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089.再会とすべきこと

 感じたことのあるこのトランポリンの感覚。

そして声。

いや、懐かしんでる場合ではない。

無重力が重力に変わりまた下に落ちていく。

違うのは下がトランポリンだということ。

前はうまく着地できなかったけど前回の経験を活かして……。

僕はうまい具合にトランポリン上に止まる。

跳ねないように体をくねらせて。


 そして当然だがこちらに向かってくる1人の女性。

「杏ちゃん!!!」

翔子との再会だった。


「久しぶりだな翔子。元気にしてた?」

「元気にしてた?じゃないよ、杏ちゃん!全然メール返してくれないし!もー心配したんだからね!心配しすぎて空港の近くまで来てみたら飛行機墜落しそうだし!誰か降ってきたと思ったら杏ちゃんだし、わかんないことだらけだよ!!」

いつもよりテンションが高かった。

ランナーズハイというやつだろうか。

「それで杏ちゃん何があったの!?」

「時間がないから手短に話すとだな……」

僕は飛行機での出来事を話した。

「だったら杏ちゃんがすべきことは1つしかないわ」

「僕は何をすればいいんだよ?異教を倒すことか?飛行機に戻ることか?」


「飛行機の墜落を阻止することよ」


 僕は言われてハッとした。

異教のことばかり考えていたがそもそも飛行機は不時着しようとしているのだ。

乗客の安全を確保することが最も重要じゃねーか。

でも。

「でもそれじゃ飛行機の上の異教はどうするんだよ?」

「私がなんとかするわ」

「なんとかって翔子どうやって飛行機に行く気だよ?」

「私の教科を使えば大丈夫。分業しましょ。私は異教をなんとかする。杏ちゃんは安全を確保する」

こういうのって普通男女逆じゃないだろうか?

でも翔子なら、翔子にならいわば背中を預けられる。

「無茶だけはするなよ」

「大丈夫だって。心配しすぎるのは杏ちゃんのよくないところ」

翔子はそう言うとキッと飛行機の方を向く。


「棒高跳び!」


陸上用の棒か出現し、翔子が助走をつけるためトントンと軽く飛ぶ。

「それじゃ杏ちゃん頼んだわよ。国語の役目は「防守」でしょ?」

「保健体育の役目は?」


「迎撃よ」


かっこよく言い放つと翔子は棒高跳び用の棒を構えてこっちに向かって走り出す。

「杏ちゃんしっかりつかまっててね」

「……え?」


僕は翔子の方を持ってない方の手で抱き抱えられ、空高く、黒い煙をふきながら高度を落とす飛行機に向かって宙を舞った。

棒高跳びってこんなに高く飛べるの!?

ていうか男女逆だって。

翔子に抱き抱えられる僕はめちゃくちゃお荷物みたいだった。

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