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東方外遠記  作者: 颯人
第8章 再び幻想へ ~Again to the Fantasy~
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決戦3

妖夢side


私は今絢斗さんと対峙している。

はたして本当に勝てるのか、不安で仕方がな

かった。

私が不安で震えていると、


[大丈夫だ、わしもついている。]


お爺ちゃんがそう優しく言ってくれた。

この言葉を聞いて私の震えは止まった。


[行きますよ!!]


そう言い私は地を蹴り、絢斗さんに近づき刀を

横に振るった。

だけど、絢斗さんは慌てず、刀を使って私の攻撃

を受け流した。


[ふん!!]


絢斗さんは隙が出来た私に向けて攻撃してきた。


[しまっ!]


私は反応出来たが、動くことは出来なかった。

このままでは当たる、そう思ったけど、


[なんの!!]


お爺ちゃんが受け止めてくれた。


[妖夢!一旦下がっておれ!]


[は、はい!!]


私はお爺ちゃんの言うとおりに下がった。

私が下がったのを見て、お爺ちゃんは絢斗さんに

攻撃し始めた。


[腕は落ちておらぬようだな。]


[ぬかせ!]


お爺ちゃんと絢斗さんの刀の斬り合いは凄まじ

かった。

私でも、目で追い付けなかった。


[す、すごい…]


私は夢中で二人の斬り合いを眺めていた。

しかし、しばらく経つと、絢斗さんが押され

始めた。


[もうへばったのか?]


[うるせえ!]


絢斗さんはそう言いスペルカードを取り出した。


[人符 現世斬!!]


そう言い絢斗さんは超速の居合い斬りを放った。

けど、お爺ちゃんは慌てずに、


[それは相手がもう少しへばった時に使うものじゃ!]


お爺ちゃんは絢斗さんの居合い斬りをかわして

峰打ちを放った。


[があ!!]


絢斗さんはお爺ちゃんの峰打ちを喰らって地面に

倒れた。

私はこれで勝敗がついたと思った。


けど……


[ムグッ!!]


[お爺ちゃん!!]


お爺ちゃんはかわしたはずなのに右肩に斬られた

跡があった。


[絢斗、何をした?]


お爺ちゃんは息を荒くしながらも絢斗さんに

言った。

絢斗さんは立ち上がりながら、


[何って、右腕で居合い斬りをしたあとに、

左腕を使って斬ったんだよ。]


見ると絢斗さんの左手にはもう1本の刀があった。


[油断したわい。]


お爺ちゃんはそう言い刀を右手に持った。

けど、


カラン…


[なっ!!]


お爺ちゃんは右手に刀を持った瞬間に刀を落とし

ていた。


[お爺ちゃん!!]


お爺ちゃんは苦虫を噛み締めた顔をして、


[絢斗、右腕の神経とかを斬ったな?]


お爺ちゃんがそう言うと絢斗さんは


[そうだ、お前の右腕に使う機能を斬った。これで右腕は使えない。さらに霊力で再生させないようにしてある。]


そう言い絢斗さんはお爺ちゃんに突っ込んできた。


[させない!]


私はそう言いお爺ちゃんを守るために防御の

構えをした。

けど、絢斗さんは気にもしないで、


[邪魔だ…]


そう言い構わず斬ってきた。

私はそれをガードした。

けど、感触がいまいちだった。


[??]


私は疑問に思っていると、


[未熟者…]


そう絢斗さんが言った途端、私の体全身に切り傷

が刻まれていた。


[あぐ!!]


私は予想以上のダメージに膝をついてしまった。


[どう……して?]


