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東方外遠記  作者: 颯人
第8章 再び幻想へ ~Again to the Fantasy~
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聖人の弱点

早苗達以外を救出してから3日経った。俺の怪我は完璧に治ったし、謙治のいる城に向かう時が来た。


「よし、皆いるよな?」


「ええ、いるわよ聖人。」


俺達は広場に集まっている。これから早苗達を救出する作戦会議をするからな。


「何の策も無しに早苗達を救出出来る訳ないしな。良い作戦は思い付いているのか聖人?」


「ああバッチリだぜ魔理沙。作戦は、真っ正面から叩き潰して早苗達を救出する!」


『……はぁ?』


あれ?作戦を意気込んで発表したけど、皆は怪訝な表情を浮かべてるな?意気込みが足りなかったのか!?


「ざっくり言い過ぎです兄さん。つまり、小細工しても意味がありませんから真正面から謙治を叩き潰して早苗さん達を救出するって事ですよ皆さん。」


「そうそう!それを言いたかったんだよ、良太よく分かったな!」


良太を褒めたけど、何か呆れた表情でため息を付かれた。褒めたのにそれはないんじゃないか?


「で、ここに残る人と城に行く人に別れます。」


「全員で行って、ここを落とされたらいけないからって事かしら良太?」


「その通りですよレミリアさん。それで、謙治の城に行く人達を決めるのですが、どうしますか?」


なるべく戦力は均一にしたい、そういう風に組み合わせるにはどうするかねぇ。


「まず、俺と聖人と良太と快は確定だぜ。俺らは謙治をぶちのめさなきゃならないからな。」


「そうだね、謙治がアリスさん達を監禁した報いを受けて貰わないとね。」


快が手を鳴らしながら健二の意見に賛同した、この5年で快は成長したなぁ。快の両膝が笑ってるのは無視するとして。


「あとはどうするかな、おっと念の為の確認だが霊夢は城に行くメンバーに入るよな?」


「当たり前じゃない聖人、あいつに痛い目を見せないと気が済まないわ。」


腕を組んで霊夢がそう呟いた。こりゃ相当怒ってるな、霊夢の後ろから般若の顔が出てきてるぞ?


「よし、その意気で頼むぜ。次に魔理沙、行けるよな?」


「もちろんだぜ健二!この霧雨魔理沙様を頼りにしてくれよな!」


「おう!頼りにするぜ魔理ちゃん!」


健二と魔理沙は互いにニカッと笑いながら話してるな。しかもよく見れば何か良い雰囲気が漂ってるな?


