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東方外遠記  作者: 颯人
第11章 自然癒編 前編~Nature healing~
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葉っぱと人形使い

「ついたわね。」


葉達は魔法の森に着いた。けど、その入り口に植物の妖怪が通せんぼうしている。


「こんにちは!」


葉はその妖怪に元気よく話しかける。その様子を見て魔理沙は苦笑いをし。


「……普通に挨拶した奴初めて見たぜ。」


「えっ……。」


「うーん、結構、葉って扱いづらいわね。」


「ど、どういう意味ですか!?」


霊夢は結構真剣に悩んでいるようだった。


「そういう意味よ。」


「ご、ごめんなさい……。」


「ま、いいけどな。それよりも余所見をしていると危ないぜ?」


「へっ?……ギャ!?」


魔理沙がそう言うと妖怪が葉に向かって襲いかかってくる。


「な、なんでですか!?」


「知らないわよ、下級妖怪同士で会話とか出来ないわけ?」


「やっ、やってみます!」


霊夢にそう言われて葉は妖怪に話し掛ける。


「……えっと。」


「ふんふん。」


「……魔理沙さんが嫌いみたいです。」


「なんで私なんだよ!?」


「あー、やっぱりね。」


魔理沙は訳がわからない様子で、霊夢は納得した様子だった。


「私が何かしたのかよ?」


「知らないわよ、これも魔理沙のせいね、全く。」


「あ、あの、どうするんです?」


葉はおどおどしながら霊夢に話し掛ける。


「ま、いつも通りやるだけよ。」


「おーけー、後腐れなくやってやろうぜ。」


「あんたのせいって事わかってる?」


「あー、聞こえないぜ。」


霊夢に痛いところをつかれたが、魔理沙は聞こえないふりをした。


「葉、あなたも神社まできたくらいだからやり方はわかっているでしょ?」


「え、えっと、実はこういうのは仲間に教えてもらって避けてきましたから。」


「まあいいわ。後ろで見てなさい。魔理沙!さっさと済ませるわよ!」


「わかったぜ!」


霊夢がそう言うと妖怪が突っ込んできた。霊夢と魔理沙は突っ込んできた妖怪にお札とレーザーを放った


「そんな攻撃当たらないぜ。」


「魔理沙、油断しないの。」


妖怪は少し怯んだが、それでも突っ込んで、突進をしてくる。これを二人は冷静に避けてから弾幕を放つ

見事妖怪に当たり、消滅した。


「ま、こんなものね。」


霊夢は肩を回しながら言う。さっきの戦闘を陰から見ていた葉が。


「霊夢さんも魔理沙さんも強いんですね!!」

「まーな、最初はこんなもんだろ。」


魔理沙は手についた汚れを落としながら言った。


「お二人は余裕そうですね。」


「ま、慣れっこだからね。こういうの。」


霊夢はしれっとした顔で言う。


「葉もそのうち慣れるんじゃない?」


「出来ればスペルカードで一掃してやりたかったが持ってくるの忘れたからなぁ。お前はどうした?」


「えっと、そういうのは必要なかったので……。」


葉は申し訳なさそうに言う。


「のんびりとしたところにいたのねぇ。」


「まあいいか。こういうのは私達に任せるんだぜ!」


「は、はい!」


「じゃ、めんどくさい場所にある魔理沙家に行きましょうか。」


霊夢はそう言いスタスタと歩き始める。


「ひでえ言われようだぜ。葉は……植物の妖怪だからここの森の胞子は平気なのか?」


「はい、なんかふわふわした気分になってきました」


「……本当に大丈夫か?」


「まあ、ヤバそうだったら気絶させて運べばいいでしょ。」


「じゃあ行くぜ。」


「はい!」


そう言い葉達は歩き出した。途中にも敵がいたが、霊夢と魔理沙が容赦なく叩き潰していった。

そして、魔理沙の家の近くに来たとき。


「お、なんだなんだ?やる気か?」


魔理沙家に繋がる一本道に妖怪が通せんぼうしていた。


「はふ~、襲わないで……。」


葉はこれまでの移動で疲れきっていた。