私はそう思っていると


[お前が俺の攻撃をガードしたあと、安心した時を

狙って刀を離して、もう1つの刀で斬った。]


絢斗さんはそう言い私に近づいてきた。


[1年くらい修行してたが、成長しねえなあ。

そんなやつはいらねえよ。]


お爺ちゃんはその言葉を聞いた瞬間、左手で

刀を持ち、絢斗さんに斬りつけた。


[絢斗、これ以上妖夢をけなしてみろ、

いくら絢斗でも殺すぞ…]


お爺ちゃんは殺気を込めて絢斗さんに言ったが

絢斗さんは臆することなく、


[死にかけの老いぼれが何を言ってるんだか…

そういう台詞は俺に勝ってからいいな!]


そう言い絢斗さんは刀をお爺ちゃんに突き刺して

きた、けどお爺ちゃんは読んでいたらしく、

それをかわした。


[そんな攻撃読めるわ!]


そう言いお爺ちゃんは絢斗さんに斬りかかろう

としたけど、不意に動きを止めてしまった。


[お爺ちゃんどうしたの!]


私はそう言うと、


[体が……動かぬ…]


[まあそうだろう、そこに幽霊に効く御札が張って

あるからな。]


見ればお爺ちゃんの周りに御札がたくさんあった。


[そして、動けないお前を串刺しにするのさ。

秘技 ソードレイン]


絢斗さんが指を鳴らすと、天井から大量の剣が

出てきた。


[あばよ。]


そう言い絢斗さんは指を下ろすと、剣が一斉に

降り注いできた。


[ぬわあああああ!!!]


[お爺ちゃあああああん!!]


お爺ちゃんは剣の雨によって串刺しにされた。

全身血だらけで動けるようには見えなかった。


[どうしてここまでするんですか!!]


私はそう絢斗さんに言うと


[確実に勝つためさ、それとあの方の願いを叶える

のに、あいつは邪魔だったからだ。]


私はその言葉に怒りを覚えた。


[お爺ちゃんを侮辱するなああああ!!]


私はそう言いスペルカードを取り出した。


[スペル 桜花閃々!!]


私は絢斗さんに攻撃しようとスペルを唱えて

近づいた、

だが、


[甘い…]


[な!!]


絢斗さんはいつの間にか私の体に動きを封じる

御札を張っていた。


[いつ…張ったんですか?]


[お前に攻撃した時に張ったのさ。]


絢斗さんはそう淡々と言った。

私は必死に動こうとしたが、封印の力が強く

びくともしなかった。


[お前も妖忌と同じにしてやるよ]


そう言い絢斗さんはさっきのスペルカードを

取り出して、天井に大量の剣を作った。


[お爺ちゃん……ごめんなさい…]


[師弟そろって同じ結果とは…皮肉だな…]


絢斗さんはそう言い剣を落とした。

私はせめてもの足掻きで痛みに耐えようと

目を閉じた…



ドサザザザ!!!





[………………]


しかし、一向に痛みは襲ってこなかった。


[???]


私は疑問に思っていると、


[ギリギリセーフ…ではないか…]


目を開けると、聖人が目の前に立っていた。


[聖……人]


[悪い、遅れた。]


聖人はそう言うと私の体に張ってある御札を

右手で触れた。

その瞬間に、御札の効果が切れたらしく、御札

が崩れ去った。


[大丈夫ですか!!]


声のした方を向くと早苗さんがこっちに走って

きた。


[大丈夫……です。]


私はそう言うと、


[良かった…]


早苗さんは嬉しそうに言った、すると聖人が


[早苗、妖夢と妖忌の治療を頼む!!

出来るよな!]


[出来るけど…聖人は何をするの?]


[俺は時間を稼ぐ、最低でも妖夢だけでも動ける

ようにしてくれ!!]


[どうしてよ!!]


[純粋な剣の勝負だと、絢斗が有利なんだ!!

勝つには妖夢の力が必要なんだ!!

わかったか!!]


[わかったわ!]


そう言うと早苗さんはお払い棒を持って霊力を

溜め始めた。







聖人side


早苗にはああ言ったが、本当に時間を稼げるかも

不安だった。

いいとこいって15分くらいか…

でもやるしかねえ!!


