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東方外遠記  作者: 颯人
第10章 また戻るために ~In addition. to come back~
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現代編4

「しかし、遠いな。」


どうも磔だ。今は車にガソリンを入れている。これ5回目なんだよな。


「今は、夜中か。まあ明日には着くだろう。」


連子とメリーは後部座席で寝させてある。こんな旅につれ回してるからな、寝させてあげないと。


「しかし、今日で二ヶ月か。」


今日で幻想郷から離れて二ヶ月になる。何か異変とか起きてないよな?


「ま、行けばわかるか。」


そう言い燃料メーターを見る。ふむ、まだ半分くらいか。なら銃に霊力で作った弾丸でも装填しておきますかな。


「………………。」


「ん~あれ磔さん起きてるんですか?」


連子がドアを開けて隣にくる。まだ寝惚けているのか目が半開きだ。


「まあな、こんなのは慣れてるからな。」


「磔さんはすごいですね。私とあまり歳が変わらないのにたくさんの事を経験しているし。」


「経験と言っても良いことばかりじゃないぞ。むしろ悲しい出来事の方が多く経験してるな。」


良いことなんて数えることしかねえな。


「でも私は磔さんと出会えてよかったと思いますよ」


そう言い連子は俺の肩に頭を乗せた。


「ありがとな、連子。」


そう言い俺は銃をポーチにしまい、連子の頭を撫でた


「ちょ!ちょっと……。」


連子は顔を赤らめてるが、嬉しいのか拒絶しなかった。前はよく早苗にしてあげてたのにな。


「さて、そろそろガソリンも満タンになったし、出発するぞ。」


「あとどれくらいで着くんですか?」


「あと、一時間くらいだな。」


そう言い俺と連子は車に乗って出発した。







博麗神社


あの後、あの真っ暗な連中こ来なくなって無事にたどり着いた。まあ、俺の予想だと神社に待ち伏せでもしてるんだろう。


「この階段長いですね。」


「連子疲れたのかしら?」


「ま、まだ平気よ!」


連子は息を切らしながら言った。まだ大丈夫そうだな


「あと少しだ、頑張れ。」


そう言い俺達は登っていく。



「ふー、着いたな。」


俺は先に登って境内に入った。敵はいない。にしても懐かしい雰囲気だな、殺伐としていても魅力を感じさせるな。


「おーい、連子、メリー。」


もうそろそろ来るはずの連子とメリーが来ないな。


「おかしいな?」


俺は階段のところに戻ろうとした、そこに。


「戻らなくてもいいぞ。」


「!!!」


後ろから声が聞こえてきたので振り向くと、口をタオルで塞がれている連子とメリーがいた。


「やっと油断してくれたな。お陰様で二人を手に入れることが出来たよ!」


「~~~~!!」


連子が何か言ってるけど聞き取れないな。


「さて、お前は邪魔だからここで消えてもらおうか」


黒い服を着た男は指を鳴らすと俺の回りに数十人の銃を持った覆面の連中がいた。


「命乞いしてもいいんだぞ?それなら殺さずに我らの仲間として迎え入れよう!」


黒い男の方を見ると連子とメリーは逃げ出そうとじたばたしているが、大男に押さえられていた。


「油断してた俺の責任だな。」


「降伏するか!?」


「降伏?んなことしねえよ。」


一見絶体絶命に見えるが、こんなのは幻想郷で嫌というほど経験している。


「そうか、じゃあ死ね!」


「磔さん!!」


タオルを外した連子が叫んでくる。黒い男が合図すると覆面の連中は一斉に銃を撃ちだした。


「ハハハハ!!!大人しく降伏しておけばよかったものを!!」


「へー、じゃあそっくりそのままの台詞を返すよ」


「何だと!?」


俺は地面を強く踏んで衝撃波を周りに放って銃の軌道を反らした。続けて雷を全方位に打ち出して覆面の連中を昏倒させる。


「な、んだと!!」


黒い男は驚いて口をパクパクさせていた。


「降伏するか?」


「ふっ、まだ切り札があるのだよ!!」


黒い男はそう言い連子をこっちに蹴り飛ばしてきた。


「きゃああ!!」


連子は地面を転がりながらこっちにきた。


「連子、大丈夫か?」


「な、なんとか。」


「能力持ってる奴は一人で充分だ。まとめて死ね!」


黒い男と二人の大男はマシンガンを取り出した。


「っ!!磔さん、もうおしまいですね……。」


連子は生きるのを諦めたのか苦笑いした。


「おしまい?ざけんなよ……。」


「磔、さん?」


「死ね!!!」


黒い男達はマシンガンを発射してきた。普通ならこの状況は死んだだろう。けど、普通ならな、


「普通の奴ならこの状況は絶望に近いだろう。けどおあいにく様俺は普通じゃないんでね!!」


ドガギギギギギ!!!