「襲うなよ、絶対にだぞ、襲うなよ。」


「なに一句詠んでんだよ。」


「というわけで構えるわよ!!葉、あんたも構えなさい!」


「な、なんで私も?」


「いいから、葉も構えるんだぜ!」


「は、はい!」


霊夢と魔理沙は妖怪にお札とレーザーを放つ。葉は扇子を使って攻撃していた。


「へぇ~、あんたそういう攻撃するのね。」


「何か、出来ちゃいました。」


「気を抜くなよ!」


妖怪は霊夢達の攻撃をものともせず、攻撃してくる。


「わわっ!!」


葉は危なっかしく妖怪の攻撃を避ける。


「おいおい、効いてないぜ?」


「困ったわねぇ……。」


「ど、どうするんですか?」


「決まってるさ!」


葉の提案に魔理沙は元気よく返し、後ろを向いて。


「分が悪ければ逃走だぜ!!」


「そうね、一旦対策を立てるべきね。」


「それ、逃げるぜ!!」


そう言い魔理沙と霊夢は全力で走っていった。


「は、はやっ!!」


葉は魔理沙達の逃走スピードに驚いていた。


「………………。」


葉は妖怪の方を向き、そして。


「ま、まってくださいよぉ~!!」


全力疾走で妖怪から逃げた。


「はぁっ、はあっ……。」


「いい逃げっぷりだぜ葉!」


魔理沙は笑顔でそう言う。


「しっかし、めんどくさい奴がいるわねぇ~。」


霊夢は腕を組ながら唸っていた。魔理沙も同じく腕を組み。


「いつもならスペルカードで蹴散らしているからな。」


「めんどくさいし、魔理沙の家に寄るのはやめよっか?」


霊夢の提案に魔理沙はふてくされながら。


「えー、せっかくここまで来たのにか?」


「そ、それに…………、ほ、本を……かっ、返さないと…………。」


葉はまだ呼吸が整ってないのか、息を絶え絶えにしながら言った。


「ほんと体力ないんだな。それでも妖怪か?」


魔理沙は葉の様子を見て、苦笑いしながら言った。


「はいはい、そういう言い方しない。あんたのことをここまで気にかけてくれてるってことでしょうが。」


「しかしなぁ……、今のところ打つ手なしだぜ?」


魔理沙の言葉に霊夢は少々考え、大きな溜め息をついて。


「……しょーがない。神社に戻って適当に倒せそうなものを持ってくるわ。」


「ここでパパっとやるのは?」


「めんどくさい、そこまでして倒すとか嫌。」


「本当にめんどくさがり屋だな。」


魔理沙は呆れた表情で霊夢を見る。


「あんたたちはどうするの?ついてくるの?」


「それもなんだかなんだかだぜー。」


「わ、私は…………、ひぃ、はぁ…………っ!、どう……っ!」


「まだ呼吸が整ってないのかよ。」


「大丈夫かしら?」


霊夢と魔理沙はやれやれといった表情だった。その後、魔理沙が思い付いたように手を叩き。


「そうだ!そういえばこの前アリスん家に泊まったんだぜ!」


「それがどうかしたのかしら?」


「スペルカードとか色々忘れてきた気がする!」


「そう、なら魔理沙はそれを取りに行く?」


「ん、そうだな。葉、お前もついてこい。神社まで往復するの大変だろ?」


「は、はいっ…………。」


葉はまだ疲れていた。


「(これから本当に大丈夫かしら?)」


「(こんな妖怪初めて見たぜ。)」


霊夢と魔理沙は葉の様子を見て、そんなことを思っていた。


「じゃ、そっちはそっちでよろしく。」


霊夢はそう言い飛び去っていった。


「アリスん家はちょっと戻って北の方にあるぜ。わかりにくいように道を木で隠してるんだ。じゃあ行くぜ!!」


「はいぃ~……。」














途中の敵はさっき霊夢と魔理沙が叩き潰していったので現れなかった。


「ここだぜ、アリスん家は。」


「へぇ~、こんなところにあるんですね。」


「じゃあ、入るぜ。」


そう言い魔理沙と葉はアリス家に入った。


「邪魔するぜー。」


「お、おじゃまします……。」


そう言い玄関を後にすると、アリスが立っていた。


「おいすー、元気してたか?」


魔理沙は軽い調子でアリスに挨拶した。


