表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
《異世界スラムから始める、建国スローライフ》  作者: 鳳鸞
第一章 スラムでの生存生活
2/40

目覚めの藁布団と《超越開花》

目覚めたのは、腐った藁の上だった。

寝床というにはあまりにも惨めで、臭くて、硬い。ああ、まだ夢の中ならよかったのに。


「……マジで転生してんのか、これ」


腹は減ってるし、喉はカラカラ。けど、意識は妙にクリアだ。

目に映るのはボロボロの木壁と、空き瓶が転がる床。

遠くから怒号と笑い声が混じったような騒がしさが響いてくる。スラム──というか、これはほぼ廃墟だな。


「スキルは……ないか。職業も……うん、無職。だよな」


体は子供。たぶん12歳ぐらい。服はボロ、靴はなし。

ステータス画面は出ないけど、なんとなく直感でわかる。魔力も、力も、すべてが“最低値”。


──けど。


「《超越開花》……か。隠しスキルのクセに、だいぶ地味だな」


どこかのタイミングで頭に直接インストールされた知識によれば、

《超越開花》は“成長速度が異常に遅い代わりに、限界突破の伸びを持つ”らしい。


つまりは、クソ雑魚からスタートして、いつか全部乗せチートになれる……かもしれないってやつ。


「ま、俺好みっちゃ俺好みだな。やり込み型は慣れてる」


最初はいつもそうだった。

どんなゲームでも、何周しても、初期装備から始めてた。素材集めて、装備整えて、効率よく成長する。

今さらチュートリアルなんていらない。ここから始めるしかないんだから。


「……よし、まずは食い物と水を探そう。ゲームと違って、ここでは死んだら終わりだ」


生き延びるために。

強くなるために。

そして、いつか──この腐った街ごと、世界の仕組みすら変えるために。


少年・ランフェンの、小さな第一歩が始まった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