「ふ、ふざけるな!!そんなことがあってたまるかよ!!」


俺は刀を抜いて俺と連子に向かってくる銃弾を全て弾く。想力で身体能力をアップさせてもらったから容易い。


「もっともっと撃ちまくれ!!」


黒い男達は撃ってくるが、それも全て弾く。


「う、そ。」


連子は言葉が出ないようだった。


「てめらは俺を怒らせた。死ぬ覚悟は出来てるんだろうなぁ?」


「ちぃ!!」


大男の一人がメリーをこっちに投げてくる。


「いやぁぁぁぁ!!!」


それを空中で受け止めて連子の隣に降ろす。


「磔さん……。」


「これからはこの世界ではあり得ないことをする。一生の思い出にしておけよ。」


そう会話してる間に大男の一人がRPGを発射しようとしてきてる。


「ちょっと!!ヤバイって!!」


「問題ねえよ。」


大男は発射したが、連子達に当たる前に前に走りだしRPGの弾丸を掴み空中に投げる。


「な、に!」


「余所見してる暇があるのかよ?」


大男の一人が驚いてる間に木刀で顎を狙って切り上げて、空中に浮いたところをもう1回木刀で切り払う。大男は吹き飛ばされて動かなくなった。


「おのれ!!」


続いてもう一人の大男が突っ込んでくるのを、俺は一枚のスペルカードを持ち。


「想符 フレアスパーク!!」


極太のレーザーを突っ込んでくるやつに発射した。


「のわああああ!!!」


そう叫んで遠くへ吹き飛ばされた。がすぐに戻ってきた。


「しぶてえな。」


「死ね!!」


男はナイフを持ち、俺に向かって突き刺してくる。けど動きが遅いので容易く避けられる。


「ちぃ、くそ、何故当たらねえ!!」


「何故か……、お前より数万倍ナイフの使い方が上手いやつがいるからな。」


ある意味咲夜ってすごいよな。こういうところで感心するよ。


「くそが!!」


男はナイフを投げる。俺は避けずに人差し指と中指の間にナイフを挟む。


「すきあり!!」


「お前がな。」


男はタックルしてくるのを、サマーソルトでカウンターをくらわせる。


「想符 夢想封印!!」


「なにぃ!!!」


男に向かって7つの大玉の弾幕を放つ。男は避けられず盛大に吹き飛ばされた。


「さて、あとはお前一人だな。」


黒い男に向けて俺は言う。男は笑って。


「その力はもう出せるまい。強がりはよせ。」


この男は何を勘違いしているんだ?まあ乗せられたふりをしておこう。


「そうだな、もう出ないな。」


「だから、俺の独壇場だ!!」


そう言い男は背中に着けているものを投げ付けてきた


「効かねえよ。」


俺はそれを避けるが、その隙に男は。


「こいつの命がどうなってもいいのか!!」


連子の首を締めながら銃を突き付けた。悪役は追い込まれたらこういうの多いな。


「磔さん、私に構わずに倒して!!」


「ほう、その状況で他人を気遣う事が出来るのか?」


そう言い連子の腹に膝げりをくらわせた。


「うっ……。」


「おい、いい加減にしろよ。」


「いい加減だと?笑わせる、お前が降伏すれば小娘を離してやるよ。」


「磔……さん、私に、構わず……。」


「小娘!!殺してやる!!」


そう言い銃を発射した。











「させると思ったのか?」


俺は連子に当たる銃弾を手を使って反射させる。


「くそ!!」


男は続けて撃とうとするのをワルザーP38を抜いて男の銃を撃ち落とす。


「貴様!!能力は使えないはず!!」


「誰がそんなこと言った?とにかくお前は許さねえ!!想符 アクセルモード!!」


俺は身体能力をあげるスペルを使う。


「なっ!!き、貴様、さ、サ○ヤ人か!?」


「ちげえよ。今さら謝っても許さないからな。」


俺は男を空中に投げ飛ばした後、想力を使って飛び男に向かってスペルカードを突き付けた。


「覚悟しろよ外道が!」


「ひぃぃぃぃぃ!!!」


秘技 烈空波


「ひぎゃあぁぁぁぁ!!!!」


男は吹き飛ばされた。地面に着地する前にスキマで遠いところに送り込んだから生きてはいるだろう。


「降りないとな。」


降りてきたと同時に昏倒していた覆面の奴等が起き上がってきた。そして銃を突き付けてくる。


「……ボスはもうここにはいない。もう連子とメリーを狙わないなら大人しく引け。」


俺は黄緑色のオーラを激しく点滅させながら言ったが、引き下がるつもりはないらしい。


「いいから退けよ、想符 殺人ドール」


俺は大量のナイフの弾幕を覆面の連中の周りに配置する。


「最後の警告だ。この二人を狙うんだったらお前らの命はねえぞ。」


ナイフの弾幕を出したのがよかったのか、覆面の連中はどこか消えていった。


