いつもの宴会2
俺は早苗を探すために守矢神社をさ迷っていた。
「あいつどこにいるんだよ。」
まあ気長に探しますか。そう思って歩く、すると。
「アリスさん、お話って何ですか?」
目の前に快とアリスがいる。何か雰囲気的に大事な話っぽいな。ここは隠れて様子を見るか。俺は柱に隠れようとしたが。
「あ、聖人!ちょっと来て!」
早苗が柱に隠れていた。いつの間に来たのやら。
「わかってるよ。」
俺は早苗と一緒に隠れながら快とアリスの様子を見ることにした。
「快、本当に大切な話なの。」
「な、何ですか?」
アリスが顔を赤らめてるな。これはひょっとして?
「わくわくしますね!こういう場面を見れることが出来るなんて!」
早苗は少し壊れたようだ。後でにとりのところに行って修理でもしてもらおう。
「私は機械じゃありませんよ!」
何で俺の心を読めるのかね?
「あまり大声出すなよ。気付かれたらせっかくの雰囲気が台無しになるぞ。」
「それもそうですね。」
俺と早苗は再び快とアリスを見る。アリスはしばらく黙っていたが、何かを決心したような顔で。
「快、わ、私と……結婚しましょう!」
「ええぇぇぇぇぇぇ!!!」
予想通りの反応だな。快、気絶はするなよ。
「ぼぼ僕は、その、☆★○◎◆▽△。」
言葉に出来てないぞ。快らしいと言えば快らしいが。頑張れよ、一生に1度あるかないかの場面だぞビシッと決めろよ。
「快の返事を聞かせて!」
「ぼぼ僕は……。」
あと少し、頑張れ快!
「聖人、これを渡しときます。」
早苗がクラッカーを渡してきた。一体いつこんなのを作ったんだよ?
「もももちろん、けけ結婚しましょう!」
いい返事だぞ快。よく噛まずに言えたな。
「ありがとう!!」
アリスは快に抱き付いた。快はそれを優しく受け止めたな。さあて、ここでいっちょやりますか。
「おめでとう快!!」
「おめでとうございます快君!!」
俺と早苗は同時にクラッカーを鳴らす。快とアリスはびっくりして、こっちを向いてきた。
「聖人!!何でいるのよ!?」
アリスが顔を真っ赤にして聞いてきた。
「ちょうどここを通りかかった時に、アリスと快が何かを話してたからな。静かに見守らせてもらった。」
「快君はよく噛まずに言えましたね。」
「ここで噛むわけにはいかないでしょ!?」
いつもの快だったらあの場面は噛んでるからな。ちょっと予想外だったな。
「聖人逹だけなの?見てたのは?」
「多分違うぞ。もうすぐ来るんじゃないか?」
俺がアリスに言ったと同時に絢斗逹が来た。
「おめでとうアリスちゃん!」
「おめでとうございますアリスさん。」
絢斗と妖夢がアリスに祝いの言葉をかける。続けて来たのは。
「アリス、いいプロポーズだったわよ。」
「快、迷惑を掛けるなよ。」
良太と霊夢が来た。それに続けて続々と知っている人達が来て、アリスと快にお祝いの言葉を言った。そして最後に。
「アリスちゃん!遂に結婚ね!」
神綺が来た。神綺は嬉しそうな顔をしながら。
「結婚式はいつやるの?会場はどうするの?お母さん嬉しくて仕方ないわ!」
「ママ!落ち着いて!」
無理もないだろう。娘の結婚式が嬉しくないわけがないだろう。
「場所は博麗神社でいいわよ。」
「霊夢!ちょっと早いわよ!」
「日にちは明日でいいな!」
「魔理沙まで!皆気が早すぎるわよ!」
諦めろよアリス。こいつらは思ったことがあれば即行動するからな。早苗はないだろう。
「じゃあ明日の為に色々準備が必要ですね!」
お前もかよ~。ちょっとは深呼吸して落ち着け!
「早苗、とりあえず深呼吸しろ。」
「そしてラジオ体操第一!」
「絢斗は余計な事言わんでいい!」
確かにラジオ体操やれば落ち着くかもしれないけど幻想郷の人達は知らんだろ。
「み、皆さん明日って言うのはちょっと早いんじゃないかな。」
快がおどおどとしながら言った。けど霊夢が。
「明日やるのよ。元々は明日私達が結婚式を挙げる予定だったもの。」
そーかそーか……え?
「良太は知ってるのか?」
俺は良太に聞いた。良太は顔を赤くしながらも。
「そうですよ兄さん。今日辺りで伝えようと思ってましたから。」
おいおい話が急展開過ぎて付いていけねえよ~。誰か助けてくれ~。
「無理無理w」
つーか絢斗も心の中を読んでくるようになってきた。
「俺って表情に出やすい?」
この場にいた全員に聞くことにした。
「丸わかり。」
「分かりやすい。」
「手に取るように分かる。」
全員から同じ返答が来た。俺泣くよ?即答はないんじゃないか?
「皆してひでー。」
俺は端の方に行って拗ねた。流石に心にグサッてくるもんがあるよ。
「大丈夫ですよ。簡単に表情が読めても問題ないでしょう!」
早苗、フォローしてくれるのはありがたいけど……むしろけなしてるぞ。
「俺は泣くからな、うわああああん!!!」
「聖人それ鳴き声じゃない。悲鳴だ。」
泣き叫んでるだけだ。悲鳴ではない。
「あそこで泣き叫んでるやつは放っておいて、皆明日の夕方に博麗神社ね。」
紫まで出てきたよ。てか誰か慰めてくれないんかい!
でも明日は祝ってやるか。そうならばとある準備もしないとな。
「じゃあ解散!」
幽香とフォンはどうすんだろう?まあ後で誰かが伝えておいてくれるか。
「っていつの間にか誰もいなくなってるし。」
早苗もいなくなってるし。ん?これってもしかしなくても?
「片付けば俺ってか?ふざけんなよぉぉぉ!!!」
逃げやがった、早苗まで逃げやがった。片付けくらいしとけよ!常識がないな全く。
「って幻想郷は常識なんてなかった……。」
ああ、今日は厄日だ~。って嘆いてても仕方ないな、片付けますか。
(ププざまぁ!)
こんな時になんだよ彰。
(いや、ちょっとからかってみたかっただけだ。)
来んな迷惑だから。
(いや待てよ。大事な話があんだって!)
何だよ、手短に頼むわ。
(俺は実体化してそっちに行けなくなった。)
どういうことだよ?俺は彰に質問する。
「あいつに見つかったのか?」
(バリバリ見つかったぜ☆)
止めろ、彰が星とかつけても気持ちが悪いだけだ。
(ひでぇ、まあそんなわけでお前の体に憑依っていう形になった。)
え?まさか……。
(お前と繋がってるということだ!)
いい迷惑だよチキショー!!
(そんなわけでよろしく。ではサラダバー。)
まあ、今は片付けますか。




