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049.脱出方法と合格

気づけばエピソードは50個目です。何事も節目はめでたいものです。

「……よかろう。君たちは互いのペアを倒さずともこの俺に力を示し、この体育館に戻ってきた。それだけで十分に合格と言える」


「よし!」

「さすが泉や、うちは信じとったで!」

「やったね杏ちゃん!」


 ……全く、なんてやつだ。

多くの受験生を空間に飛ばしていて俺の力が分散しているとはいえ、主任である俺の空間をぶち破るとは……。

まあ嬉しい誤算ならよしとするか。

俺は残りの受験者が体育館に戻ってくるのを待った。




「さっきのスゲー音、杏介っしょ!?何があったんだよ!?」

「やあ快斗、それに、二谷じゃないか。二谷も来てたのか」

「まあね、それで何があったんだよ?」


「ああ、実はな……」



 僕たち4人は空間の中心に集まっていた。

「じゃあ一ノ瀬さん、宮坂先輩、お願いします!」

「あいよ、歯車!」


 宮坂先輩が叫ぶと、歯車が円状に集まり、僕たちを囲む。

「からすのパンやさん!」

歯車の外側に無数のパンが出現する。

……だめだ、もっと、もっと質量がいる!

()()()()()()()()()()には、もっともっとパンがいる!

「からすのパンやさん!からすのパンやさん!からすのパンやさん!」

どんどんパンの種類と数がまし、さらに膨れ上がる。


「宮坂先輩、歯車の強度をあげてください!このままだと僕たちがパンに押しつぶされます!」

「わかっている。俺の教科の力は君より強いんだからな。パンごときに俺の歯車が押し返されるわけないだろ!まわれ、歯車!」


 僕たちの作戦はこうだ。

まずこの小さな空間を脱出するには空間を出現させた重松さんより大きい教科の力で空間を破壊すればいい。

だが、宮坂先輩の歯車でもせいぜい壁に刺さる程度。

主任の力には遠く及ばない。

そこでだ。

空間そのものの許容量を超える物体を出現させれば?

その物体が増え続けて、なおかつ空間を押し返したら?

つまり、僕が狙っているのは圧迫による空間そのものの破壊。

僕より教科の力の強い宮坂先輩の歯車で、僕たちを囲い、防御壁を作る。

その外側に空間を埋め尽くすだけのパンを出現させる。

あとは……。


「やっとうちの出番やな!任せとき!爆音波!!」


 中心から振動を外側に向けて放てば……。


 ボンッとすごい音がして空間が壊れ、僕たちは体育館に戻る。

驚いている重松さんの顔が印象的だった。



「とまあ、こんな感じで脱出したんだよ」

「杏介すげーな!さすがは俺の友達っしょ!」

面と向かってそんな恥ずかしいセリフを言うな。

「僕ならそんな周りくどいやり方せずに相手を倒してたけどね」

二谷はもう少しデリカシーを学べ。


 そんな話をしていると、

「これで全員が一次試験終了だな。では改めて、集まってくれた156人のうち、ゲームをクリアした76名、それに4人加えて80人を一次試験合格とする!」


「っっしゃぁぁ!テンション上がってきたっしょ!」

「まだ一次試験が終わっただけだよ、次があるぞ、次が」


「では、合格したものはその場に残り、次の試験の指示を聞け。残念ながら不合格となったものは体育館から退出しろ」

156人中80人が合格か。

まあ試験の内容的に当然だが、半分蔵になったわけだ。

さてさて、次はどんな試験だろうか。

今回みたいに知り合いと戦うのは嫌だなと思いながら、僕は次の指示を待った。

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