番外編4-2
どうも明けましておめでとうございます。え?もう過ぎたって?ここの小説内ではまだ元旦だからな。
「メタイですよ。」
んなことはわかってるさ。さて今は午前の4時めっちゃ暗い。
「外の世界の頃よりは暗いですからね。」
隣にいた早苗が言った。何回か早苗と初詣には行ったからな。守矢神社だけどな。
っとそんな話はどうでもいいか。ん?なぜこんな時間に起きてるかって?ここは神社だぞ、参拝客がわんさか来てるんだよ。
「にしても多いなあ。」
人間だけでなく妖怪も紛れてるからなあ。何でも幻想郷は日の出の前に初詣を済ますんだとか。
「何でだろうなぁ?」
一人で考えてると。
「幻想郷では常識に囚われてはいけないのです!」
「……言いたかっただけだろ。」
「てへっ♪」
早苗がボケてる間に大体の参拝客は帰ったようだ。いやはや疲れた。
だって参拝したあとおみくじを買う人が多くてね、俺と早苗で対応してたけど、てんてこまいだったよ。
「そのかわりたくさん参拝客が来たんだからいいじゃないですか!!」
早苗が上機嫌な顔で言った。まあ俺にはほとんど関係ないことだけどね。
「さて、ここからは皆が来るんだよな?」
「はい!そうしてもらいました!」
行動早いな。いつの間にしてたのやら。
「あ、来ましたよ!」
早苗に言われて階段の方を向く。最初に来たのは。
「あけおめ~!」
「明けましておめでとうございます……。」
相変わらずテンションの高い絢斗と何やら怖がってる妖夢が来た。
服装は絢斗はいつもの学生服(本人曰く5着くらい持ってるらしい。)で、妖夢は緑色の着物を着ていた。
「幽々子は?」
「幽々子様は“二人でいってらっしゃい♪“っとおっしゃったので二人で来ました。」
なるほど、気をきかせたんだな。
「じゃあまず参拝しなきゃね~。」
そう言い絢斗と妖夢は参拝した。
「あ、そうそう早苗ちゃん。はいお年玉。」
「ええ!?いいんですか?」
「何も何も気にしなくていいよ~。」
絢斗は早苗に封筒を渡した。って俺の分は?
「俺にはないのか?」
「忘れてたね、はいお年玉。」
そう言い絢斗はビー玉を手から落とした。何をしたいのか勘のいい人はわかったよな?
「落とし玉ってやつか?」
「ピンポ~ン!」
まあわかってたさ、絢斗が俺にくれるはずないって。
「っと俺も渡さないとな。」
俺は早苗と妖夢にお年玉をあげた。
「「ありがとうございます!!」」
「何であげたのかな~?」
まあ、俺は外見は二十歳を過ぎてるからな。
「お金がちょっと余ってな。どうしようか悩んでたんだけど、これならいいかなって思って渡しただけ。」
「余ることなんてあるんです?」
早苗がそう聞いてきた。まあ外の世界にちょくちょく行って稼いでますから。
「色々あんだよ。」
「それよりも俺にはくれないのか~?」
「仕方ねえな、ほらよ。」
そう言い俺は手に持ってたビー玉を絢斗の顔面に思いっきり投げた。
「ちょ!!危ないって~。」
絢斗は首を傾けて回避する。……当たれば面白かったのになぁ。
「大丈夫ですか絢斗さん!!」
「大丈夫~、いきなりなんだよ~?」
「いや、あげたじゃん。」
ちゃんと俺はあげたぞ。
「おどし玉は要らないって~。」
どうやらわかってくれたみたいだな。絢斗がくれないなら俺もそれ相応の事をしないとな。
「聖人と絢斗君もふざけないでくださいよ!」
「「サーせん。」」
早苗に新年早々怒られたか、まあどうでもいいが、一つ気になるのが。
「何で妖夢はそんなにびくびくしてるんだ?」
さっきから絢斗の腕にしがみついて離れようとはしない。
「いや、その。」
「妖夢ちゃんは怖いのが苦手なんだって~。」
そういうことか。
