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音も無き攻撃。それを食らった猛は本能の赴くままに悲鳴をあげる。
「ぐぎゃあああああぁぁぁ――ッ!」
響き渡る猛の苦痛の声。それはまるで三下の雑魚があげるような絶叫であった。
痛い。ここに来てより一度も感じたことがないその感覚、それに猛は苛まれていた。声を出すことしか出来ない。それも無意識の衝動。延々と続く十一面観音の攻撃にただ絶叫するだけであった。
しかし、それも長い事ではなかった。
次第に慣れて来たのか、その感覚は『痛い』というよりも、何か別物に感じる様になっていた。
痺れる――。
と、言った方がいいだろうか。まるで静電気のビリッとした感覚が絶えず連続的に襲いかかってくる、そんな感覚だった。
(ぐっ、【ルドラの咆哮】、それに雷帝招来……と言ってたか)
なるほど……。と、猛はこの痛みの正体を理解した。
稲妻――。
水と風の合成だろうか。おそらくそうであろうと猛は考えていた。
(フィクションのようにビリビリ……って音は出ないんだな)
いつの間にか、そんなことを考える余裕すら出来ていた――。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
十一面観音は焦りを覚えていた。
自らが持つ最大最強の威力を持つ【ルドラの咆哮】――。
放つと同時に、音も出さず対象に直撃させるという不可避の技。一撃必滅、その名に相応しいだけの戦果を示してきた必殺技。
――そう思っていた。
それを限界まで力を高めた上で放ったにも拘わらず、未だあの不遜な者は生きている。
確かに効いている。先ほどまで自分を圧倒していた存在が為す術もなくもがき苦しんでいる。しかしそれだけだ。
(――何故消滅しない!?)
それに気のせいだろうか。叫ぶ声が段々と小さくなってきているように思える。もしや――。
いや、やはり気のせいだと考え直す。
いくら強者だったといえ、所詮は解脱してもいない人間なのだ。声が小さくなったのは生命力が枯渇している証拠だろう――と。
とにかくここが正念場に違いない。【ルドラの咆哮】を維持し続けるのは骨が折れるが、これを逃したら自分には勝ち目はないだろうと気合いを入れ直す。
それからどのくらいの時が経っただろうか。
十一面観音の眼には既に不遜なる者が地に伏しているのが見えている。声などもう随分と前になりを潜めている。
(流石に死んだか……?)
そうは思えど十一面観音は攻撃の手を緩めない。もし死を偽っていた場合、自分には後がないのだから――。
やがて限界が来た。
放出系、それも継続した技ともなると、心気の消費は相当な物となる。それを限界まで高めた上で使っているのだから、そう長い時間は維持できない。
それでも通常の威力で放った物と同じ時間くらいは出来ただろうか、
(我も成長しているな)
と自画自賛する。
自らの高まりこそ仏道。それに恥じない己の成長を確かめられて十一面観音は鷹揚に頷いた。
下手をしたら意識が途切れてしまう、という寸前まで振り絞ったところで心気の放出を止める。その途端、独古杵から発生していた雷が消失する。
「ふぅ……。ここまでする必要があったとは思えないが……万全を期す、と言うのもまた心理なり。それに――」
少しでも心気を世界に充満することで、修羅道の崩壊を止める思惑もあった。あの者を滅ぼしたことでいずれは安定するはずだ。
仮に取り込まれた阿修羅王と分離せずに復活しても、世界の理に縛り付けられ、彼の神仏と同じように思考も出来ぬ装置と成り果てるだろう。いや、むしろそうであって欲しいと十一面観音は願う。
それが修羅道を破壊寸前まで貶めた罰に相応しいというのもあったが、何よりも死という解放を阿修羅王が迎えられるのだから……。
「それにしても……随分と荒れ果ててしまったな」
戦いの惨状を見回し、己の不明を嘆く。
如何に強敵であったとはいえ、もう少し上手く事を運べたのではないだろうか。それにこれほどまで世界にダメージを与えてしまうとなると、しばらくは使い物にないに違いない。下手をすれば次の弥勒降臨の時まで再生が追いつかないかもしれない。
(弥勒か……そう言えば随分と会っていないな)
彼の仏は如来様に後継者と指名されて以来、たびたび人間界へと転生して徳を集めている。心気はさほどではないが、いずれ徳が昇華しより高純度の神気へと遂げるだろう。それでも神仏である十一面観音でさえ気が遠くなるほどの未来の話だ。
そんな他仏の心配をしつつ、辺りの様子を窺っていた。
何度眺めても凄惨の一言に尽きた。まるで怒れる阿修羅王が再誕したと言われても頷ける破壊跡だ。これを一人の人間が為したのだから戦慄せずにはいられない。
自分は対象以外に一切の破壊を行っていない。あの【ルドラの咆哮】を以てしてもだ。
