。何気に疲れるんだよなこれ。


「まあ、妖怪達が襲った原因は知ってるけど。」


文花のやつ、この事を想定してたのか?


「愚痴っても仕方ないか、さっさと行こう。」


そう言い西の門に急ぐ。




「着いた……ってヤベェ!!」


俺が門に着いた時、阿求が妖怪に食われそうになっていた。


「離しやがれよ!!」


俺は阿求を食おうとしていた妖怪にドロップキックをする。


「うう……、だ、誰ですか?」


「俺だ、磔だ。」


「磔さん!!」


「うおっ!!いきなり飛び付くなよ!!」


阿求は俺の名前を聞いた瞬間、抱き付いてきた。


「怖かったですよ!!」


俺は阿求に抱き締められながら周りの様子を見る。予想以上に妖怪の数が多かった。ざっと100くらいだな。


「多いな全く……。」


「それでも半分くらい削ったんですよ。」


えっ?阿求って戦えたっけ?


「やるときはやる子なんです!!」


そう言い阿求は笑顔を見せるが、着物がぼろぼろでどんな戦いをしたのか容易に想像出来た。けど着物がぼろぼろ過ぎて目のやり場に困るな。


「どうしたんですか?」


「いや、ちょっと目のやり場に困ってな。」


そう言うと、阿求は顔を真っ赤にして縮こまった。


「はうぅぅぅ、み、見ないでくださいよ!!」


「わかったわかった。」


俺はスキマから上着を取り出して阿求に被せた。しかしどうやったらあそこまでぼろぼろになるのかねぇ

まあ、考えられるといったら。


「巻物とか使ったんだな。」


「な、なぜわかったんですか!?」


やりそうだったからな。巻物から弾幕とか魔法とか出しそうだもん。


「それよりもあいつらをどうにかしないとな。」


俺は阿求を降ろして妖怪の方を向く。


「どうするんですか?」


「ん、とりあえず話が出来るように弱らせるか。」


そう言い俺は新しく作ったスペルカードを取り出す

それを見た妖怪は一斉に近付いてきた。


「は、はわわわわ!!!」


「阿求、後ろに下がってくれ。」


「わ、わかりました!」


そう言い阿求は後退した。


「さて、話を聞いてもらうために大人しくなってもらうぞ! 想符 まほろばの弾幕!!」


俺がそう言うと妖怪の周りに美しい桜吹雪が舞う。妖怪達はその景色に見とれていた、その瞬間に俺は指を鳴らし桜吹雪を妖怪に向けて放つ。妖怪達は桜吹雪が弾幕とは思わなかったのか、被弾した。


「さて、話を聞く気になったか?」


ダメージを受けて身動きが取れない妖怪達に向けて言葉を発する。


「おそらく、自分の体に入ってる毒のせいで暴れまわってるんだろ?それを治してやるから。」


そう言い俺は妖怪達の体から毒を抜き取った。この毒は植物から発生した毒だな。治した後、妖怪達は人里から去っていった。


「さっきのスペル綺麗でしたね!!でもなぜまほろばなのですか?」


阿求がこっちに向かってきながら聞いてきた。


「昔の言葉の意味から取ったんだよ。」


意味は、古典の辞典に載ってると思うから気になる人がいたら確認してくれ。


「む、終わってたみたいだね。」


霖之助が慧音をお姫様抱っこしながら向かってきた


「ま、なんとかな。そっちは?」


「こっちもなんとか終わったよ。」


「霖之助、降ろしてくれ。」


慧音は多少顔を赤くしながら言った。


「はいはい。」


「っと、ところで白谷磔でいいんだよな?」


「まあ、そうだな。」


慧音は俺をじろじろ見ていた。おそらく歴史を見ているのだろう。でもそういうのを見られないために霊力で結界を張ってるからな。


「慧音、俺を調べるのは後にした方がいい。人里に向かう道をなんとかした方がいいと思うぞ。」


「そうだな、磔の言うとおりだ。」


そう言い慧音はどこかに消えていった。


「磔さん、この上着はどうすれば?」


阿求がそう聞いてくる。うーん、別にその上着は使わないしなぁ。


「あげるよ。」


「い、いいんですか!?」


「その処理に困ってたところだったからな。」


「あ、ありがとうございます!!」


阿求は満面の笑みでお礼を言ってきた。そんなに嬉しいもんなのかねぇ?


「じゃあ、私は戻りますね。」


阿求はスキップしながら去っていった。


「まあ、これで人里も大丈夫だろう。」


「そうだね、僕も帰るとするよ。」


そう言い霖之助は帰っていった。


「そろそろ葉達も何か行動するころだろう。」


そう言い俺は魔法の森に向かった。

磔「ところで何でこの話を書いたんだ?」


いや、霖之助って怒らしたらどうなるんだろうと思ったから書きました。


磔「確かに霖之助は怒らしたら幻想郷で一番怖そうだもんな。」

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