「つまり、今の時間帯はお化けが出るかもしれないからですね。」
「い、いえ怖くはないんですよ!!ただ、ちょっと苦手というか……。」
「「「半分幽霊が何をいってんだか。」」」
「皆して酷いです!!泣きますよ!」
妖夢はそう言ってるが、目が涙目になっている。
「じゃあ大声で叫べば多少は怖くは無くなるんじゃないか?」
「そ、それもそうですね。」
俺の提案を妖夢は受け入れ、息を思いっきり吸って。
「怖いですよーーーーーー!!!!」
「「「意味ないだろ(ですよ)!!!」」」
普通あーー、とかだと思うんだけどな。
「まあ、用は済んだし帰るね~。」
「またな。」
そう言い絢斗と妖夢は帰っていった。
「最初の人物から激しいな。」
「体が持ちませんよ……。」
主につっこみのほうでな。お!どうやら次の人が来たらしい。
「新年明けましておめでとうございます兄さん。」
「まあ、明けましておめでとう。」
良太と霊夢が来たか。服装は良太はいつもの学生服じゃなくて袴を着ていた、霊夢は赤と白の着物を着ていた。
「おう、明けましておめでとう。」
「霊夢さん、何をしに来たんですか?」
早苗の言うとおりである。博麗神社はどうなったのかな?
「参拝客が全く来なかったんですよ。」
「ちょっと良太!!」
ああ、なるほど。だからこっちの様子を見に来たと。
そして霊夢は顔を真っ赤にして怒っている。
「大体何で私の神社には来ないのかしら!
立地条件はこことほぼ同じのはずなのよ!!」
「まあまあ霊夢さん落ち着いて。」
霊夢が暴走しようとするのを良太が止める。うん、何度見ても微笑ましい限りだ。
「良太の言うとおり深呼吸して落ち着けよ、はい吸ってぇ。」
「スゥ……。」
俺の言うとおりに霊夢は息を吸う。
「吐いてー。」
「はぁ……。」
「吐いて~。」
「はぁ……。」
「吐いて~。」
「はぁ……。」
「吐いて~。」
「はぁ……ゲホッゲホ!!い、いつまでやらせるつもりなのよ!?」
このネタをやりたかっただけです。
「…………(笑いを堪えている。)」
「良太!!笑わないで!!」
霊夢って普段はぶっきらぼうなのに、良太や恥ずかしいことが絡むと年頃の女の子っぽくなるんだな。現に顔や耳まで真っ赤にして怒っているし。
「いやはや、青春だなぁ。」
「そうですねぇ。」
「二人とも!!これは見せ物じゃないのよ!!」
「悪い悪い、お詫びに二人ともにお年玉をあげるからさ。」
俺が言い終わった直後、霊夢は俺の元へ飛んできた。
「くれるのくれるの!!」
「ほら、あと良太も。」
「ありがとうございます。」
良太はお年玉を受け取り鞄の中に入れた。霊夢は封筒を開けていた。
「一万円が3枚も!!」
霊夢は封筒の中を見た瞬間に目をキラキラさせた。相変わらずお金には目のないやつだ。
「兄弟揃って同じ値段なのね♪」
良太もあげたのか。関心関心。
「じゃあ霊夢さん今年もよろしくお願いしますね。」
「わかったわ。」
「では兄さん。」
そう言い霊夢と良太は帰っていった。その後ろ姿はとてもなかのいいカップルにしか見えなかった。
「霊夢さん楽しそうでしたね。」
早苗が嬉しそうな顔をして言った。
「早苗も楽しそうに見えるけどな。」
「そうですか?えへへ。」
俺は皆が楽しそうなら構わないけどさ。
「やれやれ、ん?次は誰かな?」
次に来たのは快とアリスと健二と魔理沙が来た。
「「「「明けましておめでとう!!」」」」
「明けましておめでとう。」
元気がいいな。まだ夜明け前なのに。
「霊夢はどこに行ったんだぜ?」
「霊夢さんならさっき帰りましたよ。」
「入れ違いになってしまったようね。」
3人で仲良くガールズトークしてるな。快と健二はおいてかれてる。