本来制御された力というのはそういう物である。だからそれが出来ない、これら全ての破壊をもたらしたあの不遜なる者は未熟者なのは間違いない。
けれどそれも当然かと思い直す。それが出来るならばこの――修羅道などに落ちてこないのだから。
(さて、そろそろ如来様に事後報告を入れないといけませんね……)
十一面観音はやることを思い出し、きびすを返そうとした。その時だった。不意に肘から先の腕の感覚が消失した。
「えっ?」
かつて人間だったときを感じさせるマヌケな声を出してしまったとしても、それは仕方がないことだったのかもしれない。何せ――初めての経験だったのだから……。
そして視界には死んだはずの男が映る。
(何故っ!? 何故そこに貴様が――っ)
驚き戸惑うことしかできず、ただ現実を受け止めきれなかった。
男が何かを呟くように口を動かす。――が、聞き取れない。
何か嫌な予感を覚えた十一面観音は、これを聞き逃してはいけない! そう思い、耳を澄まそうとした瞬間、今度は逆側の腕――左腕の肩が軽くなったように感じた。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
(ふぅ、やれやれ。危なかったぜ……)
痛みから解放された猛は隙を窺うため、死を偽装した。否、痛みから完全に解放される前からだった。
何時しか『痺れ』という痛みも、それほど大した物ではないと感じるようになっていた。
――ただ煩わしい。
身体が思うように動かないため、それだけにしか思わなくなっていた。
とはいえ、あの金ぴかが放つ威力が弱まったという訳ではない。また、猛が痛みに慣れたという訳でもない。
では何なのか……。と言うと、それは【阿修羅王の経験】に委譲していた身体の操作が「(一晩で)やってくれましたよ!」というモノだろうか。
外に排気する――オーラとして心気を使う――訳ではなく、敵の心気を遮断する膜へと少しずつ変質させていった。つまり防ぐではなく、消耗させる――これに尽きた。こうする事で十一面観音を謀る事もでき、それでいてダメージも軽減させる効果があった。
もちろん、減算比率がオーラのそれと比べロスが大きいので効率的ではない。しかし情況次第ではそうではない、ということだろう。今回の場合、防御炎を貫通する稲妻にはそちらの方が効果的と判断したようだった。
痛みに耐えかねて叫ぶことしか出来なかったというのに、【阿修羅王の経験】は代わりに仕事をしてくれたのだ。
(記録にない初見の技だと使えねー、って一瞬思ったのは早計だったようだな)
彼の物が雷を操るのを止めても、猛は死んだふりを続けた。当然隙を窺うためだ! と言いたいところではあったが、一概にそれだけではなかった。単に痺れて動けないという有様だった。
身体が回復するのと十一面観音が隙を見せるのは、どちらが先だったかは定かではない。しかし、勝利の女神は猛に微笑んだのだろう。十一面観音が猛に背中を向けたときには、猛は動けるようになっていたのだから……。
猛は動き出す、本能のままに。
剣? 槍? 斧? 鎌? いいや違う! 己の本能はむさぼり食うこと!! ならば――。
――奴を喰らうこと!
十一面観音に気取られるよりも早く接近すると、まずは苦労させられた厄介な腕をちぎった。
ブチッ――。
(……。……何? 脆い、脆すぎる!! こんなに脆かったのか!?)
頑強だと思えた十一面観音の身体は、抵抗らしき抵抗を感じさせず猛の力の前にはトウモロコシをもぐ程度のものだった。
刃を通さぬ身体、燃え尽きぬ不滅の身体と思われたモノがこんなにもあっさりと……。
まさか、これが弱点だったのか……? いいや、そうじゃない。耐性がないのはこんなにも脆いのだ。これが本来の奴の強度だったのだ。
猛はそれに気付き、自分の不明を恥じた。
――にしても、
(くっ、はははははっ! 何が「えっ?」だ!)
猛の視界には十一面観音のマヌケ面が映っている。それが堪らなく滑稽――いや、快感だった。
反省よりもまずは、目の前に差し出された料理を楽しむべきではないか……!
何時でも出来ることよりも、まずは旬の物を楽しむのが風流人として在る姿に違いない、そう猛は考えた。
――驕れる者久しからず……。
(甘い――っ。甘いんだよ――――ッッ!! ここでの死は消滅だ。それも見届けず背を向けるなど殺してくれって言ってるもんだぜ!)
盛者必衰を避けるためには、謙虚に、あるがままに、むさぼり食うことが大事だと猛は思っている。
――それが常勝、そして不敗への道。
謙虚――つまり、勝てないと思った時点で逃げないといけない。逃げられないならば話は違うが、十一面観音は可能なのにしなかった……!
見下し、あざけり、事実を受け止めなかった。いや、認められなかった。
危機感の無さ――。
(――それがテメェの敗因だよ! ザマァァネエエェェェェな!)
