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東方外遠記  作者: 颯人
第9.5章 逃げれない現実 ~Reality not to be able to evade~
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悲惨な結末

「見えたぞ!!」


俺達は飛びながら永遠亭に向かっている。永遠亭に近付くほどゾンビの量も増えている。


「本格的にやばいぜこれは!!」


「とりあえずゾンビにばれないように下りるぞ!」


俺達はゾンビにばれないようにして中に入った。


「永琳!!絢斗!!輝夜!!幽香!!いたら返事をしてくれ!!」


俺はそう叫ぶが、何一つ返って来なかった。


「健二、気配を探知してくれ!!」


「言われなくてもやってるぜ!!」


まさかだとは思うが……いや考えたらその事が起きてしまう。あいつらなら大丈夫なはず。


「縁側だ!!早くしろ!!」


健二はそう言いながら走っていった。俺達もその後を追って走った。


「おらあ!!」


健二が襖を思いっきり蹴飛ばして縁側を見た。そこに写っていたのは……















ぴくりとも動かない絢斗達が居た。ゾンビは絢斗達の肉をむさぼり食べていた。


「間に合わなかったか。」


一体いつになったら皆を守りきれるんだよ!!昔とおんなじことを繰り返してるだけじゃねえか!


「聖人落ち着け!!」


「そうだぞ落ち着け、魂は無縁塚に送っておいた。」


「すまねえな。」


このやりとりをやってる間にゾンビはこっちに気付いてゆっくりとだがこっちに向かってきた。


「健二、ここにいるやつら以外に幻想郷にゾンビがいるか?」


「ちょっとまて……いないな。」


「ケッ、つまりここにいるやつらを全員殺せば落ち着くんだな?」


「そのとおりだぜ。」


簡単に言ってくれる、ゾンビは少なくとも200人以上いるのにな。でもここで止められるんならやるしかないな。


「ここでくたばるか、生き延びるか、人生の分かれ道だな。」


「どうせなら女もいてほしかったんだが。」


「んなこと言っても仕方ないぜ。」


俺達は笑い合う。これが最後になるかもしれない。


「さて、始める前に身体を強化していかないとな。」


俺は1枚のスペルカードを取りだし。


「 真・真緑結界」


俺は永遠亭に緑色の結界を張った。


「聖人、これは何だぜ?」


「俺達3人の身体を強化する結界だ。勝機は一%上がるだけでもいいだろ?」


「じゃ、弔い合戦とでも行こうかね!!」


「「完全に死んでないだろ!!」」


俺は刀を持ち、健二は短剣を両手に持ち、彰は槍を持ち、3人ばらけてゾンビの大群の中に突っ込んだ。


「勝機は無いに等しいけど、やるしかねえな!!」


目の前にいるゾンビを斬り倒す、ゾンビも負けじと反撃してくるが、それを避けて斬る。たまにはスペルカードも使いゾンビを倒していく。


「キリがねえな。」


「やれやれだぜ。」


「早く終わらせてシャワーを浴びてえよ。」


俺達は背中合わせをして会話した。周りにはまだまだたくさんゾンビがいた。


「どうするんだぜ?死んで楽になるか?」


「美しく死ぬよりも最後まで足掻いて死んだほうがいいだろ。」


「そら、来るぞ。」


再びゾンビに向かって走り出す。だがこの時既に数十分経過していたので、ばらけないでお互いサポート仕合ながら斬り倒していった。けど、


「キシャアアア!!!」


「がぁ!!くそ!!」


「健二!!」


遂にサポートが間に合わなくなって健二が負傷した。急所は免れたけど、長くは持たないな。


「想符 四重結界!!」


俺達の周りに結界を張ってゾンビを引き剥がした。その間に健二の傷の治療をしようとしたが。


「やめとけ、どうせ長くは持たない。」


「じゃあどうすんだ?諦めるのか?」


「馬鹿言え彰、最後の抵抗をしてやるさ。」


そう言い健二は手榴弾を作り出した。


「お前まさか!!」


「安心しろよ、生き返れるんだからこういうことをすんだぜ。後処理は頼んだぜ、俺のフルパワーで作ったこいつをぶちかますからな。」


「ケッ、俺はいつも後処理やるのかよ。」


そう言い健二は結界を抜けてゾンビの群れまで歩いて行き、ゾンビが集まったところで。


「てめえらまとめて道連れだぁ!!!」














手榴弾のピンを抜いた。


チュドォォォォン!!!