「あ、参拝してきます。」
「俺も付いていくか。」
快と健二は本殿に向かったが、魔理沙とアリスは気付いてないみたいだ。教えてほうがいいかもしれないが面白そうなので、声を掛けないでおこう。
「霊夢に新年の挨拶をしようと思ったんだけどね。」
「霊夢はそんなやつだから仕方ないぜ。」
話に夢中になってるようだ。
「終わりましたよ。」
快がアリスに声をかけてもアリスは反応しなかった。見ていられなくなったので。
「ちょっとちょっとお二人さん、早く参拝するならしてくれよ。」
「忘れてたぜ。」
「今からしようと思ってたのよ。快、行くわよ。」
アリスはそう言ったが快は申し訳なさそうな顔をして
「すみません、もう済ませました。」
「ええっ!?」
「ついでに俺も済ませてきた。」
「何で一人で参拝するんだぜ!?そこは私達が来るまで待ってろよ!!」
アリスと魔理沙で快と健二を責めている。アリス達が悪いんだけどね。あー、面白い。
結局四人で参拝したそうです。快と健二乙。
「そうだった、皆にこれをやる。」
そう言い健二がポケットから大きいお菓子の箱を取り出した。ってちょっと待て。
「お前どこから出した?」
「ポケットだが?」
「いや、何でポケットより大きいサイズの箱をポケットから出してるんだぜ!?」
「気にするな!!」
……気にしないでおこう。聞いたらとんでもないことになる気がする。
「さて、じゃあお菓子を配るぜ。」
そう言い健二からお菓子を貰ったが。
「健二君、このお菓子生臭いんですけど。」
早苗の言うとおり生臭い、というより魚臭い!!
「要らないわよこんなの!!」
「健二!!なに渡してるんだぜ!!」
そう言いアリスと魔理沙はお菓子を健二に渡す。
「何だよ、美味しいのに……。」
そう言い健二は食べ始めた。
「ムッシャムッシャ不味い!!!」
「「「「「不味いんかい!!!」」」」」
「生魚の味がする!!吐けないほど不味い!!ちょっと誰かお茶持ってきて!!」
健二が仰向けになりながら苦しんでいる、どんなお菓子だよ。てかよく手に入ったな。
「ほれ、お茶だぜ。」
魔理沙がお茶の入ってるやかんを持ってきて健二の口の中に注ぎこんだ。
「あっちぃぃぃぃーーーーー!!!」
「元気になったみたいだな、良かったぜ。」
「良くないわ!!」
新年早々に騒がしいやつらだ。まあ、見ていて飽きないけどな。
「っと、ほれ魔理沙とアリス、お年玉だ。」
「ありがとうだぜ!!」
「私はいいわよ……。」
魔理沙はすぐに受け取り、アリスは拒否をした。これでは保護者の役割が果たせないじゃないか。
「いつから保護者になったんですか……。」
なら、奥の手だ。
「お年玉を貰ってくれたら、ついでに快の写真なども付け「ぜひ頂戴!!」最後まで言わせろよ。」
「ちょっと聖人!いつ撮ったんですか!?」
俺の盗撮技術を舐めないでもらいたい。文にも負けないぞ。
「あ、ついでに健二の分も。」
「おい!!何で持ってるんだよ!?」
秘密だ。写真を受け取った魔理沙とアリスは興味深そうに見てるな。
「だーもう!!帰るぞ!!」
「今年もよろしくな~。」
健二達は帰っていった。
今年も最初からどたばただったが、悪くはなかったな
「見て聖人!!初日の出ですよ!!」
早苗が指差した方を向くと、眩しいくらい輝いてる太陽が昇っていた。
「綺麗だな。」
「綺麗ですね。」
「今年はどんな1年になるかな?」
「楽しい1年になりますよ!!」
俺と早苗は話ながら完全に日が上るまで一緒にいた。
この小説内では現代と同じお金を使ってることになってます。一応昔のお金にしようと思ったのですが、私の頭では理解出来ませんでした。