「つい先日泊まっていったばっかりでしょう?」


アリスは呆れながらそう言う。


「挨拶だよ挨拶。ところで、なんだ、どこかに出掛けるのか?」


「今、魔理沙の家に行こうとしてたところよ。この前色々と忘れていったでしょう?」


「そいつはありがたいぜ!サンキューな!!」


魔理沙はアリスから忘れていった物を受け取った。


「そっちこそどうしたの?何か用?」


「ああ、その忘れ物を取りに来たんだ。」


「全く、次から気を付けなさいよ。後、これも忘れていったわよ。」


「おお!これこれ!サンキューな!」


アリスは魔理沙にスペルカードを渡した。


「せっかく来たんだから一服していく?」


アリスは魔理沙達に笑顔でそう言う。


「いいのか?」


「そっちの子が相当疲れてるみたいだしね。」


そう言いアリスは葉を見て言う。


「はえっ!?、私……えっ……。」


「おっと、全然気が付かなかったんだぜ。すまんな」


「はぁ、まあいいわ。さ、上がって。」


「邪魔するぜー。」


「お邪魔しますー。」


「快!棚から紅茶とティーカップを持ってきて!」


「わかりましたよ。」


そう言い快はアリスの言った物を持ってくる。


「上海は使わないのぜ?」


「上海はお湯を持ってきてもらってるわ。」















「はぁ、やっと休めました。」


葉は紅茶を飲みながらそう呟いた。


「えっと、初めまして。アリス・マーガトロイドよ、よろしくね。」


「僕は佐藤快って言います。」


「は、はじめましてお二人さん。私は瀬笈葉って言います!」


3人はそれぞれ自己紹介をする。


「見かけないタイプの妖怪だけれど?」


「確かに僕も見たことありませんね。」


「植物の妖怪みたいだぜ。ちょっと変わってるところがあるけどな。」


アリスと快の疑問に魔理沙が答える。


「あ、じゃあ紅茶はまずかったかしら?」


「いえ、とってもおいしいですよ?」


葉はアリスの言葉の意味をわかってないみたいだった


「……、そ、そう、それならいいんだけど。」


「なんか、わかる気がします。」


「植物だけに天然って感じか?」


魔理沙はにやけながら葉を見る。


「はい?」


「………………。」


アリスは葉をまじまじと見ていた。


「アリスさん?」


「アリスどうかしたのか?もしかして葉に惚れたのか?、いけないぜ浮気は。」


「寝言は寝てから言ってちょうだい。そういうことじゃなくて……。」


アリスはそう言いながらも葉を見る。やがて首を横に振って。


「うぅん、なんでもないの。」


「(アリスさんがこんな態度をとるのは珍しいな。でも何か引っ掛かるんだよなぁ。)」


快は一人でそう考えていた。


「ところでどうして魔理沙と一緒にいるの?」


「え、えっと、私の住んでいたあたりの植物の元気が

無くなっちゃって……。で、博麗神社にお参りしに行ったら、優しい巫女さんと魔理沙さんが様子を見てくれるって……。」


「……優しい巫女さんって誰?」


アリスは頭に?マークを浮かべながら葉に聞いた。


「優しい巫女さんなんていたか?」


「アリスさんと魔理沙さん、僕らもよく知ってるあの人の事なんだと思いますよ。」


快はわかったらしく、アリスと魔理沙にそう言う。


「何をいっているんですか?霊夢さんのことに決まってるじゃないですか!?」


葉は無邪気な笑顔でそう言う。魔理沙とアリスは霊夢の姿を想像しながら。


「優しい……。」


「巫女さんねぇ……。」


「???」


葉は?マークを浮かべながら見ていた。


「まあ、葉さんの中では優しい巫女さんって感じてるんでしょう。」


「快もそう思ってるの?」


「少しだけですけど。」


「快も頭にお花が咲いているのね。」


「アリスさん!!僕はちゃんと脳みそありますよ!」


快は自分なりの解釈をアリスに言ったが、変に捉えられたようだった。


「快はおいといて、魔理沙、この子は大丈夫なの?」


「無視しないでくださいよ!」


「さあな、植物の妖怪だけに頭にお花が咲いているじゃないか、快のように。」