猛は茫然自失とした敵の前で無防備になって嘲笑う。
ここで追撃をかけ、そのまま葬り去ることもやぶさかではなかったが、
(――俺をコケにした以上、お前の……絶望が見たい……。さあ、見せて見ろ、お前の恐怖を! さあ、聞かせてくれよ! お前の悲鳴を!)
未だ十一面観音は現状を受け止められておらず、ただ猛を眺めるばかり。
面白くない……。そう思った猛は一計を巡らす。
手に持った食料を彼の物に見えるようにかざし、そして齧り付く。
クチャクチャ。
(――っ! 美味い……! 味気なかった魂などとは違う!)
事実それが美味しいかは定かではないが、久しぶりに感じる味、それに猛は酔いしれた。
やがて忌避感など感じさせずにソレ(・・)を完食する。しかし、足りない。逆に空腹を覚えてしまったくらいだ。
猛は腹をさすりながら、まだ己の情況を理解していない十一面観音に告げる。
「あんた……美味いな。もう少し貰うぜ」
今度は彼の物に理解が及ぶように、ゆっくりと先ほどの動きをなぞる。特に千切るところなど、感じやすいように、丁寧にやってあげた。もちろん左右逆にだが――。
「うぎゃああああああぁぁぁぁああああ!」
痛みを感じたのであろう。十一面観音は失われた腕を押さえつけようと――しかし無くて出来ず、悲鳴を上げるしか出来ていない様子だった。肩口をパタパタとさせる仕草は実に滑稽極まりない。
ああ、素晴らしい……! 猛はその絶叫に酔いしれた、実に心を振るわせる美声だと。
「ははははははっ! いい、実にいいね! キミィ!! アンコールをしたいくらいだ。……でも、もうなくす腕がないね? どうしようっか? 今度は足でも千切るかい?」
猛はその独唱をツマミとし、残り少なくなった十一面観音の腕を堪能する。
(仕掛けてくる様子はないな。いや、無理か……感じられる心気すら僅かとなっているしな。奴の攻撃手段は全て腕在りきだった。せめて腕が生えてくれば多少は楽しめたかもしれないが……)
隙を見せているつもりで、猛はその内では警戒していた。それも当然だろう。先ほど痛い思いをしたのだから。
やはり油断というのはしてはいけない――。そう心に刻みつけられてしまった。
けれど油断ではなく余裕を見せるのは問題なかろう。相手を高ぶらせる効果もあるし、これは戦術だのだから……。
「ごちそーさま――と。それで? アンコールは応えてくれるのかな?」
「うぐぐぐぅ……。貴様っ! この様な事をして許されるとでも……」
「あーはいはい。よく聞く言葉だよな、それって? けど、どうして許して貰わないといけないんだ? 弱肉強食――って、いい言葉だよな、知ってるかい?」
猛は耳をほじりながらそう訊く、まるで耳にたこができたとばかりに。
十一面観音はそれを感じ、押し黙る。無駄だ、そう思ったのだろう。けれど我慢が出来ないといった様子で口を開く。
「我に、仏に対し、なんと不遜な――っ」
猛は何気ない仕草で耳をほじっていた方の腕を振るった。
ビシュ!
十一面観音の耳は手刀で切り裂かれ、宙へと舞い上がる。
「――っ」
「ごめんな、問答する気はないんだよ。で、だ。片方しか残ってないからよく訊いてくれよ? アンコールに応えてくれるのかい?」
十一面観音の顔はその言葉を聞き絶望に彩られた。
ああ、なんていい表情を浮かべるんだ……。ここにカメラが無いのが惜しまれる。
それにしても――。
(仏に血は流れていないんだな……)
即死以外なら修羅どもも血を流してた。しかし、十一面観音にはそれは見受けられない。
猛はそれが残念でならなかった。
自分が与えた傷跡から出る血飛沫が好きなのもあるが、ただ金を朱に染められないことだけが残念だった。そうすれば少しは見栄えがよくなるのにな――と。
しばし返答を待ちながら、猛は身のうちに起こってることを確かめる。
(やはり……手に入ったか。アイツが両手で生み出していた風と水の力を――)
食べること――。
それも象徴となるところを食すのがキーなのだろう。わざわざ殺す必要もないのが都合がよすぎる気がしたが。
でも、完全には手に入ったとは言いがたかった。僅かばかりの力を――適正を身に付けたと言ったところだろうか。心気の力は増したが、その程度と言わざるを得なかった。
やはり相手の全てを手に入れるのは存在ごと喰らうしかないのだろう。それだけに目の前の敵を逃す選択肢はあり得なかった。
(まあ、ここまで見下した態度を取った奴を逃すつもりはないがな……)
猛は一向に答える様子のない十一面観音に見切りをつける。もう、こいつは楽しめないな――と。
