087.おいと護送
PVが3000を突破しました。素直に嬉しいです。まだまだ続きます!
「あなた誰ですか?」
「おいおいおいおい、にーちゃんそりゃないぜ。同じ教会の一員だろうが」
「え?」
「といっても俺の教科は国語じゃねーがな」
えーっと?
状況を整理しよう。
今飛行機のジェットが壊れて不時着しかけてる。
横には無愛想な男。
その男に僕は話しかけられている。
どんな状況だよ。
どーしていいかわかんねーよ。
「おいおいおいおい、にーちゃん。天野のとこで鍛えてもらったんじゃなかったのか?どんな状況にも適応できるように」
「!!」
そうか、天野先生はこうなることを見越して授業、いや授業を!?
いや、話ができすぎてるな。
だがこの男が言うことにも一理ある。
この状況で僕が取るべき行動は……。
「……あなたの名前を教えてください。僕に何ができますか?」
「そうだ、それでいい。俺は土屋。37歳独身だ」
いや、そこまでは聞いてない。
「いいか、泉。このジェットは攻撃されてるんだ」
「攻撃?誰に?」
「おいおいおいおい、そこまで言わなきゃわかんねーのか?」
おいが多いっつーの。
「異教にだよ」
「……っ!?どうしてそんなことわかるんですか!?」
「この飛行機に異教が乗ってるのを俺が知ってた。そいつが今飛行機の中にいない。これで説明は足りるか?」
なるほど。
つまりは土屋さんは異教を追っていたってことか。
「まあ俺が捕まえて護送中だったんだけどな」
おい、逃げられてんじゃねーか。
この騒動を作ってるのはあんただよ!
「おいおいおいおい、俺に落ち度があったって顔してるな。飛行機という密室の中でこんなことされるとは思わないだろう?」
「……どんな状況にも適応しなきゃいけないんじゃなかったんですか?」
「…‥言うねぇガキが。さすがは教科が国語。言葉がうまい」
「そんなことはともかくどう動きます?」
「1回目のジェットが壊れた時があったろ?その時はまだ俺の前にやつは座っていた。2回目の時にはやつはいなかった」
普通護送って座席横にするもんじゃないのか?
そもそも一般人が乗ってる飛行機で護送するなよ。
「つまりだ、捕まった異教徒を救出しにきたやつがいる。敵は2人以上。2人だった場合はおまえに片方を任せたい」
ふむ。
それは理解できた。
「それでそいつらはどこにいるんです?」
「ジェットを壊してるんだ。飛行機の外に決まってんだろ」
「……その場合、救出に成功されたってことになるんじゃ?わざわざ飛行機に残っているとは考えにくいんですが」
「それを今から調べに行くんだよ」
この男まさか飛んでる飛行機の外に調べに行くとかいうんじゃねーだろうな?
「行くぞ泉。機体の外を調べに!」
某名探偵もびっくりのアクションだよ。
僕に拒否権はなさそうだった。
毎日更新を目指します!
感想、評価、ブックマーク、なんでも励みになってます!
よろしくお願いいたします。