「ひどいですよぉ~。」


快はテーブルに突っ伏した。


「え、ええっ?」


「だから一緒にいるってわけ?」


「ま、それもある。」


「魔理沙も大変ねぇ。」


アリスは魔理沙に同情する。


「ま、霊夢っぽく言うなら“大変だけとたいしたことない“ぜ。」


「…………?」


葉は魔理沙の言った事を理解出来てないようだった。


「っと、そろそろ霊夢も戻ってくるだろうし、長居はしていられないな。」


魔理解はそう言い立ち上がる。


「あ、そうですね。」


葉も立ち上がる。そしてまだテーブルに突っ伏してる快に向けて。


「大丈夫ですよ、魔理沙さんもアリスさんも快さんの事は嫌ってませんから。」


「何か凄い葉さんの言葉が染みる。」


「同じポジション同士だからじゃないか?」


「多分、そうだと思います。」


「まあ、いい休憩にはなったな。ありがとなー。」


「どういたしまして、葉、だったわよね。またね。」


「また来てください。」


アリスと快は葉にそう言う。


「はい!紅茶とってもおいしかったです!」


葉は満面の笑みで言う。


「あ、魔理沙、ちょっと待って。」


玄関に行こうとする魔理沙をアリスはひき止めた。


「ん?なんだ?金ならないぜ?」


「お金なんて要求しないわよ。ましてや魔理沙何かにはね。」


魔理沙の冗談をアリスは軽く受け流す。


「私は先に外に行ってますね。」


そう言い葉は玄関に向かった。


「すぐに行くから待っててな。」


「はい!」


「で、どうしたんだ?」


「あの子……自分で植物の妖怪って言ったの?」


「いや、霊夢がそうじゃないかって。」


アリスの疑問に魔理沙がそう答える。


「そう……、専門家の霊夢がそう言うなら。」


「本当にどうしたんだぜ?」


「なんでもない、ごめんね魔理沙。こんなことで引き止めて。」


「いつもながら変なやつだな。用件はそれだけ?」


「それだけよ。後、いつもながらは余計よ。」


アリスは魔理沙の言った事を見逃さずに指摘する。


「ん、じゃあ行ってくる。」


そう言い魔理沙は玄関に向かう。


「……形あるものには必ず何かが宿っているはず。それが生きてるなら、それこそ魂みたいなものが。」


「どうしたんですか?アリスさん?」


「考えすぎならいいけど、……油断しないことね魔理沙。」


「大丈夫だと思いますよ。」


快はティーカップを片付けながら言う。


「魔理沙さんはそんなにやわじゃないですし、もし何かあっても健二が駆け付けるはずですから。」


「それもそうね。」














「待たせたな。」


魔理沙は玄関の扉を開けて待っていた葉にそう言う。


「大丈夫です。ところで魔理沙さん?」


「どうした?」


「快さんとアリスさんって、どんな関係なんですか?」


「う~ん、そうだな。」


魔理沙は葉の質問に少し考えて。


「まあ、恋人同士だな。」


「こ、こい、びと?」


「葉にはまだ早いって事だぜ。さて、お目当てのもんは手に入ったし、さっさとさっきのやつのところに戻るぜ。」


「霊夢さんは来てるでしょうか?」


「多分な。」
















磔side


さて、幽香と話もしたし、博麗神社には霊夢と魔理沙もいることだからしばらくは大丈夫だろう。


「次はどこに行きますかね?」


俺はそう悩んでいると。


「驚けーーー!!!」


そう草むらの方から聞こえて、そこから傘を持った妖怪が現れた。


「驚けーーー!!!」


「…………。」


「驚けーーー!!!」


しつこいので俺は鞄からなんでかは知らないけど入っていたクラッカーを取り出して妖怪に向けて。


パーーン!!!


「ぎゃああああ!!!!」


妖怪はそう叫びながらどこかに去っていった。


「何がしたかったんだ?」


まあどうでもいいか。葉の様子でも見に行くか。









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