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085.理由と出発

「何しに北海道まで駆り出されるんですか?」

「……壁を壊そうとしている人がいるらしいのです。泉先生には「壁」を守りに出向いてもらいます」

「壁?」

「日本を覆っている特殊な防御壁のことですよ」

「ああ、そんな話してましたね」

「北海道には教会支部があるので合流してもいいかもしれませんね」

「教会支部?それって国語支部みたいな感じですか?」

「おや、北海道にある支部をご存知ありませんか?」

変に突っかかる言い方だな。

「わかりませんね」

「忘れてしまっては、怒られてしまいますよ」

怒られる?

誰に?

「北海道にあるのは教会保健体育支部です」

ぷんぷん怒っている翔子の顔が浮かんだ。

メールも返してないし翔子がいる場所を忘れていたとなるとぷんぷん具合もマックスかもしれない。

「また詳しくはお電話します。それでは」

「あ、ちょ、ちょっと……」

えぇ……。

何時にどことか具体的な内容が何一つわからないんだが。

とにかく北海道に行けってことね。

ふむ。

まず僕がすべきことはっと。

翔子にメールを返そう。

話はそれからだ。



 返信遅れてごめん。

僕も北海道行くことになったよ。



送信っと。

90秒でメールが返ってきた。

支度もできねーじゃねーか。

いや、90秒で支度できなきゃだめか。



 え!?

どういうこと!?

色々怒りたいけどこっちに来るなら会って話した方がいいよね!

いつ来るの?

明日?

飛行機?

お金は?



?だらけじゃんか。

かぁちゃんかよ。

でもそのメールのおかげで気づいた。

お金どーしよ。

ケンは京都に誘ったばっかりだから流石に気が引ける。

誰かに借りるか、いやそんな友達はいない。

1人で反語を使ってうんうん唸っていると、


 ピロリン


 またメールが来る。



 どうせ杏ちゃんのことだからお金どーしよって困ってるんでしょ?

私が杏ちゃんの銀行口座に旅費を振り込んどいたわ。

ちゃんと明日飛行機に乗ってくるのよ!

待ってるからね!



な、なんて手際のいいやつだ。

そして僕のことを全て見抜かれている。

恐るべし幼馴染。

そしてありがてえ。

なんか美味しいものでも買っていってやろう。

幸いにも北海道行きの準備は京都行きの準備とさほど持っていくものは変わらないので特別何かを買う必要はない。

飛行機のチケットは空港で取ろう。

僕は安心して眠りについた。

もちろん、メールに返信するのは忘れていた。



 朝起きて、メールがきているのを確認する。

やべ、翔子に返信し忘れた。

僕はそう言うことには疎いのだ。

怒ってるかな?

と思ったが、端的な内容だった。



 寒いから暖かくしてきてね。

あと美味しいものは買ってこなくて大丈夫だから。

早く会いたいよ、杏ちゃん。



いやぁ、ここまで以心伝心だとさすがに怖いな。

僕は通帳とリュック、それにコートを肩にかけ、家を出発した。

向かう先は北海道。

の前に、病院によって行こう。

ねぇちゃんに「いってきます」を言うために。

もう、喋れるんだから。

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