「おいおい、イチャつくなよ二人とも。」


「「だっ、誰もイチャついてなんかいないぜ!普通に話しているだけだぜ!」」


息ピッタリの癖に否定するなよ、しかも若干顔を赤らめてるし。


「話を元に戻すぞ、次にアリスと妖夢だ。二人とも行けるよな?」


「ええ大丈夫よ聖人、お母さんを助けないといけないからね。」


「私も幽々子様と絢斗さんを助けないといけませんので!」


気合充分だな、頼りにしてるぜ二人とも。あとは、どうすっかな。


「それから、神奈子、諏訪子、さとり、永琳、レミリア、咲夜にしようと思うけどいいか?」


「えぇ!?私は行けないの聖人お兄様?」


フランが不満そうな表情で訊ねてくる。これは遊びじゃないからなぁ、フランは出来れば連れていきたくないが、何とかして納得させるか。


「これはあくまで最初に行くメンバーで後から呼ぶかも知れないから準備はしとけよ。」


「つまり、フランは秘密兵器ってこと?」


「ああ、そういうことだよ。だから出番まで力を蓄えておいてくれよな!」


フランの頭を撫でながらそう言うと、フランは不満そうな表情から上機嫌な表情になった。


「分かったよ!じゃあフランの力が必要になったら何時でも呼んでね!」


「妹様、その為に身嗜みは整えておきましょう。こちらにいらしてください。」


フランは咲夜に呼ばれてトテトテと走って行った。ふぅ、何とか誤魔化せたか。


「兄さん、お疲れ様です。」


「俺は口は上手い方じゃないんだからさ、黙って見てるなよ良太。とまあ、こんなもんだけど質問あるやついるか?」


俺が皆に訊ねると霊夢と咲夜が手を上げた。おろ、てっきり永琳やレミリア辺りが上げると思ってたんだが。


「私はあるけど、さっき良太が言った作戦だけど、こんな単純でいいのかしら?」


あー、単純過ぎる作戦だから霊夢は心配になったのか。まあ作戦はキッチリ練った方がいいんだけどさ。


「複雑にしすぎると連携が取れなくなるかも知れないからな。ちゃんとした作戦を立てるならもう1日時間を取らないといけなくなるぞ。」


「なるほど。ところであんた達で作戦を立てるのが得意なのは誰なのかしら?」


「絢斗だよ。あいつは頭がすげぇ良いし柔軟な対応も出来るからな。次に健二になるぞ。」


今度戦術関連の本を読み漁るか。


「納得してくれますか霊夢さん?」


「納得はしたわ、けど良太?さん付けはいらないって私前に言ったわよね?何時になったら直るのかしら?」


霊夢は少し怒った表情で良太の左頬を引っ張りながら言った。良太は誰にでもさん付けするから直らねぇと思うぞ。


「いふぁい、いふぁいへすよ霊夢はん!俺も出来るだけさん付けしないようにしますよ霊夢さん!」


「言った傍からさん付けしてるじゃないの!直らない口はこうしてやるわ!」


額に青筋を浮かばせた霊夢は更に良太の右頬も引っ張った。良太は涙目でジタバタしているな。


「ゆ、ゆるひへくらはい!だから両頬を引っ張らないでくださいよ~!」


「(くすくす、ちょっと楽しくなってきた。良太はこんな情けない顔も出来るみたいね。)」


あっ、霊夢が面白いものを見付けたと言わんばかりの笑みでニヤニヤしていた。こりゃ尻に引かれるのもそう遠くないな。


「おぉ怖い怖い。で、あそこでイチャイチャしている二人は置いておいて、咲夜は何を聞きたいんだ?」


「どうしてここまでの人数を揃えるのかしら?聖人がいればなんとかなりそうな気がするのだけれど?」


いやいやいや、俺を完璧超人とでも思ってるのか咲夜?俺は不思議な能力を持っているただの人間だぞ?


「まあ咲夜の言うことも一理あるけどさ、俺にだって弱点があるんだよ。」


『聖人に弱点!?』


あのねぇ、誰にでも弱点はあるだろう?寧ろ何で皆は俺に弱点があることに驚いてあるんだよ?


「俺を無敵と思っていたのかお前ら?そんなわけないだろ。」


「そうだぜ。ちなみに聖人の弱点は3つある。誰かわかるか?」


別にクイズ形式にしなくてもいいんじゃないか健二?変なこと言われても困るし。


「私は一つわかったわよ。聖人、貴方は長時間の戦闘、つまり持久戦が苦手よね?」


「ご名答幽香、その通りだ。」


別に体力が無いって訳じゃねえからな?そこんところは勘違いしないでくれよ?


「長期戦と言ってもどのくらいですか聖人さん?」


「そうだなぁ、普通の状態なら30分持てば良い方。『オーバードライブ』を使った状態なら10分が限界だな。」


『オーバードライブ』はlevelに関係なく10分しか持たないからな。


「いくら何でも短すぎじゃないのかな?聖人ならもっと長い時間戦えると思うのに。」


「そう思う気持ちは分かるよ諏訪子、けどな俺の能力は強力。でも、強力なものこそクセがあるんだよ。強力だから、使用時間も短いんだよ。」


「そうだったのか。全く知らなかったぜ。」


まあ、この事はあんまり人に話してないから知らないのも無理はないぞ魔理沙。


「二つ目は誰か分かった人いるか?」


「私は分かったわ。聖人は空を飛ぶのが苦手でしょう?」


良く分かったな永琳?誰にも言ってない筈なんだが?


「だが、普通に飛んでいたり戦ったりしていたぞ。どういうことなんだ聖人?」


「正しく言えば空中戦が苦手ということだよ神奈子。俺は空を飛ぶときは能力で身体に風を纏わせて飛んでいる。けどこのコントロールが中々面倒でな、空中で機敏に動けないんだよ。」


まだ皆が空を飛ぶ時のやり方をマスターしてないからな。


「あと一つだけど、これは自分から言うわ。俺の三つ目の弱点、それは腕力が無いってこと。」


『……はい?』


皆は俺の言葉を聞いた瞬間、首を傾げて訳が分からないといった表情になっていた。まあ、こんなリアクションになるよな。


「いきなり腕力が無いって言っても信じてもらえなさそうなのは予想出来てた。だから証拠を見せる、……ちょっとアリス来てくれないか?」


「一体何をするつもりなのよ聖人?」


「今から俺と腕相撲をしてくれ。ちなみに魔法とかで身体能力向上とか使うなよ?」


俺がそう言った瞬間、アリスはキョトンとした表情になった。ちょっと可愛いな。


「えっ?ええっ!?勝てるわけないじゃない!」


「まあとりあえず騙されたと思ってやってくれないか?頼むよマジで。」


アリスは渋々といった感じで俺と腕相撲をしてくれた。





















結果は……アリスの圧勝だった。


「アリス、お前意外と力あるんだな。」


「ちょっと聖人!手加減してないでしょうね?こんなあっさりと勝てるわけないじゃない!」


アリスは怒った顔をして、俺の方を向いた。手加減無しで本気でやったよ、開始数秒で負けたけど!


「これが全力だよ。俺の腕力はアリスにも勝てない非力なんだ。」


「だったら何故、刀とか振り回せるんですか聖人さん!?」


「それは体全体を使って振り回してるんだよ妖夢。とまあ、俺の弱点はこれくらいある。だから人数を揃える必要があったんだよ。」


「よし、そろそろ城に行くから集合してください。」


まあ、ある程度弱点は改善させたけどな。この事は皆には言わないでおこう。

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