[さあ来いよ…]


俺は絢斗にそう言いった。

絢斗は刀を閉まって居合い斬りの構えをした。

そして俺に向けて突っ込んできた。


[避けるのは間に合わないか…なら!!]


俺は刀を2本抜き、刀を十字の形にして居合い

斬りを防いだ。

こうすることによって、絢斗の左手の攻撃も

防げるからだ。


[ちっ…]


絢斗から舌打ちが聞こえてきた。

防がれたのに腹がたったのだろう。


[なぜ絢斗は謙治に加担するんだよ!!]


俺は絢斗に向かってそう言うと、


[謙治は俺の何もかも分かってくれた!!

なら俺は謙治の願いを叶えるまで!!]


そう言い絢斗は斬りかかってきた。

右手を使い、絢斗は刀を横に振るった、それを

俺はしゃがんで回避する。

しかし、絢斗はそのかわしかたを読んでいたのか、

左手で俺に斬りかかってくる。


[くそ!!]


俺は咄嗟に能力で刀を作り絢斗の攻撃を防ぐ。

そして、俺は距離を取るためにバックステップ

をする。


[何もかもって本当に理解してくれてるって

思っているのか!!]


[ああ!! 少なくともお前よりな!!

俺の苦しみはわかるはずない!!

俺の好きだった人がお前に関わったことによって

死んでいった苦しみをな!!]


俺はその言葉を聞いて、固まってしまった。


[まさか……お前……]


[そうだ、お前の思ってるとおりだよ!!]


絢斗はそう言い距離を詰めるために、


[剣技 刺突。]


高速の突きを放ってきた。

速すぎるので俺は刀でガードしても駄目だと

思ったので、


[想符 二重結界!!]


霊夢のスペルを借りて防ぐことにした。

突進を止めることは出来たが、同時に結界も

壊れてしまった。


俺と絢斗は斬り合いながら、


[俺はあのとき亜美の事が好きだったんだよ!!

それなのに、どうしてお前と関わったばかりに

殺されなきゃいけないんだよ!!]


[俺だって好きに殺したわけじゃねえ!!

確かに俺のせいかも知れない。

けど、その怒りを俺に向けるのはおかしいとは

思わないのか絢斗!!]


[お前だけじゃねえ!!

世界の理不尽さに怒ってるんだ、それなら誰かが

上から暴力で仕切ればこういうことは

起きなかったはずだ!!]


[そうしても何も変わらない!!

いい加減に気付けクソヤローが!!]


俺と絢斗は叫びながらも攻撃しあっていた。

だけど、俺は持久戦は苦手なので段々押されて

きた。

俺の体はあちこちに切り傷があったが、絢斗の

体はほぼ無傷だった。


[(あと持っても2分が限界だ…)]


さっきの早苗との戦いで傷を負っていなかったら

もう少し稼げただろう。

治療したとはいえ、正直きつかった。

けど、そんな弱音を吐いてる場合じゃないと、

俺はそう思ってると、


[俺はお前らを殺して過去にけりをつける。

そして、未来を掴む!!]


[そうかよ、勝手にしな。

けど、お前を止めたいって思ってるやつは

どうするんだよ。

前に絢斗が言ったよな?

それをお前がしてどうすんだよ……]


俺はそこまで言うと、


[もう大丈夫です。]


妖夢が俺に近づいてきた。


[妖夢、あとは頼む。]


[本当に絢斗さんを止めれるんですか?]


[お前なら出来る。]


そう言い俺は妖夢にバトンタッチをした。





再び妖夢side


私はなんとしても止める!!

絢斗さんを止めて見せる!!

その思いで絢斗さんの前に立った。


[俺を止める気か…]


そう言い絢斗さんは刀を構えた。


[お前には俺の気持ちがわからない。]


[いえ、そんなことありません]


私は絢斗さんの言ってることを否定した。


[んなわけねえだろ!!]