絶望に染まった表情は段々と薄まっていくのもピークを過ぎた証拠だろう――と。
(さて……殺るか……)
猛はトドメを刺すべく動き出した。
解体はあっけないモノだった。
うめく声をBGMに千切る、もしくは引き裂いていくだけ。刃物を使えないのが少々面倒な処であったが、人体の解体などしたこともなかったので、使えたとしても大差は無かったかもしれない。
目の前には『頭』『胴体』『左脚』『右脚』と分かたれた十一面観音が鎮座している。
この状態となれば死んでいると判断するべきだろうが、猛は未だ集中の糸を切らしていない。理由は一つ。光になって消えていないからだった。
「まだ生きていられるとは……な。死を超越したってのも、あながち嘘でもないのかね」
「き、貴様などに……仏道が分かって堪るかっ! いずれ輪廻の輪から戻ったならば、貴様を真っ先に殺してくれるわっ!」
首だけとなった十一面観音はそう吐き捨てる。
猛はその言葉を聞き、侮蔑した表情を浮かべ彼の物へと告げる。
「おい、お前……また俺と会えるつもりなのか? いや、生き返れるつもりなのか?」
――お前は俺に吸収されて終わり、次の人生はない。
猛は暗にそう訊いたのだ。
けれど十一面観音はそれに気付くこともなく、
「当然だろう。輪廻の輪は貴様などに断ち切れる物ではない! 仏の我が身ならば六道に縛られる事もないし、そう長い刻をかけることもないのだ」
と十一面観音は激高した。しかし、はたと何かに気付いた様子をみせる。
「……ん? いや、そうか……そうだったな! ハッハッハ! そうだったなぁああァ! 修羅道は我の不明のため滅びることになってしまう、だが貴様と共にだったな! なるほどなるほど、貴様と再び相見えないのは道理であったか」
「――っ」
(しまった! 阿修羅王がここの楔――世界の柱だということを忘れていた――ッ!)
大黒柱が折れた建物が崩れ去るように、おそらくこの修羅道も崩壊するに違いない。いや、十一面観音の様子から確実なのだろう。
と、なれば……、この様な相手にかまけてばかりはいられない。脱出方法を見出さなければならないのだから。
しかし、脱出方法が分からない――。
「おい、念のため訊いておくが、ここの脱出方法を教える気はあるか?」
「ふん、誰が教えるか!――って言いたいところだがな。気分がいいので教えてやる」
十一面観音は口を開けて、こう告げた。
――ない! 悟りを開いた者以外はここからは出られない。ここが貴様の墓場だ!
それを聞き届けるなり、猛はその不快な言葉を告げたモノを踏み砕く。
その瞬間、辺りにプワァっと光が舞い上がった。凄い量だ。修羅や光人などとは比べるべくもない数の光玉が周囲に漂い始めた。
《アフラ・マズダー》のときも思ったものだが、やはり強力な存在はその身に宿す魂の質も量も段違いだ。そこは同様なのだが、赤みを帯びた光だった《アフラ・マズダー》とは違い、十一面観音の光は青と緑色の玉だった。
それを見た猛は気付いた。これは魂であると共に、その者が持っている心気の根源なのだと。
そう考えれば全ての理由に納得がいく。食べる事で自分が強化されることすら説明がつくのだ。
これを見逃せば、なるほど、彼の物が吐き捨てたように復活を遂げるのだろう。が、猛にはその気はない。
猛はこれまでと同じ様にそれを吸い尽くしてく。
(味はしないな……クソ! 順番を間違えたかッ!)
けれどそれは既に後の祭り。もはや覆す事の出来ない物として無念を覚える。
ああ、もっと味わって食べればよかった――と。
勿体ない事をしてしまったと嘆きながら完食し、そして呟いた。「辞世の句が逆だろ……。ここはお前の墓場だ」――と。
十一面観音を食らい尽くしたが、未だ身体に馴染んだ様子はない。もちろん少しずつ、内で何かが変わっていると分かるが、直ぐに掌握出来る感じはしてない。
さて、これからどうしようか、どうやって脱出をしようかと考えているとき、とある物が目に入る。
(あれは――っ!?)
猛が目にしたモノは十一面観音以上の怨敵――自分を殺した修羅だった。
一目で分かった。同じようにしか見えない修羅道にいる修羅。なのに、あの者だけははっきりと区別が出来た。
自分の魂――。
身体があの者を殺せ! 食らいつくせ! 生かしておくな! と叫びだしたからだ。
猛はそれに引きずられ、何も考えられなくなる。そう、脱出することも、どうやって殺そうかと言う事すらも……。
猛はその意志に従わされ勢いよく飛び出した。しかし本懐を遂げることは出来なかった。
何故なら――。
――世界が崩壊した――。
相変わらず次話投稿日は未定。