「うわ!!」


「おっと。」


予想以上の爆風が来た。それほど威力の高いものを作ったんだろう。


「終わったか?」


「いや、まだだな。」


見ればゾンビはまだ生きていた。数は数十体程度か。


「残ったからっていい気になるなよ。想符 アクセルモード。」


「 おい聖人、なにする気だ?」


「こいつらはもう見飽きた。思い出したくないものまで思い出させやがる。」


ゾンビを見てると数年前のあの悲劇を思い出しちまうんだよ。


「だから駆逐してやる。想符 レールショットガン!」


俺は鉄の塊を大量に投げてそこから電磁砲を放った。科学に基づいてるので普通の電磁砲と同じだ。

ゾンビは当たった瞬間から溶けだして、消滅した。


「今度こそ終わったな。」


「……犠牲は多かったな。」


幻想郷の半分くらいは消滅しただろう。道はぼこぼこになり、木などは枯れはてて、そして死体が大量に転がっている。


「端からみたら地獄絵図みたいだな。」


まあ、このまま放っておくわけにはいかない。そこで俺は事前に彰と話し合っていたことをする。


「彰は死んだ人達を生き返らせてくれ。」


「へいへい、聖人は?」


「地形とかを戻すさ。」


そう言い俺は予め作っておいたスペルを発動させる。


幻符 再生する世界


スペルを発動させると同時に周りが光始める。俺の半分以上の力を使って荒れ果てた幻想郷を元の形に戻すスペルだ。


「こいつはすげぇ。」


彰が驚きの声をあげる。そして光が収まると見慣れた風景があった。


「成功だな、彰の方は?」


「もうすぐだ。」


「わかった、ちょっと手を加えるからな。」


「お好きに。」


まあ、ちょっとしたことだけどな。あいつらの驚く顔が浮かぶな。


「よし、終わった……聖人後ろ!!!」


「くっ!!!」


彰が突然叫び出したので慌てて後ろを振り返ると、映季が目の前にいた。


「失敗しましたね。不意打ちを避けるなんて。」


「映姫、どういうことだ。」


「そうですね。簡単に言えば今の聖人が幻想郷にとって脅威であるから外の世界にいってもらうということですかね。」


俺が脅威?何ふざけたこといってんだ?


「納得がいかないって顔ですね。納得いかなくても結構です。私が判断したので。」


「何をどう判断したんだよ!!」


俺は映姫に向かって走り出したが、


「っ!!!」


急に足の力が抜けて倒れてしまった。


「抵抗しても無駄ですよ。そうそうご安心を、あなたの大切な人のために、あなたが再び幻想郷に来るまでの5年間の記憶は削除したあなたを残しますから。

あと、死んでいった人達は死んだ理由の記憶を削除します。」


「つまり、俺が幻想郷に来るまでの記憶はあって、1回追い出された時の記憶を無くした俺を残すということか。」


訳がわからないって言う人のために、聖人が初めて幻想入りして、謙治に追い出されるまでの記憶と再び戻ってきた時の記憶を残した聖人を残すということ。

追い出されて外の世界にいた時の記憶とこのゾンビの異変の記憶は削除されるということだ。


「させっかよ!!」


彰は映姫に向かって弾幕を放ったが。


「邪魔です。」


一瞬で彰の後ろに回り込んで棒で彰を気絶させた。


「なるほど、俺が消耗するのを待ってたってことだ」


あの時はまだ体力とかが全快だったから見逃したってわけか。


「ええ、消耗してない貴方を相手にするのは無理なので消耗した隙を付いて貰わしました。」


「どうしてだ!?てめえの勝手な判断だろ!?」


ふざけるな、2度と早苗達に会えなくなるってことかよ!!


「先ほども言いましたが、貴方は脅威である。もし貴方が異変を起こす側となっては誰も対処できないでしょう。だから早めに手を打たせてもらいました。」


「ふざけんなよ!!」


俺は必死に立ち上がろうとするが、ここまでの間にかなりの力を使ってしまったので力が入らなかった。


「く、くそっ!!」


「では、さよなら。」


そう言い映季は棒で俺の頭を殴った。その衝撃で意識が遠のいていく。


「ふざけ……やがって。」


「まだ意識がありましたか。でもそれも後少しで無くなります。今の内にこの景色を目に焼き付けなさい」


「早苗、すま……な……い。」


俺は意識を失った。

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