表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

3/61

(2)

国立魔法学園。

そこには、この国にいる貴族の中でも、権力、財力、そして魔力が優れたものしか入学できない

学校だ。

そして、今日はそんな学園の入学式。

ヒロインはもちろん、私や、ゲームの攻略キャラ達も、今日、この学園に入学する。

まぁ、そんな入学式も終わり、今は、入学式後に、一時間だけ行われる授業の時間だが。

正直、授業はかなり簡単だった。

前世の記憶があるのももちろんだが、過去のユリットは、かなりの博識ということが分かった。

きっと、第二皇子である婚約者に見合った人でありたいと、努力に努力を重ねたのだろう。

そんなことを考えていると、いつの間にか授業が終わっていた。



.....さて、これからどうしようか。

これからについて考えていると、前の席で、「うぅ~ん」と唸っている少女がいる。

このゲームのヒロイン、「フェミー・クレイル」だ。

私は少し迷った後、彼女に勉強を教えてあげることにした。


「あの、もしよかったら、教えて差し」

「―何している!ユリット!」


私の声をさえぎりながら、怒号を浴びせてきたのは、婚約者である、セフィア・カタリエスだった。


「何、といわれましても、ただ彼女に勉強を教えて差し上げようとしただけですわ。」

「じゃあ、どうして彼女はこんなに怯えているんだ!?」

「えっ?」


その言葉で、彼女のことを見てみると、彼女は顔面蒼白で、唇はフルフルと震えていた。

.......どうして?わたしは、知らず知らずのうちに、彼女を傷つけてしまっていたの?


「ほら、やっぱり何かしたんじゃないか。さすがに何をしたかまではわからないが.......

 大方、彼女が気に食わなかったんだろう。

 光魔法が使えるだけで、平民のくせに贔屓され、婚約者である俺の興味が

 彼女に行くのが嫌だったんだろう。」


.......何?この人は何を言っているの?


「この際だからはっきり言っておく。

 俺はお前のことなんてなんとも思っていない。これ以上彼女を傷つけるな」


クラスメイトから向けられる視線が痛い。

あぁ、この視線、懐かしい......








私は前世で恋をした。

でも、私が恋をした相手は、女の子だった。

斜め前の席の、笑顔がまぶしい、女の子。

こんな気持ちをいったら、きもがられて、友達じゃいられなくなる。

だから、ずっとこの気持ちを押しとどめていたのに。


ー私の恋は、驚くぐらい、あっという間に終わってしまった。

ある日、私は、学校に秘密の日記帳を持ってきてしまった。

私の恋心を綴った、秘密の日記帳。

そんな日記帳は、クラスの一軍女子たちに、ばれて、あっという間に奪われてしまった。


(返して、返してよ!私が何したっていうの!)

(ぎゃんぎゃんぎゃんぎゃんうるさいわね!こんな気持ち悪いこと書いて、バッカみたい!)


あははは!という、一軍女子たちの笑い声が、鬱陶しいぐらい私の耳に、絡みつく。

私の、恋はさんざんネタにされた挙句、

私の恋は、クラスだけではなく、学校中に知られてしまった。

驚くくらい、あっという間に。

そして、もちろん恋した女の子にもばれて、私は、避けられるようになったしまった。

でも、そんな情けない話、親にできるわけなくて、、、、

だんだん学校に通えなくなって、いつしか不登校になった。


そんな時に出会ったのが、「魔法学園物語~君と共に歩む未来~」と、出会った。

乙女ゲームの世界は、どの作品もキラキラしていて........

そんな中でも、魔法学園物語は、、、フェミーちゃんは、どんな作品よりも、

ずっとずっと輝いて見えた。

そして私は、どんどんのめりこむようになり、

フェミーちゃんを見るたびに、胸がどきどきして、苦しくなった。

現実では、私がかってに恋をしたせいで、相手に迷惑をかけてしまった。

でも、フェミーちゃんは、二次元のキャラだから、私が恋をしようが、

迷惑は掛からない。

そして、フェミーちゃんは、私のことを裏切らない。裏切りようがない。

実際には会えなくてもいい。そう思っていた。







フェミーちゃんは生きている。

生きていれば、嘘もつくし、人を傷つける。

私はフェミーちゃんを傷つけたくないし、傷つけられたくない。

これは、私の我儘だ。

そんなのわかってる。

それでも、これだけは伝えたい。フェミーちゃんに嫌われたくない。

そんな思いも、心の中にはあるのかもしれない。

でも、これは、今世で生きるための、私の誓い。

..........どんなに嘘をついても、後悔しても、この言葉だけは、取り消さない。


「自分が"正しい”と思ったことを貫いて、、、、

 自分の好きを貫き通すことの、何が悪いのですか?」

 

前回は、乙女ゲームの転生悪役令嬢様は、百合ルート目指して全力で攻略中にて!略して悪百合を

読んでいただき、ありがとうございました。

今回も楽しんでいただけたでしょうか?

できるだけはやく投稿できるよう頑張りますので、暖かく見守ってくれるとうれしいです。

それでは、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
女学生ってやたらと合わせないとダメみたいなわけわからんルール作るの好きだよなあ
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