奇妙な女の子
魔法の森
「あぁぁぁぁぁ!!!」
やっとあの目玉がたくさんある空間から出れ、って空中かよ!!死ぬ死ぬ死ぬ!!
「どうすればいいどうすればいい!?いや、冷静になぶっ!!」
華麗に地面にキッス!!超痛いし口に土が入ったし気持ち悪!!
「っぺぺ!!あの八雲ってやろー、後で覚えとけよ!!」
いきなり人を誘拐して、更に俺を落っことして謝罪もなしかよ!?天罰とかくらっちまえ!!
「もうちょいましな送り方とかないのか!?」
あの目玉空間の中、超不気味だったんだからな!!目の玉がギョロギョロしてるし!!
「ってかここ何処だよ!?」
周りには木がたくさんあるな。つまり森の中にいるってわけか、俺の家の地下に森なんてあったか?
「しかも何か空気が違うし、本当に何処だよ?」
まあ、考えるだけ無駄か。おっと、そういえば荷物どうしよう?手ぶらで森にいるなんて自殺行為だしな。
「えっと、鞄は、あったあった!!」
近くの木に使い慣れている黒い肩掛け鞄があった。良かった、良かった。
「多分、八雲が置いていってくれたんだろう。ったくそんな余裕があるなら人がいるところに落とせっての。」
ブツブツ文句言っても仕方無いか。さて、鞄の中には、あれ?
「こんなもの入ってたっけ?」
鞄の中に入ってたのは、お茶、音楽プレイヤー、財布、非常食品などが入ってた。まじでこんなの入ってたか?
「きっとあいつのしわざか。あっ、木刀は何処だ!?」
木刀がないと自衛の手段が無くなるし、あっててほしいんだがな。最悪木の枝でなんとかするしかねえけど。
「木刀もどっかにあるって腰にさしてあったし!?」
俺は手に持ってたはずなんだが?それと刀も腰にさしてあった。ん、刀!?
「おいおい、どこから持ってきたんだ?」
うーん、考えても仕方ないか。取り合えず人のいる場所を探しますかな。
「グオォォォ!!!」
ん?誰かの鳴き声か?それにしては野太い声だな。熊?いや狼?でも何か違う声だったな。
「グオォォォォォォ!!!」
近くの茂みから獣が出てきやがった!!第一住人発見!って言ってる場合じゃねえ、俺に噛みつこうとしているし!!
「うおっと!!危ねえ!!」
噛みつかれる前に横っ飛びに飛んで獣の攻撃を避ける。どうする!?逃げるか!?倒すか!?
「ええい!!倒してやる!!」
俺は木刀を腰にさしてあったのを右手に持って、獣の方を見る。獣はさっきみたいに噛みつこうとしてくる。
「ニク、クワセロ!!」
「キャァァァァシャベッッタァァァァァ!!」
おいおい何か変なものでも食べたのか!?獣が言葉を話すなんて、ファンタジーな世界に来ちまったのか!?
「おっと落ち着け。悪いが、てめえにあげる肉なんてねえ!!」
獣が噛みつこうとしてくるのを、俺は最小限の動きで避けた後、カウンターで獣の頭目掛けて木刀を振り落とす。
「キャゥゥゥン……。」
見事に獣の頭にクリーンヒットし、獣は動かなくなる。いやあ、焦った焦った。
「ふう、何でも屋で働いてた経験がこんなところで生かされるとはね。しかしこんなのがうようよいるか。早く抜けないとな。」
今のはたまたまうまくいっただけだからな。また襲われると面倒だ。仲間が来るかもしれないしな。
「取り合えず、走るか。」
まあ、体力のあるうちに抜けたいからな。日が沈む前にはこの森を出たいもんだ。
しばらく妖怪を気絶させながら走ってると森の中に一軒家が見えてきた。
「森の中に家、明らかに怪しい雰囲気が出ているな。」
童話とかでよくあるシーンだな。あの中には魔女がいたりしてな。なわけないよな。いや可能性は0じゃねえな。
「喋る獣や二足歩行できる獣がいた位だもんな。」
まあ、なんとかするしかないよな。はぁ、本当に八雲に会ったらぶちのめしてやろう。
「まあ、為せば成るか。」
取り合えずノックを3回して、中に人がいるか確かめよう。2回ノックはトイレノックだからな、こういう時にやっちゃ駄目だぞ。
ゴゴゴゴゴッ!!!
えっ?何々?何か家の中から物音がするんですけど!?失礼だが、扉を開けさせてもらう!!
ガチャ!!
ドシュュュュュン!!!
扉を開けたら目の前にレーザーがありましたとさ。
「マジかよーーーーーー!!?」
??side
まったく今日は腹がたって仕方ない。なぜこんなにいらついているかと言うと単純に実験に失敗したからだぜ。
「いつもここで失敗するもんな!!やり方はあってるはずなんだぜ!!」
あーもう!!むしゃくしゃするぜ!!
「やっぱり、こういう時はあれをするに限るぜ!」
まあ何をするかと言うと扉に向かって。
「恋符 マスタースパーク!!」
そう言って極太のレーザーを出す、扉の修理は後々考えればいいや!!
「マジかよーーーーーー!!!」
あれ?私がマスパを放った瞬間に声がしたな。あの声は?男の声だったよな?
「あっ、これはヤバイぜ。生きてるかな?」
私の知り合いなら死なないけど、もし他の人が喰らったら死ぬかもしれないぜ。取り合えず外に出よう!!
「あっぶねぇな、いきなりなにするんだよ!?」
あれ!?何でこいつ無傷なんだぜ!?
聖人side
「あっぶねぇな、いきなりなにするんだよ!!」
サイコパスか何かかよこの家の奴は!?全く家の主はどんなやつ、って女の子!?
「お、お前!!」
「なんだ?俺の顔に何かついてるのか?」
金髪の黒いトンガリ帽子を被っていて、黒白の衣装で纏めてる女の子がいた。つーか顔整ってんなおい。
「何で無傷なんだ?何で私の全力のスペルを喰らって無傷でいられるんだぜ!?」
全力かい!!あと少し反応が遅かったら死ぬところだったぞ!!他所でやれよ。
「そりゃまあ、色々あってな。てかお前誰だ!?」
「おっと自己紹介がまだだったな。私の名前は霧雨魔理沙だぜ。」
聞いたことない名前だな、俺の知り合いにそんな名字はいないな、もしかしたらいるかもしんねえけど。
「俺は泊谷聖人だ。」