[確かに私は詳しく知りません、けどこれから

知ってみせる。

そして絢斗さんの支えになる!!]


私はそう言った。

今言った言葉は本当にそう思ったのだ。

知らないと始まらない、だったら知るしかない。

その苦しみを共に背負っていけばいいと。


[ふざけるなーーー!!!]


そう言い絢斗さんは突進してきた。

私は慌てずに一枚のスペルカードを取り出した。


[お爺ちゃんから教えてもらったこの技!!今こそ使う時です!人鬼 未来永刧斬!!]


私は絢斗さんの突進をかわして、攻撃した。


[(本当に止めて欲しくないなら、涙なんて

流さないはず、自分のやってることを正して

ほしいからこうしたんだと思う。

本当に止めて欲しくないなら、絢斗さんは

2本の刀を使っていたはず!!)]


左手は刀を持っていたが、お爺ちゃんと居合いを

した時や、私のガードをすり抜け、攻撃する時も

本当ならあそこでとどめをさせたはず。

けど絢斗さんはそうしなかった。


[があああああ!!!]


私は本気で絢斗さんに攻撃した。

計12発の斬撃、絢斗さんに全て当てた。

絢斗さんは地面に倒れる時に小さな声で私に

こう言ってきた。


[止めてくれて……ありがとよ…]


私は息を吐き、刀を締まった。


[絢斗さん……しばらく頭を冷やしてください。]


私はそう言った、そのあとに聖人と早苗さんが

こっちにきた。


[お疲れ妖夢]


[お疲れ様です。]


聖人と早苗さんはそう私に言ってきた。


[ありがとうございます、聖人達がこなかったら

終わっていたでしょう。]


[間に合って本当に良かったよ。]


[あの、お爺ちゃんはどうなりました?]


私はそう言うと聖人は、


[俺の作った空間で、安静にしてもらってるよ。

その近くにも絢斗を入れるさ。]


聖人はそう言うと刀で空間を斬って絢斗さんを

抱えて、空間に入っていった。

しばらくすると戻ってきた。


[さて、残りの人達のところに行きますか。]




「聖人!!お爺ちゃんは!?」


「俺の作ったスキマの中で休ませてるよ。」


「良かったです。あれだけ剣が刺さっていたので死んだかと思いましたよ……。」


「でも、妖忌さんなら絢斗君を止めることは容易なんじゃないんですか?」


「ん?あのじいさん手加減してたんだよ。」


「「えっ?」」


「どうせ自分が止めても意味がないって思ったんじゃないか?だからあえてやられたんじゃない?」


「本当にそうなんですか聖人?」


「あのじいさんを殺すなんて俺でも無理だよ。本気なんて出されたら3分も持たねえよ。」


「妖忌さん強すぎません?」


「そりゃそうだろ。時間も斬れるし、距離も斬れるし、何でも斬れるからな。」


「チートじゃないですか……。」


「妖夢にはめっぽう弱いけどな!妖夢の微笑んだ顔を見た時、昇天しそうになってたし!」


「聖人、そんなこと言ってもいいの?」


「流石にあんだけ剣が刺さっていたらな、少しは動けないだろう。だから大丈夫だ、問題ない!」


「ほぅ、わしの前で言うようになったではないか。」


「あるれぇ?お体の方は?」


「もう治ったわい。さて、こっちに来ようか?」


「お断りしま~す!!」


「させぬぞ!!」


「待て落ち着くんだ!!後悔はしてるけど反省はしていない!!」


「わしの本気、1発くらうがいい!!」


「うわっ!!何する!?やめっ!(ピチューーーン)」


「……聖人でさえ容易に倒すんですね。」


「そろそろ終わりましょう。次回も見に来てくださいね!!」


「フーー、スッとしたわい!」


「妖忌……、やり過ぎ……。(ガクッ)」

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