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091.機内と状況

 機内はパニックになっているかと思いきや、落ち着いていた。

乗客は皆シートベルトを締めて不時着に備えている。

これはキャビンアテンダントが優秀ということか、はたまた機長のアナウンスが上手いのか。

とりあえず僕は操縦室へ向かった。

乗客はなんでこの人はシートベルトせずにうろちょろしているんだろうという不審な目で見てきたのが結構辛かった。


「お客様、シートベルトを締めてお席にお戻りください。緊急事態なんです」

「緊急事態なのは分かっています。だからこうして僕がここへきたんです」

「えっと?それはどういうことでしょうか?」

まいったな。

僕は側から見たら普通の高校生だ。

いや、普通じゃない高校生というわけではないけれども。

教会のメンバーであると証明するものが……。

あるじゃん!

「僕はこういうものです」

堂々とライセンスカードをキャビンアテンダントに見せる。

「教会の方だったんですね。大変失礼いたしました。機長にもお伝え致しますので、ここで少々お待ちください」

効果は絶大だった。


「機長がこちらへきていただくようにとのことです。こちらへどうぞ」

僕は操縦室へと通された。

機長と副機長は乗客とは違って鬼気迫る感じだった。

「エンジンは!?あとどれくらいもつんだ!?」

「2分半ってとこだと思います!しかしジェットがやられてうまく操縦できません!それに着陸する場所もまだ見つかっていません!」

「くそ……。なんとかしてこの危機を乗り切らねば……」


「機長、教会の方がお見えです」

「おお、これはこれは……ってこんな子供が教会だと?何しにきたんだよ、遊びならよそでやれ!」

僕は黙ってライセンスカードを提示する。

「……ふん。そんなもん証明になんかなるかよ!ほんとに教会のやつなら乗客を助けてその力を証明してくれよ!」

「初めからそのつもりです。国語の役目は「防守」ですから。乗客も、機長もお守りしますよ」

機長が言い返すことはなかった。

「それで機長、今の状況は?」

「ジェットが2つイカれちまった。何かで爆破されたような感じだ。それゆえに操縦が上手くきかない。エンジンも漏れちまってるから飛べるのはせいぜいあと2分ってとこだ」

やはり爆破、というか攻撃を受けていたのか。

「そして何よりまずいのが着陸できる場所が見つかってないってことだ。いくら北海道が広いとはいえ、平地で全く生き物がいない場所なんて都合よく見つからねぇ。今必死に探してもらってんだがな」

僕は考える。

つまりだ、僕がすべきことは、2分以内に着陸できる安全な場所を用意する、もしくは飛行機に乗っている人全員を安全な場所に移動させることか。

いや、ジェットを直すっていうのもありか。

燃料を補給するでも延命措置にはなるか?

僕は、僕は、僕は、考える。

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