「終わったな。」


そう言い俺は連子達のところに行こうとした時。


「磔さぁぁぁん!!!」


「うおっと!」


連子が飛び込んで抱き付いてきた。それを優しく受け止める。


「怖かったよ、とっても怖かったよ~。」


「悪いな、怖い思いをさせて。」


俺は二人に謝る。


「それより、どうして髪の色が変わったの?」


「まあ、ちょっと色々あってな。そういう事が出来るようになった。」


そう言い俺はモードを解除する。


「か、かっこいい……。」


「ん?連子、何か言ったか?」


「ななな何でもないわよ!!!ねえメリー!?」


「そうね、でも凄いものを見させてもらったわ。」


メリーは笑顔で言ってくる。


「済まないな、じゃあメリー、悪いけどここに境界はあるかい?」


「あるわよ、ちょっと待っててね。」


少したつと境界の線が出てきた。


「ふっ!!」


俺はそれを無理矢理霊力を使ってあける。するとスキマが開いて幻想郷の風景が映っていた。がうまく繋がらないのかぼやけていた。


「どうすっかな?」


やり方がわからないので、俺はスキマに向かって。


「開けよ。そこは俺の通る道だ。」


冷酷に言うと風景がはっきりと映し出された。為せばなるもんだな。


「ありがとうメリー。さて、俺はそろそろ行かないとな。」


「磔さんってこの世界の人じゃないんですか?」


「元々はこの世界の人さ。でも訳あってあの世界にいる。」


「じゃあ行っちゃうんですか?」


連子は泣き出しそうな顔をしながら聞いてくる。懐かしいな、大分前にも早苗に別れを言う時にもそういう表情だったな。


「ああ、行っちゃうけど、また会えるさ。」


そう言い連子をはがしてスキマの中に入ろうとしたが


「磔さん!!!」


「どうした?連子?」


「私も、その世界に行けるんですか?」


「悪いな、連子達はまだ来ない方がいい。あの世界は最後の楽園だ。美しくも残酷で強いものが生きて弱いものは喰われる、残酷なことも理不尽なことも全て受け入れる世界、それが幻想郷。」


「幻想郷って言うのね。」


やべっ、言っちゃった。まあいいか。


「そう、忘れられたものがたどり着く最後の楽園。こっちの世界もいいけど、幻想郷にもたくさんのものを残しちまったからな。」


まあ、俺を知ってる奴なんて極小数だけどな。


「そう、なんですか。」


そう言い連子は泣き出した。


「お別れなんて辛いですよ、もう会えないって思うと辛すぎますよ!!」


「お別れじゃない、また会えるさ。」


そう言い連子の頭を撫でる。メリーも泣き出しそうな顔をしてたのでメリーも撫でる。


「「その保証はないじゃないですか(ないのよ!!」」


連子とメリーがそう言ってくる。こういう場合何て言ったらいいんだっけ?


「だったら、これを渡すよ。」


俺は鞄の中に入っていた笛を連子とメリーに渡した。


「これは本当にピンチな時に吹いてくれ。そしたら必ず俺が駆け付ける。」


「必ず?」


「ああ、約束は破らない。絶体に駆け付けてやる」


そう言い俺はスキマの方を向く。


「必ずまた会える。もし連子達がやむを得ない事情があってこっちの世界にきたときは歓迎するよ。」


「また、会いましょうね磔さん。」


「絶体にまた会うんだからね!!約束破ったら恨みまくってやるんだから!!!」


「こりゃ約束は守らないとな。また会おうな!!連子!!メリー!!」


そう言い俺はスキマの中に入った。


「行っちゃたわね。」


「磔さん、また会おうね。」


「もしかして連子は磔さんの事を好きになったのかしら?」


「……そうかもしれない、いやきっとそうね。」


「また会えた時に言ってあげなさい。」


「わかったわよ。磔さん、私も頑張るから磔さんも元気でね!!!大好きだよ!!」















妖怪の山


俺の入ったスキマは空中で繋がった。


「って空中かよ!!」


幻想郷に着いたと思ったら空中からだよ。前にもあったぞこれ!!


「まあ、綺麗に着地するけどな。」


そう言い着地するが、


グギィ!!


「……アシクビヲクジキマシタ!!」


ついてない、まじてついてないぞこれは。着地したら地面が坂になっていたからバランスがとれなくて足を捻っちまったよ。


「まあ、治せるんですけどね。」


魔力を使って捻った部分を治していく。


「でも幻想郷に帰ってこれたんだよな!」


そう言い空気を思いっきり吸い込む。この新鮮な空気が嬉しいな。


「幻想郷よ、私は帰ってきたぁぁぁぁ!!!」

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