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072.キョウとケン

第5幕、はじまりはじまり。

 男子高校生の朝は遅い。

この日も例に違わず遅かった。

といっても遅刻しない程度だが。

昨日の教会試験の余韻がまだ残っている。

ねぇちゃんの意識が戻ったのも大きかったなぁ。

少なくとも今僕の中にモヤモヤはひとつだけだった。

二谷のことだ。

結局ほんとに異教に行っちゃったのかなぁ。

でも二谷のことばかり気にしても始まらない。

僕は学校に行く準備をしながらスマホをいじる。


 杏ちゃんおはよ!

私は今から飛行機乗って行ってくるね!

ちゃんと学校行くんだよー


 こんなメールが来ていた。

朝4時に。

早すぎるだろ。

後で適当に返事しておこう。

僕はいそいそと学校へと足を運んだ。


 教会に入ると高校の単位は免除されるらしい。

それなのに僕がなぜ学校に来たかというと、仲間が欲しかったのである。

京都まで一緒に行ってくれる人に会いに1-Dへ向かう。

お目当てのそいつは僕が話しかける前に声をかけてきた。


「やや、キョウじゃないか!君からこっちへ来るなんて珍しいでござるな!」

「ござるとか言うな。いいだろ僕から会いに行ったって」

身長は160cmくらい、丸い眼鏡をかけた男。

江角健太、僕の唯一の親友である。

と、友達はたくさんいるから!

親友じゃないだけだから。


「キョウは教会試験に行ってたんじゃ無かったか?どーであったのだ?」

「ん、まあまあって感じ」

「ということは受かったのでござるな、おめでとう」

こいつ……ますますオタクに磨きがかかってないか?

それも変な方向に。

「まあ、受かったよ。それでケンに頼みたいことがあるんだ」

「そんなことだろうと思ったよ。でなんでありますかな?」


「今から学校サボって一緒に京都いかね?」


 結論からいうと学校は午前中の授業だけ受けた。

学校を出ようとしたところで毛利先生に止められたからだ。

「バーット、2人で京都に行くのは構いませんがせめて授業は受けて行ってください」

先生に逆らうほど僕は勇気はなかった。

ていうかなんで毛利先生僕達が京都行くこと知ってんだよ。

あれか、僕ってそんなに顔に出るタイプなの?


「じゃあ遠出の準備して君の家に行くよ」

「おう、待ってるわ」

ケンはなんにも説明していないのに二つ返事でオーケーしてくれた。

持つべきものは友だなぁ。

まあ、誘える人はケンしかいないだけなんだけどね。

しかもケンの教科は国語じゃないんだけどね。

でもほら、旅は道連れっていうし。

学校サボって友達とどこか遠くへなんて楽しいじゃん?

なんて考えていると玄関から声がする。


「たのもーう、きたぞー」


なんで普通にチャイム押せないんだよ。

「早かったな、じゃあ行こ……う…か。……そんな格好で行くの?」

「そんな格好とは失礼な。推しの服を着るのは当然」


女の子のイラストが描かれたシャツにジーパンで江角健太は現れた。

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