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068.金槌と合格者

「それで私になんのご用事で?」

「ひとつ質問に答えてもらおうと思ってな」

「質問?教会側の貴方が異教の私に?」

「ああ、二谷が異教なのはわかっていた。だが腑に落ちないことがひとつ。確かに二谷は力を加減して合格ギリギリの測定値を出してきた。だが、あらかじめ教会のメンバーとしてその基準値を知っている必要がある」

「……それで?」

「だから異教の主任であるおまえに聞きたいんだよ。()()()()()()()()()()()()スパイは誰だ?」

「さあ?私にはなんのことやら」

「とぼけるな!私はごく限られた教会のメンバーとしか基準値について相談していない。つまりだ、教会の主任クラスに異教のスパイがいる可能性だってあるわけだ」

「仮に知っていたとしても教えるわけがないだろう?」

「……いや、その反応だけで十分。これで堂々と教科の中に探りを入れることができる。ありがとう」

「このまま無事に帰れるとでも?」


「帰るさ。SNS!」

「知ってるぜ、その技。いくら偽物の人間を増やそうと、全員倒せば問題ねーだろ?「大金槌!」」


 ズドンッ!!


 重く激しい音が鳴り響き、アカウントの群衆を巨大な金槌が押し潰す。


「はっはっは!これで重松もろとも粉々だろ!」



「終わったか?」

「おう、二谷!終わったぜ。ぺしゃんこだ」

「本当にそうですかね?」

「なんだ二谷弟?俺に文句つけるのかよ?」

「いえ、そう言うわけではないですが、教会の主任クラスがそうそう簡単にやられるとは思えません」

「そういうケチはちゃんと教会に潜入できた、仕事のできるやつが言うセリフだ、二谷弟」

「返す言葉もないですね」

「おい、さっさといくぞ」

3人はその場を離れた。

二谷だけは元いた場所を振り返った。

雨はまだ降り続いている。



 ものの5分もしないうちに重松さんは戻ってきた。

「小室先生。ただいま戻りました」

「よく無事で帰ってきた。重松先生」

「木を隠すなら森の中。人を隠すなら人混みの中。ただし本物がいるとは限りませんからね」

「相変わらずだな。それで情報は仕入れたか?」

「はい、技術主任の異能とそれからスパイがいることは彼の反応から確定的になりました」

「そうか、残念だ」


「おーい、うちらを無視して話を進めんといてくれるか?試験はどーなったんや?」

「ふむ、すまない待たせたな。ではあたらめて、君たち8人、そこに並びたまえ」

改まって重松さんが整列を促す。


「今回の教会試験、最終合格者は9名だ。君たちおめでとう。だがこれがスタートラインだからな」

9名?

ここにいるのは8人だけど。

「言っただろう?言い当てることができたら全員合格だと。あの彼も立派に合格だ」

そうか。

二谷も……。

不思議な気持ちだった。

「うちは全然納得できへんけどな」

「一ノ瀬、君が納得していようがしていまいが、今回の試験官は俺だ。俺が合格といえば合格だ。二谷にはその資格が十分にあると俺が判断した」

ジャイアンみたいな理論だった。


「では面接をした順番にこちらに来てくれ」

重松さんは一冊の本、いやノートを持っていた。

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